市民の森
市民の森の舗装園路でトラップの点検作業をしている時に、坂戸市民の加藤さんからスマホの写真を見せてもらいました。6月20日の午前中に市民の森で撮ったそうです。

牙があったのでイノシシだと言って写真を見せていたとおっしゃっていましたが、姿や体色は6月8日の記事に載せているニホンカモシカと似ています。ニホンカモシカには生え替わらない角はあっても牙はないので、「牙があった」は気になります。
市民の森保全クラブ定例活動日。参加者は芦田さん、片桐さん、金子さん、木谷さん、木庭さん、斉藤さん、鳥取さん、橋本さん、細川さん、丸山さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの13名。江原さんは欠席でしたが、麦茶のジャーを用意しておいてくれました。ありがとうございます。
4月8日に仮伏せしたキノコ原木を本伏せしました。
アカマツの実生
チョウセンカマキリ or オオカマキリの幼虫
クサグモ(タナグモ科)
オカトラノオ(サクラソウ科)
トラップの巡視
木庭さん、細川さん、丸山さんのグループと木谷さん、鳥取さんのグループでトラップの点検・メンテナンス・回収作業をしました。
話題:今日も岩殿C地区に黒猫がいて、休憩時にペットの犬や猫が迷子になったり、捨てられたりした際に、飼い主を特定しやすくするため、繁殖・販売業者に所有者情報を登録したマイクロチップの装着を義務づける改正動物愛護法が6月1日に施行されたことが話題になりました。東松山市では、「地域猫活動・さくらねこ無料不妊手術事業(行政枠)」を実施しています。
国立環境研究所の『侵入生物データベース』に「ネコ」が出ています。domestic cat[イエネコ]は国際自然保護連合(IUCN)の侵略的外来種ワースト100にも選ばれています(環境省自然環境生物多様性「希少種とノネコ・ノラネコ」)。田中淳夫さんの『森林ジャーナリストの「思いつき」ブログ』には、「ネコは害獣?ペットか野生動物か」(2020年2月22日記事)があります。
※鹿児島大学鹿児島環境学研究会編『奄美のノネコ 猫の問いかけ』(南方新社、2019年3月)の書評:宮晶子「野生化猫 排除をめぐって」(東京新聞TOKYO Web 2019年6月23日記事)
※ピーター・P・マラ+クリス・サンテラ[著]岡 奈理子+山田文雄+塩野﨑和美+石井信夫[訳]『ネコ・かわいい殺し屋 生態系への影響を科学する』(築地書館、2019年4月)
目次
第1章 イエネコによる絶滅の記録
ナチュラリストの灯台守
ニュージーランドの固有鳥類とその絶滅
多産系肉食獣・イエネコの狩猟能力が与える打撃
判明していない絶滅前の分布
イエネコの破壊力――ほんの数年で起きた絶滅
第2章 イエネコの誕生と北米大陸での脅威
野生動物の生息地復元とエコロジカル・トラップ
イエネコのルーツ ――ヨーロッパヤマネコ
イエネコの進化と拡散
保全生物学の誕生
環境汚染物質と自然保護
絶滅種の14パーセントに関与
ソコロ島における外来種の影響と対策
野放しネコの影響を科学する
第3章 愛鳥家と愛猫家の闘い
野鳥フィールドガイドの誕生
イエネコと人間の関係史
ネコは社会制度のフィルター――ネコの待遇の変化
銃から双眼鏡へ――フィールドガイドの功績
自然界と人をつなぐバードウオッチング
バードウオッチングとネコの経済効果
屋外ネコと人の関係
野放しネコの実態と世話人
野放しネコに対する世話人の認識
第4章 ネコによる大量捕殺の実態
野鳥への脅威を初めて世に問うたアメリカ人
ナチュラリスト大統領の自然保護政策
法律と現状のミスマッチ
鳥類保護に立ち塞がる困難
野鳥個体群の変動とネコの捕食の影響
ネコの脅威は在来捕食者を超える
