『毎日新聞』埼玉版(1986年2月16日)の記事です。鳩山町宮山台の森の歴史(1986年の新聞記事から)とあわせて読むと概略がわかります。日立製作所の基礎研究所は1990年5月、40.37ヘクタールの敷地に設置されました。

緑地は60%以上保全
 鳩山 宮山台地域の開発案
  町審議会が採択

 比企郡鳩山町の中心部、宮山台地域の開発について、15日開かれた同町企業開発調査審議会(竹本寿一委員長)は「緑地を60%以上保全し、研究開発団地(仮称・鳩山リサーチ・パーク)」とする開発構想案を採択した。町当局が宮山台国有林を中心とした工業団地構想を一昨年に打ち出して以来、住民間で、自然保護か、企業誘致かの論争が続いていたが、この構想案によって今後の方向性が示された。
 町は宮山台国有林41ヘクタールを中心に、その周辺部を含め約91ヘクタールを「工業団地」とする構想だった。同国有林は、すでに日立製作所が買収、基礎研究所を建設する計画で、町は全体構想の調査、研究を日本立地センター(東京)に依頼していた。
 この日の審議会で採択されたのは、同センターが作成した案。それによると、同地域を「21世紀の主役と考えられる知識集約的な機能のセンターを形成する研究開発型団地とする」ことを提案。具体的な導入産業としては研究所、情報産業、銀行などの事務計算センター、先端技術産業などをあげている。
 構想地域は、現在ほとんどが樹林地であるが、緑保全については手を加えない「保全緑地」を40%、「造園緑地」20%の計60%の緑地確保を求めている。また、日立製作所の基礎研究所建設を第1期開発地域とし、全体の91ヘクタールを3期に分けた段階的開発を提案している。
 同地域は、第2次総合振興開発計画で、これまで「レクリエーション緑地」と定めていたが「工業系地域」に変更する改定案が、県からの同意を得ており、町は3月定例議会に改定案を提出、可決されれば、同構想に沿って開発が進められる。
  『毎日新聞』埼玉版(1986年2月16日)