岩殿C地区の堰の水たまり状態になっている水路にいました。1㎝ぐらいで、黒と茶色の縞模様が特徴的です。ゲンゴロウの仲間は日本では100種類以上(130種類以上・『図説 日本のゲンゴロウ』)知られています。多くのゲンゴロウが田んぼから姿を消した中でコシマゲンゴロウは減少しているが残っている中型のゲンゴロウだそうです。
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ゲンゴロウ類が減少した理由としては、①以前は水苗代内のセリなどに産卵していたと思われるが、水苗代の焼失によって産卵期が遅くなった。田植後に産卵したのでは、中干しまでに幼虫期【30日位】を終えることができない。②コンクリートの畦では上陸して潜る【田んぼから畦に登ってきて、2㎝位の深さで蛹(さなぎ)になる】ことができない。③除草剤によって産卵する植物が消えている【ゲンゴロウのメスは田んぼの中の草の茎をかじって穴を開け、1こずつ卵をうみつける。ゲンゴロウはイネはかじったりできないので、除草剤を散布して、草が生えていない田んぼでは、ゲンゴロウは育つことができない。大型のゲンゴロウには大きい茎の草が必要】(以上は『ふくおか 農のめぐみ 100』、『田んぼの生きもの指標』による)があります。
 農薬の使用などによる水質汚染、ため池や水路の改修などの環境改変に加えて、④外来種による被害(ブラックバス、ブルーギル、アメリカザリガニ、ウシガエルのどれかひとつでも侵入した池では、大型のゲンゴロウ類が日本各地で例外なく姿を消した)もあげられています(永幡嘉之「激減するゲンゴロウ 深刻な外来種による被害」)。

コシマゲンゴロウ(HP『水生昆虫が面白い』) 
※HP『Hondaキャンプ』「生きもの図鑑」シマゲンゴロウ(体長1.5㎝位、体色は黒、両側に太くて白い縞があり、背中の中央に一対の丸い斑点)
※永幡嘉之(ながはたよしゆき)「激減するゲンゴロウ 深刻な外来種による被害」(日本経済新聞電子版ライフ『生きものがたり』