7月17日(日曜日、11:00~12:30)、東松山市・環境基本計画市民推進委員会主催
市民の森保全クラブ Think Holistically, Conduct Eco-friendly Actions Locally
7月17日(日曜日、11:00~12:30)、東松山市・環境基本計画市民推進委員会主催
対象等:小学校高学年以上、A4版16ページ、カラー
内容:自然・環境に関する4つのテーマ「生物多様性」「大気や水」「地球温暖化」「ごみ」について解説し、新潟県の状況や取組を紹介しています。
特徴:たくさんの写真やイラストを見ながら、レルヒさんと一緒に楽しく学ぶことができます。また、わかりやすい動画やより詳しい資料を掲載したホームページもご案内しています。
このたび、次代を担うこどもたちへの環境学習の教材として、また環境白書の普及啓発資料として、令和2年版「ぐんまこども環境白書」を作成しました。この白書は、小学生以上(主に3~6年生)を対象とし、環境に関する5つの分野(地球温暖化・自然・水・大気・ごみ)についての基本的な内容を分かりやすく解説しています。
また、県内の環境の状況や、小中学校等での取組、環境を守るための行動例などについても写真やイラスト等を交えながら紹介しています。
本市では、市政運営を総合的、計画的に進めるための指針として、また、最上位の行政計画として平成28年度から平成35年度までの8年間を計画期間とする新たな総合計画を策定しました。
総合計画は、将来どのようなまちにしていくか、またそのためにどのように取り組んでいくかについて体系的にとりまとめたものであり、本市を取り巻く状況を踏まえ、施策の方針を定めた「基本計画」と基本計画に示した施策を具体化していくための「実施計画」により構成しています。
また、国は地方創生の実現を目指して地方自治体に地方版の「人口ビジョン」と「総合戦略」の策定を求めています。なお、本市では総合計画と「総合戦略」を一体的に策定しており、総合計画の重点施策が平塚市総合戦略にあたります。
平塚市の現状や取組みを学び、子どもたちが自分なりに「平塚の未来」を描き、自分たちに何ができるのかを考えるきっかけになるよう、総合計画の“子ども版”を作成しました。
雑品スクラップ、扱いに新たな基準設ける非正規業者が(日本側で)仕分けをせずにまとめた状態のものを、雑品スクラップと呼んでいます
雑品スクラップという言葉は2014年ごろに環境省が使い始めた用語で、鉄、プラスチックや家電などが仕分けされないまま集められているもので、「金属スクラップ」「ミックスメタル」などと呼ばれることもあります。
雑品スクラップには、次の3つの問題があります。
①有害物質管理が不備で輸出先で環境汚染
鉛など有害物質を含んでいるため、輸出先(中国など)の業者が解体などをするときに有害物質が環境を汚染する。
②本来、日本国内で回収すべき資源が流出
正規ルートであれば日本国内で活用できる資源が海外に流れてしまう。
③大規模火災
集めたスクラップは(日本国内の港周辺などで)山積みの状態で置きっぱなしにされ、時に大規模な火災が発生する。消火に長時間かかり、原因不明なことが多いという問題も。
雑品スクラップは一見、ごみに見えるのですが、廃棄物処理法の対象として規制するのも難しい存在でした。廃棄物処理法は、廃棄物の処分の仕方を決めた法律ですが、同法で定めた廃棄物は無価物(値段のつかないもの、不要品)が対象です。「資源ごみ輸入大国」中国が方針転換
一方で、雑品スクラップは、「海外の業者が買い取る」ために有価物(つまり値段のついたもの)であり、廃棄物ではない、というわけです。
その結果、上記のような問題が発生しても、廃棄物処理法では、業者に対する雑品スクラップの管理についての指導はできませんでした。
そこで、廃棄物処理法が改正され「有害使用済機器」の項目を新設。2018年4月から、家電リサイクル法と小型家電リサイクル法で定められた計32品目を「有害使用済機器」に指定しました。
これらの品目については、都道府県への届出義務や保管方法などについての基準を設け、保管している業者を指導できるようにしたのです。
この措置によって、非正規業者は、雑品スクラップについて、これまでは山積みのままでよかったのに、保管方法を整えるためのコストが必要になります。その結果、利益が減り、非正規業者の廃業が相次ぐ可能性があります。
先のサカイ引越センターの例でいえば、横流し先の業者がいなくなるかもしれないということです。
雑品スクラップの量は、中国向けだけで年間約100万トン以上とされていますが、この量が今後どう処理されるか、注目されます。
そして、リサイクルの現場の様変わりをもたらしている、もう一つの原因が、中国の資源ごみ輸入規制です。中国政府が2017年7月に規制方針を明らかにし、今年1月から実施されています。健康被害懸念し、「洋ごみ禁止」
今年から輸入禁止になったのは、4種類24品目。4種類は、生活現場から出る廃プラスチック、古紙(未選別のもの)、繊維系廃棄物、鉄鋼用添加剤などです。
中国はこれまで「資源ごみ輸入大国」と言われてきました。中国国内の業者が、世界各国から資源ごみを輸入し、リサイクルして、製品を製造してきたのです。
輸入業者が扱う資源ごみには、先に説明した雑品スクラップのほか、ペットボトルなどの廃プラスチックなど様々なものがありますが、例えば、廃プラスチックの場合、破砕し加工して、布団などにつめる中綿や繊維製品などとして出荷する、という具合です。
国連資料などによると、世界各国が輸出している廃プラスチックの約7割を中国(香港経由含む)が輸入しているといわれます。
しかし、海外からの輸入される資源ごみ(中国では『洋ごみ』と呼ばれています)には、異物や汚れたものが混ざっている場合や鉛などの有害物質が含まれている場合があり、リサイクルの際に環境汚染につながる問題が再三指摘されてきました。
日本の雑品スクラップについての説明で指摘したのと同様の問題です。
リサイクルに伴う環境汚染により、地域住民の健康被害も懸念されるようになり、中国政府が「洋ごみ禁止」に大幅に強化するようになったのです。日本国内でのリサイクル施設充実を
今年の禁止措置で、日本で影響が目立つのは、ペットボトルなどの廃プラスチックです。中国(香港を含む)への輸出は年間約130万トン(2016年)をいかに処理するかが課題となります。
そして雑品スクラップも、今年の禁止措置に伴う影響を受けています。
非正規ルートでの廃棄物の処分は、日本国内(廃棄物処理法の改正)と中国(受け入れ禁止措置)双方の措置のために、極めて困難になりつつあります。
非正規業者は「無料で引き取ります」などとスピーカーで宣伝しながら住宅街を車で巡回したり、郵便受けにチラシを入れたり、またインターネットでPRしたりもしています。
環境省が6月7日に発表した2017年度の家電リサイクル法の実績によると、正規ルートでの処分量が増加しています。同省は「中国の受け入れ禁止で、正規ルートでの処分に移ってきた」と分析しています。
(1)理念と基本目標基本計画においては、概ね以下の通り記載されています。
○我が国は、その国土の地理的・地形的・気象的な特性ゆえに、数多くの災害に繰り返し、さいなまれてきました。そして、規模の大きな災害であればある程に、まさに「忘れた頃」に訪れ、その都度、多くの尊い人命を失い、莫ばく大な経済的・社会的・文化的損失を被り続けてきました。しかし、災害は、それを迎え撃つ社会の在り方によって被害の状況が大きく異なります。
○大地震等の発生の度に甚大な被害を受け、その都度、長期間をかけて復旧・復興を図る、といった「事後対策」の繰り返しを避け、今一度、大規模自然災害等の様々な危機を直視して、平時から大規模自然災害等に対する備えを行うことが重要です。 ○東日本大震災から得られた教訓を踏まえれば、大規模自然災害等への備えについて、予断を持たずに最悪の事態を念頭に置き、従来の狭い意味での「防災」の範囲を超えて、まちづくり政策・産業政策も含めた総合的な対応を、いわば「国家百年の大計」の国づくり、地域づくりとして、千年の時をも見据えながら行っていくことが必要です。
○そして、この地域づくり、国づくりを通じて、危機に翻弄されることなく危機に打ち勝ち、その帰結として、地域、国の持続的な成長を実現し、次世代を担う若者たちが将来に明るい希望を持てる環境を獲得する必要があります。
○このため、いかなる災害等が発生しようとも、
① 人命の保護が最大限図られること
② 国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず維持されること
③ 国民の財産及び公共施設に係る被害の最小化④ 迅速な復旧復興を基本目標として、「強さ」と「しなやかさ」を持った安全・安心な国土・地域・経済社会の構築に向けた「国土強靱化」(ナショナル・レジリエンス)を推進するものです。 (ガイドライン5~6頁)
2)防災との違い
「国土強靱化」と「防災」は、災害への対策という点で共通しますが、以下のような違いがあります。なお、国土強靱化地域計画と地域防災計画の関係については、後述します(44頁)。
○「防災」は、基本的には、地震や洪水などの「リスク」を特定し、「そのリスクに対する対応」をとりまとめるものです。したがって、例えば、防災基本計画では、「各災害に共通する対策編」を設けつつ、「地震災害対策編」「津波災害対策編」など、リスクごとに計画が立てられています。 ○一方、国土強靱化は、リスクごとの対処対応をまとめるものではありません。それは、①あらゆるリスクを見据えつつ、②どんな事が起ころうとも最悪な事態に陥る事が避けられるような「強靱」な行政機能や地域社会、地域経済を事前につくりあげていこうとするものです。そのため、基本計画では、事前に備えるべき目標として、以下の8つを設定しています。
i 直接死を最大限防ぐ
ii 救助・救急、医療活動が迅速に行われるとともに、被災者等の健康・避難生活環境を確実に確保する
iii 必要不可欠な行政機能は確保する
iv 必要不可欠な情報通信機能・情報サービスは確保する
v 経済活動を機能不全に陥らせない
vi ライフライン、燃料供給関連施設、交通ネットワーク等の被害を最小限に留めるとともに、早期に復旧させる
vii 制御不能な複合災害・二次災害を発生させない
viii 社会・経済が迅速かつ従前より強靱な姿で復興できる条件を整備する
○つまり、基本目標に掲げた人命の保護や維持すべき重要な機能に着目し、あらゆる大規模自然災害等を想定しながら「リスクシナリオ(起きてはならない最悪の事態)」を明らかにし、最悪の事態に至らないための事前に取り組むべき施策を考えるというアプローチです。国土強靱化は、そうした最悪の事態を起こさない、(重要な機能が機能不全に陥らず迅速な復旧復興を可能とする)強靱な仕組みづくり、国づくり、地域づくりを平時から持続的に展開していこうとするものです。そして、そうした強靱化の取組の方向性・内容をとりまとめるものが、強靱化の計画です。
○さらに、国土強靱化は、土地利用のあり方や、警察・消防機能、医療機能、交通・物流機能、エネルギー供給機能、情報通信機能、ライフライン機能、行政機能等様々な重要機能のあり方をリスクマネジメントの観点から見直し、対応策を考え、施策を推進するものです。実施主体も、地域においては、地方公共団体内の関係部署・部局にとどまらず、自治会や住民、商工会議所等の経済団体や交通・物流、エネルギー、情報通信、放送、医療、ライフライン、住宅・不動産等に係る民間事業者など、広範な関係者と連携・協力しながら進めるものです。
〇このようにして、大規模自然災害時に、人命を守り、経済社会への被害が致命的にならないようにする「強さ」と、受けた被害から迅速に回復する「しなやかさ」を備えた国土、経済社会システムを平時から構築することを目指すものです。 (ガイドライン6~7頁)
SDGsの目標9:強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図 る
SDGsの目標11:包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
働く人が自ら出資し、運営に携わる「協同労働」という新しい働き方を実現する労働者協同組合法が4日の参院本会議で、全会一致で可決、成立した。2年以内に施行される。やりがいを感じられる仕事を自ら創り、主体的に働くことを後押しする仕組み。介護、子育てといった地域の需要にかなう事業が生まれ、多様な雇用機会の創出につながる効果が期待される。(坂田奈央)
これまで介護や障害福祉、子育て支援、街づくりなど地域の課題に取り組む人たちは、NPOや企業組合などの形態で活動していたが、認可を得るのに時間がかかったり、活動分野が限られたりしていた。そうした課題を克服する「労働者協同組合」という新たな形態が考え出された。
労働者協組法は全137条で、労働者協組を設立する規則を定める。①組合員が出資②組合員の意見を反映③組合員自ら事業に従事 ーの3原則に基づいて運営されると規定。官庁の認可は必要とせず、3人以上の発起人がいれば届け出のみで設立できるとした。
組合員が組合の運営に携わると、労働者ではないとみなされ、労働法制の保護を受けられず低賃金などを強いられる懸念があった。このため法律は、組合が組合員と労働契約を締結するよう義務付け、労働者として保護されるようにした。
法制化の動きは1990年代にスタート。2008年に最初の超党派議連が発足し、与野党の枠を超えて検討を続けてきた。100条を超える議員立法の成立は珍しい。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で企業の経営難や雇用不安が広がる中、雇用の受け皿となることも期待されている。各組合が経営基盤をどう安定させるかなどが課題となる。
労働者協同組合法の要旨は次の通り。
【目的】
・組合員が出資し、それぞれの意見を反映して事業が行われ、組合員自ら事業に従事することを基本原理とする組織に関し、設立、管理その他の事項を定める。多様な就労の機会創出を促進し、地域の多様な需要に応じた事業を促進する。
【労働者協同組合】
・基本原理(①組合員が出資する②事業に組合員の意見が適切に反映される③組合員が組合の事業に従事する)を通じ、持続可能で活力ある地域社会の実現に資する目的のものでなければならない。
・組合員と労働契約を締結しなければならない。
・組合員の議決権及び選挙権は、出資口数にかかわらず平等。
・営利を目的として事業を行ってはならない。
・特定の政党のために利用してはならない。
・労働者派遣事業を行うことができない。
・組合の設立は準則主義(官庁の認可は不要)。3人以上の発起人を要する。
・役員として理事3人以上及び監事1人以上を置く。
・毎年度の剰余金の10分の1以上を準備金として積み立てなければならない。
・毎年度の剰余金の20分の1以上を就労創出等積立金として積み立てなければならない。
・組合員の知識向上を図るため、毎年度の剰余金の20分の1以上を教育繰越金として翌年度に繰り越さなければならない。
【その他】
・法律は一部を除き、公布後2年以内に施行する。
・施行の際、現存する企業組合またはNPO法人は、施行後3年以内に、総会の議決により組織を変更し、組合になることができる。 (東京新聞TOKYO Web 2020.12.05 13:53)
①高齢者のごみ出しの課題を詳しく説明高齢者ごみ出し支援ガイドブック目次
「介護保険制度を利用していれば、ごみ出し支援は必要ないのでは?」「支援がないとどうなってしまうの?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。本書では、高齢者のごみ出しを巡る課題を詳しく解説し、なぜ支援が必要なのかを理解できるようにしています(第1章)。
②制度の検討プロセスをわかりやすく解説
制度設計では関係主体と連携しつつ、①現状を把握し、②基本方針を検討し、③さらに仕組みの詳細を検討していきます。本書では、こうしたプロセスをわかりやすく解説しています(第3章1~3節)。
③こまかなノウハウを解説
ごみ出し支援で高齢者の見守りを行う方法には、①毎回必ず声を掛ける、②ごみが出ていないときだけ声を掛ける、③基本的に声掛けしないが、連続してごみが出ていない場合や異変に気づいたときには声を掛けるといった様々な方法があります。本書では、こうした支援のノウハウを紹介しています(第3章4節)。
④役立つ情報をコラムで紹介
12の「コラム」を掲載し、用語の解説、参考になる関連事例や興味深い研究成果など役立つ情報を紹介しています。
⑤「他の自治体はどうしている?」がよくわかる
10のトピックについて「データ」を掲載し、自治体規模別にみた支援の取り組み状況や声掛けの実施状況など、全国自治体アンケート調査の結果を紹介しています。
高齢化やコミュニティーの変容…。ごみを集める清掃作業員たちは、小さな変化にも気付くそうです。九カ月にわたり、東京都新宿区で収集作業を体験した大東文化大の藤井誠一郎准教授(48)と一緒に、ごみから見える街の姿や今後の地方自治について考えました。※地方自治の研究者がアイルランドに住んでみた話(朝日新聞『好書好日』じんぶん堂 2020.05.13)
日本ではほとんど知られていない、アイルランドの地方自治のしくみ。在外研究員として首都ダブリンで1年間生活し、現地在住の研究者M.キャラナンさん(著者)や小舘尚文さん(監訳者)と意見交換しながら翻訳書『アイルランドの地方政府:自治体ガバナンスの基本体系』を出版した大東文化大学准教授の藤井誠一郎さんにお話を伺いました。
まだもやがかる早朝 支度を始める午前5時
家族を起こさないように 頬張る朝食 「くもり」を願う
俺らを待つ獲物の山がそびえ立つ街 暗号化された地図はもう記憶している
「おはようございます」 気持ちいい挨拶が 始まりのgong!
