岩殿満喫クラブ 岩殿 Day by Day

市民の森保全クラブ Think Holistically, Conduct Eco-friendly Actions Locally

ナラ枯れ

市民の森活動日 11月19日

市民の森保全クラブ活動日。参加者は芦田さん、木庭さん、鳥取さん、細川さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの7名でした。今日はいろいろな仕事をしました。
①木庭さんが持ってきてくれたペットボトルをカッターで切断しました。上の口の部分は鳥取さんがカシナガトラップ作成に使用、残りの下の部分はコナラのドングリや発根した実生を育てるポット苗作り、カブトムシの幼虫を入れる容器に使います。
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②ミニホダ木の駒打ち。13日のイベントで残ったシイタケの駒をホダ木に打ち込みました。打ち込み後は必ずたっぷり散水する。木口に菌糸が発菌するまでは一周間に2回程度、ホダ木全体が濡れるように水を撒くことが肝要です。
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③コナラの苗作り。ドングリを地面に直に撒くほか、植木鉢、プランター、宅配ボックス、樹脂ポット、ペットボトル、牛乳パックなどを使ってみます。水やりなしで野外で育てることになるので、場所や置き方など試していきます。
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④熊手の点検。落ち葉掃きに使う熊手の柄を子ども用に短く切りました。現在使えるものは27本あります。12月26日、1月8日は参加者全員に1本宛わたせるように準備しておきます。
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⑤ドラム缶で焼き芋づくり。今日は紅はるかです。ねっとり系は紅はるか、安納芋、ホクホク系は紅あずま、鳴門金時。美味しい焼き芋の作り方や焚き火の仕方など研修しています。戸外なので、薪、小枝、落ち葉、稲ワラなど燃すものや焼き方(焚き火やドラム缶、石焼き芋)なども試せます。
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京都府林業試験場(現・森林技術センター)業務月報(2014年6月号)
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  当センターではカシノナガキクイムシの穿入に伴うナラ枯れ被害を抑えるため、さまざまな防除法を開発してきました。特に、ペットボトルの先端を重ねたトラップを幹に吊すことで、幹周辺でホバリングする成虫を大量捕獲する方法は、メディアでも大きく取り上げられました。
 このトラップは、カシノナガキクイムシの生態を徹底的に調べ、視力が弱く、歩行が苦手なことを解明した基礎研究によって開発できました。また、これを改良した既製品「カシナガトラップ」は、京都府内だけでなく、近畿府県でも設置され、貴重木の保護に活躍しています。


京都府のナラ枯れ対策
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 カシナガの攻撃を受けた木が枯れるのは、カシナガが樹体内に持ち込む病原菌(ナラ菌)によって、水を通す管が詰まるためです。近年になって被害が拡大したのは、薪炭林の利用が低下し、カシナガが好む太い木が増えたためと考えられています。
 ナラ枯れは伝染病であり、枯れ木を放置すると、翌年に成虫が脱出して被害が拡がってしまいます。そのため、枯れ木を切り倒して毒ガスで殺虫する方法や、木にビニールシートを巻いたり塗布剤を塗ったりしてカシナガの攻撃を防ぐ方法が取られます。
 しかし、これらの方法だけでは被害を減らすことが難しいため、京都府では「カシナガトラップ」を活用しています。
 このトラップはペットボトルの先端をつなげた形をしており、下部にエタノールの入った容器を取り付けています。すると、エタノールに誘われてやってきたカシナガが木に穴を開け、同時にフェロモンを発散してたくさんの仲間を呼び寄せます。こうして集まってきたカシナガを、漏斗状のトラップに誘い込むことで、捕獲するという仕組みです。この方法で、1週間で1万頭以上が捕れることが
あります。
 カシナガによって一気にたくさんの穴を開けられた木は抵抗できずに枯れてしまいますが、少しの穴なら枯れません。カシナガトラップは、木に飛来したカシナガの大半を捕獲することで、一気にたくさんの穴が開くのを防ぎ、木を守ります。こうして守られた木は、樹体内にタンニンなどが蓄積され、カシナガに対する抵抗力が増し、枯れにくくなります。守りたい森に3年程度継続してトラップを設置すれば、抵抗力が高い木が増え、その木自身がカシナガを駆除するようになります。

カシナガ捕獲トラップ(TWT)の作り方 11月9日

市民の森保全クラブでは、来年5月に市民の森のナラ枯れ蔓延防止策として、ペットボトルとクリアファイルを使った2種類のトラップでカシナガキクイムシ捕獲プロジェクトを実施します。ペットボトルのカシナガトラップは鳥取さんが試作品を10月15日に尾根の道沿いのコナラに取り付け、トラップ100本の作成を目指しています。市民の森保全クラブではペットボトルトラップと併行して、静岡県経済産業部で開発されたA4クリアファイルを加工したTWT(トランク・ウィンドウ・トラップ trunk window trap)も設置します。trunk は木の幹、樹幹です。作成方法と設置方法について確認しておきます。

(福島県森林林業部「カシノナガキクイムシ被害対策について」から)
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 『静岡県ナラ枯れ被害対策ガイド』(静岡県ナラ枯れ被害対策協議会、2016年2版)

  


東京都町田市では、市民参加で「ナラ枯れ・カシナガ捕獲大作戦」が実施され、市民ボランティアが手づくりのTWTを設置・管理しています。
 

 

 

 ~未来へまちだのみどりを伝えようプロジェクト~
 

町田市のこの取り組みは各地に拡がっています。しっかり学び、活用しましょう。


焚き火を始める 11月5日

市民の森保全クラブ、11月最初の活動日です。参加者は芦田さん、新井さん、木庭さん、鳥取さん、橋本さん、細川さん、渡部さん、Hikizineの8名でした。ボッシュ林側の休憩所は日が差さず寒いので、朝の打ち合わせは市民の森南向き斜面の休憩スポットで行うことにしました。
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ドラム缶での焚き火、プロパンボンベのストーブの使用開始。初回は細川さん差入の児沢のサツマイモを焼き芋にしました。焚き火の焼き芋はおいしい。
焚き火やストーブの灰は、今まで畑に使ってきましたが、これからは市民の森のアカマツ林・コナラ林の土中環境の改善にも使っていきます。着火剤などは使わずにマッチで火を付け、木屑や落ち葉、篠や田んぼで使った竹も上手に燃せるようになりましょう。これから毎回、作業日には焚き火をします。籾ガラくん炭作りも再開できるとよいのですが……。
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家族分の焼き芋が欲しければ毎回焚き火はするので、自家用のサツマイモを持って来て焼いて下さい。
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     (『地球守』高田宏臣コラム21年10月9日記事)

20年位前から西日本を中心に問題視され始めたナラ枯れもまた同様に、今年は関東でも広域で蔓延し、それが大きな話題になりました。

 山全体の広域において、林冠を占める広葉樹高木がパッチ状に急速に枯れてゆく光景は、東日本ではこれまであまり見ることのなかった印象的な現象です。

特定の樹木が目立って枯死衰退する際、現代は、その原因として何らかの病気や虫を特定しようとされます。ナラ枯れやシイノキ枯れについてもまた、カシノナガキクイムシの穿孔による樹液の閉塞やそれに伴う病原菌の蔓延が原因とされます。

本来、環境悪化の「結果」であるはずの樹木大量枯損や広域に及ぶ衰退を、単に虫や病気の発生をその「原因」ととらえてしまうことは、問題の本質をますます遠ざけてしまうことにつながってしまいかねません。

 この夏に急速に枯損したマテバシイの幹から黒い樹液が涙のように流れ伝います。これもまた、大量のカシノナガキクイムシの攻撃を受けた個体によくみられる姿です。カシノナガキクイムシの大量攻撃にさらされた個体はほぼ、短期間で枯死していきます。このキクイムシが枯れるべき個体を最終的に枯らしてゆく役目を担っているのは確かでしょう。いずれにしても、枯損した個体の多くに大量のカシノナガキクイムシが発生していることは間違いありません。

パッチ状に枯れていくのは、カシノナガキクイムシが同じ山において攻撃する木とそうでない木を選択しているのか、あるいは攻撃にさらされてもキクイムシに侵されて枯れる木と、枯れない木があり、その違いは何なのか、そこに視点を向ける必要があります。

また、激しい枯損の目立つ山域に隣接しながらも、枯損が少ないか、あるいはまったく枯損のない山域もあります。その違いは何なのでしょうか。

このことについては、現地の土中環境を流域全体の視点から丁寧にみてゆくことで、その傾向が自然界の仕組みとともに把握されます。

今年になって関東広域で急増したナラ枯れシイ枯れは、局所的な土中通気浸透性の劣化の問題を超えて、広域の山全体の土中環境がもはや森林を維持できないほどに荒廃してしまっていることを示唆しています。

その理由は、近年の激しい気候変化に伴う木々のストレスももちろんあるでしょうが、やはりなにが土中の通気浸透環境を荒廃させてしまったか、そこから考えてゆく必要があります。

キクイムシは樹幹内に穿孔して成虫幼虫共に樹木の材を食べる甲虫の総称で、その種類は数百種にも及びます。

キクイムシは一般に衰弱して樹液の流れの悪くなった個体に穿孔し枯れるべき木を枯らして森の更新を促すのが彼らの仕事と言えるのです、

 私も造園人生初期の若いころは、キクイムシの穿孔に対して、穿孔穴に薬剤を注入して殺虫するということをやってた時期があります。それは今も一般的に行われている通常の方法です。

