岩殿満喫クラブ 岩殿 Day by Day

市民の森保全クラブ Think Holistically, Conduct Eco-friendly Actions Locally

2023年02月

ラビットアイ系の溝掘り 2月28日

ラビットアイ系ブルーベリーに施肥用の溝掘りをしました。
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児沢の物置下屋の片づけ 2月28日

2019年2月に児沢家の物置に増設した下屋[げや]に置いていた薪・稲ワラ、稲架棒などを片づけました。
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見晴らし台からの眺め確保 2月27日

市民の森の見晴らし台から北方、榛名山~日光連山方面の眺めを確保するために、見通しをさえぎるツツジを切り下げ、ススキの刈払いをしました(左は2月4日、右は切り下げ後に撮影)。前回は22年2月24日に実施しています。
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青いキャップの白い塔は東松山市の可燃物を処理するクリーンセンター(神戸2272[ごうど])。その右(東側)の奥の山が子持山(1296.4m)。その奥の白銀の連なりが谷川連峰、谷川岳(1977m)。その右手前が赤城連山(主峰:黒檜山[くろびさん]1828m)の鍋割山(1332m)。


※堀繁監修・由田幸雄著『森林景観づくり ~その考え方と実践~』(日本林業調査会、2017年)
森林景観づくり
※「森林景観づくり」についてのブログ記事

コナラ枯死木(№934、1014)伐採 2月26日

第4日曜日の市民の森保全クラブ活動日。参加者は芦田さん、新井さん、江原さん、太田さん、片桐さん、金子さん、木谷さん、木庭さん、小松さん、鳥取さん、新倉さん、細川さん、丸山さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの16名でした。舗装園路沿いのナラ枯れ枯死木№934と№1014を伐採しました。
ナラ枯れ枯死木(№934)伐採
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ナラ枯れ枯死木(№1014)伐採
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宿谷・三澤・前「冬に備える家づくり」(2014-5) 2月25日

日経アーキテクチャに2014年10月から15年1月に6回連載された「冬に備える家づくり」。「家は夏を旨とすべし」。吉田兼好の「徒然草」から引用されたこの言葉が、日本の家づくりに大いなる誤解を招いているとして、「冬を旨とした家づくり」のために知っておきたいポイントを宿谷昌則さん、三澤康彦・三澤文子さん(『立てる前に読む 家づくりの基礎知識』日経BP社、2014年9月の第1章、第2章)、前真之さん(『エコハウスのウソ』日経BP社、2012年6月)が解説しています。
 家づくりの基礎知識

第1回 宿谷昌則「暖房の前にまず「断熱」 失敗しない家づくりの常識」(『日経アーキテクチュア』2014年10月16日)
「断熱」の基礎知識
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第2回 宿谷昌則「意外に知らない「遮熱」と「断熱」の違い」(『日経アーキテクチュア』2014年10月22日)
遮熱と断熱の違い
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第3回 三澤康彦・三澤文子「本当に怖い「内部結露」 断熱材取り付け誤ると命取り」(『日経アーキテクチャ』2014年10月30日)
冬場の快適性を高めるためには、まず断熱性を高めることが重要。断熱材の取り付け方を誤ると、「内部結露」という家の寿命を縮めかねない危険な状況に陥る。
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第4回 前真之「エコハウスのウソ 実は少ない冷房の電力消費」(『日経アーキテクチュア』2014年11月11日)

「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比[ころ]わろき住居[すまい]は、堪へ難き事なり。」 よく知られた『徒然草』の一節。この「夏を旨とすべし」はエコハウス設計に「害」をもたらしている。通風だけで夏を過ごそうと、大開口による「開けっぴろげ」で、間仕切りなし+吹き抜けの「開放的」な住宅が量産されている。

 ■通風や扇風機だけでは限界
 ■冬への備えは不可欠
 ■視覚イメージと実際のズレ
 ■給湯・照明・家電はなぜ多い
  4-6

第5回 前真之「おしゃれな「吹き抜け空間」は省エネの敵」(『日経アーキテクチュア』2014年11月20日 )
大きな吹き抜け空間があっても、そこにイメージどおりに風の流れを作るのは簡単ではない。冬の暖房が難しい。
 ■エアコンもファンヒーターもジレンマに直面
 ■無人の空間を暖房するハメに
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第6回 前真之「エアコン「暖房に不向き」はウソ 正しく使い最強の省エネ」(『日経アーキテクチュア』2015年1月4日)
エアコンが暖房に向かないと思っている人は少なくない。「省エネ」のためにエアコンよりも電気ヒーターや電気カーペットを使っているとしたら、それは明らかに判断を誤っている。
 ■エアコンの心臓「ヒートポンプ」
 ■「風量控えめ」は省エネにあらず
 ■小型2台で柔軟な運転
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チェンソー講習会 2月24日

LINEの「市民の森グループ」に呼びかけてチェンソー講習会を渡部さん講師で実施しました。講習参加者は金子さん、木谷さん、木庭さん、斉藤さん、新倉さん、細川さん、丸山さんの7名です。渡部さんありがとうございました。
里山保全作業入門。作業に入る前に(服装、道具、作業前のウォーミングアップ)。作業上の注意(鉈・鋸の使い方、上下作業・近接作業の禁止、伐倒前準備、伐倒方法)。伐倒、造材。
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鋸で受け口を作ってみる。
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チェンソーの始動・ブレーキ・持ち方
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実技の後半は2斑に分かれて練習しました。
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こちらは回し切り[コの字切り]まで。
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ワラビ園のカワヅザクラが咲いていました。
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今回実施した内容は、操作トレーニング第1回~4回
1 チェンソーを持つ姿勢
   チェンソーの持ち方
    前ハンドルの動かし方
    後ハンドルのトリガー操作
   チェンソーを持つ姿勢

2 チェンソーの始動とブレーキ
   チェンソーの始動
    股下挟み
    地面置き
   チェンソーのブレーキ

3 切断方向と作用する力
   チェンソーでの切断方向
    水平方向の確認・操作
    鉛直方向の確認・操作
    斜め方向の確認・操作
   チェンソー切断時に作用する力

