2025年08月
成虫も幼虫もトンボ同様の肉食昆虫だが、幼虫はヤゴと違って陸生で、アリジゴクのような巣は作らないが、体形はアリジゴクによく似ている。変態の仕方にも違いがあり、幼虫から成虫になる直前に脱皮するトンボに対して、ツノトンボは蛹(さなぎ)になってから成虫になる。蛹を経るツノトンボのグループは、蛹を経ずに成虫になるトンボより少し後(あと)に地球上に出現したと考えられている。(科学技術振興機構サイエンスティーム「サイエンス読み物」から)
IWADONO Sundays. 参加者は金子さん、木庭さん、木谷さん、鳥取さん、新倉さん、細川さん、丸山さん、鷲巣さん、Hikizineの9名。鳩山アメダスの日最高気温’(10分値)ではなく、日最高気温ランキング(全国、1分値)では、8月15日37.6℃(3位)、17日37.9℃(1位)、19日38.5℃(1位)、20日38.1℃(5位)、21日39.3℃(1位)、23日38.7℃(1位)、24日39.4℃(1位)と猛暑が続いています。




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北東北3県(岩手・秋田・青森)におけるナラ枯れ被害は、近年急速に拡大、特にミズナラやコナラなどのナラ類が多く分布する地域で深刻な影響が出ている。ナラ枯れが発生する可能性の高い地域をあらかじめ把握しておくことは重要。東北地方でナラ枯れの被害が激化しやすい ミズナラ、カシワ、コナラ 、クリ等がどこに分布しているか、ミズナラ、コナラ、ブナ、針葉樹人工林、マツ類、その他を凡例として色分けした植生分布図が作成されている。近藤洋史・斉藤正一「ナラ枯れ被害に対応した東北地方の森林植生マップの作成」(『山形大学紀要(農学)』19巻4号、2025年2月)142頁

左図の円グラフの大きさは解析した個体数(全地域で合計165固体)。円グラフの色は3つの遺伝的グループに由来する割合を示している。分布域が拡大するなかで交錯し、一部地域では交配した集団があることもまた明らかになった。 