 殺虫によって、樹木は延命しますが、その樹木の置かれた環境そのものを改善しない限り、キクイムシの穿孔・薬剤注入と、その繰り返しの果てにますます衰退してゆくという悪循環に陥る、それはまるで、副作用の強い薬で延命させる現代医療のようで、その悪循環の果てに環境はますます荒廃していきます。

 キクイムシが先行する個体は樹液の流れが悪く樹勢すぐれない理由があり、そこを改善せずに単に虫を殺虫してもそれは樹木の延命に過ぎず、衰弱は収まることなくいずれは枯れてゆく、そうしたことをもまた、身をもって経験してきました。

 薬剤による防除が結局は根本的な解決につながらないことを私たちは散々知っているからこそ、木々が健康に生育できる環境を整えることで、森全体として健康な状態を再生することの他に、根本的な解決はないということを伝えたいのです。

健康な木においては、キクイムシは坑道を塞ぐ樹液に阻まれて穿孔できず、あるいは窒息し、樹木はダメージを受けることはほとんどありません。

 高木や太くなった木が代謝に必要な水分を吸い上げられない状態になったとき、樹液の流れも停滞し、その時がキクイムシの穿孔のチャンスとなり、一斉に枯れてゆくケースがよく見られます。。

 だから、特に大量の蒸散が必要な夏の時期に一斉に枯損が進むもので、今年の広葉樹枯れにおいてもやはり、7月以降、夏に大量の枯損が広範囲で見られました。

 よく、カシノナガキクイムシは健康な樹体をも侵すこともあると言われます。

それが、薬剤防除の根拠とされてしまうのですが、実際に被害地に分け入り環境状態、表土の状態をきちんと観察すれば、一見遠目には健康な状態に見えても実はその山域全体において健康な状態ではないことがすぐに分かるのです。

落ち葉はゴミではありません!
掃いて捨てるものではなく、土地を育て、生命を育む「宝物」です。
このプロジェクトをきっかけに、土中環境を育む菌糸のネットワークに欠かせない落ち葉の役割、そして葉を落とす木々をあたたかく見守るまなざしを、多くの方と共有できればうれしいです!

地球守式どんぐりポットの作り方 YouTube 12:11(2021年11月2日公開)
  


粘着シートの生きもの 10月26日

虫むしホイホイ(カシナガキクイムシ捕獲シート「かしながホイホイ」をロールにしたもの)にはカシノナガキクイムシ、ヨシブエナガキクイムシだけでなく、樹上生活をしているもの、樹液を吸いにくるもの、さらに、それらを餌にしよう、体液を吸おうと近づいて粘着シートにくっついてしまう生きものもいて実に様々です(9月25日記事10月5日記事)。

りーっりーっと鳴くアオマツムシ
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市街地にもいますが、樹上生活をしています。

コガタスズメバチ
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ハサミムシ
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ヤマカガシ
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10月5日にはアオダイショウ

粘着シートを点検しながらコナラのドングリを拾いました。
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日が落ちる時、林の一角が一瞬眩しく輝きます。
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刈れたコナラを伐採 10月24日

市民の森尾根の道上り口付近のナラ枯れ被害木(№3、胸高直径35㎝)を鳥取さんが高所作業で梢部分を処理し伐採しました。
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地面から2m付近までは4本に切断しました。文化まちづくり公社が現場で燻蒸処理するそうです。ありがとうございます。
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10月15日に設置したカシナガ捕獲トラップ試作品の側でナラ枯れ被害について説明する鳥取さん。市民の森保全クラブではこの冬、カシナガトラップを100セット作ります。1セットで2Lのペットボトルが25本、500ccが1本必要になるので協力をお願いしました。
ナラ枯れをこれ以上拡げない対策としてカシナガトラップと併行して、クリアファイルトラップ(TWT)設置も考えています。『薪ストーブライフ』42号(2021年9月5日記事)を読んだ時から、カシナガトラップの考案者小林正秀さんがクリアファイルトラップについてどのような評価をされているのか気になっていました。小林さんのフェイスブックに以下の投稿がありました。フェイスブックにログインしてコメントも読んで下さい。
小林 正秀
クリアファイルトラップは、1本の木に1~2個が設置されています。
開発者に「こんな簡単な方法で、ほんまにナラ枯れが減るのか?」と質問しました。
すると「正しく設置したら減る」と回答されました。
そこで「クリアファイルトラップを木に2個だけ付けるのは正しいのか?」と問いました。
すると「2個は少なすぎる」と返事がありました。
そこで「カシナガトラップを真似たのなら、私がやっているように、クリアファイルトラップの設置現場に助言すべきだ。間違った設置で、ナラ枯れが拡大するのは、伝染病なので大問題だ」と指導しました。
開発者から「わかりました」との返事をいただきました。
クリアファイルトラップのよな簡単な装置では、正しく設置しても、ナラ枯れは抑えられないので、カシナガトラップを開発したのですが…
……(コメント略)……
こんな簡単な方法でナラ枯れが抑えられるなら苦労しませんわ。自然をなめてますねー。

ジャノメチョウ(左)、ウラギンシジミ(右)
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カシナガ捕獲トラップ取り付け 10月15日

市民の森保全クラブ定例活動日。参加者は芦田さん、参加者は芦田さん、木庭さん、鳥取さん、橋本さん、細川さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの8名。
市民の森保全クラブ今日の活動(その1)
鳥取さんが作製したペットボットルのカシナガ捕獲トラップの試作品が完成。トラップを市民の森尾根道入口付近のコナラに取り付けました。
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小林正秀さん作製のオリジナル、商品化されているものとは逆さにしたペットボトルの口の部分のつなぎ方等が異なっています。キクイムシが群飛するという秋雨の時期が終わり、気温が低くなってきているので大量捕獲は無理でしょうが、どのような結果が出るか楽しみです。

 

カシナガトラップによる捕獲の瞬間(YouTube 小林正秀チャンネル 3:09)
 
木の周りをホバリングしながら飛んでカシナガがトラップに衝突し、ペットボトルにぶつかりながら脱出できずに、下の黒いテープで覆われた捕獲部まで落ち、正の走光性があるので、となりの明るいペットボトルに飛んで、エタノール(or 石鹸水)を入れた水におちて死亡します!

温暖化がナラ枯れを助長している(YouTube 小林正秀チャンネル 2:42)2021年9月26日公開
 

NPO birth の「ナラ枯れ」記事・動画紹介 10月13日

2018年2月に環境基本計画市民推進委員会が実施した「環境学習会2018」の第2回学習会『市民参加による里山林の保全・管理を考える』で講師の島田和則さんが雑木林の皆伐更新を実施している公園として紹介された都立小宮公園を同年8月に見学しました。公園の指定管理者は西武・多摩部の公園パートナーズで、その構成員が西武緑化管理株式会社、特定非営利活動法人NPO birth(バース)、一般社団法人防災教育普及協会でした。その後、birth の顧問の品田譲さんやレンジャー部のリーダーの蜂須賀公之さんの著作を読みながら、身近な自然を守ることを目標に掲げ、18の都立公園と54の市立公園を管理し、自然環境の保全や環境教育、イベント企画・ボランティアコーディネートなどを手がけているNPO birth(バース)の活動に注目してきました。

埼玉県内では、2019年9月、新座市において初めて「カシノナガキクイムシ」によるコナラへの被害が確認され、21年8月18日現在で、新座市、さいたま市、志木市、川口市、狭山市、川越市、所沢市、入間市、飯能市、上尾市、三芳町、和光市、東松山市で「カシノナガキクイムシ」によるナラ枯れが確認されています。南関東各地でナラ枯れ被害が拡大しており、市民の森保全クラブでは高坂・高坂丘陵地区で拡大しているナラ枯れにどのように対処していくべきか、各地の情報収集に努めています。

birth の管理する都立公園においてもナラ枯れ被害が拡大しており、昨年9月のブログで報告(9月4日記事「東京都でナラ枯れ被害が拡大しています!」、9月7日記事「カシノナガキクイムシ捕獲機」)されています。さらにbirth のサイトには特集記事『ナラ枯れ被害が拡大しています! ナラ枯れとは?その原因は?対策はあるのか?』が掲載されています。その構成は以下のとおりです。
ナラ枯れとは何か?
なぜナラ枯れは発生するのか?
ナラ枯れの診断方法
 ①夏から秋に赤茶色になった樹木を確認
  【狙われやすい場所】
 ②カシノナガキクイムシの入り込んだ穴(穿孔)の確認
ナラ枯れから樹木を守るために -防除方法-
 【これ以上広がらないようにする対策】
  ★伐倒駆除+くん蒸、破砕
  ★立木処理+くん蒸、粘着シートによる穿入防止
  ★クリアファイルトラップ
 【予防対策】
  ★樹幹注入による予防

※この特集記事にかかわる資料として、「ナラ枯れ文献⑧狭山丘陵におけるナラ枯れ被害調査と対策について 2021年9月8日記事)」があります。

※YouTube NPO birth Channel のナラ枯れ動画
  

  

※このブログ(『岩殿満喫クラブ 岩殿 Day by Day』)のナラ枯れに関わる記事はカテゴリ「ナラ枯れ」でご覧下さい。

フラス木追加 10月9日 

岩殿C地区の奥のコナラ2本(№801・802)にフラスが出ていました。
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フラスの出ているコナラは、№001~038、№201~248、№401、№601~621、№801~802の110本になりました。

