藤井誠一郎さんの『ごみ収集という仕事』(コモンズ、2018年)を読みました。
若手研究者が新宿区内で9カ月間にわたってごみ収集を体験
清掃という仕事の奥深さ、日があたらない場所で真摯に働く職員の姿、
歌舞伎町や新宿二丁目のごみ事情、民間委託の問題点、
そして本来の地方自治のあり方について論じる
清掃という仕事の奥深さ、日があたらない場所で真摯に働く職員の姿、
歌舞伎町や新宿二丁目のごみ事情、民間委託の問題点、
そして本来の地方自治のあり方について論じる
藤井誠一郎『ごみ収集という仕事』目次
プロローグ
1 9カ月間の清掃現場体験
2 本書の視点と成り立ち
第1章 初めてのごみ収集
1 梅雨空のもとでの収集作業
1日目は強い雨
小型プレス車での収集作業の始まり
過酷な労働環境
清掃車の体制と待ち時間
収集業務の奥深さ
清掃職員の寛大な受けとめと使命観
ごみやごみ汁を浴びる体験
収集後は応援作業
1時間の昼休憩
午後の作業
洗身と退庁
2 新宿区の清掃行政
23区・一部事務組合・東京都による分担・連携
新宿区と成層行政の概要
清掃行政の職員数
新宿区の保有車数と配車計画
第2章 研究者が体験した収集現場
1 過酷な炎天下
炎天化での作業への心構え
猛暑で体力を消耗
暑さの中で寒さを感じる
さらに過酷となる真夏の作業
もう1台分の収集は可能か
2 新たな発見と年始の惨状
注意喚起のシールの貼付と簡易な清掃指導
作業員と運転手の連携の上に成り立つ収集業務
収集業務の妨害者と協力者
年末年始のごみ事情
ごみが積みきれない
繁忙期の収集作業の問題点
3 軽小型車の機動的収集
軽小型車はオールラウンドプレーヤー
さまざまな配慮が必要
収集されたごみの流れ
危険と背中合わせの作業
職人的な運転技術と地理感、運転手と作業員のコンビネーション
高齢や障がいがある単身者などへの訪問収集
福祉サービスとしての訪問収集
ボランティアごみへの対応
動物死体の引き取り
軽小型車の稼動時間と本当の効率
4 不燃ごみと破袋選別
なぜ破袋選別が必要なのか
中継センターの役割
不燃ごみの収集
危険が伴う破袋選別作業
新宿中継センターへの破袋選別作業の集約
5 ごみから見える新宿二丁目
ごみ出しの無法地帯
回収しても、すぐにまた出されるごみ
現場での破袋調査
ごみから分かる情報と考えられる対策
6 さまざまな現場と向き合う
シュレッダーごみをとおして考える
雪の日の収集
問題が多いごみボックス
災害時の応援
運転手の収集業務への思い
収集業務の安全対策
第3章 多様な仕事
1 収集を支える
整備士という仕事
あらゆるトラブルへの対応
直営車の購入とリース
2 歌舞伎町での奮闘
東宝ビル前の惨状
新宿区集積所の廃止と移設により一変
業務委託とその陥穽
反社会組織の事務所に近接する集積所
ルールを守らない外国人が多い
清掃指導の根拠が必要
3 女性の活躍と運転手
アルバイト→雇上[ようじょう]→清掃職員
家庭との両立、仕事のやりがい
清掃現場で女性が活躍する意義
4 ふれあい指導
役割が増している、ふれあい指導
あくまで「お願い」
指導におけるメンタリティとジレンマ
収集と清掃指導の正のスパイラル
5 環境学習
清掃職員による環境教育
紙芝居と分別ゲーム -保育園での環境学習
小学校での環境学習
6 巡回で見えてくること
清掃指導後の苦情
「取り残しがある」という苦情
住民エゴの抑制による清掃行政の効率化
有効な対応ができないケース
苦情対応を景気とした清掃行政への参加者の醸成
7 檜舞台の裏で
新宿区政の檜舞台
檜舞台を支える清掃部門と清掃職員
第4章 委託の現場
1 委託の仕組み
東京二十三区清掃協議会
清掃車両の雇い上げの経緯
雇上[ようじょう]と車付雇上[しゃつきようじょう]
労働者供給事業
労働者供給事業による就労者の待遇と三保摘要問題
2 雇上・車付雇上の声
苦労したインタビュー
作業員の生の声
①清掃の仕事に従事できて幸せ
②自由はあるけど将来は不安
③若者のニーズを満たす職
④委託のほうが直営職員より作業が大変
⑤委託に求められているのは定型業務だけ
運転手の生の声
①真面目に業務に向き合っている
②仕事ができれば、それでいい
③自分の裁量で仕事ができ、責任も負わずにすむ
多様な価値観やニーズを満たす業務委託
3 委託化の問題点
業務のブラックボックス化
現場レベルでの調整の欠如と潜在的に受けている恩恵の喪失
業務に対する姿勢の徹底
主体間に生じる問題解決コストの把握
作業員の労働環境
官製ワーキングプアの創出
清掃指導の崩壊と職員の資質への影響
4 委託化に対する区民の選択権
第5章 清掃行政の展望