破かぬように 見逃さないように 撒き散らさぬように Separation!
Boom ババッ Garbage clean fighter 2トンのゴミ 一気にダンプ
収集車のメロディ 口ずさんで トゥルラリララ トゥルラリララ
Boom ババッ Garbage clean fighter 分別に分別(ふんべつ)を
街が綺麗になっていく達成感で トゥルラリララ トゥルラリララ
Sh sh sh 春夏秋冬 ひしと感じる このひざ関節に鞭を打ち
たまにもらえる 「ありがとう」が沁みる
(オーライ オーライ)左から人くるよ
(オーライ オーライ)ゴミ汁飛びそうだよ 安全確認第一
生ゴミ絞って! 曜日は守って! 食品ロスなくして! Separation !
ババッ Garbage clean fighter 2トンのゴミ 一気にダンプ
収集車のメロディ 口ずさんで トゥルラリララ トゥルラリララ
Boom ババッ Garbage clean fighter 分別に分別(ふんべつ)を
街が綺麗になっていく達成感で トゥルラリララ トゥルラリララ
誰かの人生(ひび) に支えられて 俺らがいるなら
みんなの日々を支えるため 俺らもいるんだ
1・2・3・4!!
Boom ババッ Garbage clean fighter 2トンのゴミ 一気にダンプ
収集車のメロディ 口ずさんで トゥルラリララ トゥルラリララ
Boom ババッ Garbage clean fighter 分別に分別(ふんべつ)を
街が綺麗になっていく達成感で トゥルラリララ トゥルラリララ
第2章 ごみ処理基本計画
1.基本的事項
(1)ごみ処理基本計画の位置づけ
(2)施設の有効活用及び広域的な取組の推進
2.策定に当たって整理すべき事項
(1)市町村の概況
(2)ごみ処理の現況及び課題
(3)ごみ処理行政の動向
(4)計画策定の基本的考え方
3.ごみ処理基本計画の策定
(1)ごみの発生量及び処理量の見込み
(2)ごみの排出の抑制のための方策に関する事項
(3)分別して収集するものとしたごみの種類及び分別の区分
(4)ごみの適正な処理及びこれを実施する者に関する基本的事項
(5)ごみの処理施設の整備に関する事項
(6)その他ごみの処理に関し必要な事項
4.計画策定に当たっての留意事項
ごみ処理基本計画は、市町村が長期的・総合的視点に立って、計画的なごみ処理の推進を図るための基本的な方針となるものであり、ごみの排出の抑制及びごみの発生から最終処分に至るまでの、ごみの適正な処理を進めるために必要な基本的事項を定めるものである。(2)施設の有効活用及び広域的な取組の推進
ごみの処理に関する事業の実施に当たっては、適正な循環利用や適正処分を進める上での必要性を踏まえ、他の地方公共団体及び民間事業者との連携等による広域的な取組を図るとともに、既存施設の有効活用及び長寿命化・延命化を図るものとする。①施設の有効活用
ごみ処理基本計画の策定に当たっては、(1)人口や産業の概況、(2)ごみ処理の現況や課題、(3)国、関係都道府県、関係市町村におけるごみ処理行政の動向等の計画策定の背景を整理した上で、計画策定の基本的考え方を示すものとする。(1)市町村の概況
ごみの種類別発生量、減量化・再生利用、収集・運搬、中間処理、最終処分、ごみの性状(組成、ごみの発熱量を含む)、温室効果ガス排出量等の状況について、原則として過去5年間以上の実績を把握・整理することが適当である。④ごみ処理の評価
さらに、ごみ処理に係る財政及び処理コストなどについて、原則として過去5年間以上の実績を把握・整理するよう努める。また、一般廃棄物会計基準に基づくコスト分析を実施している場合は、その結果を掲載することが適当である。
③で整理した実績を基に、市町村は、分別収集区分や処理方法といった一般廃棄物処理システムについて、環境負荷面、経済面等から客観的な評価を行い、住民や事業者に対して明確に説明するよう努めるものとする。⑤課題の抽出
評価に当たっては、環境負荷をできる限り低減する循環型社会づくりという面から見た処理システムの水準、住民等に対する公共サービスという面から見た処理システムの水準及び処理システムの費用対効果から評価を行う必要がある。
特に、循環型社会づくりという面から見た処理システムの水準に係る評価軸については、循環基本計画において社会におけるものの流れ全体を把握する物質フロー指標として3つの指標(資源生産性、循環利用率及び最終処分量)が設けられていること及び廃棄物処理法基本方針において減量化の目標として3つの目標値(排出量、再生利用量及び最終処分量)が設けられていること、さらには地球温暖化防止のための地球温暖化対策計画において、廃棄物分野に関係する施策及び対策が盛り込まれていることを考慮する必要がある。
客観的な評価の方法は、標準的な評価項目について数値化し、当該数値について次の方法のいずれか、又は次の方法の組合せにより評価を行うこととする。
ア.当該市町村で設定した目標値を基準値とした比較による評価
イ.国の目標値を基準値とした比較による評価
ウ.全国又は都道府県における平均値や類似団体の平均値を基準値とした比較による評価
なお、この3つの方法の中で、類似団体間の比較分析を行う方法は、他市町村と比較して優れている点、不十分な点を把握し、その理由を分析し、市町村間で情報共有することによって、市町村が自らの一般廃棄物処理システムを改善することが可能となる。したがって、類似団体間の比較分析をできるだけ実施することが望ましい。
評価した結果については、住民及び事業者に分かりやすい方法により公表することとし、評価結果のうち、標準的な評価項目に係る評価結果については、次に示す市町村一般廃棄物処理システム比較分析表を作成して表示し、公表する。
また、評価に当たっては、市町村等が類似市町村の取組と比較分析を行うことによって、市町村のごみ処理事業を支える職員及びその経営に当たる責任者が自らのごみ処理事業について、環境保全面の水準や費用効率性の点で、我が国の市町村の中でどのレベルにあるのかを把握し、目指すべき改善・進歩の方向を認識することができる。
実績を整理した結果を基に、排出抑制、収集・運搬、中間処理、最終処分、ごみ処理経費などの項目ごとに課題を抽出する必要がある。上記の各種指標によるこれまでの実績や施策への取り組み状況、他自治体との比較などの現状整理を基に、課題を分析し整理することが適当である。図4 ごみの種類の例
ごみ処理基本計画では、廃棄物処理法第6条第2項に基づき、次に掲げる事項を定める必要がある。(1)ごみの発生量及び処理量の見込み
(1)ごみの発生量及び処理量の見込み
(2)ごみの排出の抑制のための方策に関する事項
(3)分別して収集するものとしたごみの種類及び分別の区分
(4)ごみの適正な処理及びこれを実施する者に関する基本的事項
(5)ごみの処理施設の整備に関する事項
(6)その他ごみの処理に関し必要な事項
計画目標年次におけるごみの発生量及び処理量の見込みは、将来人口の予測、排出抑制及び集団回収等によるごみ減量効果、自家処理量等の見込み、他の市町村からの搬入(あるいは、他の市町村への搬出)等を勘案して、ごみの種類別に定めるものとする。①人口及び事業活動等の将来予測
特に、近年ごみの発生量が一般に減少傾向にあることを考慮すること。
ごみの排出の抑制のための方策については、市町村、住民及び事業者において講ずべき方策について、それぞれ定めるものとする。①市町村の役割
廃棄物については、循環基本法に定められた基本原則に則り、まず、①できる限り廃棄物の排出を抑制し、次に、②廃棄物となったものについては不法投棄・不適正処理の防止その他の環境への負荷の低減に配慮しつつ、再使用、再生利用、熱回収の順にできる限り循環的な利用を行い、こうした排出抑制及び適正な循環的利用を徹底した上で、なお適正な循環的利用が行われないものについては、③適正な処分を確保することが基本である。ごみの排出抑制は最優先に検討されるべき事項であることから、循環的利用を促進するためには、国民、事業者、行政が適切な役割分担の下でそれぞれが積極的な取組を図ることが重要である。
市町村は、経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の排出抑制や再使用、再生利用の推進、排出量に応じた負担の公平化及び住民の意識改革を進めるため、一般廃棄物処理の有料化の更なる推進を図るものとする。市町村が一般廃棄物処理の有料化を進めるに当たっては、「一般廃棄物処理有料化の手引き」を参考にされたい。イ.環境教育、普及啓発の充実
この他、ごみの排出抑制や再生利用の推進を図るため、一般廃棄物処理の有料化と併せて、分別収集区分の見直しや資源ごみの集団回収への助成、排出抑制や再生利用に取り組む小売店等の支援、再使用の促進などを実施することも有効と考えられる。
家庭、事業所から排出されたごみを資源化するためには、なるべく排出する段階で再生利用に配慮した区分で分別収集することが必要であるので、市町村においては、ごみ処理基本計画に分別区分等を定め、計画的な分別収集、再生利用を進めるものとする。1)分別収集の基本的考え方
ごみの性状を勘案した区分ごとの処理方法及び当該処理方法ごとの処理主体について定めるものとする。①収集・運搬計画
また、処理の方法については、①収集・運搬計画、②中間処理計画(再生利用を含む。)及び③最終処分計画について、それぞれ定めるものとする。
ごみ処理施設については、「(4)ごみの適正な処理及びこれを実施する者に関する基本的事項」に基づき、施設の種類ごとに施設能力、処理方式等について定めるものとする。(6)その他ごみの処理に関し必要な事項
廃棄物減量化等推進協議会の設置・審議事項、廃棄物減量化等推進員の委嘱・活動、事業者の協力内容、廃棄物再生事業者の協力内容等について、基本方針等を定める。①廃棄物減量化等推進審議会及び廃棄物減量化等推進員
また、災害時に発生する廃棄物にかかる対策について基本的な考え方を定めるものとする。
ごみ処理基本計画の策定にあたっては、地域のごみの処理のみならず、低炭素社会や自然共生社会との統合の観点等の地球規模における環境保全の視点から検討を行うことが望ましい。(1)低炭素社会や自然共生社会との統合への配慮
また、本計画に基づき、地域の実情に応じた長期的な展望に立ったごみ処理システムの構築を行っていくこととなるため、廃棄物処理技術の進展等に十分留意しながら計画を策定することが望ましい。
本計画で定めた目標値を達成するためには、基本施策を計画的に実現する必要があることから、計画を実現するためのスケジュールを立てることが適当である。
第1章 一般廃棄物処理計画
1.一般廃棄物処理計画の概要
2.一般廃棄物処理計画の点検、評価、見直し
3.他の計画等との関係
4.関係目標・指標等第2章 ごみ処理基本計画1.基本的事項
(1)ごみ処理基本計画の位置づけ
(2)施設の有効活用及び広域的な取組の推進
2.策定に当たって整理すべき事項
(1)市町村の概況
(2)ごみ処理の現況及び課題
(3)ごみ処理行政の動向
(4)計画策定の基本的考え方
3.ごみ処理基本計画の策定
(1)ごみの発生量及び処理量の見込み
(2)ごみの排出の抑制のための方策に関する事項
(3)分別して収集するものとしたごみの種類及び分別の区分
(4)ごみの適正な処理及びこれを実施する者に関する基本的事項
(5)ごみの処理施設の整備に関する事項
(6)その他ごみの処理に関し必要な事項
4.計画策定に当たっての留意事項
市町村は廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45 年法律第137 号。以下「廃棄物処理法」という。)に基づき、同法の目的である生活環境の保全と公衆衛生の向上を図りつつ、一般廃棄物の適正な処理を行うため、当該市町村の区域内の一般廃棄物処理に関する計画(以下「一般廃棄物処理計画」という。)を定めなければならない。(1)法的根拠
市町村は、一般廃棄物処理計画について、Plan(計画の策定)、Do(施策の実行)、Check(評価)、Act(見直し)のいわゆるPDCA サイクルにより、継続的に自らの一般廃棄物処理計画の点検、評価、見直しを行う必要がある。(1)一般廃棄物処理計画の策定(Plan)
一般廃棄物処理計画の策定に当たっては、国や都道府県の計画等を踏まえたものとする。(1)環境基本計画
一般廃棄物処理計画の策定に当たっては、国や都道府県の計画等における関連目標・指標等にも留意すること。(1)廃棄物処理法基本方針における目標・指標等
【排出量を削減する施策例】
・ ごみ有料化の推進
・ 生活系厨芥類の削減
・ 食品リサイクル法に基づく事業系厨芥類削減の推進
・ 粗大ごみのリユースの推進
【再生利用量を増加させる施策例】
・ 可燃ごみから分別した紙類及び厨芥類等のメタン化の推進
・ 食品リサイクル法に基づく事業系厨芥類の再生利用の推進
・ 容器包装プラスチックのリサイクルの推進
・ 雑紙類の分別の推進
・ 古着リサイクルの更なる推進
・ 小型家電リサイクルの推進
オーシャン・クリーンアップの挑戦
魚の量を上回る海洋プラスチックごみ
なぜ挑戦するのか ポイヤンの思い
謎の実態 太平洋ごみベルト
日本のプラごみが一番多い!
マイクロプラスチックの脅威
私たちはクレジットカード1枚分のプラスチックを毎週摂取している
世界のどこにいても、プラスチック汚染から逃れられない
マイクロプラスチック化を食い止めろ!
温暖化とプラスチック
ハワイ大学の衝撃の研究成果
素顔のボイヤン 番組ディレクター 小林俊博
ボイヤン、太平洋での苦闘
ごみ回収システムが大ピンチ!
ついに、太平洋のプラごみを捕らえた!
この章のポイント(69頁)第2章 一歩先を行く世界の取り組み
●世界のプラスチック生産量は、年間4億トン。そのうち、世界の海に毎年910万トンものプラスチックごみが流出。(500ミリリットルのペットボトル5000億本に相当)
●このまま増え続ければ、海洋のプラスチックごみは、2050年には魚の量を超える。
●5ミリメートル以下のプラスチック、マイクロプラスチックの問題が深刻化。空気や水、プランクトン、小魚、鳥、そして人間の体内からも検出されている。
●マイクロプラスチックの人体への影響は未知数。だが今後、プラスチックの量が増えると、食物連鎖によって有害物質が濃縮され、影響が出る懸念がある。
●石油使用料の8%は、プラスチックの原料を作るために使われ、さらに海洋プラスチックごみからはメタンガスなど温室効果ガスが出ている。
●世界各地の海や河川でプラごみの回収への試みが始まっている。
プラスチック大国アメリカも動く
プラスチックからのダイベストと新しい潮流
さらに先を行くヨーロッパの対策
「プラスチックバレー」の戸惑い
始まった循環経済 プラスチックを資源に
誰が主導権を握るのか
日本は新規ビジネス市場で生き残れるか
循環経済とスタートアップ 番組ディレクター 橋本直樹
巨大企業も脱プラに動きだした
ピンチをチャンスに変える企業の戦略
大企業を動かした消費者の力
エシカルファッション 変わるアパレル業界
脱プラへの道 企業の野心的な取り組み
イノベーションを起こせ! 日本の企業のビジネスチャンス
循環経済に挑戦する日本環境設計
変わり始めた廃棄プラスチック事情
いまこそ、リサイクルを真のビジネスに!
