比企の川づくり協議会主催「第19回河川見学会」に参加し、神戸大橋~稲荷橋の河道掘削(堆積土砂撤去)、篠藪・竹・樹木伐採現場(東松山県土整備事務所)、台風19号の豪雨で被災したくらかけ清流の郷(東松山市環境産業部)、早俣の小剣樋管[こつるぎひかん]側の都幾川右岸破堤現場(荒川上流河川事務所)を実地見学し、担当者から説明を受けました。午後は、唐子市民活動センターで「水害シンポジウム」が開催されましたが、所用があり欠席しました。比企の川づくり協議会HPの記事をご覧ください。
今回の河川見学会は「都幾川水害」被災地廻りで越辺川方面は見学しませんでしたが、越辺川(おっぺがわ)に合流する九十九川(つくもがわ、源流域が東松山市岩殿の入山谷津、水源林が市民の森)、と葛川(くずがわ、坂戸市)の氾濫にかかわる資料も掲載しておきます。
※日本地理学会では、2019年12月22日に「台風19号緊急報告会」を開催し、青山雅史(群馬大)さんと田中圭(日本地図センター)さんの「2019年台風19号による越辺川・都幾川(荒川水系)の水害状況」報告がありました。その報告スライドから都幾川部分(青山さん担当)の一部を転載します。
・都幾川流域(東松山市神戸~早俣)における浸水状況・堤防被害
・台風19号浸水域と地形条件との関係
河川沿いの低地(氾濫平野、自然堤防、氾濫平野上の盛土造成地の一部)が浸水
⇒台地(段丘面)上の浸水被害はほとんどなし
・台風19号浸水域とハザードマップの想定浸水域・浸水深との関係
台風19号浸水域はハザードマップ想定浸水域内(「想定外」の浸水域はほとんどない)
ハザードマップ想定浸水深を超えた地点はほとんどない(浸水痕跡からの推定)
・都幾川中流域(東松山市神戸~葛袋)で発生した決壊、越水・溢水状況と地形条件、堤防整備状況
堤防決壊、越水や不連続堤(霞堤)無堤区間からの溢水発生
決壊地点の地形条件:氾濫平野
決壊地点の地形条件:氾濫平野
・都幾川・越辺川合流部付近における堤防決壊と広域的な浸水
・都幾川・越辺川合流部付近浸水域の地形条件と土地利用
越辺川・都幾川合流地点付近の2地点で堤防決壊※決壊地点の地形条件:氾濫平野
氾濫平野(おもに農地)、自然堤防(集落)、2000年代以降造成された盛土地(大型商業地、宅地)が浸水
浸水深は4m強未満(浸水痕跡からの推定)
台地上の浸水被害なし※台地東端部での低地との比高6~7m
越辺川・都幾川合流地点付近の2地点で堤防決壊※決壊地点の地形条件:氾濫平野
氾濫平野(おもに農地)、自然堤防(集落)、2000年代以降造成された盛土地(大型商業地、宅地)が浸水
浸水深は4m強未満(浸水痕跡からの推定)
台地上の浸水被害なし※台地東端部での低地との比高6~7m
・都幾川・越辺川合流部付近の浸水履歴
1910(明治43)年水害、1947(昭和22)年カスリーン台風水害、1982年9月降雨など、過去にもたびたび堤防決壊、浸水被害発生
1910(明治43)年水害、1947(昭和22)年カスリーン台風水害、1982年9月降雨など、過去にもたびたび堤防決壊、浸水被害発生
・都幾川・越辺川合流部破堤地点と堤防整備状況との関係
・都幾川の浸水被害(まとめ)
中流部から越辺川合流地点にかけて、右岸側2地点で堤防決壊、堤防からの越水や不連続堤(霞堤)無堤区間からの溢水などが多数の地点(区間)で発生
河川沿いの氾濫平野、自然堤防、2000年代以降造成された盛土地(大型商業地や宅地)の一部など、低地が広域的に浸水、台地上における浸水被害なし
浸水域はハザードマップの想定浸水域内、浸水深は想定浸水深未満(「想定外」の浸水なし)
浸水域は過去にも複数回の浸水履歴を有し、河川改修事業が進行していたが、越辺川合流地点付近に「弱小堤」が残存し、今次災害ではその地点で破堤
※流域全体での水害リスクの高低を考慮した適切な河川管理(河川改修、堤防強化)の必要性
・都幾川の浸水被害(まとめ)
中流部から越辺川合流地点にかけて、右岸側2地点で堤防決壊、堤防からの越水や不連続堤(霞堤)無堤区間からの溢水などが多数の地点(区間)で発生
河川沿いの氾濫平野、自然堤防、2000年代以降造成された盛土地(大型商業地や宅地)の一部など、低地が広域的に浸水、台地上における浸水被害なし
浸水域はハザードマップの想定浸水域内、浸水深は想定浸水深未満(「想定外」の浸水なし)
浸水域は過去にも複数回の浸水履歴を有し、河川改修事業が進行していたが、越辺川合流地点付近に「弱小堤」が残存し、今次災害ではその地点で破堤
※流域全体での水害リスクの高低を考慮した適切な河川管理(河川改修、堤防強化)の必要性
・台風19号による葛川氾濫(荒川水系:埼玉県坂戸市)
・葛川放水路については、ブログGOGO嵐山3の2011年9月22日記事
・下流の九十九川水門新設工事については2010年4月~12月の記事
いづれも嵐山町の内田泰永さんがモーターパラグライダーから撮影した写真を掲載
→ 上流域を守るために、人口が多い下流域に氾濫の危険性を押し付けてもいいのか?
※日本地理学会「台風19号緊急報告会」に先立ち、青山さんは「2019年台風 19 号における埼玉県都幾川の浸水被害調査」(速報、10月25日掲載)、田中さんは、「台風19号(2019年10月12~13日)による荒川水系支流の内水氾濫」(速報、11月8日掲載) を報告しています。
青山速報
田中速報
※蓮田市議会議員榎本なおさんのブログ( https://ameblo.jp/nowee/ )
台風19号浸水被害視察その1~東松山市早俣地区~(2019.11.07)
台風19号浸水被害視察その2~物見山仮置場~ (2019.11.07)
台風19号浸水被害視察その3~西本宿不燃物等埋立地&ばんどう山第1公園仮置場~ (2019.11.08)
台風19号浸水被害視察その2~物見山仮置場~ (2019.11.07)
台風19号浸水被害視察その3~西本宿不燃物等埋立地&ばんどう山第1公園仮置場~ (2019.11.08)
※令和元年台風第19号による被害の状況(東松山市、2019年11月8日17時時点)
荒川水系(埼玉県域)大規模氾濫に関する減災対策協議会(第6回)資料、2019年11月12日
※東松山市令和元年東日本台風による被害及び復旧の状況(東松山市HP、2020年2月20日更新)