裾刈り
岩殿F地区には東松山市の公道(市道)である農道が通っています。農道とボッシュ林の間が岩殿1382番地、農道と作業道の間が岩殿1383番地で、農道と岩殿1383番地が1382番地より一段高くなっています。農道のまわりはイノシシが地面を掘り返し、放置すると土手がくずれてきそうなので、イノシシ除けに昨年・今年、ヒガンバナを移植しました。ヒガンバナは3倍体なので種子はできず、球根が増えて栄養繁殖します。イノシシのラッセルは農道付近ではなくなったようなので、来年も移植はしますが、増えすぎないように注意します。
岩殿1383番地は6枚の田んぼに畦で区画され、無名沼ロ号に溜めた雨水を上の田んぼから下の田んぼにかけ流して使っていましたが、今ではかろうじて田んぼの段差がわかる程度に畦が消えてしまっています。今年は猛暑と除草機の故障で草刈のタイミングが遅れ、どこになにがあるのか、足の踏み場がないほどに草を伸び放題にしてしまいました。9月下旬になってやっと岩殿1383番地の草刈りと作業道下の裾刈りを刈払機で始めることができました。刈り草は④と⑥の区画に集めて積み上げます。
須田さんが学びの道下の斜面、岩殿D地区中・上段に接するエリアの草刈りをしました。