残された課題と変革の兆し
この章のポイント(151頁)第3章 プラスチックを検出する地質年代に生きて
●フランスでは国民の88%が使い捨てプラスチックの規制に賛成。ニューヨーク市では発泡プラスチック容器に最大1000ドルの罰金。レジ袋に関して何らかの規制をしている国は120か国以上。
●温暖化の原因となる化石燃料からのダイベスト(投資撤退)だけでなく、プラスチックからのダイベストも視野に。
●世界の400以上の大企業は「2025年までにプラスチックごみをなくす」共同宣言に署名。ビジネスチャンスとしても捉えており、脱プラに向けた競争が始まった。
●2018年1月1日、中国政府はプラスチックごみの輸入を禁止。日本のプラスチックリサイクルは大きな転機を迎えた。
●日本の動きは遅く、「海洋プラスチック憲章」に署名しなかったが、オリンピックの年にレジ袋の有料化がスタート。
●EUは「循環経済」の実現に向けて、野心的な戦略を強化、グローバルルール・メイキングの主導権を握ろうとしている。
●日本企業の技術力には世界が注目。
人新世(アントロポセン)とは何か
SDGsのウェディングケーキとプラネタリー・バウンダリー
温暖化の被害予測は戦争以上に
「イノベーションへの期待」だけでいいのか
パリ協定と1.5度報告書の衝撃
地球はすでに非常事態 1.5度が意味するもの
16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんの訴え
科学のもとに団結する“Unite Behind the Science”
手遅れだけにはしたくない
私たちは何から始めればいいのか
プラスチックを減らすためのアクション
日本企業の新たなチャレンジ
地球のミライのために私たちができる「5つのこと」
①科学の声を聞く
②人に伝える
③生活を見直す
④企業・政治を選ぶ
⑤地域の気候変動対策に参加する
気候危機を回避せよ! 激変する金融業界
ビジネスの仕組みそのものを変える
“総力戦”でパラダイムシフトを起こせ!
この章のポイント(222頁)第4章 未来への提言 世界の英知からのメッセージ
●現在は「人新世(アントロポセン)」[人間の活動が地球に地質学的なレベルの影響を与えている時代(155頁)]と呼ばれる地質年代であり、プラスチックが特徴となるだろう。
●SDGsのウェディングケーキが示すように、持続可能な発展のためには地球環境がすべての目標を支える根幹になっている。
●プラネタリー・バウンダリー(世界の限界)の9つの領域のうち、すでに「気候変動」「生物多様性」「土地利用」と、リンや窒素などの「化学物質の循環」の4つの分野でリスクが拡大、限界値を超えている。
●石炭火力発電所は「座礁資産」となる可能性が高い。
●西日本豪雨のあった2018年の保険金仕払い額は1.7兆円。2019年の台風等による仕払い総額は2兆円を超える見込み。
●2018年の自然災害による世界の経済損失は、約25兆円に上った。
●今後5年以内に気候変動が事業に影響を与える累計損失額は1兆ドルと推計される一方で、気候変動に適応する利益の総額は2兆ドルを超えると見られる。
●地球はすでに気候非常事態にあり、このままでは「ティッピングポイント」を超える可能性が高い。
●手遅れにしないためには、科学者の声に耳を傾ける必要がある。
ヨハン・ロックストローム博士
トーマス・フリードマン
この章のポイント(266頁)第5章 正念場の10年をどう生きるか
●産業革命前から2度前後の気温上昇で、ホットハウス・アース(灼熱地球)へのスィッチを押してしまう危険性がある。
●いったんスィッチが入ると、氷床の融解が止まらなくなり、温暖化のドミノ倒しが起きてしまう。10メートル以上の海面上昇など、人類文明崩壊のリスクに直面する。
●早ければ2030年にも、防衛ラインである1.5度まで上昇。これを食い止めるには、2030年までに二酸化炭素の排出量を半減する必要がある。この10年が正念場となる。
●従来の使い捨て経済は行き詰まり、破綻している。プラスチックの使用を劇的に削減し、循環経済に転換しない限り、未来はない。
●地球の限界に気づくのは、超えてしまった時。今すぐ始めて、ぎりぎり間に合うだけの時間しかない。
●4つのゼロ(廃棄物ゼロ産業、ゼロエネルギーの建物、排出量ゼロ交通、炭素ゼロ発電)をめざすべき。
●循環経済はビジネスチャンス。次世代の巨大なグローバル産業で先頭に立つ国が、世界一クリーンで豊かになる。
2030年の私と地球あとがきにかえて
ホットハウス・アースのスィッチボタン
地球温暖化4度上昇の惨劇
“時間がない”という科学者たちの懸念
パラダイムシフトと日本のチャンスに!
カギを握る人材育成
第5次東松山市総合計画3か年実施計画書(2020-22年)における環境施策の評価と今後の取組を抜き出してみました。
基本構想(2016年度~2025年度) :目指すべきまちの将来像を示し、取り組むべき施策の柱を定め、10年間のまちづくりの方向性を明確化する構想 。
前期基本計画(2016年度~2020年度)・後期基本計画(2021年度~2025年度):基本構想に掲げるまちの将来像を実現していくための施策・取組を体系的に示した計画。
3か年実施計画(2020年度~2022年度):基本計画で示した、施策・取組を実施するための3年間の計画。社会情勢等により毎年度見直す。前期基本計画期間は2020年度までのため、21年度及び22年度の取組等は、後期基本計画の内容により変更となる場合がある。
3か年実施計画書は、①施策ごとの方向性と主な取組②事務事業③行政改革の視点④計画期間における総合計画の目標⑤目標達成に対する前年度取組の結果・成果の分析と今後の取組から構成されています。「まちづくりの柱3 環境」(30~35頁)以外の頁からも策定中の『環境基本計画』に関わると思われる施策の④計画期間における総合計画の目標、⑤目標達成に対する前年度取組の結果・成果の分析と今後の取組を分を抜き出しました。
目指すべき地区の姿: 伝統と計画的なまちづくりが調和する 安全でにぎわいのあるまち高坂地区の現況と課題 :《現況》・市の南部に位置し、西側の丘陵地、中央の台地、東側の低地と起伏に富んだ地形は、 豊かな自然環境を育んでいます。歴史的施設や文化財が数多く存在し、埼玉県こども 動物自然公園や大東文化大学などの地域資源も豊富です。・高坂駅周辺は、土地区画整理事業や地区計画制度によって本市の副次核の形成が進ん でいますが、既存集落の生活道路の整備や地域内の交通安全対策などを求める声も高 まっています。・高坂駅東口を中心に若い世代の転入が増加していますが、子育てや教育に関する社会 資源の不足と合わせ将来の急速な高齢化も懸念されます。・令和元年東日本台風により、都幾川、越辺川、九十九川の流域で甚大な水害を被り、 早期の復旧・復興とともに、防災・減災に向けた取組が求められています。《課題》・子どもの遊び場が少ない・保育園や幼稚園が足りない・高齢者の移動手段が不十分・医療機関が不足している・荒れた農地が多い・車通りが多く、スピードの出しすぎや騒音が気になる・緊急車両が通れない狭い道路がある・幹線道路を外れると防犯灯が少なく暗い・観光地の案内標示や駐車場の整備が不十分・地域の特産品がない
高坂地区の取組① 子ども○子どもを育てやすい地域づくり 【事業者・行政】子育て支援センターを拠点として子育て世代の交流と情報交換を推進することで、 子育て世代を応援します。また、医療機関の連携強化や適切な情報提供により、子ど もを安心して育てられるまちを目指します。○地域で子どもを守り育てる環境づくり 【市民・事業者・行政】新市街地と既存集落のコミュニティの調和を図り、経験豊富な地域の人材を活用し ながら、地域一体で子どもを守り育てる意識を醸成するとともに、必要に応じた安全 対策を進めます。○地元への愛着の育成 【市民・事業者】地域で育った子どもたちが将来も住み続けたいと思えるよう、地域の人々とのふれ あいや豊かな歴史・文化に親しむ機会を充実させ、地元への愛着を育みます。② 健康福祉○運動と外出の機会づくりによる高齢者の健康増進 【行政】豊富な地域資源と起伏に富んだ地形を生かし、ウォーキングを推進するとともに、 高齢者ニーズに応じた公共交通の充実により移動手段を確保することで、高齢者の運 動と外出の機会を創出し、心身の健康増進を図ります。○三世代がいきいきと暮らす地域づくり 【市民・事業者】若年層や学生、子どもが多いことを生かし、地域活動やボランティアに積極的に参 加できる機会をつくるとともに、高齢者と子どもが交流し、三世代がともに支え合う 地域を目指します。③ 環境○体験活動や自然とのふれあいによる交流の促進 【市民・事業者】豊かな自然や歴史・文化的財産を交流拠点として活用し、野外活動や環境学習など の自然体験活動によって地域の魅力を再発見するとともに、人と人との交流を促進し ます。○良好な自然環境の保全と観光的利活用の調和 【行政】「まなびのみち」で結ばれた市民の森や物見山公園などの魅力ある自然環境を保全 するとともに、多くの人が自然に親しむ場として多様な利活用を進めます。④ 生活基盤○住宅の増加に対応した防犯対策の推進 【市民・事業者・行政】今後も予想される住宅の増加などの状況を踏まえながら、防犯灯の設置をはじめと する地域内の安全を高める取組を推進し、防犯対策の進んだ地域を目指します。○地域一体となった交通安全対策の推進 【市民・事業者・行政】高坂駅周辺の道路整備などが進んだことにより、今後も地域内の交通量増加が見込 まれることから、東松山警察署など関係機関と連携し、地域一体で交通安全意識を高 めます。○生活道路の整備 【行政】日常生活の利便性の向上と緊急時の安全確保のため、狭あい道路の整備を推進しま す。○災害に強い地域づくり 【行政】令和元年東日本台風からの復旧・復興を加速させるとともに、国や県の治水対策の 早期完成を働きかけます。⑤ 活性化○観光 PR の強化と効果的な情報発信 【行政】観光客に分かりやすい案内標示の整備や観光パンフレット・マップ等の配布により 地域の持つ魅力を広く市内外へ発信します。 ○特産品の開発等による地域の魅力アップ 【市民・事業者・行政】地域で古くから伝えられる歴史のある食べ物の特産品化等、地域ならではの名産品 の開発によって魅力を更に高め、地元への愛着を深めます。○地域資源を活用したにぎわいの創出 【市民・事業者・行政】地域内に点在する観光拠点をウォーキングルートによって結び、観光客の回遊性を 高めることで、にぎわいを創出します。○市の副次核としての都市機能の充実 【行政】都市基盤整備がおおむね完了した高坂駅周辺は、市の副次核として都市機能の更な る充実を図ります。
日本の人口密度の高さは窒素負荷が集中しやすい要因となるものの、食料生産・消費に伴う廃棄物や排せつ物に由来する窒素の大部分が有機肥料としてリサイクルされていれば窒素負荷を抑えることが可能である。しかし、日本では特に一部の湖沼・地下水の水質において窒素負荷の影響が顕在化している。よって、日本には窒素のリサイクルを妨げる構造的な問題が存在することが示唆される。
現在の日本は食料と飼料の多くを輸入に頼り、2013年の食料自給率(供給熱量ベース)は39%、飼料自給率は26%である。食料・飼料の消費に伴い発生する窒素の量は、その栄養価が同様であれば国内産でも国外産でも同程度である。ならば、農業生産に伴う窒素負荷が国内で発生しない点で、食料・飼料を国外に頼る現状はうまい戦略に見える(ただし、輸出国で窒素問題が深刻化すれば、この環境コストが将来的に内部化される可能性がある)。一方で、食料・飼料の高い輸入依存は、廃棄物や排せつ物の窒素を有機肥料としてリサイクルする点で不利である。なぜなら、リサイクル窒素を受け入れられる国内生産の場が限られるためである。ましてや、リサイクル窒素を国外に送ることは現実味に乏しい。結果として、食料・飼料の消費に伴い発生する窒素の大部分が余剰となって環境に負荷される。言い換えれば、日本は世界中から食料・飼料に含まれる形で窒素をかき集め、最終的に環境にばらまいている。日本は輸入額と輸出額の差分では世界一の食料輸入超過国である。よって、窒素の輸入超過でも世界一であるのかも知れない。
食生活の変化は窒素負荷を変える。経済発展に伴い畜産物(肉類、鶏卵、および乳製品)の消費量が増えるのは世界共通のことであり、日本も例外ではない。肉類はたんぱく質に富むため、その消費は結果として窒素負荷を増やすことになる。また、国内飼養の家畜について、その飼料の国内生産および家畜排せつ物が窒素負荷をもたらす。日本では1965年から2012年にかけて一人あたり年間の供給純食料が肉類で9.2kgから30.0kg、鶏卵で11.3kgから16.7kg、牛乳・乳製品で37.5kgから89.5kgに増加した。この間に総人口は9920万人から12750万人に増加し、消費増加に人口増加を乗じた分の窒素負荷が増えたことになる。
加えて、現在の日本では、本来食べられるのに廃棄される食品(食品ロス)が多い。食品関連事業者および一般家庭における食品ロスは年間500~800万トン(2010年)に達する(参考:世界全体の食料援助が年間400万トン、日本のコメ生産量が年間850万トン)。ここには生産現場から出荷されずに捨てられる農産物が含まれておらず、実際にはさらに多くが食品として消費されずに処分されている。食品ロスが増えるだけ窒素負荷も増えてしまう。
窒素負荷が空間的に集中すれば、そこでは環境影響(典型的には地下水や湖沼の水質汚染や富栄養化)が生じやすい。集約的畜産地域では地域内の農耕地に比して多量に発生する家畜排せつ物が、肥料多投入型作物の生産地域では農耕地からの溶脱が増える窒素肥料が、窒素負荷の原因となる。これらの窒素負荷源が集水域のどこに位置し、水の流れと他の土地利用がどう関わるかといった要素もまた、窒素負荷がもたらす環境影響を大きく左右する。
窒素がもたらす環境影響の空間スケールは多様である。よって、窒素問題を評価する指標には、総量、一人あたり、および面積あたりなど様々な切り口がある。例えば、温室効果ガスとしてのN2O発生量を評価するには国の総量がよく、食料消費に伴う窒素負荷を国別に比較するならば人口あたりがよく、生態系への影響評価に用いるには面積あたりがよい。目的に応じた指標は重要である。しかし同時に、指標が複数あることは、切り口によって見え方が変わることを意味する。単一の指標に頼っては窒素問題の本質を見誤る危険性がある。3.世界における窒素問題への取り組み例
ここまでを読む限り、読者の多くが日本の窒素負荷は大きいと思うであろう。しかし、国民一人あたりの窒素負荷を比べると日本はOECD諸国の中で2番目に小さい(日本:21.2kgNcap–1yr–1、OECD平均:47.9kgNcap–1yr–1)。その原因は食料生産に伴う窒素負荷がとても小さいことにある(日本:3.8kgNcap–1yr–1、OECD平均:26.2kgNcap–1yr–1)。これは日本が輸入する食料・飼料を生産する国における窒素負荷が日本の負荷として考慮されていないためである。将来的には、食料・飼料輸入国はその生産国における窒素負荷を補償すべきという議論が起こるかも知れない。一方、国土面積あたりの窒素負荷を比べると日本はアジア諸国の中で3番目に大きく、2000年時点で約50kgNha–1yr–1であった。環境への窒素負荷の観点では、日本の負荷は決して小さくない。また、農耕地の余剰窒素(耕地面積あたりの窒素負荷)という指標もある。これは農耕地への窒素投入量(施肥、大気沈着、窒素固定など)から作物として収穫される窒素量を差し引いたものである(ただし、事例により考慮する過程が若干異なる)。2002–2004年の日本の農耕地の余剰窒素は171kgNha–1であり、これはOECD諸国の中で韓国、オランダ、ベルギーに次いで4番目に大きく、OECD平均74kgNha–1より約100kgNha–1も多い。日本の農耕地には廃棄物や排せつ物由来の窒素をこれ以上に受け入れる量的な余地はなく、余地を作るには化学肥料としての窒素投入量を減らす必要がある。このように、指標ごとに様々な状況を読むことができる。個々の指標の切り口を考慮しつつ、多様な指標を用いて全体像をあぶりだすことが大切である。ただし、総合評価を行うには、各指標の統合的な解釈方法の開発が必要となる。
