辻信一『弱虫でいいんだよ』(ちくまプリマー新書2015年)を読みました。負けるが勝ち!?「進化」「進歩」「競争」を超えた新しい道を探る/“弱さ”と“愛”の人類学(帯から)
辻信一『弱虫でいいんだよ』目次
はじめに
第1章 「弱さ」とは何か?
生きものにとっての「強さ」とは
弱肉強食?
ナマケモノとの出会い
「弱肉強食」を超えて
ナマケモノの低エネ生活
ライオンとシマウマはどっちが強い?
生き残ったものが強い!?
自然から学ぶ
オンリーワンの場所
ナマケモノになろう
棲み分けて共存
世界に一つだけの花
第2章 動物たちに学ぶ
ナマケモノから学ぶこと
肝心なことは目にみえない
「ナマケモノになる」ということ
ナマケモノの弱さに寄り添う
ナマケモノのメッセージ
この世界はだれのもの?
ナマケモノとシャーマンが来てくれた
人間だけが人間とは限らない
人間の方が「上」なのか?
「動物人間」たちとのつき合い方
ビーバーになる
人はかつて樹だった
第3章 野生との和解に向けて
「人間が上」が当たりまえか
注文の多い料理店
きさまらのしたことはもっともだ
何がほしくておれを殺すんだ
非対称性の住人
自然界へと通じる道
あらゆるものの共有地
二元論を超えて
山猫からの葉書を受けとるには
第4章 「弱さ」が輝き始めるとき
自然は人間に何を求めているのか?
野生へと通じる小道
文明vs自然という二元論
世界は耳を澄ましている
牛は神さま
ニワトリへの暴力と人間同士の暴力
「民主主義」を定義し直す
自然と女性
「ほんとに魚はかわいそう」
「みんなちがって、みんないい」
アース・デモクラシー(地球民主主義)
「進化」を定義し直す
ゴリラのイシュマエル
そして最後に人間が登場した
扇形の生命史
生物に優劣はつけられない
どれも甲乙つけがたい
物と心の二元論
生きものの知性
みんな巧に生きている
勝ち負けなし!
ゴリラにとって弱さとは?
勝ち負けのない社会への進化
分かち合いと弱さ
人間がサル化している!?
第5章 弱虫でいいんだよ
人は愛なしには生きられない
生物としての人間
「遅さ」という「弱さ」からの出発
弱さを引き受ける
生きることは愛すること
ちょうどいい小ささ・ちょうどいい遅さ
「進歩」という思考方法
進歩の罠
スモール・イズ・ビューティフル
スロー・イズ・ビューティフル
競争を超えて
競争原理
ブータンからの問いかけ
競争という“常識”を疑う
競争の“土俵”を降りる
祈りの装置
「フェア」な世界へ!
「フェア」が人間をつなぐ
「フェア」の可能性
声なき声に耳を澄ます
「弱さ」のジャングル
おわりに