YouTubeの国立環境研究所動画チャンネルで公開された【おしえてハカセ!①~⑧】(国立環境研究所社会システム領域)の⑤~⑧です。(①から④はこちら

⑤電気自動車をみんなが使うようになったら脱炭素社会になるの?(高校生)
 重要なのは①自動車で使う「電気をつくる」ときと、②「電気自動車をつくる」ときのCO2を減らすこと
  ①「電気をつくる」とき
   太陽光発電や風力などの「再生可能エネルギー」での発電を広めるのも効果的
   太陽光があたっている昼間や風が吹いている時間帯に充電
  ②「電気自動車をつくる」とき
   ライフサイクル全体(①原料の採掘・輸送、②材料製造、③電池・部品の製造、④車両の組み立て、⑤電力走行、⑥廃棄)でCO2排出量を減らし、脱炭素するのが重要

 2035年頃には販売される新車が電気自動車になる必要がある
 電気自動車をみんなで使うカーシェアリング
 電気自動車を持っている人に乗せてもらう
 バイクや自転車を使う人、電気で動くバスや鉄道を使う人も増える
 燃料電池自動車やバイオ燃料自動車にも可能性
 安く、長距離走れて、充電や充填がしやすい脱炭素の自動車が広まるのでは?
 自動車産業全体で一生懸命に対応

⑥飛行機はどうなるの?もう乗れなくなっちゃうの?(小6・中3・会社員)
 飛行機は鉄道の約5倍のCO2を排出
 重い機体・高い所・高速で移動→多くのエネルギーが必要
 バッテリーは重くてかさばるので、電気の飛行機を作ることは簡単ではありません
 植物やプランクトンを使った「バイオ燃料」が考えられている
 バイオ燃料はまだコストが高い
 飛行機の運賃がかなり高くなることも考えられます
 飛行機は特別な時だけの乗り物になってしまうかも
  フランスでは「鉄道で2時間半以内のフライトを禁止する動きも
 飛行機がなくなったり、乗れなくなったりするわけではありません

⑦なぜ日本は温室効果ガス排出量を2030年までに2013年度と比べて46%削減しようとしているの?10年もないのに本当に達成できるの?(中3)
 
 パリ協定の長期目標(2015年合意)
  「世界的な平均温度上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する」
 NDC:「国別約束」「国が決定する貢献」 2013年比26%削減(日本 2015年)
 IPCC:「気孔変動に関する政府間パネル」 気候変動を多面的に評価する機関

 IPCC「1.5℃特別報告書」(2018年)
  気温上昇を1.5℃に抑えるためには、世界の二酸化炭素排出量を2050年までに実質ゼロにすることが必要

 日本の長期戦略(2019年)
  2050年 80%削減
  21世紀後半の早期脱炭素社会の実現
 2050年脱炭素社会の実現(2020年10月)
  2050年に80%削減→2050年に脱炭素社会(実質ゼロ)
 2030年46%削減(2021年4月)

 私たちも今から何ができるか、周りの人たちと考えてみましょう

⑧個人ができることで一番効果のある対策って何?(小4)
 効果的な対策につながるヒントを3つ
 ヒント1 太陽光発電などの再生可能エネルギーを使用
  契約する電気会社を選びなおすという手も
  自然エネルギーを使用している電気会社と契約
 ヒント2 古い家電製品の買い替え
  冷蔵庫やテレビの買い替えで大きな削減効果の可能性
 ヒント3 生活の見直し
  窓を開けっぱなしにしてエアコンをつけない
  服装でも温度調節を
  節水シャワーに交換
  モニターの明るさ調整
  (温水洗浄便座)季節に合わせた温度設定や必要がなければスィッチをoffに
  (ドライヤー・炊飯器)短時間使用ですむ工夫を

 効果的な対策をするには自分の生活を知ることが大切