●はじめに
ナラ枯れとはナラ菌と媒介昆虫カシノナガキクイムシによる伝染病。
森林病害虫等防除法(1950年法律第53号)による法定害虫で県市町が連携して防除。
防除実施主体が効果的、効率的な防除対策を講じるための基本的な考え方を示す。
●防除対策の基本、二次的被害の防止
高齢化した二次林が多く、ナラ枯れ被害を受けやすい。
被害地外周、飛び火的被害拡大を抑制する。
急速な被害の拡大が森林の持つ多面的機能の確保に影響を及ぼす。
枯れ枝の落下、倒木による人的・物的被害
住宅や道路・電線等のライフラインへの二次的被害。
被害状況に応じた適切な防除対策を行い、安全・安心な県民生活確保。
●地域区分に応じた対策の実施、具体的な防除対策
・県内の森林を被害地・未被害地・保全するコナラ・カシ等の森林等に区分。
被害地における対策
・未被害地域との境界周辺の枯死木を優先的駆除。・ナラ枯れ被害は発生から4~5年で被害がピークに達し、その後、被害が収束。
・被害が目立たなくなってからも状況確認を継続。
「保全するコナラ・カシ等の森林等」とは、「ナラ枯れ」の被害を受けることにより、次のような状況が危惧される森林又は樹林・樹木をいい、県と市町が協議の上、選定するものとする。① 天然記念物等の重要な樹木及びそれらと一体として管理された森林、又は、地域の貴重な樹林・樹木で、その生態系・樹勢等に著しい影響を受けるおそれのあるもの、②森林公園や景勝地等不特定多数の県民等が利用する森林で、その景観が著しく損なわれるおそれのある森林、③土砂流出防止等の森林の持つ災害防止機能が著しく失われるおそれがある森林。
・土砂流出のおそれがある場合は広葉樹等の植栽等により森林の機能回復を図る。
・保全する森林への被害拡大抑制のため、枯死木・被害木の伐倒くん蒸・立木くん蒸。
①被害材を「被害地域」から「未被害地域」に移動させない。
②被害材と未被害材を混在させない。
③被害材を薪利用する場合は、カシナガが成熟する3月までに割材を終えておく。
・被害木を伐採する場合の3つの原則
①被害拡大期間にコナラやシイ・カシ類の未被害木の伐採を行わない。
②被害木を伐採し、そのまま残置する場合:長さ50cmに玉切りし、現地に地伏せ
③被害木を伐採した後の根株:原則として、地際から10cm以下となるように処理。
●防除対策指針の見直し
県内の被害状況、新たな防除技術の開発等に応じ、必要があれば見直す。
香川県では2019年、小豆島町においてナラ枯れか確認され、その後23年度までに4市6町に被害が拡大しています(香川県HP>「ナラ枯れ」の発生について)。小豆島の土庄町[とのしょうちょう]と対岸の岡山県玉野市までが約10㎞、四国の香川県高松市までが約3㎞です。
※小宅由似・小林剛・河合洋人・ 土手美恵・ 石塚正秀・山本高広・後藤秀章「香川県の里山林におけるナラ枯れの初期過程と枯死木の早期除去を目的とした皆伐の状況」(日本生態学会第72回全国大会ポスター発表、2025年3月)
香川県では2019年度よりナラ枯れによるブナ科樹木の集団枯死が報告され、2023年度までの被害材積は4500㎥にのぼる。ナラ枯れで集団枯死するブナ科樹木には林冠構成木が含まれるため、森林景観を大きく変化させうる。また、大きな落枝も生じるため、林床環境の変化が見込まれるほか、公園など付近で人の利用がある林分で被害が発生した場合は枯死木の早期の除去が求められる。このためナラ枯れの被害拡大の特徴や集団枯死発生後の植生の変遷を追跡する必要があるが、蓄積されている知見の多くが草食動物による林床植生の被食圧が高い状況下のもので、ナラ枯れそのものが森林景観や植生遷移に与える影響の評価は進んでいない。……
日本森林学会の『森林科学』103号(2025年2月)に小宅由衣[おやけゆい]さんの「ナラ枯れで森がうごく -香川県で拡大するナラ枯れ- 」(シリーズ うごく森45)が掲載されています。最新号なので現在はJ-STAGEからは無料では見られません。うごく森は『森林科学』47巻(2006年)から連載されているシリーズで、森がうごくとはどのようなことなのか興味もあって購入しました。
小宅由衣「ナラ枯れで森がうごく -香川県で拡大するナラ枯れ- 」
・「ナラ枯れ」とはなにか?
・「ナラ枯れ」には黒幕と立役者がいる
黒幕:ナラ菌 立役者:カシナガ
・カシナガの特徴
・カシナガの穿入に遭いやすい木、ナラ枯れで枯死しやすい樹種
・香川県におけるナラ枯れの状況
・ナラ枯れが生じやすい林分では何が起きる?林冠構成種の枯死、倒木により林冠にギャップが生まれる
→森林の更新(ギャップ更新)
林業被害、安全に関する被害、土砂災害のリスク
獣害によるギャップ更新遅延
・まとめ
ナラ枯れは、それ単体では自然現象の範囲といえるものですが、被害を受ける樹種が人の暮らしに身近なブナ科の樹木であることから、社会に与える影響が大きいことが課題であると考えられるようになってきました。
一方で、ナラ枯れにより森林は様変わりし、人間社会も影響を受けます。これらの影響の大きさや期間の長さは、どれほどがカシナガとナラ菌によるもので、どれほどが他の要因によるものなのかは、まだ切り分けができていません。
どの程度、ナラ枯れに対策を取るべきなのかなど、今後の研究によって判明していく部分も多い。まだまだ研究途上の分野です。
※高橋誠・久保田正裕「新シリーズ「うごく森」をはじめるにあたって」(『森林科学』47巻64頁)
……木も自分自身の個体としての生存、あるいは種としての存続を確保するための様々な努力をしています。その中には、先に述べたような実生の消長や開花、結実のように、人間の五感で容易に認識できるプロセスもあれば、人間の五感ではなかなかそれと実感できない空閤スール・時間スケールで進むプロセスもあります。樹木の個体としての生存、種としての存続を確保するためのプロセスとして、地史的な時閤スケールでの分布域の変遷や天然更新の際の花粉や種子による散布、昆虫や鳥類、動物との相互作用、菌類などとの共生、乾燥や高塩濃度といった劣悪な環境への適応、環境条件に応じて表現型を変化させる可塑性、個体の寿命や繁殖能力に関わるような遺伝子の働きやその挙動など、多様な側面を挙げることができるでしょう。ここでは、それらを樹木あるいはその集合体としての森林(もり)の「動的」な側面と形容したいと思います。
新シリーズ「うごく森」では毎号異なった専門的な視点で森林と向き合っている研究者の方々に原稿をお願いし、樹木や森林の「動的」な側面をさまざまな角度から紹介していきたいと考えています。このシリーズを通して、読者の皆さんが森林への理解をより深めていただければ、このシリーズを企画した編集委員として幸甚です。……


