2019年12月2~15日、COP25(気候変動枠組条約【UNFCCC】第25回締約国会議)がスペインのマドリードで開催され、12月6日、Future EarthとEarth Leagueによって 10 New Insights in Climate Science 2019(「2019年 気候科学からの10の新たな考察」)が公表されました。これは気候科学の2019年における最新で最も重要な科学的知見をまとめたものです。
10Insights2019E_1

 1. 世界は気候危機の回避に向かっていない
 2. 気候変動は予測よりも速く進行し、影響も大きくなっている
 3. 気候変動はあらゆる山々の氷河・氷雪・永久凍土に影響を及ぼす
 4. 世界の森林は気候変動の脅威にさらされ、大きな影響が出ている
 5. 2019 年、異常気象は「新たな常態(the new normal)」になった
 6. 生物多様性―地球のレジリエンス(回復力)の支えが脅かされている
 7. 気候変動は、何億人もの食料安全保障と健康を脅かす
 8. 最も脆弱で貧しい人々が、最も気候変動の影響を受ける
 9. 気候変動の影響に対する緩和と適応を成功させるには、公正さと平等が鍵となる
 10. 気候変動に対して、社会が動き出そうとしている(Social Tipping Point)

亀山康子「COP25の概要と残された課題」(『国立環境研究所社会システム領域』2019年12月27日記事)