岩殿満喫クラブ 岩殿 Day by Day

市民の森保全クラブ Think Holistically, Conduct Eco-friendly Actions Locally

生物多様性・自然共生社会

田中健太『上田の身近な自然の魅力~高原・ため池・山城の草原再生~』 2月28日

2月23日に開催されたSDGsフォーラムin信州上田「みんなで捉えろ!気候変動と生物多様性」(主催:上田市、共催:上田市環境衛生協議会、筑波大学山岳科学センター、長野県環境保全研究所)の午後の部の田中健太さん(筑波大学山岳科学センター)の講演「上田の身近な自然の魅力~高原・ため池・山城の草原再生~」です。上田市の塩田平のため池群は「日本のため池百選」(農水省HP)に選定されています。埼玉県内では比企丘陵地域が日本農業遺産「比企丘陵の天水を利用した谷津沼農業システム」(農水省HP)に認定されました。入山沼もGooglemapでは「入山沼(日本農業遺産)」としてマークされています。ため池の価値や維持管理、堰堤の植生、斜面崩壊について考えながら聴講しました。
上田の自然の魅力_41

身近な自然:人の利用・手入れ(放牧・採草・野焼き・刈払)によってできる自然
草原の歴史 菅平高原・峰の原高原 山城 農業用ため池
上田の自然の魅力_45上田の自然の魅力_46上田の自然の魅力_47

歴史の凄さ 古い草原の環境価値
上田の自然の魅力_48上田の自然の魅力_56上田の自然の魅力_62
 生物多様性 歴史が古いほど植物がゆたか
 遺伝資源 歴史の古い草原にある未知で膨大な遺伝資源

斜面防災 森林  vs 草原 どちらの斜面が崩れやすいか?
上田の自然の魅力_65上田の自然の魅力_66

 茅場の斜面は崩れないという経験則
 森林の脆弱性 根返り:根こそぎ倒れ地面がめくれる
 樹木は斜面を不安定化(河川法、1964年)
  植樹木の主根が堤防内に入らぬよう、安定性を損なうことがないよう十分留意すること

山城の土手の森林化、根返りの不安
上田の自然の魅力_67

全国で進むため池の防災工事
上田の自然の魅力_68
 東日本大震災や西日本豪雨で、多数の農業用ため池が決壊
 (能登半島地震でも、約4割の池で亀裂・崩壊等)
 ため池防災特措法(2020~30年)
  46都道府県の6160池で防災工事が計画(NHK調べ)
 土地改良法・指針による環境配慮が、ため池土手は見落とされていた
  堤体植生の掘削、張芝による植生改変

植生配慮工法の先行例
上田の自然の魅力_69
 表土戻し工法
 表土からの植生回復
 希少植物の移植活動
 課題 掘削しない植生保存帯の設置

歴史の凄さと歴史の怖さ
上田の自然の魅力_70
 失ったら取り戻せない(不可逆) 
 失った時に何か起きかねない

2018 水と巡る信州上田地域の旅 ~塩田ため池群~ 6:01
 

塩田まちづくり協議会
 ●みんなでため池の植物を守る 2023.12.3
塩田にたくさんあるため池。「日本のため池百選」にも選定されているのですが、塩田平土地改良区に登録されているため池の数は41。貯水量を合計すると300万トンにもなります。一般家庭が一年間に使う水の量が平均300トンだそうで、そうすると1万軒のお宅が使う年間使用量を賄える勘定に。そんなたくさんあるため池ですが、数年前から耐震工事が行われています。東日本大震災で福島県のため池が決壊し、大きな被害が出たことを契機に、全国的にため池の耐震工事が進められています。塩田平でも、ため池の耐震調査を行い、対策が必要な所で順次工事が行われています。工事で何をするのかと言うと、基本は堤を厚くすること。決壊しにくくするためです。堤を厚くするということは、工事する時はそこを削ったりするわけです。そうすると、そこに生えている植物はなくなってしまいます。工事が終わって、もしかしたら、何年か先にはまた生えてくるかもしれませんが、もう二度と見られなくなる可能性は高いですよね。……工事が始まる前に堤の植物を別のところに移植して、工事が終わったら堤に埋め戻す。これまで、工事が行われたため池で行われてきたのですが、今年後期は、塩吹池と浅間池、そして不動池で希少植物を移植しました。塩吹池と浅間池は、堤体に生えている植物を掘り取って別の場所に移す作業を行い、不動池は池の工事が完了したので、舌喰池のそばに移植してあった植物を堤体に戻す作業を行いました。筑波大学の田中准教授の指導を受けながら、地元自治会、水利組合が中心となり地元住民が協力して作業を行い、作業は無事に終わりました。……(F森)
 ●塩田のため池を写真で観る フォトギャラリーに40のため池写真 2021.4.28
 ●塩田のため池をドローンから視る ①砂原池 ②山田池 ③塩野池

ため池堰堤の造成後年数とともに希少植物種数が増えるか?ー83地点での検証ー
  日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨ESJ70 Abstract
人間の草原利用が減ることで半自然草原が近年急速に減少し、多くの草原性生物が絶滅の危機に瀕している。そのため生物多様性が高い草原を特定して保全する必要がある。先行研究では、継続年数が長い草原で植物の多様性が高いことが分かっているが、植物の多様性が増えるのに草原の継続年数がどれくらい必要なのかは分かっていなかった。そこで、様々な継続年数の草原が多数得られるため池堰堤を対象に、草原の継続年数が植物の多様性に与える効果を明らかにすることを本研究の目的とした。
長野県上田市塩田平周辺で、ため池堰堤の造成から1~450年が経過した計73か所と、対照区として、10~70年前に造成された公園等10か所を対象とした。2020~2022年のいずれかの年の5~10月に3回、各調査地に出現する維管束植物種を約300~8000㎡の範囲(広域調査)と、1×20 mトランセクト(トランセクト調査)で調べた。
広域調査では、計553種の植物種が出現し、スズサイコ・ノジトラノオ・キキョウなどの環境省指定絶滅危惧種といずれかの都道府県でレッドリストに記載されている希少種が、合計220種出現し、そのうち148種はため池堰堤でのみ見つかった。トランセクト調査では、草原の継続年数が増えるほど外来種数が減少し、約300年で最小値に漸近した。在来普通種数と草原性希少種数は継続年数によって増加し、それぞれ約100年、200年で最大値に漸近した。草原の継続年数によって種組成が異なり、マツバウンランのような年数の経過とともに減少する種群と、ツリガネニンジンやクサボケのような年数の経過とともに蓄積して歴史の古い草原の指標となる種群が認められた。
以上より、200年以上継続している草原は保全優先度が特に高く、ポスト2020年目標として国際的な注目を集めている民間保全地(OECM)の有力な候補になりうる。現在、ため池の耐震工事による植生破壊が全国的に進んでいるため、貴重な植生に配慮した工事が望まれる。
ため池に生える希少植物について学ぶ 小学校で授業  上田
 NHK『信州 NEWS WEB』 2023年12月11日 動画(1:47)
景観の美しさから、国の「ため池百選」に選ばれている上田市の塩田平のため池などに生えている希少な植物について学ぶ授業が、地元の小学校で行われました。雨が少ない上田市の塩田平では、江戸時代から多くのため池がつくられ、その景観の美しさから「塩田平のため池群」として農林水産省の「ため池百選」に選ばれています。11日は、ため池の土手などに生えている希少な植物について学ぶ授業が地元の塩田西小学校で行われ、5年生が参加しました。授業では、植物の研究をしている筑波大学山岳科学センターの田中健太准教授が、上田市内には、およそ100か所のため池があることや、学校の近くにある山田池には、「スズサイコ」など複数の希少な植物が生えていると説明しました。また、全国的にため池をめぐっては、決壊などを防ぐため防災工事が進められていますが、田中准教授は「工事を進めながらもため池の希少な植物を守っていくことが大切だ」と呼びかけていました。授業を受けた児童は「今にもなくなりそうな希少な植物が身近にあることを知りました。自然を守りたいと思いました」と話していました。