野放しネコの直接的影響
全米の野放しネコによる野生動物被害数
嵐の勃発――愛猫家らの反応
第六の大量絶滅
第5章 深刻な病気を媒介するネコ――人獣共通感染症
飼いネコから人に感染するペストの脅威
ネコひっかき病のバルトネラ菌
ネコも媒介する狂犬病
アメリカにおける狂犬病感染の主犯、ネコ
ネコ科動物から大拡散するトキソプラズマ症
「寄生生物操作仮説」の実証
人も発症するトキソプラズマ症
人への感染――妊婦に及ぼす危険と統合失調症
野生動物への影響――カラスと海棲哺乳類の事例
ネコ白血病のネコ科野生動物への感染
第6章 駆除 vs 愛護――何を目標としているのか
絶滅危惧種フエコチドリ
フエコチドリ保護のためのネコ狙撃事件
野放しネコの法的位置づけ
希少種保護のための二つの法律
野生化ネコに対する提案と炎上する議論
拒否された投票結果
オーストラリアのネコ問題
人道的駆除計画
固有動物相を大切にするオーストラリア国民
ニュージーランドの取り組み――キャッツ・トゥ・ゴー
自然保護のジレンマ
動物福祉と環境倫理
第7章 TNR[Trap Neuter Return 捕獲・不妊去勢・再放逐]は好まれるが、何も解決しない
動物愛護協会で譲渡を待つ子ネコ
ボランティアが支えるTNR活動
TNRへの期待、それに続く失敗と限界
動物倫理から見たTNR
不妊去勢手術
地域ネコのTNR活動の現場
殺処分からTNRへ――地域ネコ管理の転換
TNRを支える迷信
TNRが個体数減少に成功するための条件――高い不妊化率と移入ゼロ
TNR失敗要因とバキューム効果の有無
TNRのさらなる問題点――軽視される生態系
オレゴン州の捕獲ワナ――その後
第8章 鳥、人そしてネコにとって望ましい世界
野放しネコの影響をどう考えるか
野放しネコが減らない背景
ネコシェルターの実状
飼い主側の問題
関連団体やペット業界の役割
飼育許可制を目指す
野放しネコの捕獲排除を巡る科学と非科学
TNRの広がりとその効果への疑問
島の捨てネコを減らす――オレゴン州での事例
多様な団体の協同――ハワイの事例
TNRとネココロニーが容認される特例
野放しネコ対策を現実的に考える
野生化ネコ対策の成功事例と費用
致死的排除法と生物多様性への投資
自然に関心を持つことの重要性
第9章 どのような自然が待ち受けているのか?
対応の遅れがもたらす悲劇
大災害としての野放しネコ問題
乗り越えるべき二つの障壁
野放しネコの影響と私たちの未来
注
訳者[外来ネコ問題研究会]あとがき参考文献
索引
訳者あとがき
本書はネコを生態系の外来捕食者として捉えた初めての本格本である。著者のマラや登場人物のテンプルらと同じように、私たち訳者のほとんどは、生まれ育った国の自然を愛する鳥類学や生態・保全生物学の研究者で、もともとは「ネコ問題」の専門家ではなかった。海鳥、野生のウサギやネズミの研究、保全に携わるなかで「ネコ問題」に直面し、のっぴきならない状況に身を置いてきた。その危急性は、私たちにではなく、ネコに追い詰められる野生動物にこそ存在する。私が研究対象にする東アジア固有繁殖鳥のオオミズナギドリの世界最大繁殖地では、繁殖鳥の95パーセントが滅びた。ある人は、それはネコのせいではないという。他にも原因がある、だからネコに構うな、どの場所も今はネコの定住地なのだから、と。だが、仮にその言葉を容認すれば、その先には野生動物の絶滅が見える。今やネコは日本の多くの平野や山間地で最も巧みな肉食獣となっているだけに、日本の自然は危機的な状況に追い込まれている。とりわけ島でネコのもたらす脅威は目を覆うほどすさまじい。