4 切断トレーニング
   ガイドバーの下側で切る
   ガイドバーの上側で切る
   スパイクを使った回し切り
   上下で切り合わせる[会わせ切り・コンビカット]
    下からの上
    上からの下
   上下で回しながら切る[コの字切り]
    上から切って半分切ってからの下
    下から切って半分切ってからの上
   斜め切り
    45度切りから鉛直合わせ
    逆45度切りから鉛直合わせ
    両側45度合わせ『V字カット』
※岩谷美苗「木の基礎知識」(『NPO法人樹木生態研究会』HP)
シカの角[枝角]が、毎年生え変わる不思議アマナとひらく「自然・科学」のトビラ「NATURE&SCIENCE」2020年2月21日記事)

土水路の改修 2月23日

20日の作業の続き。U字溝と土管を掘り出して、無名沼ロ号まで水路をつなぎました。
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落ち葉かき・腐葉土の袋詰め 2月22日

殿山共同農場の皆さんと市民の森作業道の斜面で落葉掃きをしました。斜面に設置している2基の堆肥枠にある腐葉土は土のう袋に詰め、落葉を踏み込んで入れ替えました。
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このエリアでは市民の森保全クラブと岩殿満喫クラブ共催で落葉掃き&焼き芋イベントを実施してきましたが、22年度は新型コロナ蔓延防止のため中止しました。昨年度のイベントの様子は「落ち葉掃き&焼き芋イベント(2021.12.26)」、「落ち葉掃き&焼き芋イベント(2022.01.08)でご覧ください。

前真之「エコハウスのウソ」(2011年) 2月21日

前真之さんが建築総合誌『日経アーキテクチュア』(日経BP社)に2011年に連載した「エコハウスのウソ」を読みました。全16回の連載終了後、テーマ数を28に増やし、書き直された書籍が『エコハウスのウソ』(日経BP社、2012年6月発行)です。連載第1回が書籍のQ4に当たります。書籍の目次は2月14日記事にあります。

前真之「エコハウスのウソ」(2011年)
第1回 住まいは夏を旨とすべし?
(『日経アーキテクチュア』2011年5月10日号)
 夏は湿度と風でしのげる
 「エコハウス」の真実
 「良さげ」でなく「良い」家を
 2011-1

第2回 冷房のエネルギーが一番?
(『日経アーキテクチュア』2011年5月25日号)
 エネルギーを使っているのは
 給湯、照明、家電はなぜ多い
 誤解の原因は前月との比較

第3回 「パッシブ」で暖房は解決?
(『日経アーキテクチュア』2011年6月10日号)
 大窓の“エコハウス
 原理は簡単だが

第4回 空気は働き者?
(『日経アーキテクチュア』2011年6月25日号)
 空気は熱を「運ばない」
 空気は「届かない」

第5回 「気密」は息がつまる?
(『日経アーキテクチュア』2011年7月10日号)
 問題1:暖房するほど寒くなる
 問題2:断熱が効かない
 問題3:換気ができない
 やはり気密は不自然?
 2011-5

第6回 吹き抜けは最高?
(『日経アーキテクチュア』2011年7月25日号)
 温風が床に届かない
 無人の空間を暖房するハメに

第7回 もっと光を?
(『日経アーキテクチュア』2011年8月10日号)
 「もれなくオマケ」の日射熱
 足元に忍び寄る冷気

第8回 通風はクール?
(『日経アーキテクチュア』2011年8月25日号)
 クールな空気を探せ
 まず間隔、次に平面計画
 「過度な期待」をクールダウン

第9回 隠せばハッピー?
(『日経アーキテクチュア』2011年9月10日号)
 エアコンは隠すな
 「床暖房ラブ」の真実
 好都合な電気ヒーターは「×」
 設計が設備を飲み込むために
 2011-9

★10回~12回は太陽光と太陽熱の比較
第10回 ソーラーは太陽光発電だけ?
(『日経アーキテクチュア』2011年9月25日号)
 エコハウスのお約束
 太陽光発電は必要か
 電気は「りんごジュース」
 太陽光の圧勝か
 2011-10

第11回 エネルギーは創り出せる?
(『日経アーキテクチュア』2011年10月10日号)
 エネルギーを「創り出す」?
 化石エネルギー中毒
 太陽がない時に必要
 2011-11

第12回 屋根に太陽光発電を載せるべき?
(『日経アーキテクチュア』2011年10月25日号)
 自立といってもパラサイト
 ライバルは「田んぼ」
 太陽熱に必然あり
 2011-12

第13回 省エネよりもゼロエネ?
(『日経アーキテクチュア』2011年11月10日号)
 省エネは時代とともに変化
 ゼロエネの行き着く先は?
 2011-13

第14回 CO2は減らすべき?
(『日経アーキテクチュア』2011年11月25日号)
 CO2は計算できる?
 カネの切れ目で排出権も
 まずは「省コスト」から

第15回 オール電化はオールエコ?
(『日経アーキテクチュア』2011年12月10日号)
 ヒートポンプも使い方次第
 安けりゃいいじゃん?
 結局、原子力をどうするのか
 2011-15

第16回 結局、エコハウスは必要?
(『日経アーキテクチュア』2011年12月25日号)
 エコは「様式」にあらず
 まともな「暮らし」してますか
 エコハウスは何のため?
 2011-16

※FIX窓[フィクス窓]=開閉ができない「はめ殺し窓」

土水路の改修 2月20日

1月18日に掘り直した岩殿C地区の上の田んぼの作業道側の土水路を掘り下げ、無名沼ロ号に排水できるようにする作業を始めました。
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市民の森作業道からC地区の下の田んぼに下りてくるところはU字溝が入っていますが、一度取りはずして高さを調節し、無名沼ロ号に導水できるようにします。
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テーブル仕上げ 2月19日

南向斜面休憩所のテーブル追加作業。上面を削って仕上げをしました。
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ブルーベリー移植 2月18日

青木ノ入の果樹園にブルーベリーを移植し、ピートモスなどを追加しました。
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コナラ枯死木(№1025~27、1033)伐採 2月17日