補足として、上記の指標はいずれも窒素の化学種を区別しない。冒頭で述べたとおり、窒素は環境中において酸化態、還元態(有機物を含む)、およびN2と多様な化学種として存在し、ガス、溶存イオン、固体などの多様な化学形態をとる。そして、諸反応により化学種や
化学形態がめまぐるしく変化する。これらのために特定の化学種を対象とした指標を定めにくい。対流圏で安定なガスとして存在するN2Oは例外的である。
研究の背景
一酸化二窒素(N2O)は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの主要なものの1つです。N2Oは、二酸化炭素やメタンといった他の温室効果ガスと比べて大気中の濃度は低いですが、単位濃度あたりで温暖化をもたらす能力(地球温暖化係数)が高く重要な成分です。また、成層圏オゾン層の破壊物質でもあります。これまでの大気中のN2Oは1750年の270 ppb (十億分率、1 ppb = 0.0000001%)から2018年の331 ppbまで増加してきました。この増加傾向は今後も数十年間続き、食料、飼料、繊維、エネルギーの需要が高まり、廃棄物や産業活動による排出が増えることで2050年までに倍増する可能性があります。こうした重要性にもかかわらず、世界のN2O排出の全体像を明らかにし、また、窒素(N)投入とN2Oの排出・吸収フラックスを決定する生物地球化学的プロセスとの相互作用(つまり異なるN2O排出源と吸収・消滅源の間の動的な関係)を解明するための研究は、これまで十分ではありませんでした。
研究結果と分析2020年10月8日、過去数十年間にわたり全球のN2O放出量が増加し続けていたことを示す論文がNature誌に掲載されます。この増加の主な原因は、人間活動による放出が30%程度増えたことです。全体の中では、農業における窒素肥料の使用、そして家畜からの堆肥製造といった農業活動が増加したことが排出量増加の主要因となっていました。
経済成長が急速な国、特にブラジル、中国、インド、におけるN2O排出の増加は最も顕著で、作物生産や家畜頭数の急増に伴うものでした。
これらの知見は、私たちの食糧生産システムにおいてN2O排出を削減することが喫緊の課題であることを強く示しています。本研究で明らかになったN2O排出の増加は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2013年に第5次評価報告書で設定した将来の排出シナリオのうち、最も悲観的なシナリオと同等かそれ以上であり、この場合、世界の平均気温は3℃をはるかに超えるほど上昇することになります。……
注:赤色(図中の1)を付けたもの)の矢印は農業部門(農業)における窒素投入からの直接的な放出を指す。オレンジ色の矢印(同じく2))は、その他の直接的な人為起源の放出を指す。紫色(同じく3))の矢印は、人為的窒素投入からの間接的な放出を示す。茶色(同じく4))の矢印は、気候変動/CO2/土地利用によって影響を受けた排出フラックスを示す。緑色の矢印は、自然起源の放出と吸収・消滅を示す。人為及び自然起源のN2O排出はボトムアップ手法による推定である。青色の矢印は地表での吸収と大気中で観測された化学反応による消滅であり、そのうち約1%が対流圏で発生している。収支の合計(排出量+吸収・消滅量)は大気中で観測された増加量と厳密に一致はしていないが、それは、それぞれの排出量は別々の手法で推定されたことや、大気観測に合うように排出推定の調整を行ってはいないからである。この不一致の大きさは、各排出と吸収・消滅量の範囲に見られるように、N2O収支全体の推定不確実性の幅に十分収まっている。N2Oの排出量と吸収・消滅量の単位はTg N yr–1である(1Tg = 1012 g)。
(国)国立環境研究所、(国)海洋研究開発機構、フューチャー・アース日本ハブは10月5日、国際的な地球環境研究プログラムで得た「世界の一酸化二窒素(N2O)収支2020年版」を公開した。N2Oの排出増加は今後も続き最悪の場合世界の平均気温が3℃を超えるほど上昇することになると警鐘を鳴らしている。
N2Oは二酸化炭素(CO2)やメタンと同様に地球温暖化の原因になっている気体。ただ、大気中の濃度は2018年時点で約330ppb(1ppbは10億分の1)、CO2の同400ppm(1ppmは100万分の1)の1,000分の1以下と遥かに低い。
だが、地球温暖化係数と呼ばれる単位濃度当たりの温暖化能力は高くCO2を上まわる。
しかもN2Oは、太陽からの有害な紫外線を吸収して地上の生態系を守ってくれているオゾン層の破壊物質でもある。オゾン層があるのは遥か高空の成層圏だがN2Oは大気中を上昇して成層圏に達し光化学反応で分解される過程でオゾン層の破壊を引き起こす。
しかし、N2Oの発生と吸収・消滅の間の収支関係を解明する研究はまだ十分に行なわれていない。
公開した研究報告は、各国の研究者が協力して世界のN2Oの全ての発生源と吸収源を今までになく詳細に集計し分析を行ってまとめたもので、日本の国立環境研と海洋研究機構の研究者など世界44機関の研究者70人が参加しての国際共同研究として行った。
その結果、世界のN2O排出総量の内の実に82%が農業生産起源の排出であることが明らかになったとし、食糧生産システムからのN2O排出を削減することが世界の喫緊の課題だと強調。N2O排出の増加は「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2013年に第5次評価報告書で設定した将来の排出シナリオの内、最も悲観的なシナリオと同等かそれ以上」だとし「この場合、世界の平均気温は3℃を遥か超えるほど上昇することになる」と危機的状況にあることを訴えている。
10月29日、公開フォーラム「『世界の一酸化二窒素(N2O)収支2020年版』と食料システム」がオンラインで開催され、伊藤昭彦さん(NIES 地球環境研究センター 物質循環モデリング・解析研究室長)が、「世界の一酸化二窒素(N2O)収支2020年版」概要について講演(29:59)しています。
2015 年に欧州連合(EU)で採択された「循環型経済パッケージ」 は、生産、消費、廃棄物管理、二次原料リサイクルというバリュー・ チェーン(価値連鎖)のすべての段階における資源利用効率を最 大化することを目指している42,43。その計画では、有機肥料と廃 棄物由来肥料の管理と取引が、EU 経済における窒素とリンなど の栄養塩の回収とリサイクルの伴になると認識されている。新た な規制では、国内で入手可能な生物性廃棄物、乾燥あるいは消 化した排せつ物などの畜産副産物、その他の農業由来残渣を用 いた有機肥料の持続可能かつ革新的な生産を奨励している。現 在、EUでは有機廃棄物(生ごみなど)の 5% のみがリサイクルお よび肥料として利用されているに過ぎない。生物性肥料の国境 を越えた自由度の高い流通を可能とすることで、EU 域内の二次 原料向け新規市場とサプライチェーン(供給網)の創出につなが る。その結果、約 12 万人の雇用が生み出されると試算されてい る。生物性廃棄物からの窒素の回収は、製造に伴う炭素とエネ ルギーのフットプリントが大きい合成無機肥料の需要を削減、代 替すると期待されている。同時に、環境への反応性窒素の排出 の削減に役立つだろう。 窒素と他の栄養塩の循環型経済への着手は農地から始まる。農 地からの窒素損失を減らすことによって、作物生育を支える栄養 塩の供給がより効率的になる。ここで主に必要なのは、この緩和 手法の実施により農地からの窒素損失が削減される分だけ、農 地への窒素投入量を減らすことができるという点を農家にわかり やすく伝える実用的なツールを提供することだ。このようなツー ルは、栄養塩レベルを細かく調整することになる農家への信頼を 得るために、適切な土壌診断によって裏付けられるべきである。 また一方、付加価値の高い産物の生産のために、窒素と他の栄 養塩の再利用を拡大する可能性も大いにある。大規模な投資が 社会を「低炭素経済」に転換しつつあるように(例:再生可能エ ネルギー資源の導入)、窒素の価値は、「窒素の循環型経済」に 向けての投資を通じた大きな経済機会を示唆している。
土に堆肥やきゅう肥を入れると作物がよくとれること、そしてそのような土には腐植がたくさん含まれていることは昔からよく知られていました。ですから200年ほど前まで、植物は土の中の腐植などさまざまな土壌有機物を吸収して生長すると信じられていました。これを有機栄養説といいます。
この考え方は、ドイツ人科学者のリービッヒがとなえた無機栄養説によって完全に否定されました。植物が土の中から吸収しているのは、土壌有機物が分解してできた無機塩であることが証明されたのです。その後、工業的に製造・加工された安価で扱いやすい化学肥料が使われるようになって、食料の生産は飛躍的に増大しました。
食料を生産するときに農地からもっとも失われやすい栄養素は、窒素、リン酸、カリです。足りなくなった三大栄養素を肥料として土に補給する必要があります。とくに失われやすい窒素については、大気中の窒素ガスに水素ガスを反応させてアンモニアを合成する方法が19世紀初めにドイツで開発されました。それ以来、大量の窒素肥料が農地に投入されるようになりました。
ところで、植物が吸収・利用できるのは、農地に投入された窒素のせいぜい半分くらいと見積もられています。土の中に残ったアンモニウムイオンは、微生物の働きによって亜硝酸イオンから硝酸イオンへと姿を変えます(硝酸化成)。土の中の腐植や粘土はマイナスの荷電を持っているので、プラスに荷電したアンモニウムイオンを捕まえておくことはできますが、マイナスの硝酸イオンを保持しておくことはできません。そのため、硝酸イオンは硝酸塩となって水環境へ流れ出してしまいます。
硝酸塩は大気中の窒素ガスとは違って生物に対する反応性が高く、いろいろな問題を引き起こします。身近なところでは、井戸水の硝酸汚染、河川・湖沼の富栄養化などが問題になっており、その流出を防止する技術が研究されています。また、硝酸化成の途中や、酸素の少ない土の中で硝酸イオンが窒素ガスに姿を変えるとき、副産物として亜酸化窒素が生成します。亜酸化窒素が大気中に出ると、二酸化炭素より強力な温室効果ガスとして地球全体に影響を及ぼすため、その発生を抑える技術が研究されています。(農業環境技術研究所 物質循環研究領域長 菅原和夫)
インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎深雪)は、堅達京子 + NHK BS1スペシャル取材班著『脱プラスチックへの挑戦』を刊行しました。
持続可能な地球と世界ビジネスの潮流
SDGs(持続可能な開発目標)がキーワードとなった時代に、具体的には何を優先すれば良いのか、そしてどう行動するべきなのか、私たち一人一人に答えが求められています。健康や平等、貧困や飢餓。昨今の台風被害に見られるように、気候変動の問題も急がなければなりません。
本書は「なぜストローは紙に変わったのか」という小さなきっかけからはじまり、地球規模の海洋プラスチックごみ問題と、気候変動の危機との深い関係、そして政府と企業を巻き込んだ世界の大きな潮流や、日本企業のビジネスとしての取り組みについても詳しく紹介しています。
本書は、NHK BS1スペシャル『“脱プラスチック”への挑戦』※のプロデューサー、堅達京子氏が、映像化されなかった数々の貴重な証言や驚きの事実とともに書き下ろした警鐘ドキュメントです。
本書で伝えていること
WWFの資料によると、私たちは「毎週5グラムのプラスチックを食べている」という驚くべき報告があります。年間250グラムもの「マイクロプラスチック」を水や塩、海産物などから摂取しているのです。生態系への多大な影響も報道されている中、EUでは「脱プラスチック」が企業・政治・市民を巻き込む大きなうねりとなっています。企業の動きから市民としてできることまで、「脱プラスチック」についてわかりやすく解説します。
今、ストローやレジ袋の禁止など、使い捨てのプラスチックをやめようという動きが加速しています。ウミガメの鼻に刺さったストローや、クジラのお腹から出てくるビニール袋といったショッキングな映像が世界を動かしたのですが、理由はそれだけではありません。
石油という化石燃料から作られるプラスチックは、大量生産、大量消費の現代文明の象徴。実は、こうした私たちの文明そのものを、急速に“循環型”で“脱炭素”の経済に作り変えていかなければ、“地球が持たない”ほどに温暖化が加速していることが背景にあるのです。
EUなどはそのことに気づいて、このパラダイムシフトをビジネスチャンスに変えようとしています。日本企業は、この大転換をビジネスチャンスに変えることができるのか。そして私たちにできることはなにか? を問う内容となっています。
気候危機を伝える数々の証言
IPCCの報告書をはじめ、世界各国で数々の警告が発せられています。
「これからの10年が人類の運命を決める」 気候学者 ヨハン・ロックストローム
「プラスチック汚染に宣戦布告します!」 フランス環境担当副大臣 ブリュヌ・ポワルソン
「私たちの使命は、世界の海からプラスチックを取り除くこと」 社会起業家 ボイヤン・スラット
さらに、ピュリツァー賞3度受賞のジャーナリスト、トーマス・フリードマンのインタビューも収録。これらの証言に、なぜ今、耳を傾けなければならないのか、本書に詳しく書かれています。ぜひご高覧いただき、書評掲載・または著者インタビュー等をご検討いただければ幸いです。
山と溪谷社の商品詳細ウイルス感染リスクがゼロかといえば、「危険性は低いが0ではない」、「動画を見るだけならほぼ安全」といった位置づけでしょうか。動画を見るだけでウイルスに感染するなどといったことは現状ありません。視聴するだけであれば基本的に安全です。ただし、視聴している画面に表示される広告や、概要欄のURLから外部リンクに飛ぶことを考えると、可能性はゼロではありません。……動画を視聴するだけでは、「違法」でも「危険」でもない可能性が極めて高いことも分かりました。[dailymotionの動画むしろ安全!なのに違法になる理由はこれ!> PastelColorTV〜パスカラ 2020年4月22日更新記事]
「あなたは毎週5グラムのプラスチックを食べている。」「脱プラは温暖化対策そのもの。災害を増やしているのは私たちの暮らし方」NEPプロデューサー堅達京子が語る[同書の企画・編輯者、岡山泰史さん(山と溪谷社・自然図書編集部)の著者へのインタヴュー(2020年2月12日サイト掲載記事)]NEP:NHKエンタープライズ
WWFの資料によると、年間250グラムの「マイクロプラスチック」を水や塩、海産物などから摂取しています。生態系への多大な影響も報道されている中、EUでは「脱プラスチック」が企業・政治・市民を巻き込む大きなうねりとなっています。企業の動きから市民としてできることまで、「脱プラスチック」についてわかりやすく解説します。今、ストローやレジ袋の禁止など、使い捨てのプラスチックをやめようという動きが加速しています。ウミガメの鼻に刺さったストローや、クジラのお腹から出てくるビニール袋といったショッキングな映像が世界を動かしたのですが、理由はそれだけではありません。石油という化石燃料から作られるプラスチックは、大量生産、大量消費の現代文明の象徴。実は、こうした私たちの文明そのものを、急速に“循環型”で“脱炭素”の経済に作り変えていかなければ、“地球が持たない”ほど温暖化が加速していることが背景にあるのです。EUなどはそのことに気づいて、このパラダイムシフトをビジネスチャンスに変えようとしています。日本企業、この大転換をビジネスチャンスに変えることができるのか。そして私たちにできることはなにか?NHK BS1スペシャル「“脱プラスチック”への挑戦」のプロデューサーが、映像化されなかった数々の貴重な証言や驚きの事実を伝える警鐘ドキュメント!
脱プラは温暖化対策そのもの
Q プラスチック問題に注目したきっかけを教えてください。
Q 帯に「あなたは毎週5グラムのプラスチックを食べている」という非常に強いメッセージがありますが、そこにはどんな危険性があるのですか?