本書が取り上げるネコは、使役あるいはペット由来のネコである。生物学的にはヨーロッパヤマネコに近縁なリビアヤマネコを祖先にする、イエネコと呼ばれる家畜である。主にネズミ駆除のために人が同伴し、南極を除く世界のすべての大陸と、ほぼすべての有人島に渡った。その子孫たちは今や、所有者がいるネコだけでも世界で5億頭、人と接点を持つ野良ネコや、自立して暮らすノネコにいたっては、推定値すら出ていない。この家畜であるイエネコは、ネコ科動物はもとより、現生哺乳類のなかで人とともに最も繁栄しているといって過言ではないだろう。優れた肉食獣の能力をいかんなく発揮して、分布を広げた多くの地で野生動物を追いやりながら、管理の手をすり抜ける魔法の杖を持っている。その魔法の杖とは、言うまでもなく、人という地球最強の応援団である。そして今や人々のなかに、ある種の戦争をも引き起こしている。ネコ擁護者と野生動物擁護者の間に続く、不毛ともいえる「ネコ戦争」(原著タイトルのCat Wars)である。
振り返れば、「ネコ戦争」が日本で起こったのは、マラらが生まれ育ったアメリカよりも半世紀遅れた。その理由は、ネコ戦争が経済的豊かさの指標と都市化の指標に深く関係するためだろう。両手に得た物質的豊かさと便利な暮らしと引き換えに、両指の間から、ぱらぱらとこぼれ落ちていった自然の豊かさと、都市の暮らしや核家族の寂しさを紛らわす存在として、多くの現代人がペットに生き物の温もり、連帯、心の安らぎを求めた側面が、ネコ問題の根源に存在するからだ。
ネコ問題に潜むもう一つ重要なことは、ネコたちがネコ科特有の感染症を広げ、野生動物のみならず人に脅威をもたらしていることである。これはあまり知られていないが、人とネコが共犯で拡散する怖さがネコ問題に潜む。人獣共通感染症の密かな進行は、愛猫家も動物愛護団体もあまり意識していない盲点といえるだろう。コンパニオンアニマルの双璧をなすイヌに比べてネコの管理が遅れたのは、野外にいるネコの危険性が認識されていないからである。ネコは田舎では害獣駆除の役割を担わされ、街中では散歩の手間が要らない野放しできるペットとして、今も人間側の都合に振り回されているからだ。本書にはネコの感染症の危険性が丁寧に述べられている。
本書は、ネコが生態系に与える影響を測るために、ネコを以下のようにひとくくりにしている点で特徴がある。飼いネコであっても、終日あるいは限られた時間、屋内から外に出るネコは、野外のみで生活する野良ネコ、ノネコとともに、野放しネコと認識されている。外に出る飼いネコも野外に暮らすネコ同様に、多くの野生動物を殺していることが、最新のテクノロジーを使った野外研究からも判明しているからである。[後略]
※外来ネコ問題研究会ブログ:野外にいるネコから日本の固有な自然生態系を守ることを目的に2016年に結成された。日本の島嶼などの在来希少種や生態系に影響をあたえる外来種問題として、イエネコ問題を考える研究会。イエネコの適正飼養、適正管理、適切対策などによって、島や地域の在来種や在来生態系・生物多様性が保全されることを考え、シンポジウムや研究集会を行っている。
市民の森の見晴らし台付近でニホンカモシカ(ウシ科)を坂戸市民の吉田さんと目撃しました。黒っぽい個体でした。丘陵部でも見られるようになったようです。
※動画:「埼玉県の動物ガイド(ニホンカモシカ)」 埼玉県こども動物自然公園 YouTube 3:56
市民の森の近くの埼玉県こども動物自然公園には岩殿丘陵の高低差20mの谷の地形を活かしたシカとカモシカの谷があります。
今日も市民の森の舗装園路沿いのトラップの点検をし、カシノナガキクイムシの捕獲数の多いコナラにクリアファイルトラップを増設しました。見晴らし台への分岐点付近のトラップはカシナガが多いようです。
クリアファイルトラップに落ちていました。体長が5㎝もあります。女王バチ?