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参加者は芦田さん、新井さん、江原さん、片桐さん、金子さん、木谷さん、木庭さん、小松さん、新倉さん、細川さん、丸山さん、渡部さん、Hikizeの13名です。
コナラ枯死木(№1033)
左側の細い方を伐採しました。右側は次回。
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コナラ枯死木(№1025、1026、1027)
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№1025(左)、27(奥の細い木)、26(右)

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橋板交換 2月16日

岩殿G地区とH地区をつなぐ木橋の橋板を交換しました。
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ハイブッシュ系にピートモス、肥料を入れる 2月15日

ちご沢ブルーベリー園のハイブッシュ系のブルーベリーにピートモスと肥料をやりました。奥の方の土はまだ凍っています。
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前真之『エコハウスのウソ』(2012年)② 2月14日


第4章 暖房
断熱・気密をしっかりとったとしても、なかなか「無暖房」は難しい。寒い冬を過ごすには、暖房の助けが不可欠である。ところが日本では暖房の「模範解答」が見つかっていない。快適で省エネな暖房はどうあるべきか、そもそも暖房とは何なのか、考えてみよう。
Q14 暖房で体を暖めよう?
  A.体を加熱するには「採暖」。暖房は空気や壁を温めて体の放熱を穏やかにするのが目的。
  熱の伝わり方は3通り[伝導・対流・放射]
  暖房は人体を加熱するにあらず
  片側だけの「採暖」は危険
  究極の快適暖房は「コメの空間」

Q15 空気は働き者?
  A.空気は「対流」で熱を伝える主役。決して優秀な働き者ではないが、おかげで我々は快適に過ごせる。
  対流はボールの流れ、ボールの性能で伝熱力が決まる
  空気は「当たりが弱い」
  空気は「パスがヘタ」「コントロールも難」
  空気が働き者だったら困ります

Q16 エアコンは暖房に向かない?
  A.使い方を間違えなければ、エアコンは究極の暖房器具。風量「控えめ」は逆効果。
  エアコンの心臓「ヒートポンプ」
 16-128
  ヒートポンプは「熱のブローカー」
 16-130
  効率試験のための「隠しコマンド」も
  効率命1「爆風モード」の教訓とは?
  エアコンは大1うより小2つ

Q17 隠せばハッピー?
  A.エアコンを隠すと性能が大幅に低下する。床暖やヒーターなど「隠しやすい設備」にもご用心
  エアコンは隠すべからず
  「床暖房ラブ」のホンネ
  寡黙な電気ヒーターは「ご法度」
  全ての細部が必然

Q18 放射は暖房の救世主?
  A.放射は手強い。対流とのバランスを忘れずに。
  放射は一本やり
  暖炉の前のソファの秘密
  放射の正体は「電磁波」
  「究極の冷暖房」は6面冷温水パネル
  四方八方に目配りせよ

Q19 薪ストーブは原始的?
  A.薪ストーブはハイテク。ポイントは「置き場所」と「煙突」。素人判断は危険。
 19-149
  薪かペレットか、それが問題だ
  薪のご用意は計画的に
  薪ストーブはポジショニング命
  煙突を侮るべからず
  薪ストーブはハイテク、やるならトコトン

第5章 太陽エネルギー
「太陽光発電載せずんば家にあらず」の今日この頃。確かに発電できるのは魅力だが、それだけでいいのだろうか。そういえば太陽熱利用って最近耳にしないけど、やっぱりダメなのか。太陽から、電気と熱の「2大エネルギー」の特徴を考えてみよう。
Q20 ソーラー=太陽光発電
  A.エネルギーの質では電気だが、熱利用なら太陽熱温水器も。
  太陽光発電はなぜ偉いのか
  電気は「りんごジュース」
 20-164
  太陽光発電の圧勝か?

Q21 エネルギーは創り出せる?
  A.存在していたエネルギーを利用しやすい形に変換しているだけ。
  エネルギーを「創り出す」?
  化石エネルギー中毒の末路
  太陽がない時にこそエネルギーは必要
 21-170

 21-171

Q22 屋根に載せるなら太陽光発電?
  A.条件の良い場合はシッカリ載せる。悪条件なら諦めて他の自然エネルギーを。
  系統連携はパラサイト、火力発電は不可決に
  ライバルは「田んぼ」、マーケットでは過酷な競争が
 22-176
  太陽熱に必然あり

Q23 平時でも蓄電は美徳?
  A.平時には電気の出し入れのロスが発生するだけ。非常時も家庭ならば発電機の方が手軽。
  完全自立には巨大な蓄電池が必要
  完全自立にコストメリットはない
  「穴あき」のタンス預金
  電気はさっさと売り飛ばせ
  今度の計画停電では鉄道・病院は大丈夫
  非常時はカセットボンベ式の発電機でもOK
  「エコ」と「安心」は別のもの、冷静に見極めを

第6章 電力と検針値
節電が注目されるなか、「スマートハウス」や「ゼロエネ」といった様々なキーワードが飛び交っている。そういえば、ちょっと前まではCO2削減が最大の目標だった。こうした問題の多くは実際のところ、「電力」の事情がそのコアに存在する。このムツカシイ電力の問題について、いま少し考えてみよう。
Q24 HEMSは最強の節電ツール?


  A.現時点では、導入費用の元が取れるかは疑問。家庭内で最も有効な節約行動は「節湯」。
  HEMSのホントの評判は?
  HEMSはペイするのか?
  日本の検針票は世界一!
  コスト削減は節湯一番!
 24-194

Q25 省エネよりゼロエネ?
  A.省エネと創エネは将来、競合する可能性あり。住宅の基本は「省エネ」。
  省エネは時代とともに変化
  ゼロエネの行き着く先は?
 25-199
  家は器、王道は省エネ

Q26 目指せCO2削減?
  A.誰もが共有できる目標は「省コスト」。ただし現状では「歪み」も。
  CO2は燃やした燃料の種類で決まる
 26-202

 26-203
  金の切れ目で排出権も…
  昭和30年、電気は10倍高かった!
 26-207
  まずは一番ピンとくる「省コスト」から

Q27 オール電化はオールエコ?
  A.使用機器や使い方によっては「増エネ」を誘発してしまう場合も。
  ヒートポンプ給湯器「エコキュート」も使い方次第
  安けりゃいいじゃん?
  結局、原子力はどうするのか

第7章 エピローグ
これまで6つの章27のテーマにわたり、エコハウスを様々な視点から論じてきた。残念ながら「ホント」のテーマには、いまだにたどり着いていない。エコハウスとは結局何なのか、そもそも本当に必要なものなのかどうかさえ分からなくなる。本書の締めくくりとして、この最後のテーマを検証する。あなたはエコハウスが好きですか?
Q28 結局、エコハウスは必要?
  A.必要。ただし、真剣に議論して「本物」を育てなければならない。
 28-217

  エコは「様式」にあらず
  まともな「暮らし」してますか
  結局、エコハウスは何のため?