1 自治体の行政改革と委託化の進行
地方行革の始まり
行革大綱の策定と行政改革の推進
近年の地方行革の推進
定員管理の適正化と外部委託化
委託化の現状
2 清掃職員が創造している価値
現場への配慮による質の高い行政サービスの提供
信用・信頼の涵養と協働の担い手づくり
業務委託による機会費用は受け入れられるのか
3 これからの清掃事業
厳しい現状での団体交渉とその結果
清掃部門が歩むべき方向性
清掃のリソースを活用した新たなサービスの提供
清掃部門が主導する行政サービスの展開
地域担当職員への参加
地域情報を有効に活かす
不法滞在者の情報収集
空き屋やごみ屋敷への対応
腰痛対策の担い手
実施に向けた創意工夫
4 現業職員と地方自治の活性化
地方分権と現業職員の役割
ボトムアップ型の政策形成による活性化
現業系と事務系の相互理解による自治体の強靱化
収集基準の統一の検討
安全性の追求
5 公共サービス提供への示唆
直営・委託論争の展開
今後の公共サービス提供に向けた危機管理の必要性
おわりに
プロローグ
1 9カ月間の清掃現場体験
2 本書の視点と成り立ち
第1章 初めてのごみ収集
1 梅雨空のもとでの収集作業
1日目は強い雨
小型プレス車での収集作業の始まり
過酷な労働環境
清掃車の体制と待ち時間
収集業務の奥深さ
清掃職員の寛大な受けとめと使命観
ごみやごみ汁を浴びる体験
収集後は応援作業
1時間の昼休憩
午後の作業
洗身と退庁
2 新宿区の清掃行政
23区・一部事務組合・東京都による分担・連携
新宿区と成層行政の概要
清掃行政の職員数
新宿区の保有車数と配車計画
第2章 研究者が体験した収集現場
1 過酷な炎天下
炎天化での作業への心構え
猛暑で体力を消耗
暑さの中で寒さを感じる
さらに過酷となる真夏の作業
もう1台分の収集は可能か
2 新たな発見と年始の惨状
注意喚起のシールの貼付と簡易な清掃指導
作業員と運転手の連携の上に成り立つ収集業務
収集業務の妨害者と協力者
年末年始のごみ事情
ごみが積みきれない
繁忙期の収集作業の問題点
3 軽小型車の機動的収集
軽小型車はオールラウンドプレーヤー
さまざまな配慮が必要
収集されたごみの流れ
危険と背中合わせの作業
職人的な運転技術と地理感、運転手と作業員のコンビネーション
高齢や障がいがある単身者などへの訪問収集
福祉サービスとしての訪問収集
ボランティアごみへの対応
動物死体の引き取り
軽小型車の稼動時間と本当の効率
4 不燃ごみと破袋選別
なぜ破袋選別が必要なのか
中継センターの役割
不燃ごみの収集
危険が伴う破袋選別作業
新宿中継センターへの破袋選別作業の集約
5 ごみから見える新宿二丁目
ごみ出しの無法地帯
回収しても、すぐにまた出されるごみ
現場での破袋調査
ごみから分かる情報と考えられる対策
6 さまざまな現場と向き合う
シュレッダーごみをとおして考える
雪の日の収集
問題が多いごみボックス
災害時の応援
運転手の収集業務への思い
収集業務の安全対策
第3章 多様な仕事
1 収集を支える
整備士という仕事
あらゆるトラブルへの対応
直営車の購入とリース
2 歌舞伎町での奮闘
東宝ビル前の惨状
新宿区集積所の廃止と移設により一変
業務委託とその陥穽
反社会組織の事務所に近接する集積所
ルールを守らない外国人が多い
清掃指導の根拠が必要
3 女性の活躍と運転手
アルバイト→雇上[ようじょう]→清掃職員
家庭との両立、仕事のやりがい
清掃現場で女性が活躍する意義
4 ふれあい指導
役割が増している、ふれあい指導
あくまで「お願い」
指導におけるメンタリティとジレンマ
収集と清掃指導の正のスパイラル
5 環境学習
清掃職員による環境教育
紙芝居と分別ゲーム -保育園での環境学習
小学校での環境学習
6 巡回で見えてくること
清掃指導後の苦情
「取り残しがある」という苦情
住民エゴの抑制による清掃行政の効率化
有効な対応ができないケース
苦情対応を景気とした清掃行政への参加者の醸成
7 檜舞台の裏で
新宿区政の檜舞台
檜舞台を支える清掃部門と清掃職員
第4章 委託の現場
1 委託の仕組み
東京二十三区清掃協議会
清掃車両の雇い上げの経緯
雇上[ようじょう]と車付雇上[しゃつきようじょう]
労働者供給事業
労働者供給事業による就労者の待遇と三保摘要問題
2 雇上・車付雇上の声
苦労したインタビュー
作業員の生の声
①清掃の仕事に従事できて幸せ
②自由はあるけど将来は不安
③若者のニーズを満たす職
④委託のほうが直営職員より作業が大変
⑤委託に求められているのは定型業務だけ
運転手の生の声
①真面目に業務に向き合っている
②仕事ができれば、それでいい