雨間に市民の森のカシナガトラップを点検し、捕獲数が多いコナラにはクリアファイルトラップ(TWT)を追加しました。
6月4日の記事で、小平市緑化推進委員会の「小平市におけるナラ枯れ病対策の緊急提言」を紹介しています。小平市緑化推進委員会は、緑の保護と緑化の推進を広い視野から検討するため、小平市緑化推進委員会設置要綱により設置された委員会で、学識経験者2名と、団体推薦5名及び公募6名の市民11名の13名の委員で構成され、任期は2年間です。2022年1月27日に開催された第17期第8回会議要旨に小平市水と緑と公園課データによる椎名豊勝さんの「2020・2021年ナラ枯れ被害状況データ解析」が添付されています。
2021年の上水新町一丁目特別緑地保全地区一帯のトラップ未設置[枯死木75本]、1基設置[設置木36本、枯死木2本]、集中設置[設置木8本、枯死木0本]の違いによる効果を比較したグラフです。未設置は全体数がわかりませんので被害率は不明ですが、1基設置では6%の被害、集中設置[9~12基]では被害なしとなっています。1基設置で効果あるように見えますが、むしろトラップ方式実施の被害率が4.5%と見るべきでしょう。これを如何にして0%できるかです。【[]内は引用者追加】
小平市緑化推進委員会は各期とも「緑化推進計画提言書」をまとめ市長に手交しています。第17期の提言書は『370 年以上続く小平の水と緑を今に活かす緑化推進提言』(2022年3月24日)です。以下目次です[下線引用者]。
第1章 小平市の成り立ちは先人がつくり上げた―水と緑と桜―
歴史的背景
水:上水用水路網
緑:雑木林屋敷林短冊形農地
桜:御上水桜(小金井サクラ)
第2章 水と緑の緑化推進
1、上水用水復活再生への提言
1)用水路50km全線通水への方策
①用水流入量季節変化の把握
②新規水源流入用水路を絞る
③鎌倉鷹の台の新規整備公園に雨水貯留施設を設置し用水水源とする
2)用水路の見える化の実現
①鎌倉公園に小平農業の礎である用水を再現する
②鷹の台公園に引込用水路と水車および水車可動のための流れを整備する
3)用水および用水網への市民の理解を深める
①用水路名称表示の実現
②用水路特別構造の解説版の設置
③用水路散策コースの設定と市民による用水路&自然文化ガイドマップの作製
2、雑木林屋敷林農地の保護再生への提言
1)雑木林ナラ枯れ病への対応
①緊急提言の対応策は引き続き実施し、市民参加を図る
②コナラクヌギ発芽育苗システム(どんぐり里親制度)の拡充
③コナラ等育苗施設の新設
④ナラ枯れ病死樹発見通報システムの創設
⑤緊急提言についての検証
⑥ナラ枯れ病対策の市内雑木林管理機関との連携および民間雑木林助成制度の創設
2)雑木林植生の質の向上による生物多様性の確保
①雑木林では定期的な下草刈り等管理の徹底
②クズ掃きの抑制
③保護と利用をゾーニングで明確に分離する
3)雑木林を市民にとって身近にする方策
①雑木林の愛称を公募し命名する
②雑木林解説版の設置
4)屋敷林の保護保全
①屋敷林まるごと保護保全
②屋敷林並木の保存
③ヒイラギモクセイ生垣の復活
5)農地の保全
①短冊形農地の保全
②ブルーベリー栽培農地の拡充
③たからみちの保存
6)復活協力、御上水桜(小金井サクラ)
第3章 市民協働で水緑をつくる提言
1)水と緑のボランティア応援ポイント制度
2)危機状況を市民にリアルタイムで知らせ体験で問題意識を共有する
3)具体的体験の緑の啓発行事で市民参加の推進
4)さまざまな緑のワークショップ開催参加で緑の意識を育む
5)都市緑化功労者表彰制度の強化と拡大
6)クラウドファンデングによる緑化公募で市民参加
7)民間企業団体国都の機関敷地の緑化、市民開放への方策の検討
第4章 都市計画事業への緑の提言
1)新府中街道に小平南北“緑”の軸線を提案
2)鎌倉公園についての提案
①鎌倉公園は「都市農業公園」とすべき
②民間農地と共存する鎌倉公園(都市農業公園)のあり方
③持続可能な循環型農業の仕組みを鎌倉公園で見せる
④鎌倉公園に小平農業の礎である用水を再現する。
⑤鎌倉公園で自然エネルギー発電を
⑥インクルーシブ公園の整備提案
3)鷹の台公園についての提案
①鷹の台公園鎌倉公園に防災機能の提案
②鷹の台公園に用水路と水車、水車のための流れを提案します
4)駅前広場にシンボルツリーを提案
第5章 花落ち葉小公園
1)ハンギングバスケットによる花の街化
2)落ち葉
①落ち葉に感謝するイベント開催の提案
②各公園に「落ち葉ステーション」を設ける
③公園や雑木林隣接住宅等に「雨どい清掃券」の無料配布