※松尾和也『エコハウス超入門~84の法則ですぐ分かる~』(新建新聞社、2020年8月)
 エコハウス超入門カバーエコハウス超入門44


前真之『エコハウスのウソ』(2012年)① 2月14日

3月19日(日曜日)に開催される環境学習会『健康・快適で電気代も安心な新しい家づくりと暮らし方~今、住宅用太陽光発電が必要な理由~の講師、前真之さんの『エコハウスのウソ~27の誤解と1つのホント』(日経BP、2012年6月)を読みました。この本は2015年12月に増補改訂版『エコハウスのウソ~40の誤解と1つのホント~(詳細な目次は当ブログ記事)、2020年8月に第2弾『エコハウスのウソ 2』(詳細な目次は当ブログ記事)が出版されています。読みやすい文章とイラスト、データも豊富で、3冊とも読んでおきたい本です。
エコハウスのウソカバー

前真之『エコハウスのウソ~27の誤解と1つのホント』目次
はじめに
 1. 実体験から得られた「真実」を率直に
 2. 特定の案件について誹謗中傷はしない
 3. 普通の人が呼んで楽しいものに?

第1章 冷房
「節電」が最大の関心事となるなかで、目の敵にされているのが「エアコン冷房」。しかし、住宅からエアコンをなくせば全ての問題が解決するのか。そもそもエアコンで冷房する個とは、そんなに「イケナイ」ことなのだろうか。

Q1 家のエアコンは節電の敵?
  A.まず頑張るべきなのはオフィス。住宅は、小さなエアコンで冷房できるように工夫すべし。
  電力ピークをもたらす主犯は?
  オフィスこそ「冷房中毒」、節電はここから
  本当に「暑い」なら、つつましくエアコン冷房を

Q2 エアコンなしで夏は過ごせる?
 2-18
  A.人間は暑さに強い動物だが、それは「汗が乾く」から。湿度の高い日本の夏に、「冷房なし」は熱中症の危険。
  人間はウマ並みに暑さに強い?
 2-20
  「日本の夏」は「アフリカの夏」より過酷
 2-21
  本当に「暑い」なら、頼りはエアコンだけ
 2-22

Q3 冷房が最大?
  A.給湯や照明、家電のエネルギーの方がはるかに多い。
  イメージと実際のズレ
  給湯、照明、家電はなぜ多い?
  誤解の原因は前月との比較、ベースの消費を見逃すな

Q4 住まいは夏を旨とすべし?
  A.夏と冬のどちらかを優先するならば「冬を旨とすべし」。
  通風オンリーは真の「夏旨」にあらず
  冬の備えは不可決
 4-32
 4-33

Q5 選ぶならハイパワーのエアコン?
  A.「能力過大」は効率に難。小さなエアコンで効率良く冷やせる工夫を。
  まずはAPF[円環エネルギー効率]の高いエアコンを選ぼう
  つつましい冷房ができるプランを
  冷房の最低限必要な電気は何W?
  太陽光発電と相性が良いエアコン冷房
  通風と冷房のバランス

第2章 夏への備え
冬が大事と言ってみても、やはり夏への備えは気になるもの。実は、夏への備えはそんなに難しくない。夏を涼しく過ごすためには、まずは侵入してくる熱を減らすのが先決。風への期待は「ほどほど」が一番。冷静な敷地分析とディテールを忘れずに。
Q6 暑さ対策は設計段階から完璧に?
  A.夏の備えは「後付け」上等。内部発熱も、日射熱も、完成後の対策で効果を発揮。
  「電子レンジの法則」熱量(J)=ワット(W)×時間
  内部発熱撲滅!「マラソン家電」をマークせよ
 6-47

  内部発熱100Wで温度は何℃上がる?
 6-49
  西窓は「小さく小さく」
  南窓は夏・冬のバランスを
  夏の備えは「後付け」上等

Q7 通風はクール?
  A.通風で涼をとることは、光条件の敷地でないと難しい。
  クールな空気を探せ
  まず隣棟間隔、次に平面計画
  「過度な期待」には秋風を

Q8 卓越風を信じよ?
  A.住宅地の風は気まぐれ。どの方向からの風も捉えられるよう、窓の工夫を。
  気象台は全知全能にあらず
  風は気まぐれ、建物1つ建てば「想定外」に
  風は風来坊、どんな向きでも乗りこなす工夫を
  風は人にぶつけよう
  「開けるのが楽しい窓」こそ通風の鍵
  「ディテール命」で風をつかまえよう

第3章 吹き抜け・大開口
設計者も建て主も夢中にさせる吹き抜け・大開口。写真写りの良い空間をつくり出すのに欠かせない夢のアイテムだが、安易な乱用は禁物。光・熱・空気のそれぞれに、やっかいなトラブルが吹き出すことになる。その真実を見ていこう。
Q9 もっと光を?
  A.むやみに窓を大きくすると明暗比が過大になり、かえって暗く感じる。
  人る員目は太陽光に最適化されている
  残念、強すぎる!
  大窓は部屋を「暗く」する
  天窓光をつかまえよう

Q10 大窓でダイレクトゲイン?
  A.太陽熱を窓から直接取り込むダイレクトゲインは、簡単そうに見えて、実はとても難しい。
  ダイレクトゲインは「攻め」の手法
  真冬でも「オーバーヒート」を警戒せよ
  RC造は理想の素材にあらず
  ガラスは透明?

