益子県立自然公園・益子の森は丘陵地にある31㏊の里山林でアカマツ林がありました。
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その入り口にあるフォレスト益子に立ち寄り、展示から益子県立自然公園の中にある標高302mの高館山と坂東20番札所西明寺の植生について知りました。高館山周辺は、栃木県内で最も暖かい地域なので他の地域ではあまり見られないカシ・スダシイ・ツバキなどの暖地性常緑広葉樹林がみられます(※)が、高館山北斜面ではカシ類、スダジイ等に混じってブナ・イヌブナ・オオウラジロノキなどの冷温帯性植物がところどころに自生しているそうです。ブナとスダジイが共存している高舘山(原正利「関東地方におけるブナおよびイヌブナの分布と生態について」)を歩いてみたいと思いましたが時間がありません。高舘山の中腹にある西明寺だけ見学することにしました。
西明寺の参道の両側のシイ林では、アカガシ、アラカシ、シラカシ、ウラジロガシ、ツクバネガシなど栃木県内で見られるほとんどのカシ類を見ることができ、本堂前のツバキとコウヤマキはどちらも県内で一番太いもので、両方とも県指定天然記念物になっているそうです。
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   スダジイの大木と本堂裏手のイチョウの落葉
獨鈷山普門院西明寺(とっこさんふもんいんさいみょうじ)は真言宗豊山派に属し、本尊は十一面観音菩薩、坂東20番札所です。御詠歌は「西明寺 ちかひをここに 尋ぬれば ついのすみかは 西とこそきけ」。
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楼門と三重塔は国指定重要文化財、閻魔堂には「笑い閻魔」があります。

※:『とちぎの植生(植物群落)』(栃木県自然環境基本調査2002)には、これまでの植生調査で明らかにされた植物群落が整理されていて、高舘山はスダジイ林、シイ・アラカシ群落、アカマツ林(二次林)、スダジイ-ヤブコウジ群集、スダジイ・アラカシ林、シイ-アラカシ林でリストアップされています(23~47頁)。