岩殿I地区
岩殿I地区の上段(岩殿1397)で1月5日に伐採したヤナギの片付けを始めました。チェンソーで玉切りすれば薪やヒラタケのホダ木として使えるもの、太枝切狭で切断して焚き付用とする枝、さらに細い条枝に大別して整理し活用を考えます。
1985年頃の空中写真をみると岩殿I地区上段には4枚?、下段には2枚?の田んぼがあったようですが、現在は田んぼを区切っていた畦畔の形状がしかとは確かめられません。(下の写真をクリックすると1600×1200で画像を見ることができます)
今後、岩殿I地区では田んぼの復元は実施しませんが、畦畔は修覆して谷津の湿地ビオトープとして整備しようと考えています。さらに入山沼からの土水路の(動植物に配慮した)整備や学びの道下、入山沼堰堤、市民の森作業道下斜面の崩落防止など様々な施工、取り組みに向けて、「水田生態工学」、「自然生態修復工学」、「ビオトープ再生技術」「手づくり施工の農村環境整備」等の学習と知見を広め、PDCAサイクルで現場を調査・評価し計画を立て、予算を確保して実行して行くことが必要です。
岩殿I地区のキショウブ群生地の草刈りをしました。昨年4月16日にキショウブを刈った場所です。岩殿I地区の下段(岩殿1372)は湿地化がすすんでいます。田んぼをしていたらドブッ田で、稲籾を直まきする摘田(つみた)にしていたかもしれません。
入山沼堰堤下の岩殿I地区上段で、これから伐採する木、しない木を選びました。
伐るのはヤナギ類。伐採しない木には黄色のテープを巻きました。写真に○をつけたハンノキだけではありません。
ハンノキは田んぼの稲架掛けに使えますし、ミドリシジミの食草です。
※埼玉県の蝶“ミドリシジミ”(『埼玉県昆虫談話会』HPから)
岩殿I地区下段のセイタカアワダチソウを抜きました。
タコノアシやヤブツルアズキがありました。
※野生のアズキ・ヤブツルアズキを探そう(2015年8月17日記事)
※ツルアズキを植えてみるその準備メモ(『奥出雲山村塾』2016年4月28日記事)
入山沼堰堤から岩殿H地区に下りていく道と昨日の入山沼西縁水路との間の法面の落ち葉を岩殿I地区の水路西側の耕作放棄地(田んぼ跡地)に掃き落としました。
午後になって雨が上がったので、入山沼下の耕作放棄地・岩殿I地区の水の移動を観察しました。東縁の水路(写真下側)が消失しかかっているので上段(右)から下段(左)へ、西縁の水路(上)へと樹林化した田んぼ跡を流れています。
岩殿I地区は地番でいうと3筆あります。入山沼下の湿地化している耕作放棄地、岩殿1397(上段)と1372(下段)と入山沼からの水路の西側にある岩殿1373です。岩殿1372は今年度、湿地に生えているヤナギ類の伐採を計画しているエリアです。今日は岩殿1397と1372の境界のアズマネザサや枯れたアシを刈り、上段にまとめて積みました。
作業前
※岩殿入山谷津の空中写真(1975年頃、1980年頃、1985年頃、1990年頃)ほぼすべての田んぼが耕作されていた時期の田んぼの区画や年を追って耕作放棄地が拡大していった過程が確認できます。
岩殿I地区の下段のヤナギを新井さんが伐りました。12月26日にH地区でヒラタケ栽培用にヤナギを伐採しましたが、その追加です。26日にはまだ駒打ちできないと思いますが、芯は傷んでいません。樹齢20年位です。併行して昨日、須田さんがB地区上段に運んだ笹を焼却しました。3分の1程度です。作業途中からは小雪が舞いました。
3月末までに岩殿I地区下段のヤナギはすべて伐採します。
須田さんが夕刻、入山沼進入路~入山沼下の法面の草刈りをしました。ありがとうございます。
いきなりの環境変化を避けて刈り残した◎の部分の笹を刈り取って入山沼進入路が見通せるようにするつもりです。
入山沼下の耕作放棄地の湿地にはえているキショウブ。きれいな鮮黄色の花を咲かせるアヤメ科の植物です。
明治時代に観賞用として導入されたヨーロッパ原産の帰化植物ですが、日本の侵略的外来種ワースト100に指定され、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律、2005年6月1日施行)では要注意外来生物に指定されています。外来生物法が制定されるまで植生護岸の重要な構成種として「ビオトープ創出」等のため活用されてきました。
入山沼下のキショウブがいつ持ち込まれたのか不明ですが、岩殿I地区の下段(B地区よりの区画)、D地区の上・中段の区画に分布が広がりつつあります。
岩殿満喫クラブでは入山沼下では修景のためにキショウブを利用することはしません。キショウブの地上部を刈り取り、9~11月の種子の散布を抑制し、入山沼下のキショウブ群落がこれ以上拡大しないように管理していく方針です。
昨日、手で引き抜けるものを100本ほど根付で引き抜き、土のう袋に隔離しましたが、今日は地上部を刈払機で刈りとりました。
キショウブの分布拡大は根茎断片の拡散と種子散布に依っているので、引き抜きだけでは根茎の断片が残ってしまいますが、地上部の刈り取り回数を増やすなどして群落の拡大を抑制することができればと期待しています。
※このブログの過去のキショウブにかかわる記事もまとめてご覧ください。
岩殿I地区、D地区、B地区のキショウブがこれ以上増えないように緑葉と分蘖(ぶんげつ)を刈払機で刈りとりました。刈払いによって根茎断片が拡散して新たな群落の形成とならないように注意して管理します。入山沼下では修景のためにキショウブを利用することはしません。
※キショウブを抜きとる(2018年10月6日の記事)
入山沼下の岩殿I地区の上段のキショウブ群落の拡大を阻止し、下段や岩殿D地区に新たな群落ができないようにするため、地上部を剪定バサミで刈り取るつもりで出かけましたが、堰堤下の水たまりに生えているものは手で楽に抜けるので引き抜きました。
作業で取り残した地中の根茎は断片化し、水流に乗って下流に拡散したり、今後の刈払機の草刈りが種子散布しやすい環境をつくる可能性もあるので、キショウブ拡散防止のための作業は頻度を高める必要がありそうです。
※これまでの記事
「キショウブを抜く」(2017年5月14日)、「キショウブの花茎切除」(2018年5月24日)
※中嶋佳貴・沖陽子「管理指針に必要なキショウブの繁殖特性の解明」(『日本緑化工学会誌』43巻2号、2017年)
キショウブの自然条件下における分布域拡大には根茎断片の拡散及び種子散布が大きく寄与している。根茎断片は波浪等の自然攪乱、刈取などの管理作業による人為的攪乱によって既存群落から発生し、水流にのって拡散後、漂着して新たに群落を形成する。水位変動等により干陸地に漂着する場合もあるが、根茎断片は大気中に根茎が露出した乾燥条件下でも3ヶ月間生存が可能とされ、再び水位変動や降雨等によって生育に好適な水分条件下におかれると、定着する可能性も十分にある。定着時は1個体の根茎断片であっても翌年は旺盛に抽苔して開花結実するため、開花に至る個体の外部形態を把握しておくことは重要である。(373頁)
外部形態から春季に新鮮重が重く、緑葉数の少ない分蘖は花芽である割合が高く、逆に新鮮重が軽く、緑葉数が多ければ葉芽である確率が高いことが明らかとなった。また、開花に至らない個体は旺盛な生育を示す傾向にあるため、分蘖を刈取れば翌年の生殖生長を抑制することが可能である。
既に日本全土に分布が拡大している現在、根絶を望む考えは現実的ではない。キショウブ群落が他の生物に対して与える生態的影響については今後も検討する必要があるが、環境圧の高い場所において修景を目的とした緑化が期待される場合、キショウブは有用種である。ゆえに、今後の水辺の景観形成の場面では、本研究で明らかにした花芽を有する割合の高い分蘖を活用して、春季に植栽後、開花による美観を速やかに創出することを推奨する。開花後は花茎を切除して種子散布を防ぐとともに、地上部を夏季から秋季に1回刈取って、翌年の稔実朔果数を5割~8割まで減少させる。更なる生殖生長を抑制するためには、刈取り回数を増加するなど検討して、群落の拡大を抑制し、その場で許容される群落を適切に維持することが望ましい。(374頁)
入山沼の栓が開かれ、沼下の田んぼに水が入ります。沼下の耕作放棄地(岩殿I地区)への水路からの溢水を減らすために、堰堤下のU字溝の清掃をして、たまっていた落ち葉や泥を掻き出しました。



