入間郡大井町は現在、埼玉県ふじみ野市です。

※ 『大井町史 民俗編』(1985年) 170頁 執筆:水谷いづみさん
 雨具 蓑・カマス・ゴザなどがあった。蓑は藁(稲藁)で編んで作るものだが、大井町では水田耕作をほとんどしていなかったので、稲作をしている上福岡の方から、藁を買ってきていた。カマスは、むしろでできた肥料入れだが、これも雨具に使用した。ただし、雨水を含むと、カマスは二貫目ぐらいの重さにもなって、重くて大変だった。雨の時にはゴザに紐を通して着ることもあった。頭にはすげ笠をかぶった。
雨具と言えば、まず「蓑」(みの)ですね。ウィキペディアの「蓑」の項目に、「明治中期まで、浅草雷門では毎年3月19日と12月19日に蓑市が開かれていた[2]」とあり、脚注[2]に、「蓑市 新聞集成明治編年史. 第七卷、林泉社、1936-1940」が示されています。
 蓑市 漸次 都会に用なし
[12・19、毎日] 昔より毎年三月十九日と十二月十九日には朝草雷神前の蓑市と唱へ、近郷より多くの蓑を同書に持出ぢ、市を立つる恒例にて、本日が即ち其の市日なれど、近年は農家の雨中耕作に出る時着用する位にて、府下にては蓑を着るもの極めて稀なれば出荷も尠かるべし。