土器屋由紀子・小倉紀雄ほか『多摩丘陵の自然と研究 フィールドサイエンスへの招待』(けやき出版、2001年)第4章波丘地の植物の「4.3アズマネザサの調査」を読みました。市民の森保全クラブの作業エリアや岩殿満喫クラブの管理エリアのアズマネザサを頭に浮かべながら読み終えました。「波及地」とは東京農工大学の農場の呼称ですが、その地形は英語を当てると roiiing hill 、私たちが使っている用語では谷津田地形でしょうか。
img-191218073025-0001

多摩丘陵の自然と研究 フィールドサイエンスへの招待』目次
はしがき
1章 「波丘地」の歴史
  なぜ「波丘地」とよばれたか
2章 波丘地の土壌と渓流水
 2.1 波丘地土壌の物理性と水循環
 2.2 渓流水の富栄養化とN2O発生
 2.3 大気降下物による土壌酸性化
3章 波丘地の大気
 3.1 波丘地の気象の記録
 3.2 波丘地の降水の化学成分
 3.3 波丘地の地表オゾン濃度
4章 波丘地の植物
 4.1 植物の四季
 4.2 クロムヨウランに始まりクロムヨウランに終わった8月

 4.3 アズマネザサの調査(星野義延、八木正徳)
   1.アズマネザサというササ
   2.アズマネザサの繁茂
   3.アズマネザサの稈[かん]と株の構造
アズマネザサは土中に地下茎を伸ばし、その節から地上部の稈を発生させ、さらに直立した稈の基部からも稈を発生させることによって大きさや空間分布を変化させて、コナラ林の林床に繁茂しているのである。(97~98頁)
   4.波丘地内におけるアズマネザサの分布状況
 アズマネザサはこれまでみてきた刈り取りなどの人為的な管理の違いによって、稈サイズなどに違いがみられるが、より大きなスケールでみると丘陵地のなかでも、微地形の違いや上層で優先する樹木の種類などによってその広がりや優先の度合いが異なる。
 アズマネザサは波丘地全域に分布しているが、耕作地や崩壊斜面、毎年下草刈りが頻繁に行われている草地や雑木林の林床、スギ植林やモウソウチク竹林の林床など日照量の少ない場所で優先することは稀である。しかし、それ以外の場所ではコナラが優先する雑木林の林床、林縁、日照を遮る樹冠のないオープンサイトを問わず、アズマネザサが広く優先している。(99頁)
img-191218073025-0002

A型:アズマネザサの稈高約3~6m、篠竹と呼ばれるほど大型化。光環境の良好な雑木林の林縁、樹木の疎らな林内の一部
B型:平均稈高が1.5~3mのBa型、約0.5~1.5mのBb型。雑木林の林縁や林床
C型:平均稈高が最大でも0.5m未満。頻繁に刈り取り等の管理が行われている場所。

   5.アズマネザサの生態学的管理に向けて
アズマネザサは頻繁な刈り取りによって繁茂を抑制することができるとされている(例えば、石坂、1989、重松、1988など)が、地下茎で繁殖するアズマネザサの生態学的な管理には地下部の把握が不可決であると考える。(101~102頁)

 4.4 波丘地の畑地としての土壌
5章 波丘地の動物
 5.1 波丘地の鳥
 5.2 昆虫:特に蛾と性フェロモンについて

 タケ類やササ類の葉を食草としているヒカゲチョウなど
 

※目籠(メカイ)は篠竹(アズマネザサ)で作ります