1. 管理作業の内容
 ① 水位の調整
 ② 水入れ(パイプライン方式、水入れ役方式)
 ③ 共同作業(草刈りや水路清掃)
 ④ 設備の点検・整備
 ⑤ お金の管理
 (1) 日常的な会計 人件費(草刈りや水入れに関わる人件費)
    水利費(水田への配水や集落から排水するために必要な水路の管理にかかる経費)
    軽微な改修費、電気代、など
 (2) 非日常的な会計
    大規模な改修工事に伴う手続きや費用の徴収
    ため池が売却された際の売却金の管理、用途の決定
 ⑥ その他(イベントの実施など)
2.  管理作業の主体
 水利組織:水位の調整やお金の管理、施設の点検・整備、,水入れなど
 水利組織に加えて,農家や住民が参加:草刈りや水路清掃
 住民・市民:イベント参加
3. まとめ


  
 
 ●狩野 仁慈・小原 悠太「長野県上田市塩田地域におけるため池群の維持管理と存続」
   筑波大学大学院生命環境科学研究科『地域研究年報』43、2021年
本研究の目的は、長野県上田市塩田地域におけるため池を事例とし、その維持管理と多面的利用の特徴を明らかにすることを通じて、ため池群として存続させるための望ましい維持管理の在り方を検討することである。産業構造の変化に伴う第一次産業の衰退や、地域の水利事情の改善により、農業用水としてのため池の需要は縮小している。それに伴い、地域において一様な管理体制は機能しなくなり、それぞれのため池に合わせた維持管理を行うことが望まれる。その際に重要となるのが、ため池群としての維持管理である。具体的には、人的資源が豊富な自治会やその他の民間団体、そして、今まで直接管理に携わることのなかった行政が、維持管理の難しくなったため池の管理者と連携・協働を通じて、その存続を担うような体制である。このような体制を築くことができれば、ため池群としての長期的な存続が期待できる。


SDGsフォーラム「みんなで捉えろ!気候変動と生物多様性」(上田市) 2月23日

雨天で市民の森保全クラブの活動が中止になったので、午前・午後、SDGsフォーラムin信州上田「みんなで捉えろ!気候変動と生物多様性」(主催:上田市、共催:上田市環境衛生協議会、筑波大学山岳科学センター長野県環境保全研究所)を視聴しました。
気候変動と生物多様性1気候変動と生物多様性2
「雪が少なくなった」「桜の開花が早いなぁ」―暮らしの中で感じる気候や自然の変化、実際はどうなっているのでしょうか?気候変動の実際や生物多様性の課題に、科学的な視点から迫ります。午後は、世界に誇る信州上田の生物多様性を紹介し、自然共生サイトに登録された草原の維持について30by30として取り組むキリンホールディングス株式会社の取り組みを紹介します。地域の自然を味わい、維持していくことの重要性について、ぜひ聞きにきてください。
《午前の講座》まだまだ知らない気候変動のお話
①気候変動入門:私たちはどうなる?どうする? 廣田充(筑波大学)
②信州の気候はどう変化? 栗林正俊(長野県環境保全研究所)
③みんなの情報で将来の気候変動からライチョウを守る!  堀田昌伸(長野県環境保全研究所)
④信州の味噌からみえる気候変動の影響 高橋聖(信州大学繊維学部3年生)
長野県内の味噌屋さんにヒアリングをし、長野県を代表する食品“味噌”に何が起こっているかを最近よく聞く(と思う)気候変動と絡めてまとめてみました。
気候変動が起きると何が起きるのか?強いて言えば最近暑くなった?なかなか想像出来ないと思います。今回は身近な食品の味噌と絡めて何が起きているかを発表します。
面白そうなことの一環で,年に1回,興味のあるテーマについて長野県環境研究所と連携し調べています。今年で2回目。去年は長野県の各地域の特産物と気候変動をテーマに皆で分担して調査を行いました。私は東信地方の農産ということでリンゴを担当。今年は発酵食品と言うことで味噌についてやりました。今年は私のみの個人戦。普段忘れた頃に実験発表を十数人規模の前でガタガタ震えながらやるような私が、果たして大人数の前で発表しきることができるのか?よろしくお願いします。
《午後の講座》生物多様性の育て方~人と自然が共生する信州上田~
⑤上田の身近な自然の魅力~高原・ため池・山城の草原再生~ 田中健太(筑波大学山岳科学センター)当ブログ2月28日記事
⑥シャトー・メルシャン椀子ヴィンヤードにおける生物多様性と「30by30」 藤川宏(株式会社キリンホールディングス)
キリングループのCSV経営と環境ビジョン、長野県上田市にありますシャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤードにおける自然環境についてお話しします。
キリングループの環境ビジョン「ポジティブインパクトで、豊かな地球を」と、それを掲げる背景をご説明した後に、長野県上田市にある「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー/ヴィンヤード」における事業や取り組みを通じて、自然環境にどのような良い影響を与えているのかについて発表します。
信州上田学
現在、少子高齢化社会の進展により、深刻化する地域の担い手不足とこれに伴う地域経済活動の縮小が顕在化しており、今後も高齢者人口の増加と地域の担い手となる生産年齢人口(15歳~64歳)、年少人口(14歳以下)の減少は続くものとされています。
 こうした現状を踏まえて、上田市では、持続可能な地域の創出に向け、地域に脈々と受け継がれてきた歴史、文化、自然、風土、産業等を「学ぶ」ことで、住民が「住み続けたいと感じる地域づくり」、地域を離れて進学した学生が「ここに帰ってきたいと感じる人づくり」を行い、さらには、「上田を離れても地域を想い続けてもらう人づくり」につなげていくことを目的として、信州上田学を積極的に推進していきます。
※信州上田学の学びの手法「上田メソッド」(上田市立長野大学『信州上田学』
  地域で・地域と協働する学び 地域課題解決の方法論
上田は「信濃自由大学発祥の地」であり、この地の人々が自ら学び地域を築いてきた歴史と気風があります。この伝統に基づき、「信州上田学」は、単に地域のあれこれを教え込むものではなく、大学という研究機関が中核となり、地域と学生がともに自ら学び続け地域を創造する、「研究」と「人づくり」の中核をなす地域学です。
◎地域の魅力を掘り起こし、ローカルナレッジを普遍的視野から再構築、再評価し、地域資源を創造する地域学の創造
◎地域の豊富な資源を持続的に活用して地域の発展を牽引できる人づくり
・ 地域の豊かさや地域の人々に触れ、自ら地域づくりに関わっていく過程を通して、地域に愛着を感じ、自分が生きていく場としてこの地域を選ぶ若者の増加も期待される
・ 圏外の出身地へ就職しても、自らの地域の発展を牽引するとともに、信州上田をよく知り、出身地と信州上田をともに発展させていく、いわゆる「関係人口」の増大が期待される