Q11 吹き抜けは最高?
  A.暖房するのが非常にやっかい。温風が床に届かずムダが多い。
  温風が床に届かない
  無人の空間を暖房するはめに

Q12 次世代基準で断熱は万全?
  A.仕様やQ値[熱損失係数]だけでは省エネ性・快適性は保証されない。「ワンランク上」も検討を
  「できたらいいね」の省エネ基準
  「3つのルート」の怪
 12-95
  ルートいろいろ、ダイエットもいろいろ
  ルートCの「食材しばり」ではカロリー決まらず
  ルートBの「カロリー制限」も万能にあらず
  ルートAが無理なら「ワンランク上の仕様」に

Q13 気密は息が詰まる?
  A.気密は暖房の要。気密なしでは換気も効果半減。
  問題1:暖房するほど寒くなる
  問題2:断熱が利かない
  問題3:換気ができない
  やっぱり気密は不自然?

前真之『エコハウスのウソ[増補改訂版]』(2015年)② 2月13日

第4章 夏への備え
 冬が大事と言ってみても、やはり夏への備えは気になるもの。実は、夏への備えはそんなに難しくない。夏を涼しく過ごすためには、まずは侵入してくる熱を減らすのが先決。風や放射冷却への期待は「ほどほど」が一番。ともすると過剰になりがちな夏対策のホントを明らかにしていこう。
Q.19 通風はクール?
 通風で涼をとることは、光条件の敷地でないと難しい。
 クールな空気はどこにある?
 まず隣棟間隔をチェック、次に平面計画で両面開口を
 通風への過度の期待は「クールダウン」を

Q.20 卓越風を信じよ?
 住宅地の風は気まぐれ。どの方向からの風も捉えられるよう、窓の工夫を。
 気象台は全知全能にあらず
 風は気まぐれ、隣に建物1つで風向きは「想定外」に
 採涼の風は「人のいるところ」へ届けよう
 「開ける」のが楽しい窓」こそ通風の鍵
 「ディーテール命」で風をつかまえよう

Q.21 暑さ対策は夏専用のやり方でないとダメ?
 吹き抜けや大きな庇など、夏専用の対策はほどほどに。まずは「夏冬共通」の対策をしっかりと施すべき。
 夏専用の「通風偏重」がもたらす悲劇
 家の中に潜む内部発熱をリストラせよ!
 西・東の日射遮蔽は徹底、南はどうする?
 日射遮蔽は「後付け上等」でお気楽に
 屋根は防衛ラインを積み重ねて対処せよ
 解放的なプランを可能にしてくれる「断熱・気密」
 
Q.22 夜間放射で夏の夜もヒンヤリ?
 「放射冷却」は乾燥地帯で有効。雲が多く、湿度が高い日本では過度の期待は禁物。
 サーモカメラで空を見てみると……
 夜間放射の強さは湿度と雲の量で決まる
 高温多湿の日本では夜間放射は効かない
 放射冷却は両刃の剣、冬の冷え込みの原因にも
 日本では夏のメリットより冬のデメリットに注意

第5章 吹き抜け・大開口
 吹き抜け・大開口は、設計者も建て主も夢中にさせる「空間の魔術師」。見栄えの良い夢のアイテムだが、乱用すれば、光・熱・空気それぞれに、やっかいなリスクを抱え込むことになる。見かけの良さに隠された「不都合な真実」を見ていくことにしよう。
Q.23 吹き抜けは最高?
 暖房するのが非常にやっかい。温風が床に届かずムダが多い。
 温風は軽い。下に向いても床にはなかなか届かない
 吹き抜けがあると無人の空間を暖房するハメに

Q.24 気密は息が詰まる?
 気密は快適・省エネ暖房の要。気密なしでは機械換気も効果が半減する。
 問題1:低気密では暖房するほど寒くなる。
 問題2:低気密では断熱が利かない
 問題3:低気密では機械換気が機能しない
 それでも気密はやっぱり不自然?

Q.25 もっと光を?
 むやみに窓を大きくすると直射光で明暗比が過大になり、かえって暗く感じてしまう。
 人間の目は太陽光に最適化されている
 太陽の直射光は照明に強すぎる!
 太陽からの直射光は部屋を「暗く」する
 空に開いて天空光をつかまえよう

Q.26 大窓でダイレクトゲイン?
 太陽熱を窓から直接取り込むダイレクトゲインは、簡単そうに見えて、実はとても難しい。
 真冬でも「オーバーヒート」を警戒せよ
 ガラスは透明に見えても透明にあらず?
 RC造[Reinforced Concrete 鉄筋コンクリート造]は理想の素材にあらず。木造の熱量アップが課題

第6章 暖房
 断熱・気密をしっかりとったとしても、なかなか「無暖房」は難しい。寒い冬を過ごすには、暖房の助けが不可欠である。ところが日本では暖房の「模範解答」がいまだ見つかっていない。快適で省エネな暖房はどうあるべきか、そもそも暖房とは何なのか。分かっているようで分かっていないこの問題を、いま一度考えてみよう。
Q.27 暖房で体を温めよう?
 体を加熱するのは「採暖」。暖房は空気や壁を温めて体の放熱を穏やかにするのが目的。
 暖房は人体を加熱するにあらず
 27-263
 片側だけ加熱の「採暖」は不快で危険
 27-265
 究極の快適暖房はいつまでも飽きない「コメの空間」

Q.28 エアコンは暖房に向かない?
 使い方を間違えなければ、エアコンは究極の暖房器具。「必要最低温」が省エネのカギ。
 エアコンの高効率は「ヒートポンプ」のおかげ
 ヒートポンプは熱をつくらず、熱を移動させるのみ
 ヒートポンプは素晴らしい技術、されど魔法にはあらず
 エアコン暖房の生命線は外皮の断熱気密にあり

Q.29 空気は働き者?
 空気は「対流」で熱を伝える主役。決して優秀な働き者ではないが、おかげで我々は快適に過ごせる。
 対流はボールの流れ、ボールの流れで伝熱力が決る
 空気は当たりが弱い、次善対流では特に弱い
 空気は「パスがヘタ」「コントロールにも難」
 空気は怠け者、だから対流放熱が穏やか

