クズ木かき 東松山市史 民俗編 1983年7月 81頁
山で枯れ葉を集める仕事を木かきとかクズ木かきという。クズ木かきに使う道具は、下刈り鎌(木鎌)・クマ手・木かきかごである。木鎌で下刈りをしてからクマ手で枯れ葉を集めて大きな枯れ葉の山をつくる。これを両手で折りたたむようにしてまとめ、木かきかごに詰め込む。木かきかごは普通のかご(草刈りかご)の二倍以上ある大きなかごで、このかごに山のように枯れ葉を積み上げ上を縄で結ぶ。背負う人が後からでは見えない位になる。クズ木かきは、半日で二かごも家に運べば一人前の仕事だった。山が近い場合にはこのようにかごで運ぶが、遠い場合はクズ木束にして運ぶ。クズ木束とは、枯れ葉を芯にして枝を外側に枯れ葉をまき込んで作った束である。里の人々は主にこのようなクズ木束にして買って行ったという。強い北風が吹きつける中で山仕事が春まで続くのである。クズ木は主に燃料になるが、その他に堆肥にもなる。馬や牛小屋に入れ踏ませてから堆肥として積み、麦作や水田の肥料になる。また、さつま床の熱源としても大量に使うのでかなりの量を運ばなければならない。

第三章生産と生業
   第一節田と畑
    三 農家のくらし
     (一)堆肥づくり
        田畑の作物 堆肥の材料 作り方
     (二)山仕事
        クズ木かき 薪  用材の伐採 運搬 共有林の山仕事(大谷共有林の場合)
     (三)水車

※燃料用のクズ木かきの話。木の葉ハキ(堆肥)はさらっと。クズ木の樹種はなに?
※「クズ木束とは、枯れ葉を芯にして枝を外側に枯れ葉をまき込んで作った束」:モノクロ写真でよくわからない。現在ならカラーで印刷。