小林朋道『動物行動学者、モモンガに怒られる』 8月10日

小林朋道さんの『動物行動学者、モモンガに怒られる』(山と溪谷社、2022年5月)を読みました。タヌキのため糞(「岩殿入山谷津の植物調査(2022年7月22日記事」)が気になって、「タヌキは公衆トイレをつくる」をまず読みました。「地球上の人間社会をとりまく自然生態系は、地球規模のヒトの生命維持装置(141頁)という言葉が印象的でした。それがなければ、あるいはその働きが低下すればヒトは生きていけないのだ。
         小林朋道『動物行動学者、モモンガに怒られる』(山と溪谷社、2022年5月)
はじめに

アカネズミは目をあけて眠る 「懸命に生きているんだな!」という思いが大切だ
 野生のアカネズミとの出会い
 せっせとドングリを埋める夜
 持ちつ、持たれつ生きている?
 「テキパキ」という名のネズミ
 それぞれのドングリのゆくえ
 アカネズミとドングリの謎
 動物は目をあけて眠れるか?
 ヒトという名の動物の習性
 アカネズミ図鑑

動物行動学者、モノンガに怒られる
経済的利益と精神的利益が必要なのだ
 産む子どもの数が問題だ
 哺乳類の子育て戦略さまざま
 生存戦略を左右するシンプルな原理
 ニホンモモンガは子どもをたくさん産むか?
 母モモンガに睨みつけられる
 モモンガの盛と生きる
 経済的利益と精神的利益
 ニホンモモンガ図鑑

スナヤツメを追って川人になる
人工的が環境でも共存はできる、間違いない
 あの大切な「樋門」が!!
 ハリボテの威厳を揺るがす質問
 スナヤツメの不思議な生態
 ここにいて、あっちにいないのはなぜ?
 再び市役所にかけあう
 スナヤツメ図鑑

負傷したドバトとの出会いと別れ
“擬人化”はヒトにとって大切な思考活動なのだ
 翼の折れたハト
 森で生きる生物、草原で生きる生物
 ホバを襲った衝撃の事件
 「生物専用機能回復系」の存在
 ホバからもらった宝物
 「擬人化思考」が可能にしたもの
 ドバト図鑑

小さな島に一頭だけで生きるシカ
シカも、ヒトの生命を維持する装置である
 津生島へ上陸を果たす
 島で“ツコ”が果たす役割
 ヒトが生きていくために必要なこと
 もしも、あなたの町にシカが出たら?
 調査でわかった島の驚くべき植生
 シカとして、ヒトとして
 ニホンジカ図鑑

脱皮しながら自分の皮を食べるヒキガエル
ヒトは、生まれつき生命に関心や愛情を抱く
 早春の雪解け水に棲むものとは?
 数千分の1を生き延びろ
 ヤマカガシとヒキガエルの深い関係
 ヒキガエルの脱皮を目撃する
 バイオフィリアと生物多様性
 ヒキガエルがヘビに出会ったら?
 動物の生態を理解する喜びとは?
 ヒキガエル図鑑

タヌキは公衆トイレをつくる
街で暮らす動物たちのことをどう考えるか
 道路で動けなくなっていたタヌキ
 コバキチ点を終え!
 タヌキの雄は意外と子煩悩
 つがいの暮らしぶりを調べる
 溜め糞が教えてくれたこと
 どうして共存する必要があるのか
 タヌキの恩恵
 タヌキ図鑑

コウモリにはいろいろな生物が寄生している
生きることと潜在的な危険は切り離せない
 コウモリは感染症の現況か?
 コウモリには立派な鼻がある
 天敵から逃れるための思わぬ行動
 コウモリに寄生するあんたは誰だ?
 ケブカクモバエの能力やいかに
 まさか! コウモリを襲う奇病の存在
 生きる上でのリスクとどうつきあう?
 ウィルスに見る「共存の本質」
 コウモリ図鑑

ザリガニに食われるアカハライモリ
動物との接し方に新しい規範が必要なときだ
 知られざるアカハライモリの暮らし
 雄と雌の行動の意味とは何か?
 アカハライモリの可愛すぎる幼体
 動物行動学者、深夜の草むらで格闘する
 捕食行動を調べたいという学生
 Hさんに起きた不思議な変化
 動物との接し方についての新しい規範
 アカハライモリ図鑑

おわりに


小林朋道さんには築地書館の先生シリーズ(鳥取環境大学の森の人間動物行動学)18巻など多数の著作があります。動物行動学分野の本は初めてなので読んで見ようとおもっています。


神代植物公園植物多様性センター 7月6日

東京都調布市深大寺北町にある神代植物公園植物多様性センターに行き、学習園の武蔵野ゾーンと情報館を見学しました。
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帰化植物がくぐり抜けてきた試練
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帰化植物の問題点
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地域個体群を守ろう!
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武蔵野ってどんなところ?
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植物から「繊維」を取りだそう!というパネルがあって、ヒメコウゾから取り出した繊維でつくった「太布」(たふ)も展示されていました。
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ヒメコウゾは青木ノ入の果樹園に4本あります。


小学生のためのSDGs 7月15日

一般社団法人子供教育創造機構が2020年10月にリリースした動画学習サイト『小学生のためのSDGs


【目標15】陸の豊かさを守ろう!
FireShot Capture 9600 - 小学生のためのSDGs - welearn.design

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生物多様性とは?(『宇都宮市』サイトから)

 



こども環境白書2019(環境省、2019年1月)

クワガタの幼虫 6月4日

川越市の松本さんからクワガタの幼虫をいただきました。最後まできちんと飼いましょう。
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NHK for School ど~する?地球のあした

scene01 クワガタの世界に起きていることって?
今日のお話は、こん虫の王様ともいわれるクワガタについてです。今、このクワガタの世界にたいへんなことが起こり始めているのです。小島啓史さんは、子どものころから40年以上もクワガタをかいつづけているクワガタ研究家です。クワガタが森のどこにいるのか、とてもよく知っています。小島さんに案内してもらったのは4月の半ば。クワガタはこの時期、かれ木の中でたまごからかえって育ちます。実は、かれ木の中でクワガタが成長していくことが、森にとってとても役に立つのです。

scene02 森が生まれかわるのに必要なクワガタ
たまごからかえったクワガタの幼虫は、まわりの木を食べます。食べた木はクワガタの体の中にいる微生物によって、空気にふくまれる窒素というものといっしょになり、とても栄養のあるウンチになります。これがさらにまわりの窒素とむすびついて、クワガタの巣は、栄養たっぷりのウンチでいっぱいになります。クワガタのいた木は、やがて土になります。そしてこの土で新しい木が成長し、森が生まれかわるのです。クワガタは森に必要な生きものなのです。

