2023年07月
市民の森保全クラブ定例活動日(第4日曜日)。参加者は芦田さん、新井さん、江原さん、金子さん、木谷さん、木庭さん、鳥取さん、新倉さん、細川さん、丸山さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの13名。
皆伐・更新エリアの篠刈・除伐
南向きエリア斜面林床の笹苅り
作業道草刈り
尾根の道上り口のテーブル回りの除草




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元宿一丁目の稲荷林公園のナラ枯れ
高坂駅西口土地区画整理事業竣功記念碑(1991年2月)
施行面積:38.9ヘクタール
事業施行年度:1981年~1993年
町名変更:1990年12月、元宿一丁目・元宿二丁目誕生
作業道に通行注意のカラーコーンを置いている場所の斜面の草刈りをまちづくり公社さんがしてれました。ここは作業道の崩落を防止するために、土嚢、矢板、蛇籠(ガビオン)など、適切な資材を選択した土留め工が必要だと思います。
植物調査枠の付近はクサギ(シソ科)
③チッパー作業
公社2名と会員4名で行いました(①伐採したかかり木の片付け、②トラップの保守・点検は⇒「定例活動日① 7月14日」)。前回は作業道でチップを作りました。今日はチッパーをC地区に置き、尾根の道入口付近に積んでいた伐採木の梢・小枝類を軽トラで運んでおこないました。
尾根の道入口付近。作業後、運び残したものがあるのに気がつきました。
ナラ枯れ枯死木を割材して薪にすると、材中にいるカシノナガキクイムシの幼虫を確実に駆除できることがわかっています(※1)。そこで今年から、市民の森では伐採したコナラ枯死木を岩殿C地区に搬出して更に小割にして薪にする割材作業を始めました。今日は薪に加工した時にでた端材、剥がれた樹皮と軽トラで尾根の道入口付近から運んできた枝条・梢部を合わせてチップにしてみました。一般に樹皮は腐敗しにくいと言われていますが(※2)、前回までのチップと比べて有意な差があるのか確かめながら、どういう使い方がよいか見つけたいと思っています。
※1:岐阜県森林研究所『被害木を薪にしてナラ枯れを防ぐ』2013.03
被害木を薪にしてナラ枯れを防除する(『ぎふ森林研究情報』№81)
④岩殿C地区の除草
ナラ枯れで枯死したコナラを薪にするアップサイクル(UP CYCLE)事業
市民の森保全クラブは市民の森で伐倒し玉切りしたナラ枯れ枯死木で現場から運びだせるものは岩殿C地区に軽トラで搬出します。岩殿満喫クラブはC地区でそれらを斧や薪割り機で割材し、棚に積んで含水率20%まで乾かし薪に加工して、カシノナガキクイムシ幼虫を駆除します。伐採~搬出は市民の森保全クラブの仕事、割材~乾燥~薪化は岩殿満喫クラブの仕事として行います。
アップサイクル(up-cycle)とは、廃棄予定であったものに手を加え、価値をつけて新しい製品へと生まれ変わらせる手法です。
別名「クリエイティブ・リユース(創造的再利用)」とも呼ばれています。ナラ枯れ枯死木を薪にして活用することは、森林バイオマスのアップサイクルです。岩殿満喫クラブはこの仕事を今後、アップサイクル事業(略称・アプサ事業)としてすすめていきます。
※ウワミズザクラ(バラ科)
市民の森保全クラブ定例活動日。参加者は芦田さん、新井さん、江原さん、金子さん、木庭さん、小松さん、鳥取さん、細川さん、丸山さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineと文化まちづくり公社2名の14名。
①伐採したかかり木の片付け
江原さんが早朝、6月30日に伐採したかかり木を作業道で玉切りして地区に運びました。
②トラップの保守・点検
トラップの点検・カシノナガキクイムシの回収。8名が4斑に分かれて行いました。
メイカコートを塗布したナラ枯れ枯死木切り株としなかった切り株の比較
伐採したナラ枯れ枯死木の切り株にカシノナガキクイムシの新成虫脱出を防ぐために樹木保護用コーティング剤メイカコートを塗った切り株からはカシノナガキクイムシは脱出していません。
カシノナガキクイムシはコナラ根際部への穿入密度が高いので、枯死木伐採時に切り株を低くできるほど新成虫の脱出数を減らせる。伐倒高が高ければ、再度切り下げましょう!
