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クビアカツヤカミキリ

物見山でクビアカツヤカミキリのフラス発見 12月11日

12月9日、岩殿の物見山公園でクビアカツヤカミキリの調査をした熊谷市のSさんから「物見山山頂付近で4本のサクラの木にフラスが出ている」というメッセージをブログにいただき、四阿付近のサクラでフラスを確認しました。フラスはサクラの木の中にいるクビアカツヤカミキリの幼虫が排出するフンと木くずの混合物です。
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カリントウ状のフラスとバラバラに崩れたフラスです。

クビアカツヤカミキリ成虫拡散防止ネット、捕殺道具
7月6日に訪れた栃木県佐野市の城山公園(佐野城跡)。サクラの木にクビアカツヤカミキリの成虫拡散防止ネットが巻かれていました。出会した公園管理者がここだけで数百匹捕殺したと教えてくれました。

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ナラ枯れも拡がっていて、園内のコナラにはカシノナガキクイムシ脱出防止粘着テープが巻かれていました。
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『クビアカツヤカミキリの防除法』(森林総研) 9月3日


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第3章 地域での総合防除への提言では、被害の程度に応じて地域での防除法がまとめられています。
(1)被害が甚大な地域における防除 ~伐採と他種植栽・散布の効率化~
(2)被害が中程度の地域 ~モニタリング強化と化学・物理的防除の徹底~
   被害木が高密度になっておらず、中心の被害地でも被害木と無被害木が混在する地域
(3)侵入間もない被害先端地域 ~オンラインマッピングの応用~
   クビアカツヤカミキリの分布が拡大しつつある地域近辺で、被害がまだ確認されていない箇所
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東松山市内ではこの間、数箇所でクビアカツヤカミキリが新たに見つけられているようです。被害木の伐採はしていないようですが、被害の程度に応じた防除法がとられているのでしょうか。

森林総研関西支所では、2022年6月11日(土)龍谷大学響都ホール校友会館で「外来カミキリムシから花咲く春を護る」というテーマで公開講演会を開催しました。そのときの講演内容をYouTubeで見ることができます。
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 ※加賀谷悦子「クビアカツヤカミキリは日本でなぜ脅威となったのか」(『森林科学』89巻、2020年)
 ※田村繁明・加賀谷悦子「日本におけるクビアカツヤカミキリの分布拡大の経過」(同上)

   

  

 ※春山直人「栃木県におけるクビアカツヤカミキリの発生と対応状況」(『森林科学』89巻)

   

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 ※長竹優空・中嶋愛美・田中雅紀・根岸良行「特定外来生物からサクラを守る〜クビアカツヤカミキリの調査と対策について〜」(『森林科学』89巻、2020年)

※三輪誠・角田裕志・嶋田知英「埼玉県における県民参加による“クビアカツヤカミキリ発見大調査”とそのデータの活用」(『日本緑化工学会誌』47巻4 号、2022年5月)
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 1. はじめに
 2. クビアカツヤカミキリ発見大調査
 3. 埼玉県内におけるクビアカツヤカミキリ被害の状況
 4. クビアカツヤカミキリの分布拡大予測
これまでに示したとおり、埼玉県内では、クビアカツヤカミキリによる被害地域の拡大が続いている。それでは、今後、県内では、クビアカツヤカミキリはどのように生息分布を拡大していくのだろうか。これを予測するために、「クビアカツヤカミキリ発見大調査」で得られた被害に関する分布情報と、コンピューターシミュレーション手法を組み合わせて、生息分布拡大を予測するシミュレーションモデルを開発した。なお、このモデル開発は、東京都立大学大学院都市環境科学研究科の大澤剛士博士との共同研究で行った。
その結果、開発した分布拡大を予測するシミュレーションモデルから、今後、県内のクビアカツヤカミキリは、①河川沿いのサクラ並木に沿って分布拡大する可能性があること、②山林の比率が高い県西部への分布拡大は限定的である一方、県中央部から東部にかけて分布拡大する可能性が高いことがわかった。このことは、クビアカツヤカミキリがサクラ並木を伝って移動し、そこを起点に拡散することで、県中央部から東部にかけて生息域を拡大する可能性があることを示唆している。この研究成果により、クビアカツヤカミキリの侵入や被害発生をより焦点をしぼって効率的に調査できることから、開発されたモデルは、被害の早期発見と防除に役立つと考えられた。(注略 下線引用者)
  ※大澤剛士・角田裕志・嶋田知英「 Establishment of an expansion-predicting model for invasive alien cerambycid beetle Aromia bungii based on a virtual ecology approach 」( Management of Biological Invasions (2022) Volume 13, Issue 1: 24–44 )

