12月9日(金曜日)、鴻巣市吹上地区小谷(こや)にある古民家・カフェ「紫苑」を会場に、埼玉県グリーンツーリズム推進協議会主催「古民家や空き家を活かした体験・交流拠点づくりセミナー」(13:30~16:30 受付開始13:00)を開催します。参加費は500円(資料代・コーヒー代・お菓子代)です。
page-0001page-0002

国の菅義偉官房長官が兵庫県篠山市の集落「丸山」に視察し、古民家活用を地域再生、外国人誘客の目玉にし、古民家活用を支援するというニュースが流れたのは今年の11月12日でした。この丸山集落再生では、今年2月に当協議会が開催した実践者セミナー「里ツーリズムを活かした古民家&地区再生へのアプローチを考える」で、丸山集落の再生を推進している一般社団法人ノオトの代表理事金野幸雄さんに講師として来ていただき、多大の示唆をしていただきました。

今回は、鴻巣市小谷2275の築150年の古民家・カフェ「紫苑」で実践者セミナー「古民家空き家を活かした体験・交流づくり」を12月9日(金)13時受付開始で開催致します。

埼玉県でもぶらりと訪問できる古民家・空き家の「ぶらり型市民活動ハウス」が見られるようになってきました。そこは、喫茶店であり、ギャラリーであり、市民農園があり、時には演奏会が行われるなど、人々の憩いの場であり、ビジネスの場としても展開するようになってきました。

セミナーではオープン2周年を経たばかりの「紫苑」オーナーの小林玲子さんに開設する動機、これまでの経過、開設した結果などをお聞きするとともに、北本市のきたもとアトリエハウスの代表、東松山市で埼玉県の材木を利用した環境に調和した住宅を提供しているヒキイルハウスの八巻秀房さん、加須市で古民家を再生しつつある黒木夫妻にも参加していただき、具体的な展開を語っていただく予定です。大変お忙しい時期とは存じますが、お時間都合つけていただき、ぜひご参加下さい。

※「政府、タスクフォースで古民家活用を検討、トップに官房長官」(Travel Visionより)

 政府は9月5日、「歴史的資源を活用した観光まちづくりタスクフォース」の第1回会合を開催した。タスクフォースは今年3月に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき組織したもので、内閣官房長官の菅義偉氏が議長を務める。地方の古民家などを再生・活用し、魅力ある「観光まちづくり」を推進するための方策を検討することが目的で、今年度中の取りまとめを予定する。

 今回のタスクフォースの設置は、日本版DMO候補法人に登録されている一般社団法人ノオトによる取り組みがきっかけ。ノオトは兵庫県篠山市の農村集落の古民家をオーベルジュにリノベーションするなど、集落や地域の再生に取り組んでおり、政府はノオトの取り組みを成功事例の1つとして、全国に拡大し地方創生につなげたい考え。今後の会合では、全国拡大に向けた課題点や対応策などについて検討を進める。

 第1回会合では、NPO法人の尾道空き家プロジェクトなど、古民家の活用などに取り組む自治体や法人など、4者からヒアリングを実施。……

 タスクフォースには国土交通省や農林水産省の幹部が参加し、景観の保全や農家に宿泊する「農家民泊」などを推進するための方策を検討。今年度末に取りまとめを行う方針。

山梨県上野原市広報2016年12月号「特集:このまちで、夢かなえる」(PDF)
  山梨県上野原市西原(さいはら)での古民家再生ワークショップ
広報うえのはら1広報うえのはら2

広報うえのはら3広報うえのはら4

広報うえのはら5広報うえのはら6

広報うえのはら7

農家民宿『西原ife 体験宿したで』で住民と移住者を結びながら地域を元気にしたい(NPO 法人さいはら理事移住定住促進事業担当(移住コーディネーター)長田容子(おさだようこ) さん)
 21歳のころ、これからどのように生きていくかを日々考えていた私は、夜大学に通いながら、昼間はアルバイトをして生き急ぐかのような生活を送っていました。
 そんな時に出逢った「農家民泊」という言葉。この言葉が書かれた本には、死ぬまで里山で暮らし続けることが仕事になるというおばあちゃんの生き方が書かれていました。私は、この農家民宿が人の使い捨てのような仕事ではなく、本物の仕事になるような気がして憧れました。そしていつしか「古民家で農家民宿をやりたい」という夢に変わっていきました。
 ある時、西原地区に移り住み畑仕事や自然環境の活動を続けていた同い年の夏目暁子さんをインターネットで知りました。私は、女性一人で移住し地域に溶け込む夏目さんに興味がわき、その活動に顔をだすようになりました。手つかずの自然、人も純粋でまっすぐなところ。私は、都会で感じることのできない感覚に衝撃を受け、「ここに住みたい」と強く思いました。ただそう思ってもなかなか住む家が見つかりません。そんな私に「畑なら貸してやる」といってくれたのが中川智さん。中川さんは、弟の仁さんとともに鍬を使った伝統的な農作業を続けている方。これを絶好のチャンスととらえた私は、慣れない畑の開墾を始めました。結局は、中川さんに手伝ってもらう始末でしたが、中川さんとの出会いがきっかけで住む家も見つかり平成19 年11月に移住することができました。
 現在、私は、NPO法人さいはらの理事を務め、市から移住定住促進事業を請け負っています。また、移住の経験を生かして地域の移住コーディネーターも務めています。
 そして、10年前から追い求めていた夢は、時代の流れ、人との出会い、絶妙なタイミング、そして多くの方の協力と支えで叶えることができました。きっとこの西原は、夢を叶えられる地域なのだと思います。
 住民と移住者を結びながら地域を元気にする。そんな新たな夢を持ちながら、地域で稼ぎ生活していくことができる仕組みをこの西原でつくっていきたいです。
住民自治の形や循環型の社会がここにある(ECOM代表森良さん)
今回の古民家再生ワークショップは、先人たちの知恵がつまった築約150年の古民家を長田さんが「壊すのはもったいない」と呼びかけてはじまったものです。ワークショップでは、毎回首都圏から集まる参加者が地元の職人さんから技術を学びながら、西原の土や木を使って改修していきました。この取り組みで感じたことは、「あるものを使ってつくる。すべて西原のもので衣食住がまかなえる」そんな循環型の社会がここ西原地区には残っているのだと感じました。このことは、とても貴重なことです。私は、その西原地区の魅力を形にしたのが農家民宿「西原ife 体験宿したで」だと思います。
 明治以来、市民の行政依存が強まっていったなかで、自分たちのことは自分たちでやるという本来の住民自治の形や循環型の社会がここにあるのだと感じました。西原地区は、循環型社会の拠点ともなりうる可能性を秘めた地域だと思います。私たちECOMは、持続可能な地域づくりを応援する団体です。長田さんやNPO法人さいはら、そして西原地区をこれからも応援していきたいと思います。