scene03 毎年100万びきが輸入されている!
森にとって大切なクワガタ。でも、最近心配なことが起こっています。日本には、外国からいろいろなものが運ばれてきます。ずらりとならんだ黒いもの。実はこれ、生きているクワガタです。今、日本で大人気のクワガタは、毎年およそ100万びきが東南アジアなどから輸入されています。しかし、かう人のなかにはとちゅうで外に放してしまう人も出てきました。やがて、本来いるはずのない日本の森に、外国のクワガタが入っていくようになりました。

scene04 外国産クワガタと日本産クワガタ
国立環境研究所では、外国から入ってきた生きものが日本の自然環境にあたえるえいきょうを調べています。外国産のクワガタを研究している五箇公一さんは、外国のクワガタと日本のクワガタはいっしょにくらすことはできないと考えています。「東南アジアなどからやってくるクワガタは体も大きく、力も強い。性格もあらいのです」。台湾のオオクワガタと日本のオオクワガタを同じ場所においてみます。すると、日本のオオクワガタはおさえこまれて動けなくなってしまいました。

 scene05 最後まで責任をもってかおう
小島さんは、外国のクワガタが森に入ることで、日本の自然に悪いえいきょうが出るのではないかと考えています。「地元でつかまえたものをもとのところに帰してやるのならいいのですが、フィリピンとかアフリカからつれてきたものを日本で放してしまうと、地元にもともといた日本産のクワガタやカブトムシを全部追いはらって、そこをひとりじめしてしまうかもしれません」。自分でかった生きものは最後まで責任をもってかいましょう、ということだと小島さんは言います。

scene06 ペットとして輸入された動物が…
実はもう、日本の自然をあらしている外国の動物がいます。本来、北アメリカにすんでいるアライグマです。今から30年ほど前、アライグマを主人公にした本やテレビアニメが日本でブームになると、アライグマはたちまち人気者になり、ペットとしてたくさん輸入されました。しかしアライグマは成長すると気があらく、凶暴になります。かいつづけられなくなった人たちが森に放してしまうということが起き、すてられたアライグマが畑や民家をあらしたりするようになりました。

scene07 日本の自然をあらしているアライグマ
山あいのゆたかな自然がのこる神奈川県横須賀市。金田正人さんは、このあたりの自然環境を長いあいだ観察しています。もともとこのあたりはイモリやサワガニ、トウキョウサンショウウオなどの動物がたくさんくらしていました。そうした動物がめっきり少なくなっています。「毎年ヤマアカガエルがたくさん集まってたまごをうんでいた場所も、全部アライグマにほりかえされて、たまごを見かけなくなってしまいました」。今、アライグマは各地でつかまえられています。

scene08 ふえすぎないようにする方法をさぐる
北海道にある酪農学園大学には、一年に500頭以上のアライグマが送られてきます。そして、ここで処分されます。つかまえた場所を記録し、年れいを調べ、どの地域で子どもがたくさん生まれているかを調べます。的場さんはこうした研究を通して、アライグマがふえすぎないようにする方法をさぐっています。「ころしたくないという気持ち。でも日本の生態系を守るためにしなければいけないことなんだという気持ち。むじゅんした気持ちです」。

scene09 悪いのはアライグマ?
アライグマが日本の自然におよぼすえいきょう。でもそれはアライグマのせいなのでしょうか。アライグマも、生きていくために畑に入ったり魚をとったりしているのです。すきで日本にやってきたわけではない。そう考えると、つれてこられたアライグマも被害者です。外国から日本にやってきた生きものは、植物も合わせると全部で83種もいます。ザリガニやカメのほとんどは外国から来たものになっています。日本の自然にえいきょうをあたえる外国の生きものたち。この問題を見て、みなさんはどう思いましたか。
環境儀№18ヒラタクワガタの分布拡大経路

アジアに生息するヒラタクワガタ地域系統
 ●研究者に聞く  生物多様性への影響を遺伝子組成にまで踏み込んで解明(五箇公一)
  1: 生物多様性と外来生物の影響
  2:クワガタムシの系統樹からわかったこと
  3:ハウスから逃げ出して野生化するのが問題
  4:生物多様性の保全には当事者の理解が基本
 ●輸入昆虫の生態影響評価研究の成果から - セイヨウオオマルハナバチとヒラタクワガタを例として
 ●外来生物問題、世界の視点と動向研究をめぐって
 ●「生物多様性の減少機構の解明と保全プロジェクト」の全体構成


クワガタブーム (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から
『クワガタブーム』とは1990年代後半より始まった日本産オオクワガタ、外国産クワガタを中心とした飼育、販売のブームである。子供から大人までを巻き込み、一時はオオクワガタの大きさを巡って大型個体が高額で取り引きされるなどマスコミにも取り上げられ大きな話題となった。
概要:1990年代中頃、菌糸によるクワガタムシの幼虫飼育法が確立、ビンに入った幼虫の餌が流通し始めるとこれまで困難であった成虫を産卵させて再び次世代の成虫まで育てる累代飼育が手軽になり、一気にファン層が広がる。またこの方法は天然には存在しえない程の大型個体を生育する事が可能であり、それまでオオクワガタを筆頭に大型や採集困難であった種の生体が高額で取り引きされていたこともあり、投機目的も絡んでクワガタ飼育が一気に大ブームとなる。さらには植物防疫法の改正によりこれまで禁止されていた外国産クワガタ、カブトムシの輸入が解禁され外国産のクワガタが流通しはじめるとブームにさらに拍車をかけた。やがて飼育ノウハウの普及やショップの乱立により流通個体が増加し価格は沈静化、一時のブームは収まったが過剰な採集圧による自然での生育環境の破壊、ショップの過剰在庫や飼育に飽きた個体の自然への放虫による遺伝形質の混乱等の問題を残しながらも クワガタの累代飼育が趣味として定着する基盤となった。

imidasオピニオン2008/08/08 クワガタムシ好きの日本人がクワガタムシを滅ぼす
五箇公一「10時間で破壊される500万年の進化の歴史  
2000年以降、急速に輸入量が増加して、一大飼育ブームを巻き起こした「外国産クワガタムシ」。現在でもその熱は冷めることなく、毎年夏休みになれば、ペットショップやデパートで、雌雄のペアが大量に販売されている。これほどまでにクワガタムシを愛する国民は、世界広しといえども、日本人だけである。しかし、この日本人のクワガタ愛好心が日本の、そして世界のクワガタの衰退を招く恐れがある。
●外国産クワガタムシの飼育ブーム
●外来生物としてのクワガタムシ
●人的な介在でもたらされた新たな雑種個体
●原産地の生物多様性や経済にまで影響
●日本人のクワガタムシ好きは日本人の固有性
●「生き物」の輸入や売買は自然の法則の逸脱

