3月29日、千葉県香取郡神崎町の「発酵の里こうざき」に行きました。2015年4月29日に開業した道の駅で、圏央道神崎インターチェンジから車で数分の利根川沿いにあり、24時間営業のファミリーマート、野菜いろいろ新鮮市場、発酵専門店発酵市場、喫茶・お食事オリゼがあります。
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写真の発酵市場は全国の発酵関連商品(味噌・醤油・日本酒・ワイン・ビール・パン・漬物・鰹節・干物・ピクルス・納豆・キムチなど400点)の展示・販売、情報コーナーがありにぎわっていました。
微生物が醸(かも)し出す発酵をテーマに様々な試みが近年、各地でもりあがっているようで、『ソトコト』186号(2014年12月)は「おいしい伝統食の最前線! 発酵をめぐる冒険」を特集しています。神崎町は2009年から二つの蔵元で始めた酒蔵まつりの成功を背景に、2013年、「発酵の里こうざき」を商標登録し、それが道の駅プロジェクトのまちづくり発展したようです。

1993年に103駅で始まった道の駅は、2015年11月現在1079駅が登録されています。2015年1月、国土交通省は、地域活性化の拠点として特に優れた全国モデル「道の駅」6ヶ所と、将来性の高い重点「道の駅」35ヶ所を選定しました。全国モデル「道の駅」6カ所は、地域外から活力を呼ぶ「ゲートウェイ(入り口)型」と地域の元気を創る「地域センター型」に分類されました。関東地方で選ばれた全国モデル3駅はすべて「ゲートウェイ型」に属しています。栃木県茂木町の道の駅「もてぎ」、群馬県川場村の道の駅「川場田園プラザ」、千葉県南房総市の道の駅「とみうら」です。道の駅「発酵の里こうざき」は重点「道の駅」(ゲートウェイ型)に選ばれ、成田国際空港との至近距離を活かし、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食・日本人の伝統的食文化」をイメージとした「発酵文化」を世界に向けてPRし、海外からの観光客を誘致するインバウンド観光を促進する「道の駅」として期待されています。今後、まちづくりの拠点としての「道の駅」に注目していこうと思います。

石田東生「全国「道の駅」シンポジウムin田辺 道の駅 地方創生への期待と課題」(2015年11月17日)

石川雄一・四童子隆・小島昌希「「道の駅」による地域活性化の促進―重点「道の駅」制度の創設」『観光文化』225号特集・観光の経済波及効果を高めるには(日本交通公社、2015年4月)

秋山聡「「道の駅」による地域の活性化」『JICE REPORT 第27号』特集・地方創生-地方創生の方向性(国土技術研究センター、2015年7月)