盛口満『ドングリの謎-拾って、食べて、考えた-』(どうぶつ社、2001年)のちくま文庫版(筑摩書房、2011年)を読みました。京都科学読み物研究会編『本から自然へ 自然から本へ ~子どもと楽しむ生きものの世界~』(連合出版、2008年)で紹介されている本です。

盛口満『ドングリの謎-拾って、食べて、考えた-』目次
パート1 拾いながら、考えたこと
 夢かなう
 子供の頃からドングリ拾い
 将来、何になりたいか
 ボルネオへ
 キナバル国立公園へ
 寂しく過ごした最初の夜
 僕を不安にさせたもの
 高い木に登るには
 はるかに高い木の上の営み
 ぐらぐらゆれる吊り橋の上で
 熱帯の森を実感
 世界最大の花を見る
 世界最大級のドングリ拾い
 ドングリって何なんだ?
 ドングリという木はあるか、ないか?
 ドングリの「定義」
  ブナ科全体?
  コナラ属、マテバシイ属、ブナ属?
  コナラ属、マテバシイ属、シイ属?
  コナラ属、マテバシイ属?[著者○]
  コナラ属だけ?
 大ナラ小ナラ
 堂々の巨大ドングリ
 はなはだしい“本末転倒”
 ドングリは果実か種子か?
 果実のようなタネもある
 タネのような果実もある
 石のように堅い果実
 イガとハカマは同じもの
 登山で見つけた奇妙なドングリ
 舌を巻くがんじょうさ
 ドングリの虫
 ハイイロチョッキリ
 コナラシギゾウムシ
 “同じような生活”をしていると
 弱点を見逃すな
 納得いかない変な写真
 “無敵”のように思えるけれど
 我が身を犠牲にすることもある
 ヤマアラシを味方につける
 砂漠で拾ったドングリのこと
 ドングリは英語でエイコン
  The Life of an Oak: An Intimate Portrait by Glenn Keator
 ドングリに“故郷”を思う

パート2 食べながら、考えたこと
 マテバシイのドングリを食べる
 クッキーやキントン作り
 渋いものと渋くないもの
 “旬”の味覚
 虫がつくもの、つかないもの
 ロウソクも作ってみたが
 食べてほしい相手のために
 渋抜きをどうするか
 クズ湯、ゼリー、コンニャク、トウフ
 クレープ作りは美事に失敗
 もう一工夫してみたら
 いろんな種類を試食する
 元祖縄文クッキング
 できる年とできない年
 七年間の意外な結実
 当たらなかった僕の予想
 豊作年と不作年
 花の咲かない年がある
 いっせいに花が咲く時
 なぜ、どのようにして、それが起こるか
 生きるための知恵くらべ
 一方的な“勝ち”はない
 見渡せば、不規則でまちまち
 毎年拾えるマテバシイ
 ドングリの花
 虫媒花と風媒花
 幻のカクミガシ
 三角形の果実が三つ
 それはブナ科のシーラカンス
 一軒長屋に三人住まい
 一つの実には一つの種
 アカネズミ現る
 彼らをその気にさせる大きさ
 存在の秘密の鍵
 もう一つ不思議なこと
 見方を変えれば“はずれ者”
 矛盾の中にバランスを

パート3 そして結局、こうなった
 西表島へ
 日本最大のドングリ拾い
 南の島に分布する
 遠い遠い昔のできごと
 ドングリコロコロ……川の中
 マテバシイは“心のふるさと”
 名前の由来
 目的は食べること
 今どきの17歳の女の子
 ささやかな予期せぬ出会い
 食べる人と食べさせる人
 一時代昔の話
 それは当時の日常食
 えんぴつの味がする
 様々な渋抜き法
 アイヌ人のドングリ料理
 渋さがうまい!
 命がけで拾ったもの
 僕を呼ぶ遠い声
 鳩間節
 ハマグリとドングリと
 その詩の背景にあるもの
 沖縄が呼んでいる
 迷いに迷って出した結論
 そして結局、こうなった

 最後に一言
 文庫版あとがき
 解説 チチ松村
※盛口満『ひろった・あつめた ぼくのドングリ図鑑 -ちしきのポケット 12』(岩崎書店、2010年)