※五箇公一さんの『クワガタムシが語る生物多様性』(発行:創美社、発売:集英社、2010年)の第3章、6章、7章を読み直しました。
  五箇公一『クワガタムシが語る生物多様性目次
第1章 「生物多様性」とは何か?
第2章 生物多様性が危ない
第3章 クワガタムシが語る生物多様性
デパートへ虫捕りに行く時代/クワガタムシの輸入解禁/外国のクワガタムシがやってきた!/クワガタムシのDNA/クワガタムシの家系図/ヒラタクワガタのフランケンシュタイン化? 雑種誕生/なぜ雑種が問題なのか?/外来生物法の登場/外国産クワガタムシの受難/日本人は世界一のクワガタムシ好き/日本人はなぜクワガタムシが好きか-里山クワガタ論/日本人と生物多様性
第4章 マルハナバチが語る生物多様性
第5章 ミジンコが語る生物多様性
第6章 ダニが語る生物多様性
ダニの多様性/ハダニの薬剤抵抗性/ハダニの遺伝的多様性/ハダニの海外旅行?/ハダニの進化的重要単位の危機!? 植物防疫システムの崩壊/クワガタのダニ/ダニCGの切手
第7章 カエルが語る生物多様性
カエルの病気/カエルツボカビ日本上陸?/カエルツボカビの起源は日本か?/日本産カエルツボカビのリスク評価/海を渡ったカエルツボカビ/感染症の流行にも生物多様性の撹乱がからむ/目に見えない生物多様性・寄生生物との共生/カエルの未来と人間の未来
  浅川満彦「書評 五箇公一著『クワガタムシが語る生物多様性』」
この問題[外来種問題]を扱ったこれまでの書籍とは異なり、農業振興や新規の愛玩あるいは実験動物などの目的で日本に持ち込まれた動物群とそれに寄生する病原体が自然生態系のリスク因子となっているという主張である。見落とされがちであるが、プリオンやウイルスなど一部例外を除けば、多くの病原体もやはり生物なので、やはり外来種の範疇に入ると啓蒙している。評者も、爬虫類・鳥類・哺乳類などの動物とその蠕虫類との進化的な固有の歴史の中で醸成された宿主-寄生体関係が、外来種の介在で撹乱されつつあるという点を疫学という手法で追いかけているので、非常に参考になった。この手の研究は、基盤となる在来の寄生生物相を押さえるのが重要な鍵なのだが、時間も手間もかかる。その間、外来種がどんどん入り込み、何が在来なのか、それとも外来なのか決めがたい状況になった。そういった時間がかかる研究も、外来種問題がクローズアップされ一気に進行することもある。その実例が両生類のツボカビ類である(7章)。両生類保全という視点で急速に調査研究を展開していたら、なんと、外来病原体と信じられていたこの真菌が、実は日本列島で分岐した可能性があるという。このどんでん返しは驚嘆させられた。……(『生物科学』第63巻第3号、2012年)
最後まできちんと飼おうね_1外国種に注意(鹿児島県立博物館、2017年)_1さがみはら生物多様性ネットワークニュース13_1

※【TVでおなじみ、ダニ博士が語る】(YouTube、2020年4月12日公開、17:19)
                       


FFF Japan 気候変動は「どのくらい」「どう」ヤバイのか? 1月8日

1月8日19:30-21:00、FFF JAPAN(Fridays For Future Japan)がzoomで行ったウェビナー『気候変動は「どのくらい」「どう」ヤバイのか?』を視聴しました。

気候変動×生物多様性への影響をテーマに、森林総合研究所の大橋春香さん、共同通信社の井田徹治さんが解説し、質問に答えます。

Fridays For Future Japan とは?
FridaysForFuture(未来のための金曜日)は、2018年8月に当時15歳のグレタ・トゥーンベリが、気候変動に対する行動の欠如に抗議するために、一人でスウェーデンの国会前に座り込みをしたことをきっかけに始まった運動です。彼女のアクションは、多くの若者の共感を呼び、すぐさま世界的な広がりを見せました。この世界的なムーブメントに共感する若者は、ここ日本にもたくさんいました。2019年2月、日本でのFridaysForFutureの運動が東京から始まります。発足以来、学生たちを中心に、徐々に全国各地に活動が広がっています。(FFF Osakaサイトから)

若者が聞く!202101081563

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加藤和弘「生物多様性の危機とその管理」 1月4日

放送大学の総合科目『危機の時代に考える』第4回、加藤和弘さんの「生物多様性の危機とその管理」を視聴しました。




生物多様性の危機とその管理
 1.生物多様性とその意義
  生物多様性とは
・地球上で多数の生物が絶滅に瀕している現状を憂えた研究者らの問題意識から生まれた考え方。
・1992年にリオデジャネイロで開かれた「国連サミット」で、「生物多様性条約」が採択。生物多様性は「全ての生物の間の変異性を指すものとし、種内の多様性、種間の多様性、および生態系の多様性を含むものとする」と定義された。
  生物多様性の意義 (1)生態系サービス
・人間生活に必要不可欠の生態系サービス
 1.供給サービス(有用な物質を生産する。)
 2.調整サービス〈土地やその環境を安定化させる。)
 3.文化的サービス(人間生活を文化的に豊かにする。)
 →これらを維持する上で
  生物多様性が健全な状態に保たれる必要がある。
  生物多様性の意義 (2)未発見・未確定の意義
・将来明らかにされ、利用されるかもしれない生物の価値や機能を、将来に向けてほぜんしておかなければならないという考え方。潜在的価値
・遺伝(遺伝子)価値
・生物多様性保全の道義的(倫理的)重用性
 2.生物多様性の危機の現状
  地球上における生物多様性の実態
・地球上の種の数:500万?~5000万?
 ・うち、記載済み175万種(環境省 2008)
 ・昆虫95万種、維管束植物27万種、鳥類9000種、
  哺乳類6000種……(同上)
・未発見の種が多数あると考えられている。
  (例UNEP(2011)は、未発見の種を含む総種数を焼く870万と推定。)
  絶滅危惧の生物の例
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-221728
  日本での絶滅危惧動物種数
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-221836
  こんな生物も減っている
・スズメ(三上ほか、2009)
 個体数は2005年頃には1960年代の1/10程度まで減少していた可能性を指摘。
・秋の七草
・キキョウ(絶滅危惧Ⅱ類)、フジバカマ(準絶滅危惧種)
 身近にいた当たり前だった生物が、気づいたらいなくなってい、ということがこれから続々と起こる?
  生物多様性における「4つの危機」
・第1の危機:開発など人間活動による危機
 (例)生物の生息場所の消失、縮小
・第2の危機:自然に対する働きかけの縮小による危機
 (例)里山の変容に伴う生物多様性の低下
・第3の危機:人間により持ち込まれたものによる危機
 (例)外来生物による在来生物の個体群の衰退
・第4の危機:地球環境の変化による危機
  「第1の危機」の例
・開発に伴う生物生息場所の消失、縮小
・生物生息場所やその周辺空間の人為的改変
  生物の生息場所として意識されていなかった空間も多い
  生息場所の周囲を道路や建築物で囲むことにも問題あり?
・人間による捕獲
  クジラ、マグロ、アホウドリ……
・自然に対する撹乱の抑制
  「第1の危機」の例(河川整備に伴う水際の湿地の消失)
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-222920
  「第1の危機」の例(圃場整備に伴う水路の人工化)
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-222931放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-222955
  「第1の危機」の例(河川の増水の抑制)
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-223018放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-223056
  「第2の危機」の例
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-223222放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-223305
  「第3の危機」の例
・外来生物による影響
 ・在来の生物を捕食する。
 ・在来の生物の競争相手となる。
・人間が放出した(持ち込んだ)物質やエネルギー
 ・いわゆる汚染物質
 ・光や音、熱が生物の生息、生育を妨げることもある。
 ・特定の動物にとっての生息場所や植物を提供することがある。
  「第3の危機」の例(人間が持ち込んだ生物)
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-223540放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-223716