Q マイクロプラスチックが生態系の中で濃縮しているという話が衝撃的でした。
取り組みはまだ始まったばかり
Q オランダの社会起業家ボイヤン・スラットさんがオーシャン・クリーンアップを立ち上げ、太平洋ごみベルトからプラごみを集める姿はNHKの番組でも取り上げていましたね。世界各地でも海や川でのプラごみ回収が始まっています。
Q 先進的な企業の取り組みも多数、本の中で紹介されています。
Q SDGsも浸透しつつありますが、「脱プラ」は具体的でわかりやすい目標ですね。
危機感からの呼びかけ
Q 去年の台風による被害は甚大で、2018年の西日本豪雨に続く爪痕を残しました。
Q 著名な科学者ヨハン・ロックストローム博士が「これからの10年で地球の未来が決まる」と本の中で述べていました。
Q ご自身も危機感を感じて報道していると伺いました。
インタビューの後で、読者から次々と届くメールの一部を紹介してくれた堅達さん。プラスチックを扱う会社の社長から、小学校の教員、ご家庭の主婦、企業でCSRを担当する方や社会活動家まで、広く反響を呼んでいるとのこと。本書が持続可能で安全な生活や経済活動のきっかけになることを願うばかりです。(岡山泰史)
絡み合う新型コロナウイルスと環境問題
質問1 山火事によって生き物の命が奪われる以外に、地球にはどういったダメージがありますか?
質問2 グリーンウォッシュの具体的な事例を教えてください。また、海外に比べて日本ではグリーンウォッシュに対する報道が少ないように感じていますが、理由はあるのでしょうか?
質問3 森林を再生させるために取り組んでいる、具体的な事例はありますか?
パラダイムシフトとグリーンリカバリー
プラスチックから考える循環型経済
質問4 パラダイムシフトを起こすためには、何から始めればいいのでしょうか?
質問5 気候変動が進み台風などの自然災害に発展した場合、水量調節のために海に水を流すことが増えると思います。その時の連動被害について教えてください。
Q1 レジ袋の有料化はあまり意味がない?
日本のレジ袋の使用枚数
年間 500~700億枚
LとLLサイズとして算出
(昔の推計では約300億枚)
・一人1日に1~2枚使っている計算
・2006年頃にレジ袋有料化の動き 業界の反対で自主的な取組へ
「有料化」には優れた効果がある
①容器包装の有償提供(有料化)
②景品等の提供
③繰り返し使用が可能な買物袋等の提供
④容器包装の使用について消費者の意思を確認
⑤容器包装の量り売り
統計的に有意に効果が検出できたのは、①のみ
他は、効果が検出できるほどの効果はなかった
ただし、「効果がない」とまではいえない
一番「有料化」が重要だという結果
レジ袋辞退率(コンビニ業界の場合)
有料化前 約25%
有料化後 セブンイレブン 75%
ファミリーマート 77%
ローソン 76%
有料化が意味がない(やめるべき)、効果が小さい(他を優先させるべき)
もっと効果的なものに取り組むなら、やめてよいが……
レジ袋以外に、他に何をやったらいいか
レジ袋は薄くて、軽くて、量的に効かない?
プラごみ問題は、重量だけの話ではない
・海洋生物がプラごみを呑み込んだり絡まるケース
→重量ではなく容積や表面積がより重要
・取り組みやすさは重量では表現されない
・取組の波及効果も重量では表現されない
・クリーンアップの邪魔:レジ袋の泥は除去しにくい
回収しづらく、リサイクルにも影響
・多くの国が有料化あるいは禁止を実施している事実
逆に、やらない理由を説明できるのか?
何に対策すべきか?→無駄に使っているものから
どっちを減らしたらいいか?
使い捨てプラスチック>繰り返し使うプラスチック
無料のプラスチック>有料のプラスチック
容器包装プラスチック>製品プラスチック
レジ袋が一番最初の取り組みに
Q2 レジ袋は、ごみ袋として有効に使えばよい?
ごみ袋は30L以上のものが多い
コンビニやスーパーのレジ袋は小さい
→レジ袋はごみ袋の中のごみになる
→レジ袋をごみ袋として出すと、ゴミ収集作業者の手間が増す
一定の大きさのごみ袋に入れて出された方が作業は楽
ごみ袋を無駄にたくさん使ってよいのか?
親袋(=排出容器)、小袋、孫袋、曾孫袋、……
小袋としてレジ袋4.2枚、孫袋として1.1枚使われている
親袋の中にレジ袋が計5.4枚使われている
こんなに使う必要があるのか考える
“無料の袋”だと、減らす動機づけがない
無料の袋はたくさん使ってしまう
Q3 日本人が、1日に廃棄するプラスチックはどのくらい?
プラスチックは、家庭ごみの重量で約10%、容積で約45%
プラスチックはごみ問題で重要なターゲットのひとつ
日本のプラスチックの廃棄量(家庭と家庭以外の産業からでる)
日本全体で1人1年間70㎏
35gの厚めのペットボトルが2000本で70㎏
35gの厚めのペットボトルが1人1日5.5本
Q4 日本は、適正にリサイクルしており、海洋流出はあまりない?
世界のプラスチックの海洋流出量は、年間480万トン~1200万トン程
日本からの海洋へのプラスチック流出量 年間2~6万トン
(プラスチック廃棄量の約0.5%)
日本は2050年までに海洋プラスチックの追加汚染ゼロを提出
2019年6月29日、G20大阪サミットで「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が首脳宣言に盛り込まれた
2050年までに、海洋プラスチックの追加汚染をゼロにするには
環境への流出量<クリーンアップ量(清掃活動)
①回収量の増加(ペットボトルは既に9割回収)
②利用量の削減
③クリーンアップ活動の拡大(10倍)
努力と気合でやるにしては①では限界、②と③に頼るしかない
回収され、リサイクルされている?有効利用量(84%)リサイクル(マテリアル、ケミカル)とエネルギー回収(燃料化、焼却)
焼却施設の発電効率は12~13%
マテリアルリサイクルではペットボトル60数万トン
容器包装に使われたプラスチックは焼却にまわされているものがかなり多い
マテリアルリサイクルの3分の2位は産業廃棄物のプラスチック
産業廃棄物のプラスチックは国内よりは中国でのリサイクルが多かった
2017年末以降、中国が輸入しなくなった(→リサイクルが難しくなっている)
Q5 バイオマスプラスチックが普及すればOK?
バイオマス起源のプラスチック
生物(サトウキビなど)からつくられるでん粉・セルロースなどを原料とする
耕作面積や水が多く必要
コストが高い?から今まで普及しなかった
リサイクルで普通のプラスチックと一緒に処理できるか?
分解されやすい生分解性プラスチック
※バイオマス起源のプラスチックが、生分解性プラスチックというわけではない。
海洋プラスチック汚染・マイクロプラスチック問題地球温暖化問題
非再生資源依存(石油依存問題)
大量生産・大量消費社会
技術で解決できるのは問題の一部分にすぎない
バイオマス起源プラスチック カーボンニュートラル
生分解性プラスチック 海洋プラスチック汚染
リデュース(全ての問題解決に貢献)
プラスチックの使用を考え直す
プラごみを減らすためにはどうしたらいい?
施用量を減らすことが大事
要らないものはもらわないで済む社会
必要なものを大切に使い続ける
リデュースの難しさを乗り越えるために〈注意点〉
1)極論に走りがち
ゼロイチの議論で思考停止しやすい。
国の目標=使い捨てプラスチック25%減
個人にできることは限界
企業などと本当に必要なのか議論することが重要2)過剰性(使い過ぎ)は自らは気がつきにくい日本のプラスチック資源循環戦略の概要
プラスチックは低コストで大量に生産され私たちが快適で便利な暮らしをするためにかかせないものとなっている。プラスチックの世界生産量は3.8億トン(2015年)に達し、その4割程度が包装に用いられている。確かに、プラスチック包装は品質の維持に適し商品が破損しにくく陳列しやすい。
この包装用のプラスチックについては、今年7月より日本でもレジ袋が有料化され関心が高まった。また、女子高校生がお菓子の外袋・トレイ・個包装にプラスチックが使われるといった過剰包装を無くしてほしいという署名を集め製菓会社に届けたこともニュースになった。
プラスチックは優れた点も多いが生分解せず廃棄物として河川や海洋に流出してしまうとマイクロプラスチック等として長期にわたり環境を汚染し生態系に悪影響を及ぼすという問題がある。さらに、プラスチックごみの多くは最終的に焼却処理され CO2等を発生し地球温暖化の要因となっている。プラスチックの原料である原油は数億年前の生物の遺骸が堆積し生成されたといわれているが、人類はこの原油を急速に消費し10~15㎞程度しかない大気層に CO2等として放出し続けている。
また、プラスチック問題は大量生産・大量消費・大量廃棄社会という構造的な問題でもある。脱プラスチックを進めるためには個々人や企業の努力も必要ではあるが、プラスチックごみの回収や処分に対し生産者責任を拡大していくといった経済的手法も含めた構造的な対策が必要となる。EU は2018年の「欧州プラスチック戦略」で2030年までに使い捨てプラスチック包装を域内で無くし、すべてを再利用またはリサイクルすることを掲げた。国内では2019年5月の「プラスチック資源循環戦略」で2030年までに使い捨てプラスチックを25%排出抑制する等の目標が掲げられた。
本特集ではこのようなプラスチックを取り巻く問題について、プラスチックの生産と消費の実態、プラスチック汚染の現状、脱プラスチックにむけた国際的な動向、欧州の生協の取り組み、国内の動向と企業や生協の取り組み、「プラなし生活」といった新たなムーブメント等を論じていただいた。プラスチック問題の理解と、脱プラスチックの取り組みへの示唆となれば幸いである。(渡部博文)
特集:プラスチック汚染・脱プラスチック世界で広がる脱プラスチックの動き(原田禎夫)
プラスチック問題に関する国内外動向と俯瞰的理解
─混乱する議論の解きほぐしから始める問題との向き合い方─(田崎智宏)
欧州の生協におけるプラスチック削減の取り組み(佐藤孝一)
トッパンのサステナブルパッケージソリューション(川田 靖)
脱プラスチック社会の実現に向けたコープこうべの取り組み(鬼澤康弘)
生活クラブのグリーンシステム(山本義美)
プラスチックがもたらす生活革命 いかに仕組みをつくれるか(小松遥香)
生分解性プラスチックを取り巻く環境:世界のプラスチック生産は1960年代から2019年では約20倍の4億トン/年となり、20年後にさらに2倍の予測がされています。このうちリサイクルされているものは10%弱に過ぎず、回収されたプラスチックごみの約80%が埋め立てや自然界(海洋等)へ投棄されています。ここまでは2050年までに海洋中のプラスチックが魚の重量を上回ると言われており、環境汚染が深刻化しています。これに対して、EUをはじめ世界各国ではプラスチックの資源循環への関心が高まっています。
生分解性プラスチックの定義:生分解とは、単にプラスチックがバラバラになることではなく、微生物の働きにより、分子レベルまで分解し、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環していく性質をいいます。「グリーンプラ」の生分解度は、国際的に規定された試験方法と、定められた基準により審査されます。さらに、重金属等の含有物、分解過程(分解中間物)での安全性などの基準をクリアした製品だけが、グリーンプラマークをつけることができます。
生分解性プラスチックの用途:生分解性プラスチックは、通常のプラスチックと同様に使うことができ、使用後は自然界に存在する微生物の働きで、最終的に水と二酸化炭素に分解され自然界へと循環するプラスチック。食品残渣等を生分解性プラスチックの収集袋で回収、堆肥化・ガス化することにより、食品残渣は堆肥やメタンガスに再資源され、収集袋は生分解されるため、廃棄物の削減に繋がる。また、マルチフィルムを生分解性プラスチックにすれば、作物収穫後にマルチフィルムを畑に鋤き込むことで、廃棄物の回収が不要となり、発生抑制に繋がる。
主要用途
農業・土木資材(マルチフィルム、燻蒸フィルム、獣害対策忌避ネット等)
食品残渣(生ごみ)収集袋(堆肥化・メタンガス発酵施設へ)
食品容器包装(食品容器包装・カトラリー・ストロー等)
身近な緑は、人々に潤いと安らぎを与え、美しい街なみを創るうえで欠かせない要素です。
また、近年では自然環境が持つ防災・減災機能やコミュニティ醸成の場の創生機能といった多様な機能を活用して持続可能なまちづくりを進める取り組み(=グリーンインフラ)も注目されており、緑に期待される効果は環境面だけでなく社会面・経済面にも広がっています。
一つ一つの施設には美しい緑を生み出し、緑のネットワークとして広げていくことが、その施設にみならず地域全体の価値向上に繋がります。
●環境改善(生物多様性の保全・ヒートアイランド現象の緩和)
●安全・防災(避難路等の安全性向上・火災の延焼防止)
●景観形成(都市の魅力向上・不動産価値の向上)
●潤いと安らぎ(自然との触れ合いの場・地域のコミュニケーションの促進)
〈維持管理を見据えた植栽〉
植物の生育要件には「日当たり」や「降雨量」、「風当たり」などがありますが、植物によって重視するポイントは異なります。
植物を選ぶ上で植物の生育環境も踏まえて検討すると、その後の維持管理が容易になります。
また、地域に元々ある植物の多くは、その地域の環境に合ったものです。そういった地域の緑との連続性を意識すると、まとまりのある、より保ちやすい植栽になります。
〈接道部における緑の活用〉
接道部には生け垣などの植栽を設けることで、圧迫感を抑えつつ施設と道路の間を分離することができます。ブロック塀などの人工物に比べ、安全性が高いこともメリットのひとつです。
その際、手前に低木、更にその手前に草花や芝などで緑化すると、見通しが良く、奥行きのある緑化になります。
〈緑の効果が十分に発揮される緑視率〉
国土交通省が実施した調査で、景色の中で緑が見える量(緑視率)が高まるにつれ、潤い感、安らぎ感、さわやかさなどの心理的効果が向上するということが分かりました。
緑視率は、25%以上で「緑が多い」と感じることも分かっています。 公開空地など人の目につきやすい場所を緑化する場合などは、高木などを活用し緑視率を高めることで、緑の効果が十分に発揮できます。
1 はじめに
(1) 在来種を使用した緑化の重要性
生物の種は、将来世代に伝えなければならない人類共通の資産としてかけがえのないものですが、現在地球上で多くの動物や植物が絶滅しつつあります。このようなことから、生物多様性の保全の必要性が叫ばれ、日本を含む各国の努力により生物多様性条約が発効し、この条約の精神に基づき、生物多様性国家戦略が策定されています。
生物多様性の保全とは、野生動植物が人間の生活や生産活動の影響を受けて絶滅したり、生息範囲を狭めたり減ったりしないように、それぞれの地域に固有な様々な生物全体を保全することです。
このような考え方を受け、緑化に用いられる樹木についても地域固有の自然環境を損なわないよう配慮が必要と考えられるようになってきました。
2013年6月には、「景観三法」の公布にあたり、国会で「地域在来の植物等の活用による緑化の推進に努めること」についての付帯決議があり、在来植物活用による緑化の推進は今や国の方針となっているのです。
埼玉県においても、自然環境と調和した県土づくりを推進するため、2015年3月に生物多様性保全県戦略の第1弾として丘陵編を策定しました。
この戦略の内容は、一般県民、企業・団体、地方公共団体などの多くの人々が生物多様性保全の取組に参加し、その活動の輪を広げることにより、保全を図ろうとするものです。生物多様性保全県戦略では、天然林や里山の保全や希少種の保護、外来種対策まで様々な保全のための取組を提案していますが、家庭をはじめ、公共施設、学校、事業所で行われている「緑化」についても、在来植物を用いて進めていくことが重要と考えています。
(2) 在来種を使用した緑化を推進するために
緑化木というと、その地域で見られない珍しいものを植えた方がよいという考え方や、見栄えがよい、病虫害に強く管理しやすいなどの理由で、これまで長い間外来種や移入種が多く植えられてきました。
外来種又は移入種による緑化には、生態系に様々な問題を引き起こす可能性がありますので、使えるところには出来るだけ在来植物を使うようにしていただきたいと考えております。
そのためには、様々な立場の方々が、「在来種を使用した緑化」の必要性を理解し、出来るところから取り組んでいただくことが重要です。
今後、国や地方公共団体ばかりではなく、県内の事業体や一般家庭においても、在来種による緑化を積極的に取組んでいただくよう期待いたします。
外来種又は移入種による緑化が生態系に引き起こす問題
(ア) 緑化木の根に昆虫などの幼虫がついて移動し、本来の生息地ではない地域に生息するようになっている例があり、本来の自然の姿を攪乱することがある。
(イ) 外来種や移入種による緑地では、在来の昆虫が生活できなかったり、逆に天敵がいないことなどから外来昆虫が蔓延する危険性もある。
(ウ) 在来種であっても、他地域で生産されたものでは、遺伝的形質が異なる場合が多い。(ブナの例では、日本海側と太平洋側における積雪量の差による春季葉が開く時期の水分条件が異なることから、葉の大きさ等の遺伝的形質も異なるとされている。)
(エ) 植栽した場所だけではなく、種子が鳥や風に運ばれて自然界に定着し、今まで生育していた種を駆逐したり、交雑による遺伝的特性を変えてしまうことなどにより、固有な生態系を変質させてしまうおそれのある種類(侵入的外来種)も多い。
(3) 生物多様性の保全に配慮した緑化木選定基準の作成
在来種を使用した緑化を推進するといっても、「何が在来種かわからない」、「何をどのような所に植えるのが適当かわからない」ということもあり、在来植物の使用はなかなか進んでいません。
今回作成した基準では、実際緑化に使用されている樹木はどのようなものがあるか、埼玉県の在来樹木はどのような種類があるか、在来樹木の種類ごとの植栽に適する環境等について明らかにしています。
地域固有の生物に対する悪影響を防止しようとする「生物多様性の保全」の見地から、どのような種を選ぶことが適当かを判断する基準として作成しました。[下線引用者]
(4) 今後の課題
今後、在来種の緑化を推進していくためには、県緑化関係部局のそれぞれの事業分野で環境条件や必要な緑化木の性質等が異なるため、この基準を参考にしながら、各担当部局の事業特性を反映した「緑化指針」を作成してい
ただくことが望ましいと考えます。
2 緑化木の種類
実際緑化に使用されている主な樹木を選び、それぞれの種を、在来種、移入種、外来種・園芸種に区分し明らかにしました。
(1) 在来種
埼玉県内で自生している種とする。ほとんど緑化や植林に使われていない種も含む
希少種や分布が極めて限定される種は、なるべく除外した。
(2) 移入種
国内に自生するが埼玉県内では自生していない種、中には森林内に定着しつつある種を含む。
