堅達京子『脱プラスチックへの挑戦 』
  序章 なぜストローは紙になったのか

  第1章 海のプラスチックごみを回収する
 オーシャン・クリーンアップの挑戦
 魚の量を上回る海洋プラスチックごみ
 なぜ挑戦するのか ポイヤンの思い
 謎の実態 太平洋ごみベルト
 日本のプラごみが一番多い!
 マイクロプラスチックの脅威
 私たちはクレジットカード1枚分のプラスチックを毎週摂取している
 世界のどこにいても、プラスチック汚染から逃れられない
 マイクロプラスチック化を食い止めろ!
 温暖化とプラスチック
 ハワイ大学の衝撃の研究成果
  素顔のボイヤン 番組ディレクター 小林俊博
 ボイヤン、太平洋での苦闘
 ごみ回収システムが大ピンチ!
 ついに、太平洋のプラごみを捕らえた!
この章のポイント(69頁)
●世界のプラスチック生産量は、年間4億トン。そのうち、世界の海に毎年910万トンものプラスチックごみが流出。(500ミリリットルのペットボトル5000億本に相当)
●このまま増え続ければ、海洋のプラスチックごみは、2050年には魚の量を超える。
●5ミリメートル以下のプラスチック、マイクロプラスチックの問題が深刻化。空気や水、プランクトン、小魚、鳥、そして人間の体内からも検出されている。
●マイクロプラスチックの人体への影響は未知数。だが今後、プラスチックの量が増えると、食物連鎖によって有害物質が濃縮され、影響が出る懸念がある。
●石油使用料の8%は、プラスチックの原料を作るために使われ、さらに海洋プラスチックごみからはメタンガスなど温室効果ガスが出ている。
●世界各地の海や河川でプラごみの回収への試みが始まっている。
  第2章 一歩先を行く世界の取り組み
 プラスチック大国アメリカも動く
 プラスチックからのダイベストと新しい潮流
 さらに先を行くヨーロッパの対策
 「プラスチックバレー」の戸惑い
 始まった循環経済 プラスチックを資源に
 誰が主導権を握るのか
 日本は新規ビジネス市場で生き残れるか
  循環経済とスタートアップ 番組ディレクター 橋本直樹
 巨大企業も脱プラに動きだした
 ピンチをチャンスに変える企業の戦略
 大企業を動かした消費者の力
 エシカルファッション 変わるアパレル業界
 脱プラへの道 企業の野心的な取り組み
 イノベーションを起こせ! 日本の企業のビジネスチャンス
 循環経済に挑戦する日本環境設計
 変わり始めた廃棄プラスチック事情
 いまこそ、リサイクルを真のビジネスに!
 残された課題と変革の兆し
この章のポイント(151頁)
●フランスでは国民の88%が使い捨てプラスチックの規制に賛成。ニューヨーク市では発泡プラスチック容器に最大1000ドルの罰金。レジ袋に関して何らかの規制をしている国は120か国以上。
●温暖化の原因となる化石燃料からのダイベスト(投資撤退)だけでなく、プラスチックからのダイベストも視野に。
●世界の400以上の大企業は「2025年までにプラスチックごみをなくす」共同宣言に署名。ビジネスチャンスとしても捉えており、脱プラに向けた競争が始まった。
●2018年1月1日、中国政府はプラスチックごみの輸入を禁止。日本のプラスチックリサイクルは大きな転機を迎えた。
●日本の動きは遅く、「海洋プラスチック憲章」に署名しなかったが、オリンピックの年にレジ袋の有料化がスタート。
●EUは「循環経済」の実現に向けて、野心的な戦略を強化、グローバルルール・メイキングの主導権を握ろうとしている。
●日本企業の技術力には世界が注目。
  第3章 プラスチックを検出する地質年代に生きて
 人新世(アントロポセン)とは何か
 SDGsのウェディングケーキとプラネタリー・バウンダリー
 温暖化の被害予測は戦争以上に
 「イノベーションへの期待」だけでいいのか
 パリ協定と1.5度報告書の衝撃
 地球はすでに非常事態 1.5度が意味するもの
 16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんの訴え
 科学のもとに団結する“Unite Behind the Science”
 手遅れだけにはしたくない
 私たちは何から始めればいいのか
 プラスチックを減らすためのアクション
 日本企業の新たなチャレンジ
 地球のミライのために私たちができる「5つのこと」
  ①科学の声を聞く
  ②人に伝える
  ③生活を見直す
  ④企業・政治を選ぶ
  ⑤地域の気候変動対策に参加する
 気候危機を回避せよ! 激変する金融業界
 ビジネスの仕組みそのものを変える
 “総力戦”でパラダイムシフトを起こせ!
