NPO法人 北海道魚道研究会 編・安田陽一著『技術者のための魚道ガイドライン 魚道構造と周辺の流れからわかること』(コロナ社、2011年10月)

【目次】
1. 魚道整備における基本事項
 1.1 魚道整備前に必要な情報・内容
 1.2 魚道設計・施工の考え方
  1.2.1 魚道設計をするときの考え方
  1.2.2 魚道整備の施工の考え方
 1.3 魚道整備後の評価の方法
2. 魚道の施工上の留意事項
 2.1 仮設工事
 2.2 工事現場周辺の河川環境への配慮
 2.3 埋め戻しの留意点
3. 魚道施工後の調査・検証
 3.1 魚道下流側での環境確認
 3.2 魚道内の水理環境の確認
 3.3 魚道周辺の水理環境の確認
 3.4 魚道以外からの降河環境の確認
 3.5 魚道を利用する魚種の確認
 3.6 洪水後の魚道および魚道周辺の状況把握
 3.7 魚道維持・管理環境の把握
4. 既存の魚道のポイント
 4.1 魚道形式・魚道構造
  4.1.1 プール式魚道
   〔1〕プール式矩形断面型魚道
   〔2〕アイスハーバー型魚道 
   〔3〕バーチカルスロット式魚道
   〔4〕ハーフコーン型魚道
   〔5〕傾斜隔壁型魚道
   〔6〕人工岩(擬岩ブロック)による魚道
   〔7〕コンクリートブロック型魚道
   〔8〕台形断面型魚道
  4.1.2 水路式魚道・ストリーム型魚道
   〔1〕デニール式魚道
   〔2〕舟通し型魚道
   〔3〕ブロック式魚道
  4.1.3 自然石を利用した魚道
   〔1〕自然渓流型魚道
   〔2〕アーチ式魚道
   〔3〕粗石ブロック型魚道
   〔4〕階段状魚道
   〔5〕その他の魚道
 4.2 魚道設置形式
  4.2.1 引き込み型魚道
  4.2.2 張り出し型魚道
  4.2.3 張り出し,引き込み構造の中間型魚道
  4.2.4 折り返し型魚道
  4.2.5 バイパス式魚道
  4.2.6 らせん型魚道
 4.3 魚道周辺設備・魚道附帯設備
  4.3.1 スクリーン
  4.3.2 余水吐き・オリフィス板・流入口
  4.3.3 水制工
  4.3.4 流量制御施設
 〈参考資料〉
  1. 魚道の構造
  2. 魚道構造・魚道形式
5. 魚道新設のためのガイドライン
 5.1 事前調査の内容
  5.1.1 既設の河川横断工作物周辺の河川流況
   〔1〕通常時の流況
   〔2〕洪水時の流況
  5.1.2 河川横断工作物周辺の河床形態
   〔1〕河川横断工作物周辺の河床の縦横断勾配
   〔2〕河川横断工作物周辺の河床物質・状況
  5.1.3 河川の水質・濁り
   〔1〕渇水時の水質
   〔2〕平水時の水質・濁り
   〔3〕豊水時(融雪時を含む)の濁り
  5.1.4 水生生物の生態環境調査
   〔1〕対象河川に生息する水生生物
   〔2〕水生生物の生息環境
   〔3〕水生生物の産卵環境
   〔4〕水生生物の移動環境
  5.1.5 河川周辺の環境
   〔1〕魚道設置予定地周辺の土砂生産源の有無
   〔2〕魚道設置予定地周辺の渓畔林,河畔林の分布状況
   〔3〕魚道設置予定地周辺の人工構造物の実態調査
  5.1.6 魚道整備の価値判断
   〔1〕魚道整備の必要性がないと判断できる場合
   〔2〕魚道整備の必要性があると判断できる場合
 5.2 魚道設計に必要な情報
  5.2.1 魚道設置位置
  5.2.2 魚道形式の選択
  5.2.3 魚道規模(魚道幅,魚道長)
  5.2.4 魚道内への流入量
  5.2.5 魚道流入口・魚道流出口
   〔1〕魚道流入口での配慮事項
   〔2〕魚道流出口での配慮事項
  5.2.6 魚道側壁および導流壁
   〔1〕側壁の配慮事項
   〔2〕導流壁の配慮事項
  5.2.7 降河対策
   〔1〕魚道内の対策
   〔2〕魚道外の対策
  5.2.8 新設の河川横断工作物周辺の流況の推定
   〔1〕通常時の流況
   〔2〕洪水時の流況
  5.2.9 迷入対策
  5.2.10 魚道の維持管理施設
 魚道新設設計フローチャート
6. 魚道改良のためのガイドライン
 6.1 事前調査の内容
  6.1.1 魚道が設置された河川横断工作物周辺の流況
   〔1〕通常時の流況
   〔2〕洪水時の流況
  6.1.2 河川横断工作物周辺の河床形態
  6.1.3 河川の水質・濁り
  6.1.4 水生生物の生態環境調査
  6.1.5 河川周辺の環境
  6.1.6 魚道改良整備の価値判断
 6.2 魚道設計に必要な情報
  6.2.1 魚道設置位置
  6.2.2 魚道形式の選択
  6.2.3 魚道規模(魚道幅,魚道長)
  6.2.4 魚道内への流入量
  6.2.5 魚道流入口・魚道流出口
   〔1〕魚道流入口での配慮事項
   〔2〕魚道流出口での配慮事項
  6.2.6 魚道側壁および導流壁
   〔1〕側壁の配慮事項
   〔2〕導流壁の配慮事項
  6.2.7 降河対策,洪水流の減勢対策,迷入対策
  6.2.8 魚道の維持管理施設
 魚道改良設計フローチャート
引用・参考文献
索引

本書で用いたおもな用語の説明
◆稚魚 (略)
魚道流出口魚道流入口
 これまでの魚道に関する文献の多くは、魚道の下流端を「(魚道)入口」、上流端を「(魚道)出口」としている。しかしながら、これはあくまでも魚類などの遡上行動を前提とした呼び方であろうと考える。本書では、魚類などの降河対策をも重視して相当な紙幅を割いている。降河魚を対象とした場合は、従来からの名称とは逆の表記となってきわめて不都合である。このため、本書では「水の流れ」を基本にして、従来からの魚道入口を魚道流出口、従来からの魚道出口を魚道流入口と表現している。
◆礫 (略)
◆改良、改善
 本書では、構造を良くする場合は改良、環境(状態)を良くする場合は改善と表現している。
◆島嶼部 (略)

※農林水産省農村振興局整備部設計課監修『「頭首工」の魚道設計指針 よりよき設計のために』(公益社団法人 農業農村工学会発行、2014年3月)では、魚道上り口魚道下り口
1.3 魚道の定義
 魚道とは、魚類等の移動に支障があるような場合、移動を容易にするために造られた施設の総称であり、魚道本体(魚道上り口(のぼりぐち)から下り口(おりぐち)まで及び附帯施設から構成される。
 なお、魚道上り口とは遡上する魚類等の入口、すなわち魚道の下流端のことであり、魚道下り口とは降下する魚類等の入口で魚道の最上流端のことである。(1頁)
矢来堰・中山堰・出丸堰見学 11月26日