ナガバジャノヒゲは、分類学上ジャノヒゲの変種として位置づけられています。ジャノヒゲは、ナガバジャノヒゲに比べると葉が明らかに短く、地下茎で横に広がっていく傾向があります。一方のナガバジャノヒゲは、地下茎をあまり出さずに、同じ場所にこんもりとした茂みをつくり続ける傾向があります。ただ、若い株だと、ジャノヒゲとの区別が難しいこともあります。(野田市『草花図鑑』)
ヒメリュウキンカが金沢市内で黄色い花を咲かせ、春の訪れを感じさせている。見た目は小ぶりでかわいらしいが、実は外来種。日本固有の種への影響はないのか心配する声が、「Your Scoop〜みんなの取材班(ユースク)」に寄せられた。専門家に聞いてみた。(鈴木里奈)ヒメリュウキンカは欧州原産。日本で特定外来生物などには指定されていない。県立自然史資料館(同市)の学芸員、中野真理子博士によると、日本の固有種を駆逐している事実は確認されていない。一九五〇年代ごろに園芸用として国内に入り、金沢市内でも一時、流行したという。葉の形が似たリュウキンカから名前が取られたが、属は異なる。英語名のセランダインとも呼ばれる。種子繁殖はせず、湿潤な場所を好み、水流や土に付いて移動。動物の移動や工事の実施などにより、人の生活圏で分布を広げている。市内ではここ五、六年ほど増加しているといい、金沢城公園や卯辰山公園といった観光地でも見られる。中野さんは「今のところ、悪さをするようには思えない」と話す一方、「どんな外来種でも、何がどうつながるか分からない。悪い影響を与えていないか気に掛けないといけない」と警鐘を鳴らす。
不安の芽摘みたい 外来種の黄色い花「ヒメリュウキンカ」を駆除する動きが、金沢市内各地で広がっている。その繁殖力の強さから、不安がる人が多いためだ。本紙が「Your Scoop〜みんなの取材班(ユースク)」に寄せられた投稿を基に分布拡大の現状を報じた後、市外での目撃情報や、除草に苦労しているという声も多数寄せられた。(鈴木里奈)四月中旬の日曜昼ごろ。金沢城公園の二の丸広場(金沢市丸の内)近くで五、六人の作業員が草むらにしゃがみこみ、ヒメリュウキンカを駆除していた。「むしっただけでは、また生えてくるから」と、スコップで花を一株ずつ丁寧に根元から掘り取った。園内で繁殖が広がっているため、金沢城・兼六園管理事務所が駆除を決めたという。ヒメリュウキンカは欧州原産の花で、湿潤な土地を好み、繁殖力が強いのが特徴。園芸用品種として国内に入り、市内でも増えていった。鈴木大拙館(同市本多町)横の散策路でも、同館の賛助会員が昨年から駆除をしている。除草後は、在来種のショウジョウバカマ、カタクリなどが再び姿を見せたという。県立自然史資料館(同市銚子町)によると、ヒメリュウキンカは土の中にある球芽(きゅうが)で繁殖するため、駆除するには土壌を全て取り除く必要があるという。環境省外来生物対策室の担当者は「ヒメリュウキンカは生態系への影響が確認されておらず、行政としてできることはない」と説明。「気になる場合は個人で対策し、防ぐしかない」と話している。
※生薬の花 ニワトコ(日本薬学会HP)
あの有名な[ハリーポッターの]物語や映画に魔法使いの杖として登場していたのがニワトコという植物です。ニワトコは山野に見られる落葉の低木です。葉は対生で、羽状の複葉は長さ15~30cmになり、花は新芽が出る春に開き、赤い果実を付けます。若葉は食用または民間薬として用いられます。生薬として利用される薬用部位は3箇所あり、茎はセッコツボク(接骨木)、葉はセッコツボクヨウ(接骨木葉)、花はセッコツボクカ(接骨木花)と、それぞれ呼びます。茎と葉は7~8月に取り、花は開花直前に採取し陰干しにして使用します。セッコツボクは粉末にしてオウバクと混ぜ、水を加えて練った物をガーゼに塗り、打撲傷やうち身に用いられます。セッコツボクヨウとセッコツボクカは煎じて服用することで利尿を目的に使われています。
●ニワトコは古くから人の生活と関わりをもってきました。果実で酒を造る、小正月の飾り付けに使う、湿布薬として使うなど、また、魔除けとしても用いられていたそうです。変わったところでは、ニワトコを切って枯らし、そこに生えるキクラゲを収穫するというのもあります。
●ニワトコは日本と朝鮮半島に分布する植物ですが、その近縁種は世界のいたるところに生育しています。 ヨーロッパに生育するセイヨウニワトコはドイツやオーストリアでは、とてもポピュラーな植物で、 庭先などによく植えられています。
ドイツ語でホルンダー(Holunder)と呼ぶのですが、花や実からシロップを作り、 風邪の時や飲み過ぎの後に飲んだり、単に水やソーダで薄めて清涼飲料水として飲んだりします。 今日でもホルンダーブリューテンシロップといって家庭で作りますし、瓶詰めの製品も売られています。
香りが素敵なこのシロップは日本のニワトコの花でも作ることができます。ニワトコの花に、レモン汁を加え煮沸した砂糖液をかけて1~2日間おき、ろ液を煮沸すればできあがり。30分もかかりません。