フラス木追加 10月5日

昨日の舗装園路の調査の続きです。ボッシュ林から峠道分岐点まで4本、№618~621。分岐点から尾根の道・谷の道(峠道)まで9本、№240~248。
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アオダイショウの幼蛇は斑紋があってマムシに似ているといいますが、これはアオダイショウです。
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「ニホンマムシの確定的な特徴は鋭い目つきを思わせる縦長の瞳孔(黒目の部分)です。日本の蛇は昼行性で円形の瞳孔のものが多く、夜行性動物に特有の縦に細長い瞳孔をもつ蛇はニホンマムシだと考えて構いません」。「アオダイショウの虹彩は、その名前のとおり青や緑に近い色をしています。カーキ色、オリーブ色というとイメージしやすいかもしれません。瞳孔は円形で、大将という名前のイメージには合わない、つぶらでかわいらしい顔つきをしています。かわいらしい見た目と穏やかな性格から、ペットとしても人気があるようです。」(←『害獣駆除110番2021年9月28日記事)。タカチホヘビは夜行性ですが、瞳孔は円形だったような……。シロマダラは夜行性で瞳孔は縦長の楕円形。……



粘着シートの生きもの 10月5日

コナラの木にまいた粘着シートにはいろいろな生きものがついています。
チョウやガの仲間は翅が傷んでいるのと、シートから剥がして見ることはできないので、シート側の前翅・後翅に紋が有るのか無いのかも確かめられません。タテハチョウ科のヒカゲチョウやジャノメチョウの仲間でしょうか?(9月25日、10月2日、4日、5日撮影)
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舗装園路のフラス木 10月4日

岩殿物見山駐車場に車を止めて、入り口からボッシュ林まで舗装園路沿いのコナラを調べました。フラスが根元にあるコナラが17本あり、№601~617まで番号を振りました。
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すでに粘着シートが巻いてあるコナラがあって、ナガキクイムシ類がついていました。
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粘着シートの点検 10月2日

ボッシュ林内を歩いてにナラ枯れの被害木が増えていないか点検しました。1本の株元にフラスがあって、まわりのコナラに粘着シートを巻いてあります。ナガキクイムシ類はくっついていないようです。
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市民の森の峠道に番号をふってない赤テープがついたコナラがあったので№239にしました。峠道のフラスの出ているコナラは101番から番号を付けたつもりになっていましたが、勘違いして200番台を振っていました。200番台にしているものが多いので100番台のものを200番台に振り直します。市民の森保全クラブ管理エリア№001~038の38本、峠道付近39本、ボッシュ林1本がテープの巻いてある、フラスの出ているコナラです。
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粘着シートにくっついた鳥がいたようです。強力ですね。
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ラジコンのロッククローラー。スピードを出さずに楽しめるので市民の森の散策のお供になっています。
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粘着シートにキクイムシが付着 9月25日

9月21日、23日に公園管理者が巻いた粘着シートの虫むしホイホイ(アース製)にキクイムシ、アリ、ザトウムシ、ガ、ハエ、バッタ、セミ、ムカデ、トカゲなど多数の生きものが付着していました。
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ザトウムシ
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足が8本ありますが、クモではありません。ザトウムシはクモとちがって頭胸部と腹部の間にくびれ[腹柄]がありません。節足動物門クモガタ網ザトウムシ目に属する生物の総称で、日本には80種ほどがいます。
 

被害木にナガキクイムシ捕獲用粘着シート 9月21日 

市民の森保全クラブ作業エリア内のナラ枯れ被害木に公園管理者の文化まちづくり公社がナガキクイムシ捕獲用の粘着シートを巻いていました。
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粘着面を外側にして20本です。前回の粘着面を内向きにした2本の調査ではヨシブエナガキクイムシが見つかりましたが、今回はカシノナガキクイムシが見つかるかもしれません。丘陵地区の調査では見つかっています。

株元にフラスがあるコナラの再調査 9月18日

地際部にフラスの堆積があるコナラの再調査をしました。市民の森保全クラブの作業エリアで38本(№1~38)、地球観測センターに向かう舗装道から分かれてくる尾根の峠道、入山沼から上ってくる谷の道、尾根の道の接点付近には38本もの被害木(№101~138)がありました。テープを巻いてナンバリングしておきましたが、後日、胸高直径や被害の程度などまとめます。
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谷の道にはナラ枯れとはおそらく別の理由で伐採したコナラ(伐採時期は不明)の残った株(根株)に多数の穿入孔がありフラスがついていて、キクイムシが地際まで入っていることがわかります(№237ではなく137です。200番台の番号はまだありません)。「カシノナガキクイムシではない他のキクイムシ(ヨシブエナガキクイムシ等)により木の分解が進んでいる自然な現象」(←神奈川県森林協会『地域の森をみんなで守ろう』2020年3月)10頁)であるのか、中に何がいる(いた)のか調査が必要です。
※神奈川県森林協会『地域の森をみんなで守ろう』2020年3月 通読をお勧めします。
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ホダ木伐採、林床の草刈り 9月17日

市民の森保全クラブ定例作業日。参加者は芦田さん、新井さん、木庭さん、鳥取さん、橋本さん、細川さん、渡部さん、Hikizineの8名でした。
①芦田さん、木庭さん、鳥取さん、橋本さん、細川さんのグループで11月13日に開催予定の『自然学習ウォーキング~市民の森で遊ぼう~』で使うホダ木用のコナラの伐採、玉切りし、下に下ろして大きさで選別して整理しました。
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斜面下のテーブル・ベンチは分解されてしまいました。伐りだし作業終了後に組み立て直します。
コナラに隠れていたトチノキが見えてきました。

②新井さん、渡部さん、Hikizineは尾根の道と北向き斜面の林床の草刈りをしました。
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北向き斜面にキバナアキギリ(シソ科)が咲いていました。
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※鳥取さんがペットボトルのカシナガトラップを試作してみることになりました。
 YouTubeに動画があります。『カシナガトラップ簡便設置』(小林正秀チャンネル
 


被害木の確認 9月10日

3日は雨で活動が中止だったので今日が9月最初の市民の森保全クラブの活動日です。参加者は芦田さん、木庭さん、鳥取さん、橋本さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの7名でした。①11月13日のイベントで使うミニホダ木用のコナラを南向斜面で選びテープをつけました。9月中に伐採します。②5日にキクイムシ被害木の再調査をしたところ、新たに谷の道で13本、尾根の道で3本、作業道で2本、フラスをだしているコナラを見つけました。今日は作業道-尾根の道-谷の道を歩いて被害状況を確認しました。立木のまま放置すると市民の森利用者に危険を及ぼす恐れのある枯死木は10月から伐採を始めます。会員4名でラインに「市民の森」グループを立ち上げました。
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カシノナガキクイムシの羽化脱出映像(かながわトラストみどり財団撮影2021年5月)YouTube 0:39
  

どのような森を目指すのか? 9月9日

ナラ枯れが始まったことにより、これから数年間、市民の森保全クラブの活動はナラ枯れ対策に一定の時間を割くことになりそうです。コナラ大径木枯死後の市民の森の景観はどのように変わっていくのでしょうか。市民の森をどのように育てていくのがよいのか、市民の森の将来像が問われます。香川隆英さん(森林総研)の『景観を考慮した森林管理手法』に、
が紹介されています。市民の森保全クラブの活動エリア(2㏊)では、毎年小区画(500~600㎡)で皆伐、実生苗の植林を続け、萌芽更新が可能なコナラ林の再生、尾根のアカマツ林の保全を目指して活動を組み立ててきました。将来、多くの市民が市民の森の保全活動に加わり、活動領域が拡大することがあれば、市民の森をどうしていくのがのぞましいのか、全体像が問われるようになるでしょう。市民の森32㏊を植生により区分して、それぞれの仕立てを考えていくことになるとしたらどのようなタイプの森が考えられるのか、想像してみるのも楽しい事ではないでしょうか。

コナラ大径木林
○景観を考慮した森林管理手法(香川隆英)_02

クヌギ・コナラ萌芽林
○景観を考慮した森林管理手法(香川隆英)_04

照葉樹林
○景観を考慮した森林管理手法(香川隆英)_06

アカマツ二次林
○景観を考慮した森林管理手法(香川隆英)_08

落葉広葉樹二次林
○景観を考慮した森林管理手法(香川隆英)_10

常緑針葉樹大径木林
○景観を考慮した森林管理手法(香川隆英)_12

針広混交林
○景観を考慮した森林管理手法(香川隆英)_14

ナラ枯れ文献⑧狭山丘陵におけるナラ枯れ被害調査と対策について 9月8日

狭山丘陵におけるナラ枯れ被害調査と対策について」は『緑化に関する調査報告(その48)』(東京都建設局、2021年3月)に掲載されています。全9頁です。リンク切れになることがあるのでダウンロードしておくことをお勧めします。

