今西錦司、岩田久二雄、森下正明、吉良龍夫、宮地伝三郎など京都学派の生態学者の歴史をまとめた『日本の生態学-今西錦司とその周辺-』(東海大学出版会、1992年)の著者大串龍一さんの「里山の問題」を読みました。

 ●大串龍一「里山の問題」その1 (河北潟総合研究11、2008年)
  1.「里山」がなぜ話題となってきたのか
  2.里山はどんな場所か
  3.日本人のイメージする「里山」
  4.人によって改変された自然の重用性
  5.日本の里山
  6.日本の「里山」はいつ頃できたものか
  7.「里山」生活の解体と里山生態系の崩壊

 ●大串龍一「里山の問題」その2 (河北潟総合研究12、2009年)
  8.里山の範囲
  9.日本の里山は時代とともに変わってきた
  10.「里山」とくに日本の里山の特徴
  11.日本の里山は安定した生態系であったか?
  12.里山の動植物の特性、里山のミカン、シイクワシャーを手がかりとして
  13.生物多様性と里山
  14.「里山」文化の保全あるいは再生について
  付記 もう一つの課題、「水辺」生態系 里海などについて

 ●大串龍一「里山の問題」その3(河北潟総合研究14、2011年)
  自然史と社会史の産物としての「里山」 
   1)中世の大開拓期
   2)江戸時代前期の林野政策の転換
   3)江戸後期の世界的寒冷化と山地の荒廃
   4)明治期の石炭産業の大発展と森林の復元
  里山を支えたもうひとつの近代産業-養蚕と製糸-