Q.30 隠せばハッピー?
 エアコンを隠すと性能が大幅に低下する。床暖やヒーターなど「隠しやすい設備」にもご用心。
 エアコンは醜い、されど隠すべからず
 床暖房ラブの本音は「設備を隠せる」から?
 寡黙な電気ヒーターはH25省エネ基準で「御法度」に
 全ての細部が必然
 30-289


Q.31 放射は暖房の救世主?
 放射は手強い。対流とのバランスを忘れずに。
 放射は一本やり、後ろに回り込まない
 欧米のリビングは暖炉前のソファに秘密あり
 放射の正体は電磁波の仲間の「遠赤外線」
 四方八方に目配りして放射環境の改善を

Q.32 薪ストーブは原始的?
 薪ストーブはハイテク。ポイントは「置き場所」と「煙突」。素人判断は危険。
 薪かペレットか、それが問題だ
 32-301
 薪のご用意は計画的に
 薪ストーブは超高温暖房、置き場所が最重要
 32-305
 薪ストーブでは煙突を侮るべからず
 32-306
 薪ストーブは意外と難しい、素人仕事はキケンがいっぱい

第7章 再生可能エネルギー
 「太陽光発電を載せずんば家に有らず」の今日この頃。身近に発電できるのは魅力だが、太陽光発電を載せておけばエネルギー問題は解決するのだろうか。そういえば、最近耳にしない太陽熱給湯はどうなったのか。太陽から得られる「電気」と「熱」。この2つを中心に、地球に優しい「再生可能エネルギー」を考えてみよう。
Q.33 エネルギーは創り出せる?
 地球上のエネルギーはほぼ100%太陽起源。我々にできるのは、太陽エネルギーの「形」をちょっと変えることだけ。
 地球上のエネルギーはほぼ全て太陽の恵み
 太陽を忘れ化石エネルギー中毒になった現代人
 太陽がない時にこそエネルギーは必要という不都合
 世界の再生可能エネは風力中心、PV[太陽光発電]は夏のピーク専用?

Q.34 ソーラー=太陽光発電?
 エネルギーの質は電気有利も、太陽熱利用にも長所あり。
 太陽光発電はなぜ偉いのか
 電気は「リンゴジュース」、りんごよりも高密度
 太陽光発電の圧勝か?
 要は導入コストの問題、安ければ太陽熱にもチャンス

Q.35 太陽光発電が日本を救う?
 太陽光発電は素晴らしい再エネだが、限界もある。ブームやバッシングではなく着実な普及が望ましい。
 系統連携のPVはパラサイト、火力発電が不可決
 ライバルはメガソーラー、いい屋根かどうかを見きわめよう
 迫りくる「2019問題」、10年後もPVは発電している?
 固定期間終了後、PV売電価格は10円以下に?
 可愛さ余ってソーラーバッシング?

Q.36 平時でも蓄電は美徳?
 平時には電気出し入れロスが発生するだけ損。非常時も家庭ならば発電機の方が手軽。
 完全自立には巨大な蓄電池が必要に
 「完全自立」にランニングコストのメリットはない
 蓄電は「穴あき」のタンス預金。出し入れでロス発生
 電気はさっさと売りとばすのが吉
 今度の計画停電では鉄道・病院は大丈夫(らしい)
 非常時はカセットボンベ式の発電機でもOKなのだ
 「エコ」と「安心」は別もの、冷静に見極めを

第8章 電気
 節電が注目されるなか、「スマートハウス」や「ゼロエネ」といった様々なキーワードが飛び交っている。CO2の削減も世界中の最大テーマ。こうしたエネルギー問題のコアには、必ず「電気」が絡んでくる。これからは自由に買えるようになる電気、このムツカシイ問題について、いま少し考えてみよう。
Q.37 HEMS[Home Energy Management System]は最強の節電ツール?
 現時点では元が取れるか疑問だが、将来には期待。一番お得な省エネは「節湯」。
 HEMSのホントの評判は?
 HEMSはペイするのか?
 月々の検針票、活用しないのはもったいない!
 スマートメーターなら30分間隔の電力値が分かる
 「元がとれる」省エネなら節湯シャワーが一番おトク

Q.38 省エネよりゼロエネ?
 建物外皮・設備・PVどれにお金をかけるべきか。メリットをよく考えよう。
 遂に減り始めた日本のエネルギー消費
 これからは「ゼロエネ住宅」が当たり前に?
 経産省ZEHはHEAT20G1レベルの外皮+高効率設備+PV5KW
 ゼロエネ目標だとPVは必須アイテムだが……

Q.39 目指せCO2削減?
 電力のCO2原単位は変動大。みんなが共有できる目標はまず「省コスト」。
 電気のCO2は地域や粘土でコロコロ変わる
 やっぱりコスト一番、昭和30年は電気が10倍高かった!
 まず一番ピンとくる「省コスト」から

Q.40 オール電化はオールエコ?
 使用機器や使い方によっては「増エネ」を誘発してしまう。自由化で電気vsガスは無意味に。
 ヒートポンプ給湯機「エコキュート」の効率はモード次第
 深夜電力といえどもムダ使いは許されない時代に
 電気はもっとメーンのエネルギー源になっていく
 「電気VSガス」の闘いは小売自由化で過去のことに

エピローグ
 これまで8つの章40のテーマにわたり、エコハウスを種々な視点から論じてきた。残念ながら「ホント」の答えにはいまだたどり着いていない。エコハウスとは結局何なのか、そもそも「本当に必要なのか」さえ分からなくなってくる。本書の締めくくりとして、この禁断のテーマを検証する。
 あなたはエコハウスが好きですか?
Q.41 結局、エコハウスは必要なの?
 必要。ただし、真剣に努力して「本物」を増やさなければならない。
 そもそもなぜエコハウスを目指すのか?
 結局、エコハウスは誰のため?
 41-377
 エコハウスのウソをみんなで測って「ガッテン」理解
 エコハウスはみんなのもの、努力すれば必ず手に入る


前真之『エコハウスのウソ[増補改訂版]』(2015年)① 2月13日

3月19日(日曜日)に開催される環境学習会『健康・快適で電気代も安心な新しい家づくりと暮らし方~今、住宅用太陽光発電が必要な理由~の講師、前真之さんの『エコハウスのウソ[増補改訂版]40の誤解と1つのホント』(日経BP、2015年12月)を読みました。2020年8月に『エコハウスのウソ 2』(詳細な目次は当ブログ記事を見て下さい)が出版されていますが、併せて読んでおくとよいでしょう。
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前真之『エコハウスのウソ 増補改訂版  40の誤解と1つのホント』目次
はじめに