「狭山丘陵におけるナラ枯れ被害調査と対策について」
  西武・狭山丘陵パートナーズ 維持管理部  大房直登 (西武緑化管理株式会社所属)
               自然環境保全部  舟木匡志
               レンジャー部  丹星河(特定非営利活動法人 NPO birth所属)
I.はじめに
II.ナラ枯れとカシノナガキクイムシ
 1.ナラ枯れのメカニズム
 2.カシノナガキクイムシ
  写真-1  ナラ枯れ被害木(野山北・六道山公園)樹林内で葉が萎凋している様子
  写真-2  ナラ枯れ被害木(野山北・六道山公園)萎凋している頂部が見える
  写真-3  捕獲したカシノナガキクイムシ
      左:雄成虫  右:雌成虫と胞子貯蔵器官
  写真-4(左)  マスアタックされた被害木
  写真-5(右)  切株にもマスアタックされている
III.狭山丘陵の都立公園におけるナラ枯れ被害木調査
 1.調査場所
 ナラ枯れの被害木調査は、西武・狭山丘陵パートナーズ1 指定管理者として管理運営を行っている都立公園で実施した。本稿ではその中でも、都立野山北・六道山公園で行った調査結果について記載する。
 都立野山北・六道山公園は狭山丘陵西端にあり、武蔵村山市と瑞穂町にまたがっている。開園面積は 203ha と都立公園最大の丘陵地公園である。園内は、ほぼクヌギやコナラのなどの落葉広葉樹が優先する二次林占められカシナガの被害対象となるブナ科樹木が多い植生である
 ※1 西武・狭山丘陵パートナーズ:狭山丘陵の都立公園グループ(狭山公園、野山北・六道山公園、八国山緑地、東大和公園、中藤公園)の指定管理者。構成団体は西武造園株式会社、西武緑化管理株式会社、特定 非営利活動法人 NPO  birth、特定非営利活動法人地域自然情報ネットワーク、一般社団法人防災普及協会。
 2.調査内容と結果
  (1)被害数量調査
 被害木の数量調査は令和 2 8 5 日から 8 14 園内各園路(合計 35kmを踏査て実施した。本数のカウントは全枯れ(葉が全体的に萎凋しており樹木が水分通導を完全に停止している)、半枯れ(葉が部分的に萎凋しているが水分通導はある)ラスのみ(フラスは確認できるが萎凋は見られず生存しているもの)の 3 段階で記録を行った。
 調査結果合計 413 本の被害木確認した。内訳は、全枯れ 75 本、半枯れ 179 フラスのみ 159 本であった調査以降も被害木は増加しており、合計 500 本を超える被った。……
   図-1  被害木位置図 (赤い四角は 1ha 当たり10 本以上被害が集中している地区)
   図-2 被害木と幹周の関係(野山北・六道山公園)
  (2)捕獲調査
 被害がカシナガによるものかを確認する為成虫捕獲のトラップを 2 種類仕掛け調査を行った。まず令和元年に枯れたコナラに 4 寒冷紗を幹に巻き付け脱出防止を図り捕獲をこころみた(写真-61 週間後に寒冷紗を捲り確認したところカシナガは確認できず、同じナガキクイムシ科のヨシブエナガキクイムシ(以下ヨシブエ)を多数することができた(写真-7,8さらに継続して調査を行ったが樹液に集まる昆虫たちがネットに絡みついてしまう事例が夏季にかけて多く発生た為、捕獲調査を断念した。
   写真-6  寒冷紗を巻付けた防除
   写真-7  多数のヨシブエ
   写真-8  ヨシブエナガキクイムシ
 次に静岡県開発されたクリアファイルトラップを設置し捕獲されたキクイムシの同定を行ったまずはフラスが出始めた状況の被害木を選定し8 9 日にトラップを置。翌日に捕獲を実施した。捕獲した 11 個体は全てヨシブエだったが、設置を続けるとカシナガも捕獲することができ「カシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害であることが確認できたこのトラップは使用済のクリアファイルで作成でき、捕獲効果が期待できたがクリアファイル内の水にフラスが堆積したり、ボウフラが発生ため12 程度で交換するなどこまめな管理が必要であった。
   写真-9  トラップ材料
   写真-10  トラップ設置状況
   写真-11  捕獲状況
  (3)被害材の調査
   写真-12  穿孔が東側(左側)に集中している被害木
   写真-13  肥大している辺材(左側)
   写真-14  確認できた幼虫
   写真-15  坑道の様子
IV.都県境を越えた取り組み
 1..狭山丘陵広域連絡会の開催
 狭山丘陵は、都県境を越えた6市町にまたがる丘陵地であり、行政界を越えて一体となった保全の取り組みが課題であった。そこで西武・狭山丘陵パートナーズでは、狭山丘陵一体での保全、普及啓発を進めることを目的とし、平成 24 年度に狭山丘陵広域連絡会2 を立ち上げ、毎年連絡会を開催し、保全や活用についての情報共有や意見交換を行っている
 令和2年度の連絡会はナラ枯れをテーマとし、構成員に加え、周辺6市町にも声をかけ開催した。事前にヒアリングを行ったところ、丘陵とその周辺で 881 本(令和 2 10 月現在)もの被害が発生していることが明らかとなった。連絡会当日はその被害状況を共有した他、すでに防除を行っていた団体からラッピングによる防除やクリファイルトラップ等を紹介。被害樹木の処理を進める上での課題や、効果的な防除方法などについて情報交換を行った。
※2 狭山丘陵広域連絡会:狭山丘陵に関わる自治体、市民団体、指定管理者などと連携して、行政区をまたぐ広域の自然環境保全や地域 PR の活性化等を推進する連絡会。西武・狭山丘陵パートナーズが事務局(特定非営利活動法人 NPO  birth が運営)を務める。テーマに応じて、6市町(入間市、東大和市、所沢市、東村山市、武蔵村山市、瑞穂町)や環境省、公益財団法人トトロのふるさと基金、埼玉県狭山丘陵いきものふれあいセンター、さいたま緑の森博物館、早稲田大学所沢キャンパス湿地保全活動、埼玉県川越農林振興センターなどが参加、連携している
 2.連携したナラ枯れ対策の実施
  <他公園での連携事例>
   図-3 狭山丘陵とその周辺地域のナラ枯れ被害木の状況
   資料-1  ナラ枯れ普及啓発チラシ
V.今後の対応
 1.防除対策
 被害拡大の一般的な防止対策として、まず被害木の伐採、抜根が挙げられる。これは化脱出期である5月~6月までに伐採、抜根を行い搬出、焼却処分をする方法である。
 次にあげられる対策としては薬剤等を用いた科学的防除である。蔓延防止を図る為にはカシナガの個体密度を低下させることが有効であるため、前述したクリアファイルトラップ等による捕殺、おとり丸太に誘引剤(カシナガコール)を設置した丸太トラップ、カシナガがエサ培養する酵母菌の増殖を防ぐ殺菌剤注入、カシナガ穿孔するのを防ぐ被覆材などがあげられる。
 2.今後の計画
 今後、公園では上記の伐採抜根と資材等による対策を組み合わせ防除を行う。内がほぼ雑木林でめられる都立野山北・六道山公園では、樹林内の被害木を伐採しようとすると、車両や重機を入れるための道の整備が必要となるため、全ての被害木を伐採することは費用の増大、植生への影響を招き実施困難である。そのため、伐採対象には優先順位を付ける。優先度が高いのは、園路や施設周辺など来園者に危険を及ぼす可能性のある場所である。作業の際は、登り込み時の落下や落枝による物損等、二次被害に繋がらないよう、対象木の状況を事前に確認する。
 また、丘陵地公園である当公園には谷戸奥の水源希少種の生育場所など環境保全上重要な場所が存在する。これ保全エリアとし、ここでの対策も優先的に行う。への穿孔防止対策として、エリア内の樹木へのラッピング等被覆を実施し、物理的に穿孔防止を図る。また飛来防止対策として、おとり丸太と誘引剤を使用する。伐開(萌芽更新目的)エリア又はブナ科以外の林分を「誘引エリア」と定め、切ったコナラ材をおとり丸太とし、誘引剤を設置しておとり丸太に穿孔させ搬出処分を行う「誘引エリア」選定には、カシナガが穿孔した丸太をまとめて搬出処理するためトラッククレーンどの車両進入が可能であることが条件になる。また、カシナガは材内の含水率が 20%を下回ると生存確率が下がってしまうと言われている為、乾燥すると穿孔自体も少なくなっていく「誘引エリア」のおとり丸乾燥しすぎないよう、適度な緑陰のある位置への設置が望ましい。
 今回、都立公園のみならず狭山丘陵全域の課題として狭山丘陵広域連絡会を通じて地域の関係者と情報交換をし、対策を講じることができた。特にこの問題については周辺地域一帯の関係者と共に取り組むことに意義があると考えている。今後は来園者の安全を第一とした対処を実施し、関係者と連携しつつ狭山丘陵全域の緑豊かな自然環境を維持しながら安全、安心な公園づくりを行っていきたい。

ナラ枯れ文献⑦ナラ枯れ被害対策の取組について(阿部・小松) 

緑化に関する調査報告(その47)』(東京都建設局、2020年3月)に掲載されている公益財団法人東京都公園協会 公園事業部技術管理課 研究開発係  阿部好淳・小松結さんの「ナラ枯れ被害対策の取組について」。東京都内においてナラ枯れが爆発的に広がり始めた時点での報告です。全6頁。リンク切れになることがあるので調査報告全体をダウンロードしておくことをお勧めします。
阿部好淳・小松結「ナラ枯れ被害対策の取組について」目次
I.はじめに
 1.ナラ枯れとは
 2. カシノナガキクイムシについて
  図1  カシナガ生活史
  写真1  カシノナガキクイムシの雄個体 小金井公園(2019年9月17日)
  写真2  カシノナガキクイムシ被害木 小金井公園(2019年8月7日)
II.被害発見・特定のプロセス
 1.被害発見のプロセス
  表1  公園別被害数(2019年10月11日現在)
  図2  令和元年ナラ枯れ状況図(区部・多摩部)(2019年10月30日現在)
 2.被害の原因究明
  (1)現場見学会の実施
  (2)トラップの設置
   写真3  現場確認状況 砧公園(2019年8月21日)
   写真4  被害状況 砧公園(2019年8月21日)
 3.被害木の処分方法
III. 課題と今後の対応について
 1.都立公園での対策
 2.情報の収集、発信
 3.類似被害の解明
IV.まとめ