(3) 外来種
国内に自生していない種とする。すでに、自然生態系内に定着している種も数多く、外来種といっても、モウソウチク、マダケ、ハチク、セイヨウハコヤナギ(ポプラ)、シダレヤナギなど、人里や都市景観の重要な構成要素になっている種類も少なくない。
(4) 園芸種
品種改良が行われている種であり、原種が外来種・移入種・在来種であるかは問わない。
(5) 侵入的外来種
植栽した場所だけではなく、種子が鳥や風に運ばれて自然界に定着し、今まで生育していた種を駆逐したり、近縁の在来種との交雑により地域の個体群の遺伝的特性を変えてしまうことなどにより、固有な生態系を変質させてしまうおそれのある種類をいう。
外国から入ってきた植物だけではなく、移入種で上記のような問題を引き起こす恐れのある植物を含む。
侵入的外来種に該当する種は「侵入的外来種」と表示した。[1~3頁]
はじめに
1 削減目標について
削減目標の基本的考え方(第2回委員会までの整理)
削減効果をBAUから積み上げる方法(第2回委員会提示)
他の都道府県の目標設定の方法
経済成長率の設定
削減措置による削減量の算定①
削減措置による削減量の算定②
削減措置による削減量の算定③
各部門における削減措置① 産業部門
削減対策を推進するための県の施策① 産業部門
各部門における削減措置② 業務部門
削減対策を推進するための県の施策② 業務部門
各部門における削減措置③ 家庭部門
削減対策を推進するための県の施策③ 家庭部門
各部門における削減措置④ 運輸部門
削減対策を推進するための県の施策④ 運輸部門
各部門における削減措置⑤ 廃棄物部門 工業プロセス部門
各部門における削減措置⑥ その他の温室効果ガス
削減対策を推進するための県の施策⑤ 廃棄物部門 その他ガス
部門別の温室効果ガス排出量削減見込み
2 次期計画について
現行計画の構成
現行計画の重点施策
現行計画の施策構成(7つのナビゲーション)
次期計画の基本的考え方
次期計画検討事項①(目指すべき将来像・重点施策)
次期計画検討事項①(目指すべき将来像・重点施策)
次期計画検討事項②(施策指標)
次期計画検討事項③(適応策) 1 適応策とは
次期計画検討事項③(適応策) 2 気候変動適応法
次期計画検討事項③(適応策) 3 地域気候変動適応計画
県政サポーターアンケート調査結果
質問1 あなたは、地球温暖化に対してどの程度関心を持っていますか。
質問2 地球温暖化防止のための取組は、手間がかかったり、ある程度の我慢をしなくてはならない面もありますが、多くの方々が取り組むことでより大きな効果をもたらします。このことについて、あなたはどのように考えますか。
質問3 温暖化対策として、あなたが現在、家庭で取り組んでいることは何ですか。(あてはまるものすべてを選択)
質問4 本県では、家庭で手軽にできて効果の高い省エネルギー対策として、LED照明(LEDシーリングライトや電球形LEDランプなど)の普及を推進しています。現在、あなたの家庭の照明は、以下のどれに近いですか。
質問5 家庭からの二酸化炭素排出量は、県全体の約1/4と大きな割合を占めています。また、家電製品の多様化や世帯数の増加等により、排出量は近年大きく増加しています。今後、家庭からの二酸化炭素排出量を削減するために、どのような取組が必要だとあなたは考えますか。(3つまで選択)
質問6 自動車の利用によって排出される二酸化炭素は、県全体の約1/4と大きな割合を占めています。また、その排出量は、県内の自動車台数の増加などにより削減が進んでいない状況にあります。今後、自動車からの二酸化炭素排出量を削減するために、どのような取組が必要だとあなたは考えますか。(3つまで選択)
質問7 今後、温暖化を抑えるために本県が実施する対策として、どのような取組を重点的に進めていくべきであるとあなたは考えますか。(5つまで選択)
質問8 地球温暖化は、猛暑日・熱帯夜や大雨の頻度の増加など、気象及び気候の極端な現象の発生頻度を増加させることが科学的に証明されつつあります。このような温暖化の影響により、本県でも異常高温によるコメの品質不良や熱中症救急搬送者数の増加などの被害が発生しています。温暖化の影響について、あなたはどのようなことに関心がありますか。(あてはまるものすべてを選択)
質問9 今年の6月に「気候変動適応法」が成立し、各自治体においては地域に応じた適応策への取組が求められています。「適応策」として、本県ではどのような分野を重点的に進めていくべきであるとあなたは考えますか。(3つまで選択)
はじめに
1 基準年度の検討
計画の概要
方向性の検討に際して(前回の課題)
基準年度について
2 削減目標案の検討
方向性の検討に際して
削減目標の設定方法
案1 削減効果を目標年度BAU排出量から積み上げる方法(スライド12~35)
削減目標の設定方法
案2 より長期の目標からバックキャストで設定する方法(スライド36~37)
2 削減目標案の検討
案1「削減効果を目標年度BAU排出量から積み上げる方法」による試算
Step1:BAU排出量を推計
現状趨勢(BAU:BusinessAsUsual)とは
BAUの算定(1) エネルギー起源CO2排出量のモデル
BAUの算定(2) エネルギー起源CO2排出量
BAUの算定(3) 人口シナリオ
BAUの算定(4) 経済成長シナリオ(1)
BAUの算定(5) 経済成長シナリオ(2)
BAUの算定(6) 自動車保有台数シナリオ
BAUの算定(7) 鉄道輸送需要シナリオ(旅客)
BAUの算定(8) 鉄道輸送需要シナリオ(貨物)
想定する2030年度のすがた
2030年度エネルギー起源CO2の推計結果
BAUの算定(非エネ起+その他)
2030年度非エネルギー起源CO2及びその他ガスの推計結果
BAUの積算結果
Step2:対策・施策を設定し、削減効果を積上げ
2030年度削減措置に見込む対策について
2030年度削減措置に見込む対策① 産業部門
2030年度削減措置に見込む対策② 業務部門
2030年度削減措置に見込む対策③ 家庭部門
2030年度削減措置に見込む対策④ 運輸部門
2030年度削減措置に見込む対策⑤ エネルギー起源CO2以外のガス
供給側対策の見込み(電力排出係数)
供給側対策の見込み(電源構成と電力排出係数)
案1による試算の結果
案2「より長期の目標からバックキャストで設定する方法」による試算
バックキャストで毎年度一定量の削減(線形)を想定
2 削減目標案の検討
国のマニュアルに基づく試算結果
削減目標の検討の目安
削減目標を達成するためには(削減量)
削減目標を達成するためには(対策)
現在の国の温室効果ガス排出量の状況
(参考)計画の目標年度を2030年度とした都道府県の状況
生物多様性は、種の絶滅や外来種などの問題だけではなく、人間社会にもたらす恵み(生態系サービス)を賢く利用することが重要な問題になっています。2010年に名古屋で生物多様性条約の第10回締約国会議が開催されて以来、国内外で生物多様性の考え方を社会に根づかせる(主流化する)さまざまな動きが急速に進みました。たとえば、生物多様性や生態系サービスの経済評価が世界各地で行われるようになり、その保全コストを負担する必要が議論されるようになってきました。一方、地方自治体が生物多様性地域戦略を策定したり、地域での保全を促進したりするための活動も広がっています。企業活動などにおいても、生物多様性に対する配慮の有無を企業評価として重視しようとする動きが進んでいます。こうした最近の動向とこれからの生物多様性問題を考えてみましょう。
○環境省脱炭素社会移行推進室長資料説明(議事録から 下線引用者)
NDC及び地球温暖化対策計画の見直しについてということですけれども、これは冒頭の局長のご挨拶にもありましたとおり、温対計画の見直しに着手いたします。この背景といたしまして、今年の3月、NDCを我が国として提出いたしましたけれども、これを契機として行うということでございます。また、その後の削減目標の検討につきましては、エネルギーミックスの改定と整合的に行うと。さらなる野心的な削減努力を反映した意欲的な数値を目指し、次回、パリ協定の5年ごとの提出期限を待つことなく実施するということでございます。
NDCの中で、この概要というところに記載がありますが、2030年度26%削減目標を確実に達成するということを目指すということを確認するとともに、さらなる削減努力を追求していくという方針を表明しております。これに基づいて見直しに着手をするということでございます。
この見直しの小委員会の設置等々については、後ほどまたご説明をいたしたいと思います。
○環境省脱炭素社会移行推進室長資料説明(議事録から 下線引用者)
それで、最初のほうにも少しご説明しましたとおり、今後、地球温暖化対策計画を含みます中長期の気候変動対策の検討をしてまいりたいと思います。先ほど冒頭申し上げたとおり、NDCの提出を契機としまして計画の見直しに着手する予定でございます。
今後、温対計画の見直しを含む気候変動対策について検討を行うために、この地球部会の下に「中長期の気候変動対策検討小委員会」を設置いたしました。これについては、先日、各委員の皆様方には書面で協議をさせていただきまして、ご了解いただきました。誠にありがとうございます。今後、産業構造審議会にも同様の小委員会を設けまして、合同で検討を進める予定でございます。少し人数を絞る必要があろうということもありまして、両審議会・小委員会で合計20名程度という体制を考えておりますが、委員の構成については現在まだ調整中ということでございます。
検討に当たりましては、温対計画の見直し、中長期の両面でさらなる削減努力の検討を深めてまいりたいと思います。
○環境省脱炭素社会移行推進室長資料説明(議事録から 下線引用者)
次、お願いします。この議論の進め方でございますが、8月中に何とか、これは先ほどの議題にもあった9月3日のオンライン・プラットフォームより、できれば前に開催できるといいなというふうに思っておりますが、これから日程調整をいたします。第1回開催の後、専門家へのヒアリング等を順次実施していきたいと思います。
恐らく議論することになる主要なポイントとしては、ポスト・コロナ時代の社会変化を見据えた対策、さらには、毎年これまでやってまいりました計画の点検進捗を反映した対策の強化、深掘りと、さらには脱炭素社会の実現を見据えた中長期の対策の方向性と、こういったことを議論してまいることが決まっております。
手短に3点、お話しさせていただきたいと思います。
まず1点目は、資料の6ページなんですけれども、排出量が5年連続で減っていると、COPでもいつもこれは出されるんですけれども、1990年に比べると、3%減くらいにすぎないので、結局、1990年から地球温暖化対策をしようというふうになってきて、約30年間で3%しか減少できていないということを、もう少しグラフの上にある四角いところで分析として、現実を直視した分析になったほうがいいかなと思います。
ここから言えることとして、これまでのやり方では効果がなかった。すなわち、例えば産業部門の排出削減の施策が自主行動計画がメインだったということが、やはり、それでは功を奏さなかったんじゃないかということがここから導き出されてくるかと思いますので、やはり、カーボンプライシングとかそういったもの、新しい施策が必要なんだということを、ここで分析結果として出てくるみたいなことをしっかり現実として見たほうがいいのではないかなと思っています。
ここから、やはりグリーンリカバリーが非常に重要になってきますけれども、そのときにやっぱり過去を検証して、リーマン・ショックの後、日本は急増していることがここからも分かります。2013年過去最高となっています。そのときの増加要因として、火力発電の増加による化石燃料消費量の増加によってエネ起源CO2の排出量が増加したみたいな分析がなされていますので、今回はそれを防いで、いかに、今まさに環境省さんがおっしゃっておられるような脱炭素化とSDGsに沿った形のリカバリーが果たしていけるかといったような視点で、まず、過去の経緯からの今回の違いというものを見せていけばいいのではないかなと思います。
その三つ目として、今の経済復興策、井田さんもさっきおっしゃっておられましたけれども、日本の中で、脱炭素とかSDGsとか、どの程度一緒に検討されているか。EUとかでは例えば3割を気候変動対策にみたいに言われていて、Do no harmで全体として脱炭素化がかかっており、少なくとも環境に害をなすものはやらないみたいなことになっていますので、そういった形での整理が日本でも問われているのではないかなと思っております。
2点、コメントを申し上げたいと思います。
一つは、今日、オンライン会合ということで、これがYouTubeで放送されているわけですけれども、これは非常によかったというふうに思っています。今まで環境省の会議というのはあんまりYouTubeで放送することはなくて、経産省の会議は放送しているのが多くて、非常に経産省のほうがいいなというふうに思っていたところです。それで、もし今後、集まって会合するのが普通になるにしても、今後このYouTubeの放送というのは続けていただきたいと。特にそう思いますのは、今、若い人が、いわゆるFridays For Futureの高校生、大学生とかがNDCの引上げに非常に強い関心を持って、どのように彼らの意見というのを表明していこうかということを考えていて、こういう審議会とかも結構ウオッチをしています。ぜひ彼らに見ていただきたいと。我々としては、そういう若い人が見ているんだと、我々が見られているんだという、そういう意識を持って恥ずかしくない議論をしていかなくちゃいけないと思います。そのためにもYouTubeというのは続けていただきたいというのが1点です。
2点目は、浅野委員からもご発言があったんですけれども、カーボンプライシングについてなんですが、これはちょっと、最近ネットを見ていますと、とあることをきっかけにしてカーボンプライシング、特に炭素税に対する反発的なコメントが非常によく見られるようになっているということが起こっています。これは、一つはコロナとの関係があると思っていまして、今これだけ経済がダメージを受けているのに増税するのかと、そういうリアクションというのが当然あるわけですよね。もちろん新しい税金の話をすると、そういう反発が来るのは世の常だろうと思いますけれども、カーボンプライシングというのは、僕の理解では、単に税金を増やして高くするからみんな我慢してくださいとか、そういう話ではなくて、むしろ脱炭素の商品とかサービスについては追い風になるような、そちらが相対的に経済的な優位性が上がって、選択されるし、投資が来るし、イノベーションも進むと、そういう、経済に対してブレーキではなくて、その向きを変えるのであるというところは僕から見ると本質に見えますので、そういったことを含めてカーボンプライシングについても堂々とこれから議論していく必要があるのではないかと思います。
私からは、ほかの委員がご指摘にならなかった点を特に2点、申し上げたいというふうに思っております。
一つは、三村部会長が最初におっしゃいましたけれども、感染症の拡大というこの状況の中で気候変動対策、脱炭素化に向かう対策も適応策も非常に重要性が増しているというのはそのとおりだというふうに思います。足元の感染症と災害の複合リスクを抑えるという意味でも適応策は非常に重要ですし、将来の気候変動リスクを低減するという意味でも脱炭素化の政策というのは非常に重要になっていると思います。
その意味で、今回始まる温暖化対策計画の見直しについては、もちろん足元の2030年をどうするのかという点もそうですけれども、同時に、これは下田委員がおっしゃいましたが、長期的な視点から、どういう将来の社会をめざすのか、それを支えるインフラはどのようにあるべきか、こうしたものをきちんと書いていくような、そういう作業を期待いたします。特に、インフラ形成にかかる時間を考えると、今ここで始めないといけないというふうに思います。
先ほどから何人かの委員からイノベーションについて議論がありました。長期戦略の中でも非常に重視をしていますけれども、しかしながら、長期戦略に関するイノベーションの議論は企業さんの中にイノベーションのシーズを作り出す力はあるけれども、それを普及して、コストを下げて実装していくためのインフラや社会の制度にむしろ課題があるという認識でした。
そういう意味では、将来を見据えて、まさにイノベーションを作っていくための政策の議論をやっていただきたいというふうに思います。
それに関わって、今「長期的な」と申し上げましたが、このことは地域の脱炭素化にとっても、これは中島委員がおっしゃった点ですけれども、長期的な政策の一貫性や見通しを示すということが具体的な補助と合わせて非常に重要だというふうに思います。特に、今日ご紹介がありました150もの自治体が、しかも7,000万人をカバーした自治体が50年ゼロを目指したいという意思を持っているということの重さをふまえて、国は、その方向で、どういう見通し、政策の方向性を出せるのかということをきちんと議論ができる温対計画の見直しにしていただきたいというふうに思っております。
2点目でありますけれども、コロナ後の在り方として、どの方も多分否定をしないのは、分散型の国土、地域づくりの重要性ということだと思います。これは日本のこの50年間の都市集中、あるいは一極集中の課題にどう対応するかという問題です。恐らくいろいろな手だてを取ってきて、なお解決できないでいるこの課題に対処をするには、地方が住民にとってより魅力的な場にならないといけない。これを作り出す地方のエンパワーメントが今、非常に重要になっていると思います。恐らく、雇用であったり、生活環境や教育環境といったものを統合的に地域が向上させていくという、そういう仕組み、政策が必要で、これもどなたかおっしゃいました、地域循環共生圏という取組はそれにつながってくると思います。
脱炭素の観点からいきますと、欧州などもいろんな戦略の柱を立てておりますけれども、例えば建築物のリノベーションですとか、クリーンエネルギーですとか、クリーンな持続可能なモビリティの実現、いずれも経済復興、雇用創出をしながら、脱炭素、クリーンな社会を創っていける、そういうポテンシャルを持った施策があるということだと思います。
中でもやはり強調したいのが、再生可能エネルギー、クリーンエネルギーの積極的な導入、活用で、これは特に地方のエンパワーメントという点では非常に重要な施策だと思います。経産省も再エネ主力電源化に向けて政策パッケージの検討を開始していますし、さらに再エネ型経済社会の創造というビジョンを今、打ち出して議論をし始めています、そういう意味では、環境省でも経産省のこうした検討と連携をして、ゼロ・カーボンシティ、あるいは2050年ゼロエミッションを目指す地域や企業の支援をする、再エネ導入の促進策というものを検討実施していただきたいと思っております。
プラスチックは川から海へ
危険なマイクロプラスチック
環境ホルモンとは?