③自分の裁量で仕事ができ、責任も負わずにすむ
多様な価値観やニーズを満たす業務委託
3 委託化の問題点
業務のブラックボックス化
現場レベルでの調整の欠如と潜在的に受けている恩恵の喪失
業務に対する姿勢の徹底
主体間に生じる問題解決コストの把握
作業員の労働環境
官製ワーキングプアの創出
清掃指導の崩壊と職員の資質への影響
4 委託化に対する区民の選択権
第5章 清掃行政の展望
1 自治体の行政改革と委託化の進行
地方行革の始まり
行革大綱の策定と行政改革の推進
近年の地方行革の推進
定員管理の適正化と外部委託化
委託化の現状
2 清掃職員が創造している価値
現場への配慮による質の高い行政サービスの提供
信用・信頼の涵養と協働の担い手づくり
業務委託による機会費用は受け入れられるのか
3 これからの清掃事業
厳しい現状での団体交渉とその結果
清掃部門が歩むべき方向性
清掃のリソースを活用した新たなサービスの提供
清掃部門が主導する行政サービスの展開
地域担当職員への参加
地域情報を有効に活かす
不法滞在者の情報収集
空き屋やごみ屋敷への対応
腰痛対策の担い手
実施に向けた創意工夫
4 現業職員と地方自治の活性化
地方分権と現業職員の役割
ボトムアップ型の政策形成による活性化
現業系と事務系の相互理解による自治体の強靱化
収集基準の統一の検討
安全性の追求
5 公共サービス提供への示唆
直営・委託論争の展開
今後の公共サービス提供に向けた危機管理の必要性
おわりに
※ごみ収集からみる地方自治 早川由紀美・論説委員が聞く(『東京新聞 Tokyo Web』2018.10.27 02:00)
高齢化やコミュニティーの変容…。ごみを集める清掃作業員たちは、小さな変化にも気付くそうです。九カ月にわたり、東京都新宿区で収集作業を体験した大東文化大の藤井誠一郎准教授(48)と一緒に、ごみから見える街の姿や今後の地方自治について考えました。※地方自治の研究者がアイルランドに住んでみた話(朝日新聞『好書好日』じんぶん堂 2020.05.13)
日本ではほとんど知られていない、アイルランドの地方自治のしくみ。在外研究員として首都ダブリンで1年間生活し、現地在住の研究者M.キャラナンさん(著者)や小舘尚文さん(監訳者)と意見交換しながら翻訳書『アイルランドの地方政府:自治体ガバナンスの基本体系』を出版した大東文化大学准教授の藤井誠一郎さんにお話を伺いました。
小舘尚文監訳・藤井誠一郎訳(明石書店、2020年4月)
※釜田陽介【書 評】『 藤井誠一郎 著: ごみ収集という仕事―― 清掃車に乗って考えた地方自治 ―― 』(『廃棄物資源循環学会誌』30巻2号、2019年)※職業ソング第5弾「ゴミ清掃員さん」(作詞・作曲 missato)
まだもやがかる早朝 支度を始める午前5時
家族を起こさないように 頬張る朝食 「くもり」を願う
俺らを待つ獲物の山がそびえ立つ街 暗号化された地図はもう記憶している
「おはようございます」 気持ちいい挨拶が 始まりのgong!
破かぬように 見逃さないように 撒き散らさぬように Separation!
Boom ババッ Garbage clean fighter 2トンのゴミ 一気にダンプ
収集車のメロディ 口ずさんで トゥルラリララ トゥルラリララ
Boom ババッ Garbage clean fighter 分別に分別(ふんべつ)を
街が綺麗になっていく達成感で トゥルラリララ トゥルラリララ
Sh sh sh 春夏秋冬 ひしと感じる このひざ関節に鞭を打ち
たまにもらえる 「ありがとう」が沁みる
(オーライ オーライ)左から人くるよ
(オーライ オーライ)ゴミ汁飛びそうだよ 安全確認第一
生ゴミ絞って! 曜日は守って! 食品ロスなくして! Separation !
ババッ Garbage clean fighter 2トンのゴミ 一気にダンプ
収集車のメロディ 口ずさんで トゥルラリララ トゥルラリララ
Boom ババッ Garbage clean fighter 分別に分別(ふんべつ)を
街が綺麗になっていく達成感で トゥルラリララ トゥルラリララ
誰かの人生(ひび) に支えられて 俺らがいるなら
みんなの日々を支えるため 俺らもいるんだ
1・2・3・4!!
Boom ババッ Garbage clean fighter 2トンのゴミ 一気にダンプ
収集車のメロディ 口ずさんで トゥルラリララ トゥルラリララ
Boom ババッ Garbage clean fighter 分別に分別(ふんべつ)を
街が綺麗になっていく達成感で トゥルラリララ トゥルラリララ