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桶川市

「薩摩芋を繊に裁る」とは? 2月7日

桶川市川田谷生涯学習センター・道の駅べに花の郷おけがわで開催された『明治・大正いも万博』で、歴史民俗資料館展示室では「おけがわ甘藷奇譚」を実施していました。展示資料の中に1903年(明治36年)に報知新聞で連載され熱狂的な人気を博し、単行本として刊行されるや空前の大ベストセラーとなった村井弦斎『食道楽』がありました。『食道楽』は春・夏・秋・冬の4部構成で和洋中の600数十種の料理が登場しています。同書冬の巻巻末の付録『食道楽料理法索引」を整理した岩波文庫『食道楽』(2005年、解説:黒岩比佐子)下巻末の「料理法索引」には薩摩芋の料理として、「薩摩芋入りの餅、薩摩芋の梅干しあえ、薩摩芋の粥、薩摩芋の酢煮、薩摩芋の西洋料理、薩摩芋のセンの煮物、薩摩芋のソフレー、薩摩芋の茶巾絞り、薩摩芋のプデン、薩摩芋のフライ、薩摩芋のマッシ、薩摩芋の蒸物、薩摩芋のロース、薩摩芋飯」が挙げられています。

『食道楽』春の巻口絵「大隈伯爵邸台所の図」
食道楽春の巻口絵(大隈伯爵家の台所)食道楽芋料理

歴史民俗資料館の展示では『食道楽』春の巻第18「芋料理」が配布されていました。その中に
……妻君まず芋の大なるものを択び「お登和さん、何から先へ致しましょう。」お登和「そうですね。何に致すにも一旦先へ茹でますから茹でるように皮を剥いて裁って下さい。私が今こちらのを繊に截ります。」と自分は庖丁を取りて芋の繊を截り始む。その内に妻君と下女は芋を適度に切りて鍋に入れつつ妻君フト顧りみ「お登和さん、大層マア長いセンが出来ましたね。二尺も三尺もどこまでも切れないのが不思議です。よくそう綺麗に平に出来ますね」と打驚く。お登和なお手を停めず「イイエ私は下手でございます。上手な人はモット綺麗にモット細くどこまでも切れずに致します。全体薩摩芋より里芋の方が繊にすると綺麗に出来ます。……
岩波文庫版『食道楽』(上・下、2005年)では、この部分は上巻62頁です。
……妻君先ず芋の大なるものを択び「お登和さん、何から先へ致しましょう」お登和「そうですね、何に致すにも一旦いったん先へ湯煮ゆでますから湯煮るように皮をいてって下さい。私が今此方こちらのをせんに截ります」と自分は庖丁ほうちょうを取りて芋の繊を截り始む。その内に妻君と下女は芋を適度に切りて鍋に入れつつ妻君フト顧りみ「お登和さん、大層マア長い繊が出来ましたね。二尺も三尺も何処どこまでも切れないのが不思議です。よくそう綺麗きれいたいらに出来ますね」と打驚うちおどろく。お登和なお手を停めず「イイエ私は下手でございます。上手な人はモット綺麗にモット細く何処までも切れずに致します。全体薩摩芋より里芋の方が繊にすると綺麗に出来ます。……
「繊に截る」とは、「二尺も三尺もどこまでも切れない」とありますので、包丁で薩摩芋を細く糸状に切る(千切りする)のではなく、茹でた薩摩芋を回しながら包丁で長く「桂剥き」して、それを「繊に截る」(千切りする)ということなのでしょう。

YouTubeで薩摩芋を包丁で桂剥きしている動画は見つけられませんでしたが、包丁で長芋・大根を桂剥きしている動画や「業務用スライサー」で桂剥きしている動画はありました。

 

 

明治最大のベストセラー作家 村井弦斎

明治・大正いも万博 2月7日

桶川市川田谷生涯学習センター・道の駅べに花の郷おけがわで開催している『明治・大正いも万博』を見学しました。
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「さつまいも」とは?、おけがわのさつまいも栽培の歴史、さつまいものゆくえ、さつまいものこれから
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さつまいもの「実は…」(桶川市農政課、2026年2月)
実は寒がりです!、おいしいのは年明けです!、おいも農家はけっこう大変!、桶川は「おいもの街」だった!、1年で大量に消費されている!
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紅赤・おいらん・太白
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【紅赤】:1898年(明治31年)埼玉県の山田いちが発見。民間育種の草分けでロングセラー。細くて長く、皮色は鮮紅色。普通に作ると収量も少なく大小不ぞろいになる。短い時間で蒸し上がり、風味も良いので、きんとんや天ぷらに最適である。「金時」はこの品種の同種異名である。千葉県が主産地。

【おいらん】:地上部の繁茂はやや大きい。皮色は淡褐色をおびた紫紅色、肉色は白く中央に紫暈(うん)がある。肉質はやや粘質。でん粉含量は低い。収量はやや多い。

【太白】:関東地方で多く栽培された品種。皮色は鮮紅色、肉色は白色で肉質は粘質。いもは長紡錘形。甘味強く食味よい。育苗困難、耐干性低く栽培しにくい。(日本いも類研究会さつまいもの品種と特性」から)

※井上浩『川越地方のサツマイモ文化史』(井上健、2024年7月)


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