このままでは生態系が崩れる
各国のプラスチック対策は?
ここでお勉強
容器包装リサイクル法(容リ法)とは?
プラごみ全体の処理方法は?
拡大生産者責任とは
デポジット制度を広めよう
暮らしの中からできること
テイクアウト用カップもリユースで
政府・自治体に規制を求める
大量生産・大量消費・大量廃棄からの転換を
柔軟剤等に入れるマイクロカプセルは禁止(柔軟剤・消臭剤)
使い捨てプラスチックは禁止
マイクロビーズ入り製品は禁止(ビーズクッション・洗顔料)
発泡スチロール製容器は禁止
飲料容器は徹底削減。使用分はデポジット制度で回収
拡大生産者責任を徹底
メーカーや小売店にも要請しよう
リユース容器入りの製品を増やす
消費者が容器を持参して買えるように
カプセルやビーズなどプラスチックの材質表示を徹底
店内に「脱プラ」コーナーを作る
落ちると生物が食べるため、ペットボトルのキャップは本体から外れないように設計変更
化学物質にさらされる
……例えばペットボトルのフタは柔らかいポリエチレン製で劣化しやすいので、ノニルフェノールという添加物が使われている場合があります。各国のミネラルウォーターのフタを分析すると、半分以上で検出されます。食品保存袋やビニール手袋にも含まれ、とくに安価な中国製や東南アジア製には多いのです。ノニルフェノールは「環境ホルモン=内分泌かく乱物質」の1つで、生物の性や生殖に関する障害が起きます。また免疫力の低下、アレルギーや肥満などの原因になるとも言われます。
紫外線吸収剤にも内分泌かく乱作用が疑われる物質があり、日本のペットボトルのフタでは、調べたすべての製品から検出されました。……例えばペットボトルのフタの添加物は使う段階で、我々の体に直接的に曝露しないよう一応選ばれています。しかし、プラを取り込んだ魚を食べれば間接的に曝露され、しかも体内に残る。これが怖いところです。
近年、各地でペットボトルの散乱が報告されている。飲料容器の散乱については、1970年代から1990年代にかけて「空き缶公害」が問題視された際、ローカルデポジットの導入が試みられた。しかしそれは全国に波及するに至らず、解決策にはならなかった。1995年、国はごみ減量とリサイクル促進を目的に、容器包装リサイクル法を制定した。同法によりリサイクルは促進されたが、散乱ごみ問題は解決されなかったと考えられる。同法には生産者にも消費者にも自治体にも回収促進のインセンティブは与えられていない。このため、散乱ごみ対策としては根本的に限界をもつ。本稿は、こうした経緯を検証することで、ペットボトル散乱問題の解決の糸口を探る。
一般家庭から週一回、所定のゴミ集積所(クリーンステーション)に出される「プラスチック類」は2種類(プラマーク付のプラ①とプラマークなしのプラ②)です。今日はプラ①(プラスチック製容器包装物)資源化の行方を訪ねてをテーマに、市内集積所から運搬回収された「プラスチック類」を一時保管する西本宿不燃物等埋立地と栃木県下野市の西坪山工業団地にあるリサイクル事業者(再生処理事業者)ウィズペットボトルリサイクル株式会社栃木工場を見学しました。栃木工場では西本宿からトラックで搬出されてきたゴミ袋を破いて中身を抜き出し、異物を取り除いてリサイクルできるものとできないものとを選別し、圧縮・梱包した「ベール品」を一時保管する中間処理工場です。
「環境にやさしい買い物キャンペーン」の目的県民が快適な生活環境を享受するためには、廃棄物の減量化と適正処理を図り、循環型社会を構築することが求められており、県民、事業者及び行政が一体となって、廃棄物の排出抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)の「3R」を県全体に広げていく必要があります。循環型社会の構築に向けては、消費者の環境意識をいかに実際の行動に結びつけるか、ということが従来からの継続的な課題となっており、そのためには、県民一人一人の環境についての理解を深めるとともに、循環に配慮した持続可能なライフスタイルへの変革を促することが重要となります。そのため、3R推進月間に行う取り組みの一環として「環境にやさしい買い物キャンペーン」を実施します。
第27回 変わる株主総会(2020/09)第26回 「ゼロ」の意味を考えるとき(2020/7)
第25回 新型コロナウイルスは、気候変動対策にどのような意味をもたらすのか?(2020/5)
第24回 今年、各国の行動はどこまで引き上げられるのか?(2020/3)
第23回 2020年、パリ協定の本格始動~未来を決定づける10年へ (2020/1)
第22回 石炭火力の建設ラッシュ 本当に建てるの!? (2019/11)
第21回 子どもたちの訴えに応えられるのか 9月20〜27日は気候ウィーク (2019/9)
第20回 CCS・CCUへの危うい期待〜未来の選択肢になり得るのか (2019/7)
第19回 どうなる?日本の長期戦略〜脱炭素社会への「道すじ」の描き方 (2019/5)
第18回 仕事が変わる〜脱炭素社会への移行が伴う労働・雇用の移行 (2019/3)
第17回 COP24、パリ協定の実施指針に合意〜これからは本格実施ステージへ (2019/1)
第16回 これから10年の行動が地球の未来を左右する~IPCC特別報告が私たちに問いかけるもの~ (2018/11)
第15回 脱炭素社会を牽引する市民・NGO (2018/9)
第14回 脱炭素社会の実現に向けた長期戦略を描くとき (2018/7)
第13回 ダイベストメントはもう止まらない (2018/5)
第12回 気候変動対策をとらないと訴えられる? (2018/3)
第11回 COP23からマクロン・サミットへ (2018/1)
第10回 再エネ100%イニシアティブ「できる」「できない」の議論を乗り越えて (2017/11)
第9回 運用始まる「緑の気候基金(GCF)」 日本はどう役割を果たせるか (2017/9)
第8回 トランプ大統領にも止められないー率先して動き出す企業イニシアティブ (2017/7)
第7回 企業にとっての気候リスク〜リスクの情報開示が常識に! (2017/5)
第6回 日本はどこへ向かうのか〜迷走中、それとも逆走中? (2017/3)
第5回 それでも世界が動いていく〜トランプ・ショックを乗り越えて (2017/1)
第4回 祝!パリ協定発効〜世界はなぜこれほど早く動いたのか? (2016/11)
第3回 政策と市場の両方で加速する「脱石炭」の動き (2016/9)
第2回 パリ協定は2016年中に発効する!? (2016/7)
第1回 ポスト・パリ協定:脱炭素化へ向けた新時代の幕開け (2016/5)
はじめに
漫画「グリーン・ウォッチ」2020
第1章 脱炭素社会に向けた最近の動向
第1節 「気候変動」から「気候危機」問題へ
1.気候行動サミットとCOP25
2.日本政府の遅れた対応と自治体の動き
3.若者たちの動き
第2節 持続可能な再生可能エネルギー100%社会の実現
1.再生可能エネルギーの導入はどこまで進んだか?
2.動き出した再生可能エネルギー100%への取組
3.再生可能エネルギー本格導入とFIT制度見直しの課題
4.バイオマス発電と持続可能性
第2章 生物多様性、そして森林の危機
第1節 IPBESの活動、成果とその日本への示唆
1.IPBESの概要
2.IPBESの主なアセスメントからの主要なメッセージ
3.IPBESアセスメントからのメッセージを受けて市民にできること
4.IPBES成果の政策活用に向けた動き
第2節 世界の森林と私たち
1.森林はなぜ減少しているのか?
2.森林が減少することの生物多様性への影響
3.森林が果たす気候変動抑制の効果
4.私たちの行動が森林を守る
【コラム】2019年のアマゾン森林火災騒動
第3章 化学物質
第1節 環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の脅威に改めてどう対処すべきか
1.内分泌かく乱化学物質とは?――従来の毒性学の常識が当てはまらない
2.肥満・糖尿病や心臓病の原因との指摘も
3.内分泌かく乱化学物質の社会的コストはGDPの1.2~2.3パーセントにも
4.EUにおける内分泌かく乱化学物質の規制の動向
5.日本における内分泌かく乱化学物質の規制の現状と課題
6.日本政府への提言
第2節 環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の進捗状況と今後の課題
1.エコチル調査とは何か
2.エコチル調査の背景と中心仮説
3.エコチル調査の進捗状況
4.エコチル調査でわかったこと
5.今後の課題
第4章 東京電力福島第一原発事故後の状況
第1節 蓄積する課題にどう向き合うか(廃炉、放射性廃棄物の量と行方)
1.福島第一原発の廃炉の現状と課題(トリチウム水海洋放出問題を含む)
2.除染廃棄物の中間貯蔵施設の運用開始と問題点
3.台風・大雨の影響(第一原発と広域環境)
4.福島第一原発の廃炉をめぐる諸課題に私たちはどう向き合えばよいのか
第2節 福島の住民のその後
1.甲状腺がん「数十倍多く発生」
2.隠された初期被ばく
3.帰還政策の現状
参考 欧州における環境NGOの位置づけと公的資金
1.環境団体は環境政策のパートナー
2.EUのLIFEプログラム
3.ドイツの環境団体助成
4.日本への示唆
活動報告 グリーン連合 この一年の活動実績
報告1.地域でのワークショップの開催
1-1 埼玉ワークショップ報告
1-2 岐阜におけるシンポジウム
報告2.環境省との意見交換会
報告3.地球環境基金との意見交換会
報告4.小泉進次郎環境大臣への要望書
会員名簿
編集委員会・執筆者
序 2019年度グリーン・ウォッチの目的
第1章 脱炭素社会に向けた最近の動向
第1節 気候変動問題
1.パリ協定以降の世界の動向とCOP24
2.後手になる日本政府の対応と企業・金融界の動き
3.変化の兆しが見え始めた石炭火力発電所新規建設問題
第2節 再生可能エネルギー
1.再エネ100%に向けた世界の動きと日本の課題
2.再エネ開発での合意形成・持続可能性の課題と解決策
第3節 地球温暖化対策の決め手 カーボンプライシング
1.カーボンプライシングとは何か
2.なぜカーボンプライシングか~現状の温暖化対策税だけでは不十分
3.カーボンプライシングを取り巻く国内の状況
4.諸外国の導入状況とその効果
5.炭素税収入の活用方法
6.グリーン連合の提案
第2章 顕在化してきた新たな危機
第1節 プラスチック問題
1.人類は「プラスチック」にどう向き合えばよいのか?
2.プラスチック資源循環を巡る世界の動き
3.プラスチック問題に関する国内の動き
【漫画】「グリーン・ウォッチ」2019
第2節 気象災害と防災
1.風水害が相次いだ2018年
2.2018年の夏は猛暑に
3.地球温暖化は極端気象を増加させる
4.データが示す地球環境の変化
5.激甚化する災害から生き残るためには
6.日本は災害に対する国際貢献を
第3節 いまだに続く福島原発事故の災害
1.汚染水の海洋放出問題
2.除染土再生利用・埋立方針について
3.チェルノブイリの経験から福島の今を考える
【コラム】「たらちね」震災後に開設した放射能測定所とクリニック
第3章 国内外の先進的な動き
第1節 国内の動き
1.市民協働事業提案制度
2.山形県遊佐町の少年町長・少年議員公選事業
第2節 データ不正問題は何が間違った結果なのか?
