熊谷地方庁舎大会議室で、2014年度「農との共生田園都市豊かなくらし満喫事業」活動報告会(埼玉県農業ビジネス支援課担当)がありました。
2014年度に新規採択された岩殿満喫クラブ、神泉の郷有機農業推進協議会、(公社)皆野町シルバー人材センター、妻沼茶豆研究会、NPO法人見沼ファーム21、夢楽いく会がパワーポイントを使って報告しました。
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  2014年度農との共生田園都市豊かなくらし満喫事業活動報告(岩殿満喫クラブ)

〔活動地域の概要
1 活動地域:東松山市岩殿地区
2 利活用する田園資源:谷津田(雑木林・ため池・田んぼ)
3 協働する団体名とその概要:岩殿・入山田んぼの会
  岩殿・入山地区の耕作放棄地再生に同意し支援する地権者・地元農家の会

〔活動の内容
1 地域の課題と目的
  東松山市岩殿地区では、農家の高齢化や米価の低下などにともない、耕作条件が悪い谷津田はほぼ耕作放棄されている。こうした谷津田は里山の構成要素として、景観的、文化的、また生態学的に保全価値が高い農地である。
 谷津田の耕作放棄が進む一方で、農地を持たない市民の中には、自ら栽培した農産物を食べたいという人々が存在する。こうした人々の中には市民農園を利用している人々もいるが、市民主体で稲作が出来る田んぼは少ないのが現状である。
 そこで、耕作放棄された谷津田を再生・整備し、美しい里山景観の中で耕作してみたいという市民に「岩殿市民田んぼ」として農地や農具の利用や農作業を支援することで、ゆたかな里山環境を整備して次世代に継承し、農ある地域づくりに貢献することを目指す。

2 活動概要
(1)耕作放棄されてきた谷津田・水路・畦畔を入山田んぼの会農家と協働して整備し、作付け・保全管理する。周辺の雑木林を保全し、落ち葉を集めて堆肥づくりを実施する。
(2)大東文化大学国際関係学部須田ゼミの学生・院生・留学生や地域児童・生徒の農業体験・自然観察活動を支援。地元農家を講師に、収穫した農産物の加工講習会を実施して交流を深める。
(3)田んぼと雑木林の生き物観察・フロラ調査を行い、里山環境保全の指標とする。
(4)ブログで日々の作業を公開、現場に案内板を設置して参加者募集。収穫した農産物を食材として提供・販売して岩殿市民田んぼの活動をアピールする。

〔活動の成果〕
(1)東松山市農業公社から管理委託された農地の半分で、稲、大豆など栽培、収穫した。
(2)農業体験支援、収穫祭、昼食会、市環境未来フェア出展、豆腐作り講習会、落ち葉はきイベントなどを実施。参加した市民・学生の地域農業への関心・理解が深まった。
(3)谷津田の里山環境保全に向けて、生きもの調査を開始できた。

〔今後の取組〕
(1)次年度の作付けに向けて、田んぼ・畦畔・水路などの再整備を行う。
(2)農地の日照確保と景観向上のために、地権者の同意を得て、農地周辺の雑木林の篠竹刈り、木障刈りを実施する。
(3)次年度の活動に向けて、岩殿・入山田んぼの会・地元農家と打ち合わせを行う。