3.被害木の処分方法
カシナガの被害木を伐採・処理するためには、発生材から被害を蔓延させることを防ぐために、成虫及び幼虫を確実に駆除する必要がある。確実な処分方法として、農総研からは可燃処分、燻蒸処理が確実であるとご教示いただいた。しかし一般廃棄物として可燃処分をするには23区等では30cm以下に裁断を行い、清掃工場へ持ち込む必要があるため多くの経費がかかる。また、燻蒸処理は殺虫・殺菌剤を使用するため、極力薬剤を使わず来園者への影響を最小限に留めなければいけない公園での処理は困難である。そこで、以上の課題が解消でき、適切に処理を行うことの出来る方法として、一般廃棄物として比較的安価での処分できる再資源化施設への持ち込みを東京都へ提案した。具体例を調べると、持ち込み先である再資源化施設に、23区で10mm以下粉砕、200度の殺菌を行う施設が、多摩部で発生材をチップ厚5mm以下で粉砕し、チップ、堆肥化しているという場所が見つかった。以上の処理方法について農総研から国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所に確認いただき、その処理方法で問題ないとの回答を得た。早速、東京都と情報を共有したところ、他の再資源化施設においても対応可能か調べていただけることとなった。結果、チップ厚について40mm-50mmの場合でも最終的にバイオマス燃料や製紙原料、堆肥化するものであれば問題がないこと、また東京都内の大半の再資源化施設であれば対応が可能であることがわかった。これにより、カシナガ被害による枯損木は、再資源化施設での最終処分方法を確認の上で処理できることとなり、成虫が活動を始める初春までに処理を行った。なお今回は公園の安全管理上必要な措置に留めており、完全に枯損していないものは今後経過観察を行うこととして処理を見送っている。

IV.まとめ
 今回、東京都の公園等でナラ枯れ被害がここまで広域的に発生した原因ははっきり分かっていない。林野庁の森林保護対策室の稲本氏からは以下のような見解をいただいている。
「カシナガは台風などの風に乗って拡散するほか、車や船舶、それらの荷物に付着して移動することもある。雄の出すフェロモンに誘引されて雌が飛来することがわかっているが、これに加えてどのような原因で広域的な移動が起きるのかは、はっきりわかっていない。気候変動や各年の夏の気温の高さや降水量の少なさが樹木のストレスを増やしている可能性はあるが、都内の公園の被害がそういったことによるものかどうかは、突き止められていない。
一方、カシナガは太いナラ・カシ類の樹木で大量発生するとされているが、高度成長期以降の燃料革命で炭焼きに利用されなくなったナラ・カシ材が日本各地で大径の樹木に成長していることから、カシナガの発生条件が整ってきつつあることは事実で、こうしたことが被害拡散の背景にあるものと考えている。本年度の発生が一時的なものであるか、今後増えていくのかは、専門家に伺っても何とも言えないとの見解だが、例えば、神奈川県ではここ4年間は拡大傾向が継続していること及び関東地方にはナラ・カシ類の森林や公園も多いことから、引き続き被害が拡大する可能性は十分ある。」
今後、東京都内でカシナガ被害がどこまで拡大するかは蓋を開けてみないとわからないのが実情である。カシナガ被害に伴う樹木事故を防止するとともに、二次林を代表し、景観上、生物多様性上、大切な樹木であるコナラ被害により、公園の資源が大きく損なわれないよう努めていく必要がある。公園協会として様々な状況を想定し、適切かつ迅速に対応していきたい。

ナラ枯れ文献⑥新潟県・自然教育園 9月6日

ナラ枯れ被害の基礎知識(新潟県)
(2)被害を受けた後の森林の状況 [6頁] 
 ひとたび被害が発生すると、翌年から周辺森林で被害は急増し、3~4年間は継続して被害が発生します。カシナガは健全木を求めて次々と移動するため、被害発生から4年程度で嵐が過ぎるようにナラ枯れ被害は終息に向かいます。
 また、カシナガのせん孔を受けたナラの枯死率は、ミズナラで67%、コナラで22%程度であり、ナラ林の中層・下層にはナラ以外の複数種の広葉樹が生えているため、被害から2~3年後にはナラ以外の樹種が成長することで森林は自然復旧することが確認されています(次ページ図5、図6)。
  ・森林の自然復旧(下線部)は市民の森のコナラ林では期待出来ません。
  ナラ枯れ被害の基礎知識(新潟県)_1ナラ枯れ被害の基礎知識(新潟県)_2ナラ枯れ被害の基礎知識(新潟県)_3
   ナラ枯れ被害の基礎知識(新潟県)_4ナラ枯れ被害の基礎知識(新潟県)_5ナラ枯れ被害の基礎知識(新潟県)_7
自然教育園におけるナラ枯れの発生(国立科学博物館附属「自然教育園報告」第52号、2020年)
 調査票・調査方法と考察など、まとめ方の参考になる。
 自然教育園におけるナラ枯れの発生_2自然教育園におけるナラ枯れの発生_3自然教育園におけるナラ枯れの発生_4

自然教育園におけるナラ枯れの発生_5自然教育園におけるナラ枯れの発生_6自然教育園におけるナラ枯れの発生_7

ナラ枯れ文献⑤『薪ストーブライフ』42号 9月5日

『薪ストーブライフ』42号(発行:沐日社、発売:星雲社、2021年7月、1870円)が、「近年、日本の薪を取り巻く環境は徐々に、でも確実に変化している。ここでは“薪がなくなる日”がないように、薪を使って虫の被害を回避する術を考えたい」として、ログショックを乗り越えろ! 薪を使う暮らしが地球を救うをナラ枯れ専門家、カキノナガキクイムシ研究の第一人者小林正秀さんの協力・執筆で特集しています。(小林さんには友達5000人のFacebookページがあり、7月9日の記事にこの雑誌のことが書かれています)
薪ストーブライフ42号

 ナラ・シイ、カシ類を枯らす「ナラ枯れ」とは 小林正秀

 薪は持続可能なエネルギーなのに 編集部
  弊誌編集長が直面した“薪にする木がない”という現実
   身近の森林公園がカシナガ被害に直面
   老齢のコナラに集中して巣くう?
   薪事情は最悪へ向かう ログショックの訪れか?

 カシノナガキクイムシってどんな虫だ 小林正秀
  ブナ科の樹木が集団的に襲われる
   嫌われ者だが物質循環に役立っている
   ナラ枯れ防除のためカシナガの一生を解明
   それぞれの役をこなす真社会生物か?

 ナラ枯れの真の原因は何だろう? 小林正秀
  主因、誘因、素因に分けて考えてみよう
   薪炭林の放置による大径木の増加が原因か
   暖かくなると動き出す 温暖化でかなり活動的に
   大径木が温暖化で衰弱しその衰弱木に穿入
薪炭林の放置によって大径木が増えている状況下で、温暖化や大気汚染などで樹木が衰弱したり、台風や人為的伐採による倒木が発生すると、衰弱木や倒木を利用して増えたカシナガが立木に穿入してナラ枯れが発生し、周辺にも大径木が多いので、どんどん拡大しているのでしょう。(25頁)

 ナラ枯れから樹木を守ろう! 小林正秀
  薪を使い続けるためにカシナガの穿入を阻止する方法
   殺菌剤の樹幹注入は待った! ナラ枯れを助長する危険性が
   25㎞以上飛翔するカシナガ 皆伐でなく択伐を推奨
   カシナガは針葉樹が嫌い 樹木自身もタンニンで防護
この方法[カシナガトラップ]はカシナガの大量捕獲で被害を抑えるのではありません。
カシナガの攻撃を受けたのに生き残った木(穿入生存木)は、幹の内部がタンニンなどで黒褐色になり、カシナガが穿入しても繁殖できません。カシナガトラップは、穿入生存木を増やすことで、繁殖に失敗するカシナガを増やし、ナラ枯れを抑える方法です。(27頁)

 薪はカーボンニュートラル 小林正秀
  薪ストーブ生活は知らぬ間に地球を守っている!
   木を燃やせばCO2は出すが別の木がCO2を吸収する
   日本はエコテロリスト? でも薪焚き人は天国へ
縄文時代の生活に戻らなくても、せめて、木質バイオマスの利用を増やすべきです。現世で悪事を働けば、あの夜では地獄行きになることは、多くの宗教に共通した考えです。薪ストーブユーザーは天国行きが確定していますが、日本人の多くは、このままでは地獄行きです。(30頁)
※小川眞「ナラ類の枯死と酸性雨」(『環境技術』25巻10号、1996年)
 ●ナラ類の枯死と酸性雪(小川真)_1●ナラ類の枯死と酸性雪(小川真)_2
 ●ナラ類の枯死と酸性雪(小川真)_5●ナラ類の枯死と酸性雪(小川真)_6
※斉藤正一・柴田銃江「山形県におけるナラ枯れ被害林分での森林構造と枯死木の動態」(『日本森林学会誌』94巻5号、2012年)
 ●日林誌 (2012) 94巻223‒228_1
※中島春樹・松浦崇遠「「ナラ枯れ」はその後どうなったのか」(富山県農林水産総合技術センター森林研究所『 研究レポート』 No.10、2015年3月)
 ナラ枯れはその後どうなったのか?_1
枯死した樹木の様態変化について述べている部分を抜き出しました。

