小林朋道さんの『動物行動学者、モモンガに怒られる』(山と溪谷社、2022年5月)を読みました。タヌキのため糞(「岩殿入山谷津の植物調査(2022年7月22日記事」)が気になって、「タヌキは公衆トイレをつくる」をまず読みました。「地球上の人間社会をとりまく自然生態系は、地球規模のヒトの生命維持装置(141頁)という言葉が印象的でした。それがなければ、あるいはその働きが低下すればヒトは生きていけないのだ。
         小林朋道『動物行動学者、モモンガに怒られる』(山と溪谷社、2022年5月)
はじめに

アカネズミは目をあけて眠る 「懸命に生きているんだな!」という思いが大切だ
 野生のアカネズミとの出会い
 せっせとドングリを埋める夜
 持ちつ、持たれつ生きている?
 「テキパキ」という名のネズミ
 それぞれのドングリのゆくえ
 アカネズミとドングリの謎
 動物は目をあけて眠れるか?
 ヒトという名の動物の習性
 アカネズミ図鑑

動物行動学者、モノンガに怒られる
経済的利益と精神的利益が必要なのだ
 産む子どもの数が問題だ
 哺乳類の子育て戦略さまざま
 生存戦略を左右するシンプルな原理
 ニホンモモンガは子どもをたくさん産むか?
 母モモンガに睨みつけられる
 モモンガの盛と生きる
 経済的利益と精神的利益
 ニホンモモンガ図鑑

スナヤツメを追って川人になる
人工的が環境でも共存はできる、間違いない
 あの大切な「樋門」が!!
 ハリボテの威厳を揺るがす質問
 スナヤツメの不思議な生態
 ここにいて、あっちにいないのはなぜ?
 再び市役所にかけあう
 スナヤツメ図鑑

負傷したドバトとの出会いと別れ
“擬人化”はヒトにとって大切な思考活動なのだ
 翼の折れたハト
 森で生きる生物、草原で生きる生物
 ホバを襲った衝撃の事件
 「生物専用機能回復系」の存在
 ホバからもらった宝物
 「擬人化思考」が可能にしたもの
 ドバト図鑑

小さな島に一頭だけで生きるシカ
シカも、ヒトの生命を維持する装置である
 津生島へ上陸を果たす
 島で“ツコ”が果たす役割
 ヒトが生きていくために必要なこと
 もしも、あなたの町にシカが出たら?
 調査でわかった島の驚くべき植生
 シカとして、ヒトとして
 ニホンジカ図鑑

脱皮しながら自分の皮を食べるヒキガエル
ヒトは、生まれつき生命に関心や愛情を抱く
 早春の雪解け水に棲むものとは?
 数千分の1を生き延びろ
 ヤマカガシとヒキガエルの深い関係
 ヒキガエルの脱皮を目撃する
 バイオフィリアと生物多様性
 ヒキガエルがヘビに出会ったら?
 動物の生態を理解する喜びとは?
 ヒキガエル図鑑

タヌキは公衆トイレをつくる
街で暮らす動物たちのことをどう考えるか
 道路で動けなくなっていたタヌキ
 コバキチ点を終え!
 タヌキの雄は意外と子煩悩
 つがいの暮らしぶりを調べる
 溜め糞が教えてくれたこと
 どうして共存する必要があるのか
 タヌキの恩恵
 タヌキ図鑑

コウモリにはいろいろな生物が寄生している
生きることと潜在的な危険は切り離せない
 コウモリは感染症の現況か?
 コウモリには立派な鼻がある
 天敵から逃れるための思わぬ行動
 コウモリに寄生するあんたは誰だ?
 ケブカクモバエの能力やいかに
 まさか! コウモリを襲う奇病の存在
 生きる上でのリスクとどうつきあう?
 ウィルスに見る「共存の本質」
 コウモリ図鑑

ザリガニに食われるアカハライモリ
動物との接し方に新しい規範が必要なときだ
 知られざるアカハライモリの暮らし
 雄と雌の行動の意味とは何か?
 アカハライモリの可愛すぎる幼体
 動物行動学者、深夜の草むらで格闘する
 捕食行動を調べたいという学生
 Hさんに起きた不思議な変化
 動物との接し方についての新しい規範
 アカハライモリ図鑑

おわりに


小林朋道さんには築地書館の先生シリーズ(鳥取環境大学の森の人間動物行動学)18巻など多数の著作があります。動物行動学分野の本は初めてなので読んで見ようとおもっています。