プロローグ 省エネ基準義務化
 欧米では省エネ基準がとっくに義務化され、省エネ基準か「任意」の日本は遅れているといわれてきた。ついに日本でも、2020年までに全ての住宅で省エネ基準がぎむかかされるらしい。義務化というと、全ての家がエコハウスになるビッグなことが熾きそうな気がしてしまうが、実際のところはどうなのだろう。
Q.1 2020年以降、全ての家がエコハウスに?
 2020年に省エネ基準が義務化されるが、レベルは低く設定されている。「クリア」できて当たり前」。
 エネルギーを規制していなかった「外皮のみ」H11基準
 H25基準は消費エネルギー量そのものを規制
 1次エネを「漠食」する電気生焚設備は永久追放
 H25基準は「15年前の外皮」+「時代遅れの設備」
 なぜ基準値は低レベルになってしまうのか?
 H25基準は「ミニマム」、さらに上を目指すべき
 
Q.2 新省エネ基準を守るだけで暖かい家になる?
 2-22
 H25基準には断熱の規定はあるが、特に温暖地では最低限レベル。さらに上を目指すべき。
 気候区分は6区分⇒8区分に
 断熱性が「Q値」⇒「外皮平均熱貫流率UA」へ変更
 日本の断熱基準は温暖地で緩すぎる
 まずは民間規格「HEAT20」のG1・G2レベルを目指そう
 暖房時熱負荷のザックリ見積もりは意外と簡単
 気密なき断熱は無力なり!

Q.3 地域の気候は「8区分」でバッチリ?
 省エネ基準の8区分は気候の一要素を取り出して決めたもの。日射量なども考慮した総合的な気候分析がエコハウス実現のカギ。
 ケッペンの世界気候区分では日本は「温帯湿潤」
 夏は地域間で大差なし、冬は寒冷地と温暖地で大きな差

Q.4 家なんてどこに頼んでも同じ?
 選び方を間違うと、「寒い」「増エネ」な家になる。建築主の勉強が不可決。
 4-41
 大手メーカーは「H25基準」をほぼクリア
 建築課ルートでは「一点突破」型に要注意
 ハイレベルな「スーパー工務店」が続々登場
 4-47
 「安かろう悪かろう」の建売事業者も侮れない?
 信頼できる会社を見つけられれば「8割成功」

第1章 人と気候
 エコハウスの第一歩は、敷地の気候を丁寧に読み解くこと。そして、建物の中に暮らす我々人間の体の特徴をしっかり認識することが欠かせない。ところが、気候や人間を素直に理解することは結構難しい。思い込みやイデオロギーは横に置いて、いま一度この日本の気候と我々の体を見つめ直してみよう。
Q.5 人間は暑さに弱い?
 人間は動物のなかでも「暑さにめっぽう強い」。弱点は「寒さ」。
 恒温動物は「熱を捨てる」宿命を負った生き物
 人間は1時間に1500グラムの汗をかける
 乾燥した気候を「持久力」で生き延びた人類の祖先
 アフリカ育ちの体で世界に広がった人類
 
Q.6 湿度はパーセント(%)が当たり前?
 6-60
 湿度にはいろいろな表現があり、「相対湿度(%)」よりも「湿球温度(℃)」の方が実感に近いこともある。
 湿度は「髪の毛」や「水」で計測できる
 1日のなかで湿球温度はほとんど変わらない
 「暑さ指数」の主役は湿球温度

Q.7 エアコンなしでも日本の夏は大丈夫?
 人間は暑さに強い動物だが、それは「汗が乾く」から。湿度の高い日本の夏に、「冷房なし」は熱中症の危険。
 アメリカでは湿球温度の快適上限21℃
 湿球25℃では汗をかいても乾かない
 日本の夏と冬はどちらも結構厳しい
 日本の夏、「温度を下げる」「湿度を下げる」どちらかは必要
 高齢者は熱中症のリスクを忘れずに
 
Q.8 温暖地は冬の朝も温暖?
 気温は「日平均」の値だけ見ていてはダメ。一番冷え込む明け方の「日最低」のチェックが肝心。
 気温は「時々刻々」変化している
 明け方の冷え込みは「日最低の月平均」でチェック
 冬の昼に晴れる地域ほど明け方の冷え込みに注意

Q.9 日ノ本の国はどこでも太陽サンサン?
 冬の日射量は地域差が大きい。冬に開口部から日射を入れるには高性能なガラスの選定が必要。
 年間の水平面日射量は地域差が小さい
 冬の南垂直面への日射は地域差3倍!
 晴れと曇の日射量をチェック
 ダイレクトゲインの損得は地域とガラス次第
 
Q.10 結局、住まいは夏を旨とすべし?
 「夏旨(なつむね)」は通風偏重・断熱気密軽視の言い訳に使われていることが多い。日本の家はまず「冬旨(ふゆむね))でつくっておくべし。
 夏は大事、されど「夏旨」にはご用心
 10-96
 快適性モデル「PMV・PPD」で「快・不快」を知る
 温度と湿度の関係をオルゲーとPMV・PPDで比較
 通風でどこまで涼しくできる?
 日本では外気そのままで快適な時間はごく短い
 本当に備えが必要なのは、やはり冬
 夏冬どちらかとすれば、まずは「冬を旨とすべし」
 10-105

第2章 建物の外皮性能
 高効率エアコンや太陽光発電に比べて、地味な感じのある外皮性能。家を買うときに、建物の「皮」まで気にする人は少ないかもしれない。けれども、外皮の断熱・気密は建物の温熱環境や省エネ性を支える基礎体力。建物の「足腰」を鍛えることが、真のエコハウスへの王道なのだ。
Q.1 1 離れた壁や窓、天井の温度は快適性に無関係?
 人間の体は離れた物体と放射で熱をやりとりしている。周辺放射温度は快適性に影響大。
 11-111
 熱の伝わり方は3通り[伝導・対流・放射]
 室内での人体放熱は「対流」と「放射」がメーン
 快適に空気温度と放射温度の組み合わせを探す
 一番不快なのは「熱い天井」、次に「冷たい壁」
 