 5. まとめ
「クビアカツヤカミキリ発見大調査」の結果より、埼玉県内では、被害地点数の増加は頭打ちになりつつあるものの、年々被害地域が拡大していることが分かった(表―1 および図―2)。また、この調査で得られた被害情報を活用したシミュレーションモデルから、県内におけるクビアカツヤカミキリの分布拡大の傾向を予測することができた。
これらのことは、被害の早期発見と防除に極めて有用な情報である。これらの有用な成果が得られた背景には、これまで示してきたとおり、調査に参加していただいた県民の“力”が大きくかかわっていることは言うまでもない。それに対する感謝の意を込めて、県民が関わって得た情報が実際にどのように活用されているのかがわかるように示すことが大切であると考えられる。このことから、個人情報管理による制約はあるものの、この調査では、できる限り調査地点を地図上に示し、“見える化”することで被害情報を発信することを心掛けている。これにより、調査に関わった県民は、自らのデータが被害防止に活用されていることを知ることとなる。
当センターでは、今後も、「クビアカツヤカミキリ発見大調査」などで得た有用な情報を、ホームページなどを通して随時発信し、被害の早期発見と防除に役立てていきたいと考えている。埼玉のサクラを守るため、クビアカツヤカミキリの被害や成虫の発見情報の提供に、ぜひとも御協力いただきたいと考える次第である。(注略 下線引用者)

サクラの外来害虫“クビアカツヤカミキリ”情報(埼玉県環境科学国際センター)

市民環境会議・クビアカツヤカミキリの脅威と対策 7月17日 

22年度第1回市民環境会議『東松山市の桜が危ない クビアカツヤカミキリの脅威と対策』が総合会館とオンラインで開催されました。
埼玉県環境科学国際センターの三輪さんの『サクラの外来害虫“クビアカツヤカミキリ”の生態と防除-被害防止の手引きを中心にして』の資料はこちら
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※埼玉県環境科学国際センター『クビアカツヤカミキリ発見大調査マニュアル 2022』。クビアカウォッチャーズ募集中です!

環境政策課から『東松山市クビアカツヤカミキリ駆除奨励品交付事業について』の説明がありました。
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※東松山市のクビアカツヤカミキリ駆除奨励品交付事業について、詳細ページはコチラです。
クビアカツヤカミキリ駆除奨励品交付事業チラシ


※YouTube『捕まえると賞金が貰える外来昆虫を乱獲して市役所に持っていきました。』(もりぽこ/
エマスチャンネル10:46)2021年7月18日公開
 

『クビアカツヤカミキリの防除法』(森林総研) 6月29日

国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所(森林総研)から3年間の共同研究の成果をまとめたクビアカツヤカミキリの防除マニュアル『クビアカツヤカミキリの防除法』(2022年3月)リーフレットが発行されました。「クビアカツヤカミキリは大変にたちが悪い害虫です。知らない間に新たな地域へと分布を拡げて木を食い荒らし、気が付いたときにはどこから手を付けたらいいのかという位に果樹園や街路樹の木が衰弱してしまうことがしばしばです。しかし、被害の初期から丁寧に防除をすると、その土地のモモやサクラを守ることができます。」(1頁)。第3章地域での総合防除への提言(24~26頁)では、早く見つけてしっかり伐るが強調されています。
(3)侵入間もない被害先端地域~オンラインマッピングの活用~
クビアカツヤカミキリの分布が拡大しつつある地域近辺で、被害がまだ確認されていない箇所では、注意深く警戒することにより、被害木が少数のうちに被害の発生を発見し、防除活動を行うことができます。そのような被害先端地域では、被害の初期に積極的な防除を行い、局所的に根絶させることによって、長期的に見ると最も防除コストを小さくすることができます。そのため、この段階では被害木全てを伐倒駆除することを強く推奨します。伐倒以外の防除方法では、 100%の駆除はできません。長い間丁寧に排糞孔の処理を重ねても、本種は産卵数が非常に多いので、低密度のままで保つことはとても難しいです。早期に被害を発見ができた地域では、後顧の憂いを断つよう次の夏までに全被害木を地域から無くしてしまうのが一番です。実際に、海外で外来種対策が進んでいる国では、穿孔性の外来害虫の侵入をひとたび発見すれば被害木を即伐採し、その周辺地域での被害モニタリングを何年も継続して行うことが対策の基本とされています。
被害先端地域での被害の早期発見には、周辺地域での被害状況に基づく侵入警戒が重要です。そのためには、行政区を超えた情報共有が重要となります。情報共有には、リアルタイムオンラインマッピングができるクビアカツヤカミキリアンケートのサイト (27ページ)を活用していただきたいと考えています。自治体等の対策担当者は、被害地図を閲覧可能な団体である「クビアカツヤカミキリ被害リアルタイムオンラインマッピングシステム閲覧管理協議会」にご加入の上、情報共有のプラットフォームとしてご利用いただくことをお勧めしています。この協議会はクビアカツヤカミキリによる被害情報を共有することによって、被害対策の効率化をめざすオンラインのバーチャルな組織です。(26頁)[下線引用者]
終わりに
クビアカツヤカミキリの被害は瞬く間に全国的な問題となってしまいました。被害の深刻な場所では少し街中や園地を見回るだけで、オレンジ色のフラスにまみれた、この先の枯死を防ぐことが難しそうな木を見つけることができます。しかし、難防除の外来種であっても、科学的に効果が高いと認められた防除方法を用いて、計画と検証をしっかりしながら対策を進めることで、被害の進行を食い止めていくことが十分可能になってきました。……
本種の対策は、被害地に直接関係する一部の人だけで進められるものではありません。被害エリアを正確に把握するための探索や幼虫・成虫の駆除活動に、本種の被害の恐ろしさを知る様々な立場の人が継続的に関わっていくことで、はじめて有効な対策が可能になっていきます。……(28頁)[下線引用者]
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7月17日(日曜日、11:00~12:30)、東松山市・環境基本計画市民推進委員会主催2022年度第1回市民環境会議が開催されます。『東松山市の桜が危ない クビアカツヤカミキリの脅威と対策』をテーマに埼玉県環境科学国際センターの三輪誠さんの講演「サクラの外来害虫クビアカツヤカミキリの生態と防除」、東松山市環境政策課から「東松山市のクビアカツヤカミキリ駆除奨励品交付事業」の紹介があります。(7/12市民環境会議案内(2022年6月15日記事