   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-223734放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-223811   
  「第4の危機」の例(地球温暖化の影響など)
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-223838
 3.危機への対応の現状
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-223954放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-224055
   二次的自然の保全・再生のための人為的な管理・利用
   いわゆる雑木林について、伐採や下草刈りなど、適度な管理の必要性が理解されつつある。
   二次的自然の保全・再生のための人為的な管理・利用
   伝統的な農法を営む谷津田の再生も各地で行われている。
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-224224放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-224317
  外来生物侵入の予防と発見、定着した外来生物の駆除
   放送大学「危機の時代に考える」 - 210101-224336
  低炭素社会を目指す活動
・CO2排出量の削減
 ・省エネルギー、再生可能エネルギーの利用促進、低炭素燃料への転換
 ・二酸化炭素の分離、隔離(貯留)
 ・経済社会システムの変革
・CO2吸収量の増大
 4.対応における課題
対応が予想したとおりに機能しない
・整備した生息場所が生息場所として機能しない。
・ある外来種の駆除が別の外来種を助長する。
・生態系ネットワークの構築が外来種を拡散させる。
・生息場所を保全する同意が得られない。
・CO2削減がなかなか進まない。
 5.今後に向けて
  2020年コロナウィルス感染症の世界的流行
・経済活動の世界的縮退
・生活様式の大きな変化
 →大気汚染の改善、動物の分布域の拡大の可能性
・一時的な変化にとどまるかもしれない。
  コロナウィルス感染症で社会はどう変わったのか
・人の集まりの最小化→人の移動の減少(国内、国際)
・「不要不急」の活動の抑制→新たな生活、産業のあり方
 ・情報通信の活用(テレワーク、遠隔教育、オンライン会合など)
 ・合意形成におけるインターネットの役割の増大
 ・人手をできるだけ介さない新たな輸送手段の検討
 ・購買様式、娯楽のあり方の変化
  現在起こっている社会の変化をどう生かすか
・人々の行動や正割が実際に変わった。
 しかもそれは持続するかもしれない。
 ……必要があれば人々は変わり得る。
 ・行動の持続可能な抑制
 ・生物多様性や環境への負荷が小さくなる生活形態、産業構造
 ・必要な情報の適切な伝達
※番組の最後に紹介されていた「Sim River
東京学芸大学の真山研究室を中心とした研究グループによって開発されている、パソコンで河川環境を創造しながら、珪藻(ケイソウ)を用いた水質判定を行い、人間活動と河川の水質(環境)を楽しみながら理解し、学ぶシミュレーションソフト。
 

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川原温「危機と社会~ペストは中世ヨーロッパ世界をどう変えたか」(『危機の時代を考える』第3回)


「ペストによる社会の変容」は興味深い内容でした。
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五箇公一『これからの時代を生き抜くための生物学入門』 11月26日


五箇公一さんの『これからの時代を生き抜くための生物学入門 ~生物学を学べばヒトはもっと強く、もっと優しくなれる~』(辰巳出版、2020年9月)を読みました。
生物学入門

五箇公一『これからの時代を生き抜くための生物学入門目次
第1章 性のしくみ
 オスとメス、性って一体なに?
 生物は進化を続けないといけない運命である
 生物は進化を繰り返して、今に至る
 ウイルスに対抗する画期的な進化=性の分化
 カタツムリはオスとメスが同じ? 雌雄同体の生物たち
 オスは受精するためのスイッチ!?
 「退化」も進化の一種である
 性淘汰の中でオスは不要とならないよう頑張る……
 ダニの世界にもあるオス間闘争
 オスはあえてハンディキャップを背負う
 DNAのコピーミスは単なる失敗ではなく、進化の礎だった
 生物学的にはオスは悲しい生き物だった
 哺乳類最大級の精子を持つフクロミツスイ
 人間も大昔は乱交をしていたのか?
 “セックス”は生物学で一番面白いテーマ
 生物学の巨人・ダーウィンが唱えた進化論とは
 働きアリの怠け者にも生きる意味がある

第2章 生物学からみる人間社会
 男性の草食化は生物学的な「ひずみ」なの?
 実は草食化はモテるための手段!?
 少子化の果てに待ち受けるもの
 社会の成熟と夫婦関係の変化
 一夫一妻制は幻想?
 「女性が不倫男を嫌う」のは生物学的に正しい
 生物学から考える同性愛
 人間と動物の大きな違いは「利他的ヒロイズム」の有無である

第3章 遺伝
 「遺伝」とはわずか4つの塩基の組み合わせ
 教科書にあった「メンデルの法則」をもう一度
 「ハゲは隔世遺伝する」は迷信なのか!?
 遺伝子検査でガンにかかる確率がわかる!?
 親から子に遺伝するものはどこまでわかっている?
 ウイルスを超える!? 狂牛病の原因プリオン
 今の科学技術で人間のクローン作成は可能なのか?
 iPS細胞が可能にする夢の再生医療
 米国産遺伝子組み換えナタネが日本を襲う!?
 遺伝子工学は取り扱い注意なテクノロジー
 遺伝子だけによって人生が決まるわけではない

第4章 遺伝子優生論
 優生学の裏に潜む危険思想
 優生学を人間社会に当てはめてはいけない
 人間は自然淘汰に逆らい、助け合うことで生き残った
 「奇人・変人」を排除すべきではない

