栗岡理子監修『みんなで減らそうプラスチック』(日本消費者連盟編集・発行、2019年11月)を読みました。
栗岡理子監修『みんなで減らそうプラスチック』目次
プラスチックは川から海へ
危険なマイクロプラスチック
環境ホルモンとは?
このままでは生態系が崩れる
各国のプラスチック対策は?
ここでお勉強
容器包装リサイクル法(容リ法)とは?
プラごみ全体の処理方法は?
拡大生産者責任とは
デポジット制度を広めよう
暮らしの中からできること
テイクアウト用カップもリユースで
政府・自治体に規制を求める
大量生産・大量消費・大量廃棄からの転換を
柔軟剤等に入れるマイクロカプセルは禁止(柔軟剤・消臭剤)
使い捨てプラスチックは禁止
マイクロビーズ入り製品は禁止(ビーズクッション・洗顔料)
発泡スチロール製容器は禁止
飲料容器は徹底削減。使用分はデポジット制度で回収
拡大生産者責任を徹底
メーカーや小売店にも要請しよう
リユース容器入りの製品を増やす
消費者が容器を持参して買えるように
カプセルやビーズなどプラスチックの材質表示を徹底
店内に「脱プラ」コーナーを作る
落ちると生物が食べるため、ペットボトルのキャップは本体から外れないように設計変更
※2019年11月13日、出版記念講演会が開かれています。
※『婦人之友』は2019年1月号から「始めよう! プラスチックフリー・ライフ」を連載しています。
※高田秀重「化学汚染のない循環型社会を」(『婦人之友』2020年7月号)化学物質にさらされる
……例えばペットボトルのフタは柔らかいポリエチレン製で劣化しやすいので、ノニルフェノールという添加物が使われている場合があります。各国のミネラルウォーターのフタを分析すると、半分以上で検出されます。食品保存袋やビニール手袋にも含まれ、とくに安価な中国製や東南アジア製には多いのです。ノニルフェノールは「環境ホルモン=内分泌かく乱物質」の1つで、生物の性や生殖に関する障害が起きます。また免疫力の低下、アレルギーや肥満などの原因になるとも言われます。
紫外線吸収剤にも内分泌かく乱作用が疑われる物質があり、日本のペットボトルのフタでは、調べたすべての製品から検出されました。……例えばペットボトルのフタの添加物は使う段階で、我々の体に直接的に曝露しないよう一応選ばれています。しかし、プラを取り込んだ魚を食べれば間接的に曝露され、しかも体内に残る。これが怖いところです。
※栗岡理子「ペットボトルの散乱防止対策についての歴史的考察-ローカルデポジットの教訓と容器包装リサイクル法の限界-」(『環境情報科学論文集』31、2017年) MPs:マイクロプラスチック
近年、各地でペットボトルの散乱が報告されている。飲料容器の散乱については、1970年代から1990年代にかけて「空き缶公害」が問題視された際、ローカルデポジットの導入が試みられた。しかしそれは全国に波及するに至らず、解決策にはならなかった。1995年、国はごみ減量とリサイクル促進を目的に、容器包装リサイクル法を制定した。同法によりリサイクルは促進されたが、散乱ごみ問題は解決されなかったと考えられる。同法には生産者にも消費者にも自治体にも回収促進のインセンティブは与えられていない。このため、散乱ごみ対策としては根本的に限界をもつ。本稿は、こうした経緯を検証することで、ペットボトル散乱問題の解決の糸口を探る。
※中尾賢志・尾﨑麻子・桝元慶子「環境プラスチック問題の全容と課題および大阪市立環境科学研究センターの啓発・研究活動」(『全国環境研会誌』44巻4号(2019年)<特 集>環境中に放出されたプラスチックごみの現状と課題)