食品には、袋や容器に消費期限か賞味期限のどちらかが表示されています。1995年までは製造年月日が表示されていましたが、 ① 国際規格との調和(包装食品の表示に関するコーデックス一般規格)、② 保存技術の進歩により食品を見ただけではいつまで日持ちするかわからない、③ 製造年月日表示が返品や廃棄を増大させているという理由から期限表示に変わりました。
消費期限は、袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。弁当、調理パン、そうざい、生菓子類、食肉、生めん類など品質がいたみやすい食品に表示されています。
賞味期限は、袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。消費期限表示の食品に比べて品質が劣化しにくい、スナック菓子、即席めん類、缶詰、牛乳、乳製品などに表示されています。賞味期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではなく、色やにおい、味などをチェックして異常がなければ、まだ食べることができます。
食べられるのに捨てられてしまう食品(食品ロス)を減らすために、食品製造企業では、製造方法の見直しによる賞味期間の延長や、容器の改良等によって食品のおいしさや鮮度を長く保つための技術開発をしています。
食品業界では、賞味期間を3等分して、最初の3分の1を納品期限、次の3分の1までを販売期限とする商慣習があります(3分の1ルール)。納品期限を過ぎれば、メーカーや卸売業者は小売店に食品を納品出来ません。スーパーやコンビニなど小売店の多くは販売期限に達した食品は棚から撤去して販売しません。このことは、できるだけ販売期間を多く確保し、売れ残りを少なくするとともに、消費者が購入後に賞味期限内に消費する期間を確保するといった、商品管理の観点からは効率的な方法であるといわれていますが、商品特性とは無関係に一律に導入されている点で、食品ロスの発生につながっています。(農林水産省「食品小売店における納入・販売期限の設定事例について 食品小売業界からの聞き取り」2008年9月)。
そこで、食品ロスを減らすために、納品期限を3分の1から2分の1に延長したり、販売期限を小売店において設定する方向で3分の1ルールの見直しがすすめられています。
※井出留美『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書432、2016年10月)目次
消費期限は、袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。弁当、調理パン、そうざい、生菓子類、食肉、生めん類など品質がいたみやすい食品に表示されています。
賞味期限は、袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。消費期限表示の食品に比べて品質が劣化しにくい、スナック菓子、即席めん類、缶詰、牛乳、乳製品などに表示されています。賞味期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではなく、色やにおい、味などをチェックして異常がなければ、まだ食べることができます。
食べられるのに捨てられてしまう食品(食品ロス)を減らすために、食品製造企業では、製造方法の見直しによる賞味期間の延長や、容器の改良等によって食品のおいしさや鮮度を長く保つための技術開発をしています。
食品業界では、賞味期間を3等分して、最初の3分の1を納品期限、次の3分の1までを販売期限とする商慣習があります(3分の1ルール)。納品期限を過ぎれば、メーカーや卸売業者は小売店に食品を納品出来ません。スーパーやコンビニなど小売店の多くは販売期限に達した食品は棚から撤去して販売しません。このことは、できるだけ販売期間を多く確保し、売れ残りを少なくするとともに、消費者が購入後に賞味期限内に消費する期間を確保するといった、商品管理の観点からは効率的な方法であるといわれていますが、商品特性とは無関係に一律に導入されている点で、食品ロスの発生につながっています。(農林水産省「食品小売店における納入・販売期限の設定事例について 食品小売業界からの聞き取り」2008年9月)。
そこで、食品ロスを減らすために、納品期限を3分の1から2分の1に延長したり、販売期限を小売店において設定する方向で3分の1ルールの見直しがすすめられています。
※井出留美『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書432、2016年10月)目次
第1章 賞味期限のウソ※この記事の図は「食品ロスの削減・食品廃棄物の発生抑制」(農林水産省)から転載。
①卵は冬場57日間、生で食べられる
②ほとんどの賞味期限は2割以上短く設定されている
③なぜ企業は賞味期限をもっと長くできないのか
④1日古いだけで納品が拒否される「日付後退品」問題
⑤「消費期限」は過ぎたら食べない、「賞味期限」は食べられる
⑥賞味期限より前に棚から撤去されてしまう「3分の1ルール」
⑦賞味期限の切れた頃が一番おいしいものもある!?
⑧消費者のゼロリスク志向が賞味期限を短くさせている
⑨賞味期限に依存しきるのはお金を捨てるのと同じ
第2章 「これ食べられる?」を自分で判断する8つのポイント
⑩免疫力の弱い人、健康状態が優れないときは要注意
⑪すべての食品を怖がる必要はない
⑫店頭で直射日光を浴びていたものは買わない
⑬外食でも家庭でも「生もの」は要注意
⑭「タンパク質」は栄養豊富な分、腐敗もしやすい
⑮スルメもカビる! 水分量15%ラインを知っておく
⑯揚げ物じゃなくても。「見えない油」にご用心
⑰薄味ヘルシー食品は日持ちしない
第3章 捨てるコストはあなたが払っている
⑱なぜ食料不足の被災地で捨てられる食品があるのか
⑲コンビニがスーパーより高いのは「捨てる前提」だから
⑳棚を商品でいっぱいにしておくコストもあなたが払っている
㉑毎日大量にパンを捨てているデパ地下パン屋
㉒恵方巻きもクリスマスケーキも、1日過ぎればゴミ
㉓食品ロス大国日本、ロスの半分は家庭から
㉔売れ残りのコンビニ弁当で貧しい子どもを援助してはいけないのか
㉕京都市はなぜ15年でゴミを半分近く減らせたのか
㉖ハンバーガー1個を捨てるのは浴槽15杯分の水を捨てること
第4章 あなたは、あなたが「買うもの」でできている
㉗「買う」とは、企業と商品に「投票する」行為
㉘「よい自分」「よい社会」を創る買い方チェックリスト
㉙あなたがどんな人間か、買い物カゴの中身でわかる
㉚「買い過ぎていませんか?」と客を諭す英国のスーパー
㉛「2020東京」で食品ロス削減はできるのか
㉜なぜ日本ではドギーバッグが普及しないのか
㉝「割安だから大サイズを買う」はかえってムダ
㉞食べ方のマナーは習うのに「買い方」のマナーは習わない
㉟空腹で買い物に行くと買う金額が64%増える!
第5章 食べ物をシェアする生き方
㊱大手スーパーの売れ残り食品廃棄を禁止したフランス
㊲「おそなえもの」をシェアする「おてらおやつクラブ」
㊳家庭で余っている食べ物を持ち寄る「フードドライブ」
㊴「食品ロス」を「支援」に変える「フードバンク」の活動
㊵郵便配達の人が食品を回収する「Stamp Out Hunger (貧困撲滅)」
㊶低所得者がスーパーで飲食物を受け取れる「フードスタンプ」
㊷余剰農産物の廃棄はなくせるか
㊸店や企業の食品廃棄を「もったいない」と非難する消費者エゴ
㊹スーパーはみんなでシェアする冷蔵庫
㊺自分が消費することで弱者や未来の人の食べる権利を奪わない
今日から家庭でできる、食品ロスを減らすための10カ条
あとがき
主要参考文献