第5章 生物の多様性
 生物多様性があるから人間社会はここまで発展できた
 かつてないペースで生物種が消える大絶滅時代
 増える種と減る種~スーパーラットとゴキブリの都市化
 木造建築こそが究極のリサイクルだった
 かつては里山が生物多様性を支えていた
 「地方の過疎化によって、自然の開発が停止する」(147~150頁)
 そのことが生物多様性の劣化を招くという話は、多くの人にはピンとこないかもしれません。
 人間がいなくなった方が自然は豊かであり、生物多様性も高くなるのではないのか? そう思われる方もいると思います。たしかに人間がいなくなれば自然のまっとうな生物多様性が、そこに維持されますが、そこでは人間社会は維持することは難しくなります。
 人間社会と生物多様性の関わりの中では必ずしも開発=悪とはなりません。日本の場合、本来の手付かずの自然環境は、ブナやタブノキなどの陰樹(光に対する要求性が比較的低い樹木)で構成される極相林に覆われ、暗い森になってしまい脆弱な人間が生活の場とするには、厳しい自然環境になります。
 生物多様性との共生で目指すものは手付かずの自然ではなく、人間が生きていける空間作りです。日本人は、古くから森を利用してきました。やがて森を加工し、水田や畑などの農耕地や居住のための開放空間を確保するようになり、その周りに自らの手で森を作り、奥山(自然林)、雑木林、里地という異なる生態系がつながりを持つ里山を作り上げてきました。
 この生態系の空間的異質性がさまざまな動植物の生息空間を提供しました。人間自身はそれらの動植物が生産する資源や生態系機能を享受して生活を維持してきたのです。
 例えば、古くは縄文時代から、日本人たちは森でドングリを食料として採取し、木を伐採して薪とし、一部では、栽培種のクリやウルシを植えて利用していたと考えられています。
 里山が発達してくると、雑木林に生えているアカマツは、建材に利用される他、枝低木は燃料に、さらにその灰は田畑の肥料に利用されていました。クヌギやナラなどの落葉樹も10年から20年ごとに切りやすい低い高さで伐採し、薪や木炭に利用して、落ち葉を掻き集めて堆肥にしました。雑木林の林床や林縁で採れる木の実やキノコ、山菜、野草は、季節の旬を味わう食料にもなりました。そして奥山からたまに里山へ降りてくるシカやイノシシ、クマなどは、貴重なタンパク源として利用されていたのです。
 このように、日本人は自然に手を加え、それを持続的に管理することで、自然との共生社会を完成させて、実に縄文の時代から1万年もの間、この狭い島国の中だけで完結して生きてきたとされます。
 そんな自然共生社会としての里山が、今では都市開発の裏側で放置・放棄され、劣化が進んでいます。
 人間の管理を離れた耕作地は、元の生態系に復元されるのではなく、外来種の雑草が入りこんで繁茂し、また、雑木林も長期間放置された結果、樹高の高い巨木が占拠し、林床には耐陰性の常緑樹種やササ類が茂っています。この様な状態ではカタクリなどの林床植物や草花に訪れる昆虫類、そのほかの小動物が生息できず、生物多様性の劣化することになります。
 さらに、人間が住む里地と野生動物が住む奥山の間に位置する「バッファー・ゾーン」であった里山が放置されることで、シカやイノシシなどが平野部にまで進出してくる機会が増加し、農業被害や人間を襲うなどの被害が続出するようになりました。このまま里山の過疎化と放棄が進めば、人間社会が野生動物の襲来に圧迫されるのではないかと危惧されています。
 今後、経済成長が見込めない日本は鎖国するしかない!?
 環境のために個人ができることは「地産地消」
 グローバル化の象徴である外来生物
 外来種だけを悪者にしていいのか?
 フランスでは年間15名が死亡しているツマアカスズメバチ
 温暖化に比べると生物多様性の対策は数段遅れている(170~177頁)
 外来生物が侵略してくる、といいますが、実は外来生物は、人間が自ら引いたロードマップに乗っかって、動かされているにすぎないのです。
 私は立場上、そして職務上、外来生物を駆除し、環境を保護することを目標としています。しかし、研究者として、今の外来生物対策が本当に自然科学として正しいことなのかどうか考え込んでしまいます。
 本来いなかったはずの生物が異常に増えて、何らかのハザードやリスクが生じているのであれば、その数を減らす努力をすることが先決です。しかし、外来生物を増やしている原因が人間の活動にある限り、ある外来生物を根絶できたとしても、またすぐに違う外来生物が侵入してきて増加することは続きます。
 現在、生物多様性の保全が世界中で声高にうたわれていますが、ベース(理想)となる生物多様性とはどんな状態なのか、という定義すら曖昧なままです。だから、保全目標自体が人間の価値感に左右され、外来生物も人の嗜好性によって大事にされたり、悪者にされたりします。
 例えば、今、新潟県佐渡島で放鳥されているトキは元を正せば中国産です。野生復帰プロジェクトが行われている兵庫県豊岡市のコウノトリも外来個体が起源です。でも、みんな増やすために大事に育てている。これは明らかに人間もしくは人間社会の価値感に基づくものです。
 外来生物駆除のベースも、究極的に、原始自然だとすれば、それは人間がいない状態の環境となります。しかし、その究極解は人間の存在を否定する論理であり、人間のための科学として成立しません。
 結局、外来生物を駆除すべきかどうかは、その地域の自然の持ち主である地域住民たちが考えて合意形成をするべき問題だと思います。住民がその存在に対してNOという合意を得たら、その外来生物は駆除すべきとなります。生物多様性の基盤となるのはローカルな自然であり、それらはそこに住む人たちの共有財産でもあります。だからこそ生物多様性の保全を地域ごとに、地域ぐるみで、地域住民主体で議論することが一番大事だと思うのです。
 「生物多様性」という概念は、実はいろいろな人たちのそれぞれのエゴで形成されており、その嗜好性の多様さゆえに、解決の緒を見つけにくくなっています。
 研究者の中には、「遺伝子資源として日本の生物を全て残さなければならない」という価値感を持つものもいるでしょう。また、住民の中には「江戸時代の里山のような状態にしたい」という極端な意見を持つ人もいるかもしれません。価値感の多様性が、生物多様性保全について明確な答を導くことを困難なものにします。
 その点、温暖化対策は政治的にも経済的にもかなり一定のベクトルを示すことに成功しています。会議派はゼロではありませんが、かつてに比べて随分と減りました。
 脱温暖化が、ひとつのグローバルマーケットとして投資の対象になることで、世界の政治経済が動き出しました。儲かる話なら、そのベクトルに乗ることに価値感の相違はあまり出る余地がないと思います。「排出量ゼロ目標」は夢物語かと思っていましたが、今は本気で世界が目指していますからね。
 温暖化対策は(○年前に戻そう」もしくは「排出量ゼロ」という明確な目標を立てることができています。しかし、生物多様性保全にはそれだけの明確な目標は確率されていません。
 少なくとも「生物種がこれ以上減るのを防ごう」という目標がありますが、その根拠、すなわち生物多様性が減ることによる、人間社会や地球環境に及ぼす影響やリスクが定量的に示されていないため、温暖化ほど、一般の人たちにその危険感は通じてはいません。
 生物多様性保全という研究分野も流動的で、国際的に確固たる統一ポリシーができあがっているとはいいがたい状況にあります。研究者の間でも意見統一ができていないのだから、一般市民の方にどうあるべき、どうすべき、といった指針を示すことも難しくなります。
 温暖化と同様に生物多様性でも、森林資源は一番最初に減らしてはならないものです。これは面積で表せるので、目標になりえます。
 例えば、紙などの林産資源については、認証制度を義務付けることが可能です。熱帯雨林を切り出して作ったものはNGで、リサイクルで生み出されたものにはOKと分けることができます。
 具体的には、認証されたものを使うことが企業としての義務であり、守っていないと風評被害を受け、大きな損益を被ることになるというシステムを考えています。そうすると企業側も、再生産エネルギー、資源の使用に努力するはずです。認証を受けていない企業と取引するとペナルティを受けるというような制度を作ることも可能です。
 実際には日本でもエコファースト企業という取り組みがあります。企業の資源消費という意味では、環境保護のシステムができ始めているんです。
 現時点では、生物の数の減少も変わらないですし、多様性の劣化も止められていません。なぜ生物多様性は世界的に見てもまったく進歩がないのか、それは先ほど触れた価値感の統一ができず、目標が定められていないからだと思われます。
 2010年、『生物多様性条約 第10回締約国会議(COP10)』が日本で開かれました。そこで「名古屋議定書」と「愛知目標」というふたつの国際的な枠組みが採択されました。
 「名古屋議定書」は遺伝子資源の公平分配に関する決め事です。赤道近くの生物多様性が高い地域を包含する発展途上国には豊富な遺伝子資源が存在しています。これまでは、農産物の原種や医薬品の原材料となる植物種や土壌細菌を先進国により開発され、その利益が独占され続けてきました。
 例えば、マダガスカル島のニチニチソウの成分から抗がん剤、中国の香辛料「八角」からインフルエンザ治療薬「タミフル」などができたのです。さらに古くは15世紀にスペイン人が南米から持ち帰った高山植物が原種となってジャガイモが育種されました。
 先進国の企業による遺伝子資源の開発と利益の独占は植民地時代からの歴史であり、途上国側には積年の恨みもあるでしょう。こうした生物資源を利用した製品の市場規模は45兆円とも70兆円ともいわれています。
 グローバル化が進む中、途上国はこうした医薬品などの原料の原産国への利益の還元、さらに開発技術の提供を求めてきました。特に「現在」「未来」の利益だけでなく、植民地時代という「過去」の利益にさかのぼっての還元をも主張しています。当然、先進国側の国や企業は、利益配分の負担が重すぎると資源を活用できなくなり、結果的には途上国にも不利益になると訴えて、南北間の利益をめぐる対立が続いていました。
 この遺伝子資源の利益配分をめぐる問題解決は、生物多様性条約の中でも重要課題とされており、「遺伝資源の取得の機会(Access)とその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分(Benefit-Sharing)という目標が定められています。Access and Benefit-Sharingの頭文字をとってABSと呼ばれています。
 名古屋議定書では、このABSのための具体的なルールが定められています。代表的なものは以下の3つです。
○遺伝子資源を提供する国はそれぞれに、利用国との間での合意・契約に基づく遺伝子資源の提供を行うための、確実・明確・透明なルールを策定すること
○利用する国は、自国で利用される遺伝資源が提供国の定めたルールを遵守して取得されることを担保するためのルールを策定すること
○ABSCH(国際的な情報交換センター)に、遺伝子資源利用にかかる提供国法令・許可証情報を通報すること
 今後、先進国が無断で他国の遺伝子情報を持ち出したり。開発したりすることは各国の法令に基づき禁止されることとなりました。
 このルールは、医薬品開発や食品開発といった産業目的の遺伝子利用だけにとどまらず、分類学、生態学、進化学などの基礎的研究分野にも波及することになりました。現在、われわれ研究者も勝手に標本を持ち出すことはできなくなっています。
 この遺伝子資源の利益再配分こそが生物多様性条約の本当の目的だったともいえます。
 しかし、アメリカを含む先進国はグローバリズムという名のもとに、遺伝子資源を医薬品などに利用し、経済的に利したいわけですから、ABSに躊躇する国も多く、各国の足並みはまだ十分そろっていません。議定書を作った議長国である我が国ですら、批准したのは2017年と最近のことでした。
 COP10で定められたもうひとつの枠組みである「愛知目標」の方は、ぼんやりと、「生物多様性の劣化を防ごう」とする目標です。
 正直具体性を欠く内容で、もう目標達成度が図られる2020年が来てしまいましたが、なにひとつ際立った成果は上がっていないというのが現時点での評価です。
 外来種に関しても「外来種を防除し、増やさない」と当たり前のことしか書いてありません。数値目標を設定するなど、具体的なゴールを示しておく必要はあったのではないかと思われます。
 もっとも、生物多様性の保全の根幹が地域制(ローカリティ)にあり、それを守るのが地域のコミュニティであり、その方針・指針は地域の合意形成に基づくとすれば、国際基準というものはむしろ無用の産物ともいえるかもしれません。2020年、愛知目標の設定期限が間もなく切れて、ポスト2020年目標が準備されていますが生物多様性の未解決課題はまだまだ山積み状態です。
第6章 生物学と未来
 パンデミックはいつ起こってもおかしくない
 東京オリンピックで、新たな感染症パンデミックが起きる!?
 77億人に膨れ上がった人類をウイルスは淘汰しようとしている
 新型コロナウイルスの襲来
人間が絶滅しても生物は残り続ける
 今後、人間はどのように進化していくのか