1.政府の政策判断の質の問題がデータ不正を生む
2.データ不正の原因は何か
3.基本的な情報公開を欠いていた技能実習生データと裁量労働制データ
4.統計調査では当然の基礎情報が公開されていなかった毎月勤労統計
5.市民社会は何を求めるべきか
第3節 ドイツの州レベルにおける環境NGO/NPOに対する助成制度
第4節 座談会 日本の環境NPOへの支援の現状と課題
1.環境NPO/NGOの存在意義は何か
2.グリーン連合として、共通課題への取組を進める活動報告グリーン連合のこの一年の活動実績
1.4つの地域でのワークショップの開催
2.環境省との意見交換会
3.地球環境基金との意見交換会
4.要望書の提出
会員名簿
編集委員会・執筆者
はじめに
第1章 主要な環境政策のレビュー
第1節 気候変動問題
1.気候変動対策とエネルギー基本計画
2.石炭火力発電所をめぐる諸問題
3.気候変動適応策
第2節 再生可能エネルギー
1.再エネ100%への現状と課題
2.電力自由化(電力システム改革)の現状と課題
3.一次産業振興と地域活性化への期待
4.社会的合意形成の重要性
第3節 廃棄物
1.ペットボトルの問題点と対策
2.レジ袋の無料配布全面中止に向けて
【コラム】サーキュラー・エコノミーがもたらす国際的な潮流と日本の持続可能な経済成長への道
第4節 化学物質
1.精子減少の衝撃-環境ホルモン問題は終わっていなかった!!
2.危ない健康食品
第5節 気候変動と第一次産業
1.農業
2.林業
3.水産業
第2章 放射性物質と如何に付き合っていくか
第1節 福島の現状と健康問題
1.環境への影響
2.避難と帰還
3.子どもたちの甲状腺がん
第2節 放射性廃棄物の現状と原発再稼働問題
1.福島原発廃炉の進捗状況
2.事故由来廃棄物
3.高レベル放射性廃棄物について
4.「もんじゅ」の廃炉と核燃料サイクル
5.再稼働問題と廃炉
【コラム】核ごみプロセスをフェアに!~自治体アンケートを実施
第3節 私たちは放射性物質とどう付き合っていけばよいのか~放射能汚染防止法の制定~
1.放射性物質の公害関係法適用除外
2.公害法適用除外による問題状況
3.権利なき原発事故被災者
4.放射能汚染防止法制定運動が目指すもの
5.脱原発問題と直面する再稼動への影響
6.法整備運動の現在と展望
【漫画】「グリーン・ウォッチ」2018
第3章 私たちはどんな社会を目指すのか
第1節 持続可能な社会についての大きな流れ
第2節 いくつかの提案
1.国内のNPO(市民組織)からの提案例
2.研究機関や政府機関からの提案例
第3節 私たちの未来はみんなで作ろう
第4章 国内外の注目すべき動き
1.自動車業界「脱炭素化」へ急発進
2.省エネ住宅をめぐる状況
3.SDGsの動き
4.欧州における環境NGOに対する公的資金助成
会員名簿
編集委員会・執筆者
はじめに
第1章 なぜ、地球環境を優先的に保全しなければならないのか
第1節 地球環境悪化の背景
1.世界人口の増加
2.人間活動の拡大がもたらす環境の悪化
第2節 環境保全に優先的に取り組まなければならない理由
1.私たちの生命、暮らし、社会経済活動の基盤である環境が、いよいよ危ない
2.時間的余裕がなくなった
3.将来世代への責務
4.途上国に対する先進国としての責務
5.日本の取り組みの遅れが著しい
第3節「パリ協定」後の社会に向けて
1. 「パリ協定」の意義とは何か~化石燃料から脱却し、脱炭素社会へ
2.「環境」概念の拡大と困難な課題への挑戦
第2章 6年が経過した福島
第1節 東京電力福島第一原子力発電所事故の被害者は今
1.福島の人々の今は
2.進む避難指示の解除
3.帰還しても高齢者だけの村に
4.追いつめられる避難者たち
5.福島の子どもたちの甲状腺がん184人に
第2節 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉問題と安全性確保
1.廃炉へのロードマップと進まぬ作業
2.指定廃棄物(低レベル)の処理問題
3.進行する福島第一原発事故損害賠償費用の国民転嫁
4.除染廃棄物の再利用問題
第3節 東京電力福島第一原子力発電所事故と情報
1.福島第一原発事故と情報
2.県民健康調査をめぐる情報と責任
3.正しく情報が伝わるためには情報を伝える側の信頼性が条件
コラム 福島 ブックレット紹介
「福島 10の教訓-原発災害から人びとを守るために」
第3章 主要な環境政策のレビュー
第1節 気候変動問題
1.「パリ協定」発効と日本の対応
2.長期低排出開発戦略の策定に向けて
3.カーボンプライシング
4.日本の温室効果ガス排出の現状
5.気候変動対策を踏まえたモントリオール議定書の改正
第2節 再生可能エネルギーと電力自由化
1.進みはじめた再生可能エネルギーへの転換
2.再生可能エネルギーへの転換の課題
3.100%再生可能エネルギーをめざすには
第3節 廃棄物
1.循環型社会へ向けて、EPR(拡大生産者責任)の確立と3R推進
2.マイクロプラスチック問題
3.廃棄物の越境移動
第4節 化学物質
1.暮らしの中の「農薬」
2.ニオイブームの落し穴
3.消費者向け製品中の有害化学物質管理
第5節 生物多様性
1.日本はなぜ名古屋議定書批准が遅れたのか?
2.なぜ種の保存法では種を守ることができないのか?
3.日本のサンゴ礁の危機
第6節 森林破壊
1.熱帯林破壊とパーム油
2.合法木材制度の課題 ~グリーン購入法からクリーンウッド法へ
3.木質バイオマスと森林破壊の国内外の動向
コラム 漫画「グリーン・ウォッチ」2017
トピックス -国内外の注目すべき動き
1.沖縄の基地と環境汚染
2.地域からエンパワーメント ~富山から伊勢志摩まで、G7を振り返る~
3.低炭素・資源循環・自然共生が統合された持続可能性地域構築 ~滋賀県東近江市~
4.国内外の企業の動向
5.テロと気候変動問題と不正義
会員名簿編集委員会・執筆者
地球温暖化に伴う豪雨や熱中症などのリスクが危機的状況にあるとして、小泉進次郎環境相は6月12日、記者会見で「気候危機宣言をしたい」と述べた。環境省単独の宣言で、他省庁や自治体、企業と危機感を共有し、温暖化対策を強化することを目指す。(福岡範行)
この日閣議決定した2020年版「環境・循環型社会・生物多様性白書(環境白書)」でも初めて「気候危機」に言及した。
小泉氏は、深刻な気象災害について「解決には経済を持続可能なものにする社会変革が不可欠だ」と強調。新型コロナウイルスによる社会経済活動の自粛で、温暖化を引き起こす二酸化炭素(CO2)の排出量が減ったことを念頭に、「経済再開でCO2排出がリバウンド(再増加)してはならないという危機感が宣言につながった」と説明した。
宣言に伴う新たな具体策は示さず、「政府全体が危機感を高め、取り組みを強化することにつなげたい」とした。
「気候危機」の著書がある山本良一・東京大名誉教授(環境経営学)は「宣言は良いこと。ただ、世界はもっと早く進んでいる。欧米の自治体などはCO2排出を実質ゼロにする計画を続々と出している」と指摘した。
4月にインターネットで「#気候も危機」と訴えた若者グループ「Fridays For Future(未来のための金曜日)」のメンバー奥野華子さん(18)は「宣言を歓迎します。各省庁と連携して未来を守る具体的な行動を期待します」とコメントした。
地球温暖化が進展すると気象災害のリスクは更に高まると予想されています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書をはじめ科学者たちにより繰り返し警鐘が鳴らされています。また、2019年だけでも欧州をはじめ世界で記録的な熱波を経験するととともに、我が国でも令和元年房総半島台風、令和元年東日本台風等の激甚な気象災害に見舞われました。このような深刻な気象災害は、気候変動の緩和や気候変動に適応する社会の必要性を私たちに突き付けています。世界の主要なリーダーたちの間でもリスクとしての認識が高まっています。また草の根レベルでも海外を中心に若者による気候変動への対策を求めるデモや、自治体等が「気候危機」を宣言する動きが広がるなど、今や私たちは「気候危機」とも言える時代に生きています。環境問題は気候変動だけではありません。海洋プラスチックごみ問題や生物多様性の損失なども深刻です。気候変動、海洋プラスチックごみ、生物多様性の損失といった今日の環境問題は、それぞれの課題が独立して存在するのではなく、相互に深く関連しています。そしてこれらの問題は今の私たちの経済・社会システムとも密接に関わっています。(『環境白書』はじめに 3頁)
(3)気候非常事態宣言の広がり海外の都市を中心に気候非常事態を宣言する動きも広がっています。2016年12月に宣言をしたオーストラリアのメルボルンにあるデアビン市を皮切りに、世界各地で国、自治体、大学等が気候変動への危機感を示し、緊急行動を呼びかける「気候非常事態宣言」を行う取組が広がっています。世界各地での気候非常事態宣言の取りまとめを行っているClimate Emergency Declaration and Mobilisation in Actionによれば、2020年4月2日時点で28か国の1,482の自治体等(8億2,000万人の人口規模に相当)が宣言しています。なお、このうち、我が国の自治体は、2020年3月18時点で長崎県壱岐市など15自治体となっています。(4)「気候変動」から「気候危機」へ気候変動問題は、私たち一人一人、この星に生きる全ての生き物にとって避けることのできない、緊喫の課題です。先に述べたように世界の平均気温は既に約1℃上昇したとされています。近年の気象災害の激甚化は地球温暖化が一因とされています。今も排出され続けている温室効果ガスの増加によって、今後、豪雨災害等の更なる頻発化・激甚化などが予測されており、将来世代にわたる影響が強く懸念されます。こうした状況は、もはや単なる「気候変動」ではなく、私たち人類や全ての生き物にとっての生存基盤を揺るがす「気候危機」とも言われています。(『環境白書』第1章 20頁)
第4節気候変動をはじめとする環境問題の危機にどのように対応していくか(『環境白書』第1章 35~36頁)
燃料や電力などの使用に伴う自社の温室効果ガス排出量をScope1排出量(直接排出)、Scope2排出量(間接排出)といいます。Scope1、2排出量を対象とした報告制度なども後押しとなり、我が国におけるScope1、2排出量の算定や削減努力は進展してきています。他方、昨今、自社が関係する排出量の更なる削減を目指してScope1、2以外の排出量である「Scope3排出量」が注目されるようになってきています。(1頁)
Scope3はさらに、15カテゴリに分類されます。(2頁)
国内の企業のScope1、2排出量の総和は、日本における企業活動の排出量の総和に該当します。一方でサプライチェーン排出量の総和は同じ排出源が企業Aと企業Bに含まれるなどサプライチェーン上の活動が重複してカウントされることがありうるため、日本全体の排出量にはならないことから、違和感を覚える方もいるかもしれません。サプライチェーン排出量は各企業の原料調達や廃棄物削減、使用段階の省エネ等、Scope1、2の外側での削減活動を評価できることから、各企業のサプライチェーン上の活動に焦点を当てて評価する手法と言うことができます。これにより、各企業はScope1、2だけではなく、企業活動全体について、排出量削減の取組を実施し、より多くの削減が可能となります。(3頁)
サプライチェーン排出量はその対象範囲が広く、明確な算定基準が定まっていないため、対象範囲を網羅した正確な算定を行うことは容易ではありません。また、排出量を算定する際には、算定対象範囲の決め方や範囲からの除外の考え方、算定ロジックの組立て方等、様々な点で事業者の判断や考え方が求められることになります。しかしながら、それらの判断について、公表された排出量関連資料や文献等から推し量ることは難しく、その適切性を確保することもまた容易ではありません。そのような状況を受けて、信頼性の高い取組であることを第三者に担保してもらうために、検証を受検する企業は年々増加してきている状況です。(21頁)
気候変動と新しい感染症には、いくつかの共通点が存在する。
どちらも人類の経済活動と環境破壊に起因していること、国境に関係なく不都合な結果がグローバルにもたらされること、平等に作用するはずに思えて実際には格差社会の中で不平等な作用をもたらすこと、そして対策が容易ではなく、新たな処方箋を必要としていること。気候変動とコロナ大恐慌に、どのような対策が求められているのか。
金融緩和や旅行代補助、商品券といった処方箋の数々は、感染症対策への布マスク2枚と同じく、もはや有効な手段を現政府が構想できないことの証明でしかない。
グリーン・ニューディールこそ、検討の俎上にあげなければならない。
これは、我々の側のショック・ドクトリンである。
国内自治体のCED[「気候非常事態宣言」(Climate Emergency Declaration)]には、社会動員についてどのようなことが書かれているのであろうか。宣言文には今後の取り組みの方向が示されており、詳細な気候動員計画はその後に作成される。……
他の世界の自治体は気候非常事態宣言でいつ頃までにカーボンニュートラルを目指しているのであろうか。
ここで念のためカーボンニュートラルという用語について説明しておきたい。カーボンニュートラル(carbon neutral、炭素中立)とは、排出する二酸化炭素と吸収される二酸化炭素を同じ量にして環境中の炭素循環に対して中立になることを意味している。二酸化炭素排出実質ゼロも同じことを表現している。注意しなければならないのは温室効果ガスには様々な種類[温室効果ガス・地球温暖化係数(Wikipedia)]があり、その中で二酸化炭素の排出量が最大であるため一般に二酸化炭素について議論を進めるのが慣例となっていることだ。他の温室効果ガスの温暖化への寄与は等価の二酸化炭素量に置き換えて議論するのが普通である。したがってカーボンニュートラルと言う時、二酸化炭素以外の温室効果ガス排出も実質ゼロにすることを前提にしている。そういう意味では気候中立[climate neutral]と言った方が正確である。
さらに自治体(あるいは事業者)の二酸化炭素排出量を評価する場合にはスコープ1、スコープ2、スコープ3に分けて評価されることである。スコープ1とは直接排出で自治体自らの温室効果ガスの排出量である。スコープ2は間接排出で他社から供給された電気、熱、蒸気等の使用に伴う排出量である。スコープ3はそれ以外の間接排出である。
自治体がカーボンニュートラルの目標を達成するには、まずスコープ1の排出量を実質ゼロにし、次にスコープ2の排出量を実質ゼロにするというように進むはずである。スコープ3には自治体が使用する製品(サービス)の生産と消費に伴う排出量が含まれる。そうなると例えば“文明”の基礎材料である鉄やセメントのライフサイクルでの二酸化炭素排出量も考慮しなければならないことになる。現在の技術では鉄やセメントの生産からどうしても二酸化炭素が排出されてしまい、これをゼロにするには革新的イノベーションが必要である。革新的イノベーションは産業や国家の役割で、自治体は通常スコープ1,2の排出量を問題にしている。……
CEDは気候危機に立ち向かうための市民の意識を高め、自治体の政治的決意表明として重要であるが、実際にどのような社会動員行動を取るかがさらに重要である。その中でもカーボンニュートラル目標年をどこに設定するかがその眼目である。……
一方、気候危機を突破するためにのCEDについては、長期戦を覚悟しなければならない。各自治体、各国がカーボンニュートラルを2050年までに達成したとしても大気中に蓄積した温室効果ガスにより地球温暖化はその後も続き、その様々な影響は各方面に現れてくるからである。カーボンニュートラルからカーボンネガティブへ、大気中のCO2を除去することへと進み、そして同時に人類全体として適応を進めなければならないのである。……
みなさんは「気候変動影響への適応」や「適応策」という言葉を聞いたことがありますか?
気候変動の影響は、私たちのくらしの様々なところに既に現れています。気温上昇による農作物への影響や、過去の観測を上回るような短時間強雨、台風の大型化などによる自然災害、熱中症搬送者数の増加といった健康への影響などなど。
これまで広く知られてきた「緩和策」と呼ばれる、温室効果ガスの排出量を減らす努力などに加えて、これからの時代は、すでに起こりつつある気候変動の影響への「適応策」を施していくことが重要になってくるのです。