この章のポイント(222頁)
●現在は「人新世(アントロポセン)」[人間の活動が地球に地質学的なレベルの影響を与えている時代(155頁)]と呼ばれる地質年代であり、プラスチックが特徴となるだろう。
●SDGsのウェディングケーキが示すように、持続可能な発展のためには地球環境がすべての目標を支える根幹になっている。
●プラネタリー・バウンダリー(世界の限界)の9つの領域のうち、すでに「気候変動」「生物多様性」「土地利用」と、リンや窒素などの「化学物質の循環」の4つの分野でリスクが拡大、限界値を超えている。
●石炭火力発電所は「座礁資産」となる可能性が高い。
●西日本豪雨のあった2018年の保険金仕払い額は1.7兆円。2019年の台風等による仕払い総額は2兆円を超える見込み。
●2018年の自然災害による世界の経済損失は、約25兆円に上った。
●今後5年以内に気候変動が事業に影響を与える累計損失額は1兆ドルと推計される一方で、気候変動に適応する利益の総額は2兆ドルを超えると見られる。
●地球はすでに気候非常事態にあり、このままでは「ティッピングポイント」を超える可能性が高い。
●手遅れにしないためには、科学者の声に耳を傾ける必要がある。
  第4章 未来への提言 世界の英知からのメッセージ
 ヨハン・ロックストローム博士
 トーマス・フリードマン
この章のポイント(266頁)
●産業革命前から2度前後の気温上昇で、ホットハウス・アース(灼熱地球)へのスィッチを押してしまう危険性がある。
●いったんスィッチが入ると、氷床の融解が止まらなくなり、温暖化のドミノ倒しが起きてしまう。10メートル以上の海面上昇など、人類文明崩壊のリスクに直面する。
●早ければ2030年にも、防衛ラインである1.5度まで上昇。これを食い止めるには、2030年までに二酸化炭素の排出量を半減する必要がある。この10年が正念場となる。
●従来の使い捨て経済は行き詰まり、破綻している。プラスチックの使用を劇的に削減し、循環経済に転換しない限り、未来はない。
●地球の限界に気づくのは、超えてしまった時。今すぐ始めて、ぎりぎり間に合うだけの時間しかない。
●4つのゼロ(廃棄物ゼロ産業、ゼロエネルギーの建物、排出量ゼロ交通、炭素ゼロ発電)をめざすべき。
●循環経済はビジネスチャンス。次世代の巨大なグローバル産業で先頭に立つ国が、世界一クリーンで豊かになる。
  第5章 正念場の10年をどう生きるか
 2030年の私と地球
 ホットハウス・アースのスィッチボタン
 地球温暖化4度上昇の惨劇
 “時間がない”という科学者たちの懸念
 パラダイムシフトと日本のチャンスに!
 カギを握る人材育成
  あとがきにかえて

江守正多さんの「地球のためにわたしたちができる5つのこと」
  NHK『クローズアップ現代プラス』地球のミライ(2019年10月14日)
  ①科学の声を聞く
  ②人に伝える
  ③生活を見直す
  ④企業・政治を選ぶ
  ⑤地域の気候変動対策に参加する