第7章 私と生物学
 人生を変えたダニとの出会い
 ハダニの観察と遺伝子解析の日々
 幼少期~富山の田舎町で過ごした生物観察の日々
 プラモにハマり、通信簿は1!?
 高校は山岳部で“ひねくれた優等生”
 『ジョーズ』に感激! 映画監督を志す
 もしかしたらレンタルビデオ屋の店長になっていた!?
 総合化学メーカーで農薬開発に携わる
 科学者がやってはならないこと
 大手メーカーのシャンプーで背骨が曲がる!?
 研究者はすべからく論文を書くべし
 黒ずくめファッションの理由とは!?
 テレビ出演によって、環境問題への間口を広げる

あとがき

 

    

  

地球研セミナー『生物多様性の問題を社会に根づかせる』 10月11日

京都市にある大学共同利用機関法 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所(地球研)の第69回地球研市民セミナー『生物多様性の問題を社会に根づかせる』(2017年1月24日)の中静透さんの講演(43:54)と対談(聞き手:王智弘さん 41:44)です。
   no69_1

生物多様性は、種の絶滅や外来種などの問題だけではなく、人間社会にもたらす恵み(生態系サービス)を賢く利用することが重要な問題になっています。2010年に名古屋で生物多様性条約の第10回締約国会議が開催されて以来、国内外で生物多様性の考え方を社会に根づかせる(主流化する)さまざまな動きが急速に進みました。たとえば、生物多様性や生態系サービスの経済評価が世界各地で行われるようになり、その保全コストを負担する必要が議論されるようになってきました。一方、地方自治体が生物多様性地域戦略を策定したり、地域での保全を促進したりするための活動も広がっています。企業活動などにおいても、生物多様性に対する配慮の有無を企業評価として重視しようとする動きが進んでいます。こうした最近の動向とこれからの生物多様性問題を考えてみましょう。

 

 


映映像教材『かながわ環境スクール(中高生版)』B 9月19日

かなチャンTV(神奈川県公式)の『かながわ環境スクール(中高生版)』は、地球温暖化、エネルギー、資源循環、生物多様性の4テーマに関わる環境問題について学べる映像教材です。、Bの2回に分けて掲載しています。

●かながわ環境スクール(中高生版)3-1 どうしてこんなにたくさんごみがでるの? 6:52


●かながわ環境スクール(中高生版)3-2 リサイクルってどんなこと? 5:48


●かながわ環境スクール(中高生版)3-3 どうやったらごみを減らせるのかな? 4:15


●かながわ環境スクール(中高生版)3-4 神奈川県のごみを減らす活動 6:36


●かながわ環境スクール(中高生版)4-1 生物多様性とは 4:37


●かながわ環境スクール(中高生版)4-2 生物多様性に支えられる私たちの暮らし 3:12


●かながわ環境スクール(中高生版)4-3 生物多様性の現状と危機 6:11


●かながわ環境スクール(中高生版)4-4 生物多様性を守るためにできること 6:37


1、2はこちら


第6回生きものフォーラム『県民参加生きもの調査結果をどう活かすか』 10月16日

NPO法人いろいろ生きものネット埼玉・NPO法人自然観察指導員埼玉主催第6回生きものフォーラム「県民参加生きもの調査結果をどう活かすか」(埼玉会館7B会議室)に参加しました。
牧野彰吾さん「県民参加モニタリング調査結果」から
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