※江崎功二郎・加藤賢隆・鎌田直人「樹幹表面におけるカシノナガキクイムシの初期穿入分布」(『日本森林学会誌』91巻3号、2009年6月)208-211頁
※石川県の防除戦略と樹冠散布法(2022年3月7日記事)
※山梨県ナラ枯れ被害材の利用・移動等に関するガイドライン
尾根の道付近の林床
オオゾウムシとオオナガコメツキ
オオゾウムシ(オサゾウムシ科)
オオナガコメツキ(コメツキムシ科)
7月最初の活動日。参加者は芦田さん、新井さん、江原さん、片桐さん、木谷さん、木庭さん、鳥取さん、新倉さん、細川さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの12名。今日も分かれて作業をしたので写真がないものがあります。刈払機で管理エリアの下草刈り、作業道沿いのクズ退治、更新・皆伐エリアの篠刈り・除伐、作業道に落下する危険がある株立ちしていたコナラの残りの1本の伐採、前回30日の続きです。江原さんがC地区の土橋の手直しをしました。
今日は鎌や手鋸を使ってていねいに作業しました。
クズの根切り:クズは樹木やススキなどを覆い尽くすほど繁茂するので制御する必要がある。地際でつるを切除してもすぐに再生してくるし、根を抜き取ることも困難だが、刈り込み鋏等を用いて地表下約5㎝で主根を切断すれば再生してくることはない(『生物多様性緑化ハンドブック』296頁)。
コナラ、アカマツ、イヌザンショウの実生、アズマネザサの間に埋もれていたヤマツツジ、花をつけているオカトラノオ、名前はわかりませんが気になるものは残しました。
2本に株立ちしたコナラの片割れを伐採しました。鳥取さん、高所での作業お疲れさまでした。
※クズの根切り 亀山章監修、小林達明・倉本宣編『生物多様性緑化ハンドブック~豊かな環境を保全・創出するための計画と技術~』(地人書館、2006年)の第16章 自然復元のための整備と管理 -千葉県立中央博物館生態園の事例-(大野啓一)295~296頁
除草……徹底して制御する必要があるのはクズである。在来種で秋の七草にも数えられるつる性の木本であるが、だからといって放置すべきではない。共存を図ろうなどというのは甘い考えである。当初はクズを放置した生態園では現在、その制御に悩まされている。
半日陰の樹林地ならば、年1~2回、木に絡み付いたつるを地際から切除する程度で、本種の制御が可能である。樹冠の発達で林床が暗くなれば、クズは自然に消滅するか、おとなしくなるからである。
しかし、林縁は草地では早めに根絶を図るべきである。この際、注意すべきなのは、単なる刈り取り管理ではかえってクズの繁茂を促進することである。生態園のススキ草地では、3年前まで草刈り機による刈り取りによってクズの繁茂を抑えようとした。しかし、刈り取り後、再生してくるつるの数は増え、その成長速度は他の植物に比べて圧倒的に速い。しかもオープンになった地表をつるが長く匍匐するため、節から発根して新たな成長拠点を増やしてしまった。結果的には、クズの株が無数に増える一方、すすきの株は半数ほど失われたり、隣接した林縁部の樹木の樹冠がクズに覆われるなどの事態となった。クズは地際で茎を刈ったり、ちぎったりしても、すぐに再生してくる。実験的に、出てきた再生枝の除去を約1カ月に1回行ってみたが、日向では年内は再生し続けた。クズを除去するには、地表から約5㎝ほど掘り下げた位置で根を切断することが必要である。主根上部を取り除けば再生しないことは実験的に確認した。根の掘り取り、抜き取りは困難なので、現在は刈り込み鋏等を用いてこの方法でクズの密度を減らすことを図っている。(295~296頁)
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