茨城県牛久市結束町【けっそくちょう】にある牛久自然観察の森を見学しました。牛久自然観察の森は、環境庁の「身近な自然活用地域整備事業」によって、1984 年から全国 10 ヶ所開設された自然観察の森のひとつです。1990年に開園しました。開園時は牛久市の直営でしたが、2006年度からは、自然観察の森(21.5ha)と「みどりの保全区」(7.4ha)はNPO 法人うしく里山の会が指定管理しています。
「みどりの保全区」は、自然観察の森と一体化した森林景観の保全のために、開発、樹木の伐採など各種行為を制限する区域です。


7705牛久自然観察の森園内マップ_1

PA180002PA180013


PA180017PA180021

PA180018PA180022

PA180033PA180036

神宮翔真・武正憲・佐方啓介・伊藤太一「牛久自然観察の森を事例とした農用林から公園緑地化した林野における管理の課題」(『ランドスケープ研究』81巻5号、2018年) 市民の森と入山谷津での市民の森保全クラブ、岩殿満喫クラブの活動に示唆するところが多い論文です。別稿を準備中。
…結束集落は、天正期(1573~1592 年)に成立したとされる。集落の面積は約 100ha であり、北方に位置する小野川、東西の谷津を他集落との境界とする。人口は、明治期より 70~90 人程度で推移している 。林野は台地の斜面に位置し、緩やかな傾斜の平地林である。本研究では、農用林として利用があった時代を 1960 年代までとし、その中でも 1950 年前後を「農用林時代」と定義し分析する。1960 年代には、牛久市の農村集落においてプロパンガスと化学肥料の普及が進んでおり 、その後、農用林の管理は放棄されたと考えられる。…また、得られる文献資料や、集落古老の記憶が 1940年代以降に限られることに加え、事例地を含めた現牛久市周辺の土地利用が都市的なものへと変化するのは 1950 年代以降と報告されている。従って、1950 年前後の状況に絞って調査を実施する。自然観察の森は 1990 年から開園しているが、開園から 20 数年が経ち、維持管理の作業行程や作業頻度が固定化した 2013 年前後を「公園緑地時代」と定義し分析する。(2.研究対象の概要から引用)

みどりの保全区
PA180005PA180007

ビートルズトレイル
PA180057

PA180062PA180063

  ニュースチャンネル・いばキラTV(215年4月18日に茨城放送で放送)
  


アカスジキンカメムシ
アカスジキンカメムシ(キンカメムシ科)の終齢(5齢)幼虫です。この姿で落葉や樹皮の下で越冬。白い部分は成長と共に拡がります。
PA180027



ホコリタケ(ハラタケ科)
PA180037PA180040
別名:タヌキノチャブクロ

帰途、つくば市まつの里にある森林総合研究所第1樹木園(3.28㏊)を見学しました。正門、本館の廻りに、「亜熱帯林」、「暖帯林」、「温帯林」、「亜寒帯林」など日本の各森林帯ごとに主な樹種が集められています。
PA180065

牛久自然観察の森ではナラ枯れが発生しています。ここではミズナラが枯れていました。
PA180070PA180066PA180069

------------------------------------------------------------