3)小公園
①市民アイデアで小公園を魅力あるものに
第6章 提言のその先にある小平市「水と緑」の体系
その他提言書には盛り込めなかった提案
第1章小平市の成り立ちは先人がつくり上げた-水と緑と桜-に府中で生まれた川崎平右衛門の名前が出ていますが、鶴ヶ島市高倉に陣屋跡があるのを思いだしました(8代将軍吉宗、大岡越前に登用され、1739年から10年間武蔵野の新田開発の立役者として活躍した人物)。
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※第3次小平市みどりの基本計画(2021~2030)
※(仮称)小平市第三次みどりの基本計画素案作成に向けて(環境審議会資料2020年6月22日)
市民の森峠の道の21年度コナラフラス木(№116)に仮設置したクリアファイルトラップの捕虫部に落ちたカシノナガキクイムシ成虫です。カバーをつけていない(石鹸水をいれていない)ので生きています。
※クリアファイル捕虫部におちたカシノナガキクイムシ(2022.06.05)YouTube 0:25
市民の森保全クラブ定例活動日。参加者は芦田さん、片桐さん、金子さん、木谷さん、木庭さん、鳥取さん、新倉さん、細川さん、丸山さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの12名。3斑に分かれてカシナガトラップ68基を尾根の道、雪見峠道、ボッシュ林、舗装園路につけました。
※明治神宮の森のナラ枯れ対策(5月21日撮影)
明治神宮の森 ナラ枯れ対策 YouTube baba46494649チャンネル 2019.07.14 2:33
市民の森で花園グリーンサービスさんが実施していた伐倒したナラ枯れ枯死木17本の根株と1mの長さに玉切りした伐採木を積み直してシートを被せて密閉し、薬剤でくん蒸処理して殺虫する作業が終わりました。微生物の働きで最終的に水と二酸化炭素に分解される生分解性シートを使っているそうです。
文化まちづくり公社により、カシノナガキクイムシを捕獲する粘着シート70枚が市民の森のコナラに巻かれました。
※粘着シートにつくのはカシナガだけではありません
生きもの保護にシートの上に金網が必要なのでは!
森林総研森林昆虫研究領域の「カシノナガキクイムシ成虫初発日予測技術の開発のための調査」で、コナラの穿入孔内で成長、羽化したカシノナガキクイムシの新成虫がいつコナラから脱出するのかを記録する装置が市民の森に設置されました。
※ナラ枯れの防除法
予防(枯死木の発生を抑えるための作業)
駆除(枯死木を処理する作業)
北島博「ナラ枯れの現状と防除対策」
(『グリーンエージ』556号(日本緑化センター、2020年4月)
市民の森のボッシュ林内のナラ枯れ枯死木(№12)を伐採しました。参加者は芦田さん、新井さん、江原さん、木庭さん、鳥取さん、新倉さん、細川さん、丸山さん、鷲巣さん、Hikizineの10名。他に見学参加者が5名あり、一緒に作業していただきました。ありがとうございます。今年度中に市民の森内で伐採することになっていたナラ枯れによるコナラ枯死木16本の伐採は今日で完了です。
軽トラが伐採現場近くまで入れないので伐採器材を青木ノ入から運び上げることになり、作業開始前に一汗かきました。21年度のボッシュ林内ナラ枯れ被害木は1本だけでしたが、被害が拡大しないことを願っています。
※3月31日:ちご沢の森、ナラ枯れ枯死木伐採
4月1日:岩殿C地区、キノコ(シイタケ、ナメコ)の駒打ち
物見山駐車場から地球観測センターに向かう舗装園路が峠の道に分岐する地点から西側、北側に張りだしている見晴らし台など尾根部とガリー侵食がすすんでいる谷底までフラスの出ているコナラのチェックが終わりました。№249~250、№622~647までナンバリングして、追加本数は28本です。そのうち16本はおそらく枯死しています。
ナラ枯れなど萎凋病[いちょう]による枯死木では「腐朽菌による幹の分解が急激に進み、1年以内に落枝や倒木が起こりやすい。広葉樹の大木は数t[トン]の重量があることから、道路や住居の周囲では重大な事故につながるおそれがある。生活圏に大木が存在することは危険性の増加にもつながるので、安全確保の観点を含めた管理を行う必要がある。」(黒田慶子・太田祐子・佐橋憲生編『森林病理学 -森林保全から公園管理まで-』朝倉書店、2020年4月)とあります(180頁)。見晴らし台の尾根と舗装園路近くのコナラ枯死木は落枝や樹幹が途中から折れる折損に注意が必要です。