ナラ枯れ文献④カシノナガキクイムシの生態と防除法 9月4日

YouTubeの小林正秀さんのチャンネルにあるカシノナガキクイムシの生態と防除法についての動画です。
芦生の森から学んだこと(NHKラジオ深夜便2008年5月13日)(2020年4月23日公開)9:36(2:27~カシノナガキクイムシについて)


カシノナガキクイムシの生態と防除(2020年7月24日公開)17:52


ナラ枯れには防除法はないのか?(2021年8月6日公開)11:59
2021年3月23日、日本森林学会でオンラインで発表した動画


スクリーンショット (1543).png

 ナラ枯れに立ち向かう_1

 ナラ枯れ防除の新展開_1

※八木智義・佐々木智恵「ナラ類集団枯損被害の拡大防止手法の確立に関する研究」(『宮城県林業技術総合センター成果報告』第24号、2015年7月)
要旨:本研究では, 2009 年から宮城県で発生しているナラ枯れ被害の拡大防止対策に資するため,カシノナガキクイムシの県内における発生消長を調査し,ナラ枯れ被害の拡散傾向の分析を行った。また,集合フェロモンを活用した面的な防除手法であるおとり木トラップ法及びおとり丸太法について実証をした。
宮城県におけるカシノナガキクイムシの脱出期間は, 6月下旬から 10 月中旬までの期間であり,被害拡散の傾向は,既被害地の 1km 範囲内で 63. 4%, 2 km 範囲内で 87. 2% の被害が発生していた。おとり木トラップ法により,集合フェロモシによるカシノナガキクイムシの誘引効果は確認できたが,殺菌剤を注入したおとり木などの立木に枯損が発生した。また,くん蒸処理を念頭に置いた少量のおとり丸太法では,カシノナガキクイムシの大量捕殺は困難であった。集合フェロモンを活用した面的な防除手法は,材利用を目的に実施する皆伐の実施予定箇所もしくは皆伐により土場に一時集積している丸太を活用して,補助的に実施することが有効であると考える。
※布川耕市「ナラ類集団枯損被害の単木予防技術の効果と問題点」(『新潟県森林研究所研究報告』51号、2010年3月)

※竹下博文・木村明・辻本穣・藤田治生・田中清弘・西元靖志「大阪市立大学理学部附属植物園におけるカシノナガキクイムシが媒介する樹木病原菌 Raffaelea quercivora の感染によるナラ枯れに関する調査」(『日本植物園協会誌』50号、2015年11月)
日本植物園協会誌50号_1日本植物園協会誌50号_2

日本植物園協会誌50号_3日本植物園協会誌50号_4

日本植物園協会誌50号_5日本植物園協会誌50号_6

ナラ枯れ文献③ 樹木診断調査法 9月3日

鳩山アメダスの今日の日積算降水量は11.5㎜。市民の森保全クラブの活動は中止でした。
堀大才編『樹木診断調査法』(講談社、2014年4月)の第2章3節のB.ナラ枯れとそれにかかわる昆虫(松下範久)(1)キクイムシとは、(2)カシノナガキクイムシの生活史、(3)カシノナガキクイムシの配偶行動、(4)カシノナガキクイムシのマスアタックと増殖、(5)カシノナガキクイムシ成虫の分布とナラ枯れの発生地拡大、(6)カシノナガキクイムシ成長の識別法があります。
   樹木診断調査法
樹木の健康状態や危険性を的確に診断する健康診断法と,樹木の立地環境を把握するための環境調査の技法を体系的に解説。樹木が本来もつ機能を発揮させ,適正な管理へと導くための調査法専門書。
   堀大才編『樹木診断調査法』目次

はじめに 
序 章 樹木の診断調査の意義と目的
第1章 樹木の構造と生理 
 1.1 樹木の成長様式と構造
 1.2 樹木の力学的適応と樹形の意味
 1.3 樹木の病害虫・傷害に対する防御機構
 1.4 立地環境と樹木の生育
第2章 樹木の立地環境と健康状態の診断・調査法
 2.1 樹木の立地環境の調査法
 2.2 樹木形状の測定法
 2.3 樹木の健康診断・危険度診断調査法
 2.4 マツ材線虫病発生のメカニズムと診断・調査法
 2.5 樹木の腐朽病害の分類と診断・調査法
 2.6 目視による樹木の衰退度(活力度)判定と危険度判定の方法
 2.7 機械などを使った樹木の健康診断と危険度診断の方法
 2.8 根系の診断・調査法
 2.9 樹木診断書の整理と書き方

(2)カシノナガキクイムシの生活史
……カシノナガキクイムシは一夫一婦制の亜社会性昆虫である。雄が1頭の雌を配偶者として受け入れると、交尾した雌は辺材、時として心材の中に孔道(母孔)を掘り、その壁面に産卵する。孔道は材内で分岐する(図2.3- 14)。幼虫は孔道壁で増殖した酵母を食べて成長する。孵化後約2週間で幼虫は終齢に達する。幼虫は母孔から長さ約1㎝の孔を掘り、そのなかで越冬する。ナラ菌は樹体内で繁殖し、その木の中で羽化した成虫によって新しい木に伝播される(図2.3-15)。[178~179頁]
図13・14図15

(3)カシノナガキクイムシの配偶行動
 両性の成虫の左翅正中部の腹面の末端は線状の細かい突起が連続して「やすり」状を呈している。それに対応するように、腹部末節の背板には比較的大きな線状の突起がある。成虫は腹部を前後に動かして異なった音を出す。ひとつは途切れのないバズ(buzz)音であり、もうひとつは感覚を開けて発生するチャープ(chirp)音である。配偶行動にはこれらの音が利用される。まず雌は集合フェロモンに反応して、雄が穿孔している木の幹に降り立つ。雄のつくった孔に向かって歩いていくときに、雄はチャープ音を出す。穿入孔の入口を見つけてそのなかに入った雌が大顎で押すの翅梢末端を噛むと、雄は自発的に入り口のほうに後戻りする。雄の腹部が入り口からみえるようになると、雌は頭部前面を押すの翅梢末端に押し当ててバズ音を発する。この音がする間に、雄は孔から出て雌が孔に入る。雄は雌に続いて孔内に入り、異なるチャープ音を発する。その後、雌雄は孔から出て交尾を行い、再び孔内に入る。その後雌は孔道を掘り進める。雄は体を回転させながら、雌がつくる細かい木屑を孔の入り口まで運んで排出する。このとき雄は翅梢末端の突起を上手に使う。……
……交尾が終わると雌は穿入孔を材内に伸ばし、その壁面に産卵する。成長した大きな幼虫はさらに穿入孔を掘り、親の産んだ卵を運ぶ。速い時期に産卵された個体はその年の9月~11月に成虫になり、大部分の新成虫は木から脱出するが、一部は春まで木に留まる。新成虫の発生のピークは9月にみられるが、その数は少ない。[179~180頁]

(4)カシノナガキクイムシのマスアタックと増殖
 ナラ枯れにはカシノナガキクイムシのマスアタックが必要である。マスアタックは雄成虫の木への飛来と材への穿孔によってはじまる。同一樹種の種内変異がこの過程に影響を及ぼす。……太い幹の木ほど雄の飛来確率が高くなり、穿入孔の作成確率は幹の太さとともに増加するが、過去に被害を受けた場合は低下することが示されている。
 カシノナガキクイムシの穿孔によってミズナラが枯れなかった場合、翌年その樹体内の壊死変色部をこのキクイムシは利用できない。この部分ではエラグ酸やガロ酸の濃度が高くなる。このうち、エラグ酸がカシノナガキクイムシの穿孔を阻害すると考えられる。[180頁]

(5)カシノナガキクイムシ成虫の分布とナラ枯れの発生地拡大
 山の斜面のミズナラ林内にナラ枯れが発生している場合、枯死木から発生したカシノナガキクイムシ成虫は山の斜面に沿って上方に移動し、斜面上部の林縁で密度が高くなる。飛翔成虫数が増加する期間、新しい感染木は林内の枯死木から広がり、飛翔数が減少する期間には新感染木の発生場所は斜面上部の林縁に移動する。斜面上部の林縁近くでは成虫発生期を通して飛翔成虫数は多いが、成虫発生期の初期のマスアタックの後、新穿入孔数は大きく減少する。
 カシノナガキクイムシの成虫は林内のギャップや林冠の上よりも林冠の下で、地上0.5~2.5mの範囲を飛び回っている。カシノナガキクイムシの成虫は相対照度が約0.2のところに誘引されるので、成虫の林冠下の飛翔と斜面上方への飛翔が林内の光環境と成虫の走光性によって説明される。[181頁]

(6)カシノナガキクイムシ成長の識別法
表2.3-4 カシノナガキクイムシとヨシブエナガキクイムシの成虫形質と穿入孔直径の違い[182頁]
表4

この本を読んで、昨日の記事で紹介しているカシナガ君のくらし-カシナガキクイムシによるナラ枯れのメカニズム-(高槻市教育委員会、2013年7月)を読み直すことをお勧めします。カシナガの生態について理解が深まります。