岩殿A地区の上の池には入山沼の水路からの水は入れていません(昨日の作業)が、東側の明渠から流れてくる水があり、一晩で水位があがってヘチマロンは水没しています。




岩殿A地区の上の池には入山沼の水路からの水は入れていません(昨日の作業)が、東側の明渠から流れてくる水があり、一晩で水位があがってヘチマロンは水没しています。

入山沼下の岩殿I地区の湿地化している耕作放棄地にはキショウブが群生しています。定着にいたった経過は不明ですが、この数年、おそらく花粉の拡散や根茎の断片の漂着により下の岩殿B地区やD地区、水路沿いにキショウブは広がってきています。今日は細川さんがキショウブの花茎を切り取りました。今後、花茎の切除や地上部を刈り取ることにより、秋の種子散布を防ぎ、翌年の稔実朔果数を減少させて、群落の拡大と逸出を防止します。
岩殿I地区のキショウブ群落


岩殿D地区の上の区画


児沢ブルーベリー園周辺


草刈り機で地上部を刈り取りました。
※中嶋佳貴・沖陽子「管理指針に必要なキショウブの繁殖特性の解明」(『日本緑化工学会誌』43巻2号、2017年)
岩殿I地区のキショウブ群落


岩殿D地区の上の区画


児沢ブルーベリー園周辺


草刈り機で地上部を刈り取りました。
※中嶋佳貴・沖陽子「管理指針に必要なキショウブの繁殖特性の解明」(『日本緑化工学会誌』43巻2号、2017年)
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