7/17市民環境会議案内 6月15日

717日(日曜日、11:00~12:30)、東松山市・環境基本計画市民推進委員会主催2022年度第1回市民環境会議が開催されます。『東松山市の桜が危ない クビアカツヤカミキリの脅威と対策』をテーマに埼玉県環境科学国際センターの三輪誠さんの講演「サクラの外来害虫クビアカツヤカミキリの生態と防除」、東松山市環境政策課から「東松山市のクビアカツヤカミキリ駆除奨励品交付事業」の紹介があります。申し込み用メールアドレス( KANKYOSEISAKUKA@city.higashimatsuyama.lg.jp )。

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紹介:行田市のクビアカツヤカミキリ奨励品事業(21年度)

 駆除総数 1936匹
 奨励品交付 人数38人、件数62件
 クビアカツヤカミキリの駆除には発見場所(分布図)のデータ公表が必要です。

足利市斎場のサクラ 4月5日

栃木県足利市新山町12-3にある足利市斎場の側を流れる袋川のサクラです。ここのサクラもクビアカツヤカミキリ成虫の拡散防止ネットが装着されていました。
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※『クビアカツヤカミキリ防除対策マニュアル』(栃木県、2018年10月)
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※『クビアカツヤカミキリ防除の手引き』(東京都環境局、2021年3月)
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下奈良「桜の園」 4月5日

熊谷市下奈良1377、新奈良川(準用河川)の第1調整池の周りに植えられたソメイヨシノ。クビアカツヤカミキリ成虫の拡散防止ネットが装着されていました。
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※『サクラの外来害虫“クビアカツヤカミキリ”被害防止の手引(第5版)』(埼玉県環境科学国際センター、2020年10月)
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柿沼貴志議員(県民会議)からは、クビアカツヤカミキリの被害防止に関して質問(1.県内の被害状況と対策の状況、特に県民への周知は強化すべきと考えるがいかがか 2.個人に対する奨励金や防除用品の配布や伐採への補助も必要と考えるが、県の考えは? 3.被害の撲滅には協議会を作るなど地域一帯で取り組むべきで市町村連携も図るべきだが、県の考えは?)と小池環境部長からの回答

 

チッパー作業 8月20日

市民の森保全クラブ追加作業日。参加者は芦田さん、新井さん、鳥取さん、橋本さん、細川さん、Hikizineの6名でした。今日は文化まちづくり公社の皆さんとチッパー作業をしました。今年度6月11日25日に続いて3回目です。ウッドチッパーは共立のKCM125DXで最大処理径125㎜です。能力以上の太い枝はいれないように気を付けながら作業していたのですが、バラバラの太さの枝を入れた時に詰まって動かなくなりました。
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市民の森作業道下は片付きましたが、岩殿F地区の植物調査枠の東側のものは未処理で終わってしまいました。残念です。
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今日の作業


明後日22日は8月第4日曜日の作業日です。10:00~11:30までオンラインZOOM
ミーティングで親子DE市民環境会議が開催されるので、参加者は少なくなりそうですが現場作業は林床の草刈りをすることにしました。熱中症にならないよう水分補給。マイボトルを忘れずに!
市民環境会議で報告する『2021年夏の市民の森と冬の落ち葉掃きイベント』(市民の森保全クラブ&岩殿満喫クラブ)は、8月18日のブログ記事で見られます。

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