赤城山麓の森林セラピー基地クレディセゾンが運営する群馬県渋川市の赤城自然園に行きました。市民の森で使ったカシナガトラップがつけてあるコナラがありました。カシナガトラップとシートのまきつけです。孔道内への対策(殺菌剤の樹幹注入とか)は外見からは不明です。昨年11月、小林正秀さんに来てもらって、カシナガトラップの設置法を現場で実演してもらい、展示棟で講演会もあったようです。小林さんは樹冠注入やおとり丸太は否定しています。小林さんが指導した場所でも、その後のラ枯れ対策はカシナガトラップと他の方法を併用している所が多いではと推測しています。
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※毎日の園内の様子は、HPの「今日の赤城自然園」から見られます。
     『自然環境調査報告書 第18集』(トトロのふるさと基金、24年3月)

※伊高静・田中未来・斉藤正一「森林病害虫防除のための OR 的アプローチ ―ナラ枯れ防除用大量集積型おとり丸太の最適配置―」(『オペレーションズ・リサーチ』 67(11) 594-600 2022年11月)
森林病害虫の一種であるカシノナガキクイムシ(カシナガ)がナラ菌を樹木内に運び込むことによってナラ類等樹木が枯死する現象をナラ枯れという.近年,ナラ枯れによる被害が拡大しており,効率のよい防除法が必要とされている.カシナガの防除法の一つに大量集積型おとり丸太法と呼ばれるものがある.この防除法は,ナラ類等樹木の丸太を積み上げ,フェロモンを用いてカシナガを誘き寄せるものである.本稿では,おとり丸太の設置場所を決定するための最適化モデルを複数提案する.これらはおとり丸太の有効範囲やおとり丸太設置に伴う副次的な被害のモデル化において差異がある.これらのモデルのうち,現実の感覚に合うモデルを実データを用いた計算機実験による評価を通して選択する.
1. はじめに/2. ナラ枯れとは/3. 大量集積型おとり丸太法とは/4. 大量集積型おとり丸太の最適配置モデル/5. 実データを用いた評価実験 5.1 データ設計 5.2 最適化計算 5.3 結果と評価/6. おわりに

※H. Kondoh, T. Yamanaka, S. Saito, E. Shoda-Kagaya and S. Makino, “Development of a hazard map for oak wilt disease in Japan,” Agricultural and Forest  Entomology, 17, pp. 205–213, 2015