※昨年10月9日の記事ではフラス木は110本としていますが、№001~038+39、№201~248+249+250、№401、№601~621+622~647、№801~802で市民の森のナラ枯れ被害木は139本になりました。
石田造園さんが尾根の道で伐採したコナラ枯死木を搬出しました。長瀞町の埼玉木材チップ共同組合で厚さが10㎜以下になるようにチップ化します。
作業道~尾根の道登り口は積んであった大きな丸太がなくなりすっきりしました(26日撮影)。
タヌキのため糞。昨日、入山沼付近でひき逃げされていたタヌキのものかも知れません。
吉見町八丁湖の湖畔をめぐる周回路から体力づくりジョギングコースに入って上っていった場所です。
※ヘラブナ釣りができ、ボートにも乗れていた八丁湖公園の2000年5月撮影の写真(HP『公園へ行こう』記事)。20年前の八丁湖の様子がわかる記事です。
落ち葉堆肥の袋詰めを落ち葉堆肥箱Aから始めました。
市民の森保全クラブの活動エリアには現在、落ち葉堆肥箱は5箱あります。作業道側に3箱(A、D、E)、尾根の道近くに2箱(F、G)です。堆肥箱+アルファベットの意味は2021年1月16日の記事で確かめて下さい。今年度は12月26日、1月8日の落ち葉掃き&焼き芋イベントに向けて、三段重ねの堆肥枠を増設します。
晴天に恵まれ、『~自然ふれあいウォーキング~市民の森で遊ぼう!』(主催:東松山文化まちづくり公社)が実施され、市民の森保全クラブは シイタケのホダ木作りで参加しました。今日の活動出席者は、芦田さん、太田さん、片桐さん、金子さん、木庭さん、鳥取さん、橋本さん、細川さん、渡部さん、Hikizineの10名でした。
シイタケの駒打ちをした皆さん、持ち帰ったホダ木にたっぷり水をかけましたか? これから、木口に白い菌糸が出てくるまで1週間に2回程度、ホダ木全体に水をまきます。湿度を保ちシイタケ菌を活着させるためです。ホダ木が乾かないように置く場所も気を付けて下さい。
(栽培の手引きは画像をクリックすれば拡大します)
今年度の『市民の森で落ち葉を掃いて焼き芋を食べよう』(市民の森保全クラブ・岩殿満喫クラブ共催)は12月26日(日)、来年1月8日(土)に実施します。チラシの見本ができたので掲載します。
市民の森保全クラブの活動日。参加者は芦田さん、木庭さん、鳥取さん、橋本さん、細川さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの8名でした。鳥取さんが尾根のアカマツにのぼって松ボックリ(球果)を点検しましたが、すでにかさ(鱗片)がひらいて、アカマツのタネはひらひらと風に乗って飛んでいってしまった(風散布)後でした。今年度は種子から育てるのは諦めて、芽生えを探しましょう。落ち葉掃きに向けて林床の草刈りをし、15日にホダ木を採った後、斜面に残っていたコナラの残材を片づけました。
市民の森保全クラブ今日の活動(その3)
鷲巣さんが新エリア南向斜面の草刈りを鎌でしました。9日に刈った場所の手前です。
無名沼イ号と岩殿満喫クラブが管理する岩殿C地区に接する市民の森南向き斜面は2019年から保全活動を始めたエリアです。
市民の森は現在は文化まちづくり公社が指定管理者ですが、その前は市役所都市計画課が管理し、公園利用者の安全・安心確保を目的として、①園路沿いの下草刈りと倒木・落枝の撤去、枯損木・危険木の除伐、②毎年数ヘクタールずつのローテーションでエリア内の下草刈りを、造園土木事業者が実施してきました。18年度はこの付近一帯が施工区画となっていたので、急斜面で長年放置されて来た斜面下部までの下刈り実施を市民の森保全クラブ・岩殿満喫クラブで市に要望し、11月にユンボ、乗用除草機を導入した工事が実施され、ツル植物に覆われたアズマネザサの大藪が撤去されました。これが新エリア誕生前史です(2020年1月6日記事)。
新エリアの斜面下部では当面アズマネザサやクズなどツル植物を管理し、裸地化による斜面土壌の流出を防止しながら、ソデ群落、マント群落として緑化を図っていきます。日当たりがよい裸地斜面の誕生で、土の中で何年も眠っていた種子が発芽してきています。草本では早くも19年3月にはシュンランの開花を確認していますが、木本ではクサギ(シソ科の落葉小低木)が目立っています。年間2m近く成長するパイオニア樹種のクサギが斜面を覆ってしまうのは拙いので毎年刈り取っていますが、萌芽再生力も強いので、数年間は再生-刈り払いのサイクルを続けていくことになりそうです。
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