ナラ枯れ文献② カシナガ君のくらし 9月2日

鳩山アメダスの日積算降水量は、8月31日16.0㎜、9月1日3.5㎜、9月2日24.5㎜でした。

カシナガ君のくらし-カシナガキクイムシによるナラ枯れのメカニズム-(高槻市教育委員会、2013年7月)
カシナガ君のくらし_01カシナガ君のくらし_07カシナガ君のくらし_12

 秋でもないのに山を眺めると、紅葉しているように見えたことはありませんか?これが、「ナラ枯れ」です。ナラ枯れによる被害は全国に広がり、高槻でも目立ってきました。
 ナラ枯れの原因は、里山が利用されなくなり、カシノナガキクイムシ(カシナガ君)が増えやすい環境になってきたためと考えられています。

 この冊子は、カシナガ君の生態とナラ枯れのメカニズムを、絵本にすることで分かりやすく解説しています。ナラ枯れの問題や身近な自然に、あらためて目を向けてみませんか。


どうしたら伝わる生物多様性_01
はじめに
I  全体的講評
   全体講評
   評価者別講評
    優良パンフレットの紹介
II  優良パンフレット作り手インタビュー「作り手の思い」
    「田んぼの学校フィールドノート」の企画編集者に聞く
   「身近な生き物とわたしたちのくらし」の制作編集者に聞く
III  分野別講評
    政策広報ツールとして
   教育ツールとして
   研究機関からの発信
   市民団体からの発信
   企業広報ツールとして
   ビジターパンフレットとして
     観光促進ツールとして
IV  これからパンフレットを作る皆様へ
終わりに
地球環境関西フォーラムは、1990年6月、地球環境問題は人間活動の根源にかかわる課 題であり、科学技術、政治、経済、社会意識、更には生活様式の変革を含む幅広い問題と して、産官学民が力を合わせてこれに取組むべきとの認識から設立されました。これは、リ オ・デ・ジャネイロで開催された環境と開発に関する国連会議における「気候変動枠組条 約」の採択(1992年)に先立つものであり、関西という地域を基盤に、産官学民が一体と なって環境問題に取組むプラットフォームとして先駆的な存在でありました。
生物多様性についても、1993年に「森林と生物多様性」をキーワードとして「アジア、 太平洋地域における地球環境問題に対する関西の環境協力のあり方」についての調査研究 に取り組んで以来、「国際生物多様性科学研究計画西太平洋アジア国際ネットワーク (DIWPA)」などと連携しながら生物多様性に関する調査研究を進め、いくつかの提言を 発表するとともに、生物多様性の認知度向上とそれを市民・自治体・企業等の行動に結び つける活動を行ってきました。その中で様々な普及啓発パンフレットを作成し、生物多様 性の広報・教育・普及啓発(CEPA)に継続的に取り組んでまいりました。
このように、設立以来20有余年に亘り、さまざまな環境課題に向き合い、解決の処方箋 を発信してきた地球環境関西フォーラムも、2018年5月を以て、解散することになりまし た。解散に際し、活動の集大成の一つとして、生物多様性の主流化の一助になればとの思 いから、「どうしたら伝わるのか」との視点で、既にさまざまな主体により発行された多種 多様なパンフレットの中から参考にしたい事例などを取りまとめ、本冊子を作成いたしま した。これから、生物多様性の理解促進を目的としたパンフレットなどを作成される皆さ まにお役に立てれば幸いです。
最後に、この冊子を作成するに当たり、パンフレットを送付いただいた方々のご協力に感謝申し上げ、お礼とさせていただきます。

ナラ枯れ文献① 9月1日

31日夕刻から秋雨で、屋外作業はしばらく休止です。ナラ枯れ、カシノナガキクイムシ、ヨシブエナガキクイムシについて本や論文で調べてみました。

 カシノナガキクイムシの穿入を受けたブナ科樹木が枯死する被害が各地で拡大している。本被害に関する知見を整理し、被害発生要因について論じた。枯死木から優占的に分離される Raffaclea quercivora[ラファエレア・クエルキボーラ]が病原菌であり、カシノナガキクイムシが病原菌のベクターである。カシノナガキクイムシの穿入を受けた樹木が枯死するのは、マスアタックによって樹体内に大量に持ち込まれた病原菌が、カシノナガキクイムシの孔道構築に伴って辺材部に蔓延し、通水機能を失った変色域が拡大するためである。未交尾雄が発散する集合フェロモンによって生じるマスアタックは、カシノナガキクイムシの個体数密度が高い場合に生じやすい。カシノナガキクイムシは、繁殖容積が大きく含水率が低下しにくい大径木や繁殖を阻害する樹液流出量が少ない倒木を好み、このような好適な寄主の存在が個体数密度を上昇させている。被害実態調査の結果、大径木が多い場所で、風倒木や伐倒木の発生後に最初の被害が発生した事例が多数確認されている。これらのことから、薪炭林の放置によって大径木が広範囲で増加しており、このような状況下で風倒木や伐倒木を繁殖源として個体数密度が急上昇したカシノナガキクイムシが生立木に穿入することで被害が発生していることが示唆された。
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.被害の概要
 1.病徴
 2.被害樹種
 3.被害地の地形
Ⅲ.カシノナガキクイムシ
 1.成虫の形態
  437頁
 2.生活史
 3.繁殖能力
 4.野外生態
 5.マスアタックの発生機構
 6.寄主選択
Ⅳ.カシノナガキクイムシの共生菌
 1.病原菌の探索
 2.Raffaclea quercivora の性質
 3.Raffaclea quercivora の病原性の証明
 4.カシノナガキクイムシがベクターであることの証明
 5.樹木が萎凋枯死に至るメカニズム
 6.Raffaclea quercivora と他の共生菌の役割
Ⅴ.カシノナガキクイムシの繁殖成否と樹木の生死
 1.カシノナガキクイムシの繁殖阻害要因
 2.樹木の生死を分ける要因
 3.樹木の生死とカシノナガキクイムシ繁殖成功率
Ⅵ.被害発生要因
 1.カシノナガキクイムシは一次性昆虫か二次性昆虫か?
 2.被害の発生・拡大・終息のメカニズム
 3.被害発生要因の検討
  1)ならたけ病
  2)雪の影響
  3)温暖化の影響
  4)倒木の発生
  5)樹木の大径化
  6)R. quercivora またはカシノナガキクイムシの侵入
Ⅶ.おわりに
 R. quercivora やカシナガが侵入種であるとしても、R. quercivora の樹体内への蔓延を助長するカシナガの個体数密度の上昇が枯死被害の前提条件になっている。カシナガの個体密度は、薪炭林の放置によって好適な寄主となりうる大径木が広範囲で増加していることと、このような状況下で発生した倒木が発生源になることで急上昇する。そして、個体数密度が上昇したカシナガが生立木に穿入することで発生した最初の枯死被害は、大径木が広範囲に拡がっていることや温暖化の影響によって次々に拡大することが考えられる。
 燃料革命以前に行われたいた薪炭林施業の伐採サイクルは15~20年程度とされている(広木、2002[広木詔三(2002)里山の生態学.333pp、名古屋大学出版会、名古屋.])。カシナガは細い樹木では繁殖できないことから(小林・上田、2002b[小林正秀・上田明良(2002b)長さの異なる餌木へのカシノナガキクイムシの穿入と繁殖.森林応用研究11(2):173-176])、薪炭林施業が継続されていれば、現在のような被害には至らなかったはずである。本被害の多くは燃料革命以降に放置された広葉樹二次林で発生しており、本被害の発生と拡大に、燃料革命によってもたらされた樹木の大径化と温暖化関与している疑いが濃厚である。大径木が次々に枯死するという異常事態が燃料革命と無関係でないことは、持続可能な循環型社会への移行が急務であることを示唆している。



地際のフラス堆積木調査 8月28日

尾根の道沿いのコナラで地際にフラス(木屑やキクイムシの糞)が溜まっているものを調べました。7月16日付けで赤テープにナンバリングしている№2~8については穿入孔に爪楊枝を立てました。
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尾根の道から外れている№1は今夏枯れたものではありません。コナラの「枯損木」は尾根の道のアカマツ林に更に3本(ナンバリング除外)あり、鳥取さんがテープを巻いています。
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昨日、テープを巻いた11本については№9~№19にナンバリングしました。
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尾根の道を更に上ってアカマツ林内のコナラをチェックしたところ更に2本発見(№20、21)
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尾根の道の上り口に戻って1本追加(№22)しました。
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市民の森保全クラブの次回活動日(9月3日)に参加者全員で再調査します。

※この間の経過については、8月27日7月30日25日16日の記事を見てください。


石田祐三「八国山緑地のナラ枯れ被害状況」(『森林インストラクター東京会』サイトの自然発見2021年自然や地域に関する情報会員投稿4月28日記事)

ナラ枯れの確認はフラス(木屑・糞の混合物)有無と枯れ枝葉状態から判断。昨年11月中旬の調査結果では被害総数は228本。その内訳(比率)は①枯死木104本(45.6%)、②半枯れ状態の木25本(11.0%)、➂健全木と同様に全て緑葉を維持していたもの99本(43.4%)。この内、ナラ枯れ拡大抑止と安全面から、昨年秋から今年3月末までに尾根道を中心に伐採されたもの41本(18.0%)。