伊藤昌明・佐藤重穂・梶村恒「高知県鷹取山植物群落保護林においてエタノールで誘引された養菌性キクイムシ類」(『森林総合研究所研究報告』6巻4号 (No.405)、2007年12月)のキクイムシ科11種のリストにはカシノナガキクイムシは記載されていない。
森林資源に恵まれた高知県梼原町(ゆすはらちょう)では、地元住人と自治体が一体となり、循環型社会の実現を目指している。
標高1455メートル、雄大な四国カルスト高原に位置する高知県梼原町は周囲を森林に囲まれた人口約3300人の町である。カルストとは、雨による浸食などによって石灰岩が地表に現れている地形のことで、標高の高い四国カルスト高原にある梼原町はそのイメージを「雲の上の町」と表現している。町には、「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」の主会場である新国立競技場の設計などで知られる建築家・隈研吾さんの設計による施設*が六つある。それらは、町の緑豊かな森林と美しく調和している。“自己主張するのではなく、周囲の環境に溶け込むような建物を建てる”という隈さんの有名なコンセプト「負ける建築」は、梼原町の一連の建築の原点となっている。……
1950年から70年の日本の高度経済成長期の住宅需要が落ち着くと、次第に日本の林業は衰退し始めることとなった。町面積の91パーセントを森林が占める梼原町も例外ではなかった。梼原町は森林資源の活用と保全に関して見直しのため協議を重ね、2000年に「森林づくり基本条例」を策定、森林の有する機能の高度発揮と林業の持続的な発展を基本理念とし、森や水の資源を守り、人と自然の共生を高めるための森林再生に多角的に取り組んできた。その年の10月には、全国に先駆けて梼原町森林組合が「FSC認証」(適切に管理された森林を評価する国際制度)を取得するなど、適切な森林管理による持続可能な林業経営に取り組んでいる。……
町は、山間の地形を生かした風力発電、小規模水力発電を町営で行い、その売電益を基金として、町の森林管理事業に給付金を交付している。さらに、間伐材や未利用となる端材は圧力を加えて固形燃料(木質ペレット)に加工し、民間施設のボイラーや公共施設の冷暖房機器の燃料として活用されている。
梼原町は、2050年には温室効果ガス排出量70パーセント削減、吸収量の4.3倍増(1990年比)、地域資源利用によるエネルギー自給率100パーセント超を目標に掲げ、木質バイオマスのエネルギー利用など先進的な取組を行ってきている。地域の資源を循環させるこの仕組みは国からも高く評価され、2009年には政府が選定する「環境モデル都市」に選定された。
喫緊の課題は、林業技術の後継者の育成だ。梼原町は林業に携わる若者の交流の場を設け、林業技術の習得を図る場づくりの他、町外から技術を学ぶ移住者を募り、現在、2名を受け入れている。地元の人材の活用にも力を入れており、ガイドによる現代人を癒す森林浴体験プログラム「森林セラピーロード」の整備を始め、郷土料理でのおもてなしや、民泊などにも取り組んでいる。……
※『雲の上の町 ゆすはら』(檮原町HP)から森林セラピーの取り組み、セラピーロードパンフレット1、同2、モデル住宅によるLCCM住宅の普及、森林資源の循環利用など。




広報ゆすはら805 広報ゆすはら804 広報ゆすはら803 広報ゆすはら802




広報ゆすはら792 広報ゆすはら783 広報ゆすはら774 広報ゆすはら756
・南アルプス概論 長野県版(南アルプス世界自然遺産登録長野県連絡協議会・南アルプス世界自然遺産登録長野県連絡協議会学術調査検討委員会、2012年2月)













































































































































































