入山沼に向かう市道(現在「学びの道」と呼称)の両側と道下の斜面の草刈りは岩殿満喫クラブの耕作放棄地再生活動と同時に、2014年から始まりました。アズマネザサの大藪を刈払う作業から道下の谷津が見通せる状態になるまでに5年かかっています。須田さんの夕暮れの中での作業の賜物です。
現在は外来草本が繁茂し木本外来種で成長の速いニワウルシ(シンジュ。ニガキ科の落葉高木。入山谷津では初見。大東文化大学とこども動物自然公園の間を通る埼玉県道212号岩殿観音南戸守線のバス停物見山登山口付近に列状に生えていて街路樹化しつつある。生態系被害防止外来種リストでは重点対策外来種)まで生えていて、今後どのように植生が遷移していくのか気になるエリアですが、チガヤ型の草地を目指して刈り取り時期や方法を考えて、試行していけたらと考えています。
※ニワウルシ(シンジュ)が重点対策外来種に選定された理由・対策優先度4.根からの再生ニワウルシは河川や小川などの堤防に生育していることが多い。水分を好むものと思われる。単木状に生育しているときにはそのまま高木となるが、伐採されると近隣の場所に多数のシュートを形成する。毎年刈り取られても残りの期間で高さ数mにまで生長する。石垣の間などからも幹を出しており、場所によっては一面にニワウルシが生育して群落を形成している場所もある。地下には地上部と同じ太さの根が横に広がっており、これから再生してくるものと思われる。1本立ちしている木の根から地上茎がでてくることはないが、一度地上部が伐採されると、多数の茎が出てくる性質は、アカメガシワやヌルデ、タラノキ、ハリエンジュ、メラノキシロンアカシアなどにも見られ、結構多くの樹木が備えている能力である。……
重点対策外来種の選定理由
Ⅳ:生態系被害のうち競合または改変の影響が大きく、かつ分布拡大・拡散の可能性も高い。
対策優先度の要件
①生態系に係る潜在的な影響・被害が特に甚大である。
③絶滅危惧種等の生息・生育に甚大な被害を及ぼす可能性が高い。
数年前、入山谷津の植物調査中に見つけた重点対策外来種のトウネズミモチ(モクセイ科)はその後、伐採しています。
※トウネズミモチが重点対策外来種に選定された理由・対策優先度
重点対策外来種の選定理由
Ⅱ.生物多様性の保全上重要な地域で問題になっている、またはその可能性が高い。
Ⅳ:生態系被害のうち競合または改変の影響が大きく、かつ分布拡大・拡散の可能性も高い。
対策優先度の要件
①生態系に係る潜在的な影響・被害が特に甚大である。
②生物多様性保全上重要な地域に侵入・定着し被害をもたらす可能性が高い。
岩殿D地区中段と学びの道の間の斜面で刈り残っていたアズマネザサを刈り、下の土水路の泥上げをしました。
萌芽しているコナラ
風が吹いていましたが、入山沼下は午前中は陽当たりがよいので、快適に作業できます(鳩山アメダスの日最高気温9.6℃、日最大風速9.2m/s。12:00では気温8.7℃、風速6.8m/s。昨日9日の日最高気温14.5℃、日最大風速4.4m/s。12:00では気温12.5℃、風速1.2m/s)。入山沼下と違って、岩殿C地区は午前中は日影、午後になって陽が差してきます。
岩殿C地区に下りてくる作業道と無名沼イ号との間の裾刈りを江原さんがしました。
このエリアは2018年11月下旬にハンマーナイフモアや重機を使ってアズマネザサとそれに被さるツル植物の大藪を除去、翌年4月から市民の森保全クラブの作業管理エリアに編入されました。当時の写真と比べてみましょう。
2018年11月20日
2018年11月21日、22日
2018年11月25日
5日の続きで、岩殿H地区との境界にある軽トラの角材進入橋あたりまで、谷底側から裾刈りをしました。
20日にチッパーを入れた岩殿F地区⑤、⑥と作業道の間の斜面と岩殿G地区に張りだしている作業道下の市民の森の裾刈りをしました。昨日は朝の作業でしたが、今日は夕方暗くなるまでしました。二十四節季の処暑で暑さが収まる候ですが、むし暑くて大汗をかきました。
植物調査枠の東側まで刈り、岩殿H地区よりの斜面は刈っていません。
今冬は岩殿G地区のヤナギの大木を伐採する予定です。市民の森作業道~岩殿F、G地区の間の斜面は市民の森の林縁部にあたります。市民の森の保全活動を始めた2012年頃は、ここもアズマネザサの大藪につる植物がからまって人の浸入を拒んでいるような状態でした。入山谷津の田んぼが耕作されていた時代にはどのような植生であったのか、林縁部の藪は鳥類の採餌と営巣という生活の場でもあったのですが、今後は半つる植物と分枝型の低木類からなる林縁の再生を目指していきたいと考えています(中村幸人『植生から見る里山~その保全と再生のために~』東京農大出版会、2021年4月、108~109頁)。
市民の森作業道と岩殿F地区の⑤、⑥の間の裾刈りをしました。去年は11月9日に作業が終わっていますから、今年は一月遅れで、スッポンタケは見られません。密生したアシボソの上にカナムグラがネット状にかぶさって枯れているというのが現状です。
入山沼堰堤から市民の森尾根みちに向かう道路と入山沼水路の間の草刈りをしました。
入山沼余水吐けの近くに直径1mほどの穴が開いていました。降雨時に地中に吸い込まれた地下水が土を吸い出しながら流れて地下水路(トンネル)を作り、その上の土が陥没して地表に穴が開き、この空洞が見えるようになったのです。岩殿C地区の奥では、これより大きな穴が開いて大きな空洞が見られる箇所がいくつもあります。


他方で、地表を流れる雨水はリルからガリに洗掘を進めていきます。地中に潜った雨水もやがて地表に現れ、谷底を流れる雨水と合流します。この流れが市民の森を水源とする九十九川の源流です。


他方で、地表を流れる雨水はリルからガリに洗掘を進めていきます。地中に潜った雨水もやがて地表に現れ、谷底を流れる雨水と合流します。この流れが市民の森を水源とする九十九川の源流です。
※市民の森谷底のガリ侵食(2016年1月14日記事)
岩殿F地区の上段と無名沼ロ号の堰堤、市民の森側①の草刈りをしました。
岩殿F地区の⑤、⑥の草刈りと接続する作業道下斜面の裾刈りが終りました。
2017年11月~18年3月に伐採し、作業道下に放置していた玉切りしたコナラが現れました。作業道脇に積んでいるものと合わせて、傷みが少ないものは使えそうです。
※ 伐採した日の記事・写真
須田さんが夕刻、入山沼進入路~入山沼下の法面の草刈りをしました。ありがとうございます。
いきなりの環境変化を避けて刈り残した◎の部分の笹を刈り取って入山沼進入路が見通せるようにするつもりです。
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