これまでに分かった事は、①ナラ枯れ被害は尾根道沿いや林縁に集中、②被害はほとんどコナラでクヌギは僅か1本のみ(生木維持)、➂主に直径約30㎝以上の大径木に被害が集中していること等。幸い、ナラ枯れ被害を受けながらも半数以上のものは生き残り、今春も若葉を付けた。一度穿孔受けると再度カシナガの侵襲は受けにくい(雄の習性、樹木の防御反応)とされている。昨今の異常気象等は生態系のバランスを乱す要因と考えられ、まだ感染拡大の恐れがあります。

※YouTube『地球守チャンネル』

 ・ナラ枯れを環境から考える 2021/7/10大磯町講演ダイジェスト版(11:28)

 ・「ナラ枯れ・松くい被害対策から見直す持続可能な地球の森の育て方」(前編)NPO法人地球守代表理事・高田宏臣講演(神奈川県大磯町)(55:44)

 ・「ナラ枯れ・松くい被害対策から見直す持続可能な地球の森の育て方」(後編)(54:53)

※YouTube『ZIBATSUチャンネル』

 ・【第58回】ナラ枯れを虫のせいにしない!高田宏臣と語る「土中環境」改善のヒント(1:00:08)

 ・【第66回】森林の再生は「土中環境」にあり 特別対談・高田宏臣×中嶋健造(1:05:57)



ナガキクイムシ類加害木11本 8月27日

市民の森保全クラブ定例活動日。猛暑の中、芦田さん、鳥取さん、細川さん、鷲巣さん、Hikizineの5名で尾根のアカマツ林、コナラ林の草刈りをしました。
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作業場所に移動しながら、穿入孔(せんにゅうこう)や株元に木屑(フラス)が溜(た)まっているコナラをチェックしたところ、なんと尾根の道沿いに11本もありました。この2週間で一気に増えています。取り敢えず鳥取さんがテープを巻いておきました。ナガキクイムシ類による加害と対策については、7月16日25日30日の記事につけているリンクから参考文献を読んで、カシノナガキクイムシ、ヨシブエナガキクイムシの生態、ナラ枯れサイクル、対策について学習しなおしてください。次回、コナラ被害木の穿入孔に楊枝を刺して勉強会をおこないます。
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※尾根の道の四阿(あずまや)にある撤去予定の埋め込み式ベンチ(コトブキのストリートファニチャー)の座板が尾根下の休憩スペースある自家製ベンチの傷んでいる座板と交換できないか調べました。腐りがすすんでいて腰掛けると折れてしまいそうなものが×、木口や座面に手を加えれば使えそうなものが○です。
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尾根の作業が終わって、細川さんが岩殿C地区の草刈りをしました。22日も刈ったそうですが、炎天下の作業、お疲れさまです。
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南向斜面の草刈り 7月30日

市民の森保全クラブ、金曜日の活動日(Fridays For Forests 21)です。参加者は芦田さん、新井さん、澤田さん、鳥取さん、細川さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの8名でした。南向斜面の草刈りをしました。
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市民の森のコナラ夏枯れについて
粘着シートについていたのは、カシノナガキクイムシではなく、ヨシブエナガキクイムシでした。被害木の早期発見、早期防除。被害の拡大予防に関係機関と連携して、取り組んでいきましょう。
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公益財団法人東京都公園協会公園事業部技術管理課研究開発係「ラ枯れ被害対策の取組についての2頁被害発見のプロセスによれば被害木を全枯れ、半枯れフラスありに分けていますが、市民の森保全クラブ作業エリアでテープをまいたもの全てが被害木ではないかもしれませんので、テープをまいた8本とその周辺の木を調べて被害木を確定する必要があります。
市民ができることとして、被害木の発見のほか、町田市が実施している「ナラ枯れ・カシナガ捕獲大作戦に参加しませんかのクリアファイルでつくるトラップの設置参考になりました。作り方の動画もあります。多摩丘陵の自然を守る会の観察記録や、忠生公園ボランティア・プロジェクトチーム提案「ナラ枯れ・カシナガ捕獲大作戦from忠生公園 ~未来へまちだのみどりを伝えようプロジェクト~」、 そこで紹介されている静岡県森林・林業研究センターのYouTube動画が参考になりました。(7月29日、会員宛メールから引用)
   ・「半枯れ」=衰退木?

※前回の活動日に鳥取さんが紹介してくれた「ナラ枯れの概要と対応について」(茨城県林業技術センター、2020年10月)
甚左衛門の森でナラ枯れ勉強会(松戸市、2020年7月30日)
ナラ枯れ被害対策について(千葉県農林水産部森林課、2020年12月11日)
  →千葉県情報誌『フォレストレター
  →ちば里山センター『ちば里山新聞
※林容史「ナラ枯れ被害、[茨城]県内で相次ぐ 林野庁が早期発見へ研修会」(『東京新聞 TOKYO web』2021年4月26日 07時15分 )
……被害を放置すると、枯死による倒木で景観が悪くなったり、土砂崩れが起きたりするほか、温暖化や生物多様性の損失など生態系にも影響するため、早期発見と対処が必要になる。
 対策は、カシナガの新成虫が6〜8月ごろ、木の中から出てくる習性を利用し、新たな樹木に飛び移るところで、樹木に巻いた粘着シート「かしながホイホイ」で捕獲し、個体数を減らすことだ。
……樹木には、カシナガ以外にも他のキクイムシや昆虫が入り込んでいるケースがあるという。このため、森林総研の専門家が、カシナガによる枯死かどうか、つまようじ一本で見分ける方法を伝授した。
……職員たちは森林内で、つまようじでカシナガが開けた穴を探しながら、コナラなどの樹木にかしながホイホイを巻き付ける実技に取り組んだ。
 県内の国有林は、東京ドーム一万個分ほどに当たる約4万5千ヘクタールある。茨城森林管理署の木村穣署長は「ナラ枯れについて、われわれも基本的なことが分かっていない。職員たち自身でナラ枯れかを判断できるようになってくれれば。人が通る遊歩道付近は特に注意したい」と話した。
 森林総研昆虫管理研究室の衣浦晴生室長は「都市部では公園や低山で被害が見られる。今後は市民ボランティアに協力を呼び掛け、ナラ枯れを見つけて初期の段階で対処していく方法について考えたい」と意欲を示した。
◆つまようじを使って見分ける
 森林総合研究所昆虫管理研究室・衣浦晴生室長によると、ナラ枯れはつまようじを使って見分けることができる。まずは枯れた樹木の根付近に木の粉が落ちていないか確かめ、幹につまようじが入るぐらいの穴を見つける。穴が大きすぎず、また小さすぎず、つまようじが、やや斜め方向にぴったり入り、5ミリほどで止まれば8、9割はカシナガが入り込んでいると判断できる。
<カシノナガキクイムシ(カシナガ)>
 体長4.5〜4ミリで黒っぽい円柱形の体を持つ。生物学的にはカブトムシに近い。ナラ、シイ、カシ類の樹木に穴を開けて入り込み交尾、産卵する。この際、ナラ菌が樹木に入り、感染した部分の細胞が死に、水分などの通り道となる導管が目詰まりして枯死する。
六甲山地におけるナラ枯れ被害の実態と特徴について (国土交通省近畿地方整備局六甲砂防事務所 田村圭司・日野健 、アジア航測株式会社  船越和也・○池田欣子・山賀由貴・鈴木淳司)
ブナ科樹種を利用するキクイムシ類の群集生態学的研究(京都大学農学研究科 飯塚弘明)

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動画紹介:伐木技術いろいろ(『鴨川里山を守る会』サイトの「参考情報」)
YouTubeの動画9本が紹介されています。
倒木切断の危険、キコリの切り捨て間伐、芯抜き、ガターカッティングに挑戦、Trees That Don't Like Hinge Cutting、Ratgeber Motorsäge (Teil 2,3)、自伐型林業間伐体験、Hard side lean Red oak!!!

作業道、林床の下草刈り 7月25日

市民の森保全クラブ、第4日曜日の定例活動日です。参加者は新井さん、金子さん、木庭さん、澤田さん、鳥取さん、橋本さん、細川さん、渡部さん、Hikizineの8名でした。
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作業道と南向き斜面の草刈りをしました。


真夏に紅葉
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今日は四阿付近でコナラが2本枯れているのを見つけました。赤テープを巻いているのは8本になりました。これからも増えるのではと心配です。
前回7月16日の活動記事で紹介した埼玉県『ナラ枯れの被害から守るために』(2019年9月版)を配布して学習会をしました。現行版(2021年4月版)はコチラ(2頁、4頁変更あり)です。
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ナラ枯れの被害からまもるために(埼玉県)_3ナラ枯れの被害からまもるために(埼玉県)_4

下草刈り、斜面整理、大キノコ、ナラ枯れ? 7月16日

市民の森保全クラブFFF21(Fridays For Forests 21)追加作業日です。参加者は芦田さん、木庭さん、澤田さん、鳥取さん、細川さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの8名でした。前回に続いた作業をしました。
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オオオニテングタケ(テングタケ科)
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大型のキノコで直径40㎝にもなるものもあるそうです。

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ついにナラ枯れ発生か?
青木ノ入の手前から撮影した市民の森。何本かまとまってコナラが枯れているのに気がつきました。市民の森を管理している文化まちづくり公社に伝えました。関係機関と連絡を取って直ちに対処するそうです。
  リンク切れしていたのでリンクを張り直しました。現在は2021年4月版が配布されています(2021年11月9日)。
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