Q.12 ローイーガラスって日射を遮蔽するガラスでしょ?
 ローイー(Low-E)は「低放射」の意味で、主目的は放射による熱ロスのカット。日射に関しては「透過型」と「遮蔽型」がある。
 日本の「ガラス障子」は窓にあらず
 熱ロスの3ルート[伝導・対流・放射]を遮断せよ!
 ローイーガラスは当たり前に、でもその選び方は?
 「目に見えない」太陽光を入れるべきか防ぐべきか?
 南窓には透過型、東・西窓には遮蔽型がセオリー

Q.13 日本の窓はずっと世界サイテー?
 アルミサッシの成功体験で、高断熱窓の普及が遅れたのは事実。しかし、日本でも世界水準の高断熱窓が続々登場している。
 13-130
 アルミサッシの成功体験が裏目に出た?
 「アルミ死守」(?)のサッシ業界
 13-134
 ドイツではUw値1.3超の低断熱窓はは禁止されている
 窓が進化すると家は「明るく」「暖かく」?

Q.14 断熱材と構法にこだわれば断熱はバッチリ?
 あらゆる断熱材・断熱構法には長所・短所がある。丁寧な施工が性能確保のカギ。
 住宅着工は激減するも断熱材の売り上げは堅調
 断熱材は小さな穴で空気をフリーズさせる
 それぞれに一長一短、「完璧な断熱材はない」
 14-147
 断熱の種類と構法は「適材適所」で

第3章  冷房
 「節電」が最大の関心事になるなかで、目の敵にされているのが「エアコン冷房」。しかし、住宅からエアコンをなくせば全ての問題は解決するのか。そもそもエアコンで冷房することは、そんなに「イケナイ」ことなのだろうか。
Q.15 家のエアコンは節電の敵?
 まず頑張るべきはオフィス。住宅はエアコンで賢く冷房できるように工夫すべし。
 夏の昼に電力ピークをもたらす真犯人は?
 15-156
 オフィスこそ「冷房中毒」、節電はこっちから
 ついに減り始めた夏の昼間の電力ピーク
 PV[太陽光発電]普及しつつある今、夏の冷房は恐るに足らず!
 太陽光発電と相性抜群のエアコン冷房
 15-163

Q.16 冷房が最大?
 給湯や照明、家電のエネルギー消費の方がはるかに多い。
 16-164
 一番エネルギーを使うのは?イメージと実際のズレ
 16-166

 16-166-2
 給湯、照明、家電の消費エネはなぜ多い?
 誤解の原因は前月との比較偏重、通年での消費を見逃すな

Q.17 選ぶならハイパワーのエアコン?
 「能力過大」は効率に難。小さなエアコンで効率良く冷やせる工夫を。
 まずは年間エネルギー効率APFが高いエアコンを
 エアコンの効率向上はもはや限界に
 「○○畳」の目安は断熱等級3の貧弱な建物を想定
 つつましい冷房ができるプランを

Q.18 除湿は冷房よりもエコ?
 きちんと気密防湿がされていない家で除湿すると、膨大なエネルギーが必要になる。
 18-178
 温度を下げるか湿度を下げるか?それが問題だ
 空気が持つ熱量「エンタルピー」は顕熱・潜熱の2種類
 夏の炎天下、1時間の電気代はいくら?
 「冷房」と「除湿」、エアコンの効率にも大きな違いが
 冷房を毛嫌いせず、温度・湿度の制御を真面目に考えよう
 18-189

雨除けタープが落ちる 2月12日

岩殿C地区で資材の雨除けに張っていたタープが雪の重みで落ちていました。
P2120048P2120050P2120056

10日8時頃から降り始めた雪は夕方には止みました。
11日6時のJA埼玉中央本店前の写真です。道路の雪は解けていました。
P2110006

今日12日の12時頃の岩殿入山谷津の残雪の様子です。作業道側(北側)の谷底には雪はありません。
P2120008P2120013P2120031

P2120024P2120076P2120041
岩殿C地区の無名沼イ号堰堤下でも市民の森南向斜面側(北側)が解けています。

岩殿地区ゴミステーションから青木ノ入までの学びの道は日影で雪が残っています。いつまでも溶けないので、市民の森保全クラブ活動日にも車の運転は低速で慎重に!

岩殿グループ写真館(2023.02.08)④

オニノゲシ(キク科)
14900

オニタビラコ(キク科)
14901

ノボロギク(キク科)
14856

トキリマメ(マメ科)
14871

ノハラアザミ(キク科)
14872

センニンソウ(キンポウゲ科)
148801488114882

カラスウリ(ウリ科)
14895

コウヤボウキ(キク科)
14896

岩殿グループ写真館(2023.02.08)③

イヌシデメフクレフシ
1487614875

アカシデメムレマツカサフシ
1487714878

アカシデメフクレフシ
14879

イヌツゲメタマフシ
1488414886

フタモンアシナガバチの巣?
1488714888

ウグイスの巣
1488914890

ヤママユガの繭
14891

オオカマキリの卵のう
14902

岩殿グループ写真館(2023.02.08)②

テイカカズラ(キョウチクトウ科)
148161489214893

スイカズラ(スイカズラ科)
14883

サルトリイバラ(サルトリイバラ科)
1489714898

ゴンズイ(ミツバウツギ科)
14899

ツルウメモドキ(ニシキギ科)
14904

追加岩殿グループ写真館(2022.06,21)①に写真を掲載している作業道下のニワトコは剥皮されていました。

岩殿グループ写真館(2023.02.08)①

今年初めての岩殿入山谷津の観察・調査。この日、アカシデ広場の西側、市民の森のアズマネザサ群落の幼木の実態調査をしました。森に入るとカシナガキクイムシの被害木のクヌギ、コナラが先ず目に入ります。林床はかつての用水沼縁に至る一帯に広がるアズマネザサ群落です。分け入ってみました。ネザサに覆われた中には意外に多くの実生木、萌芽した樹種が見られました。以下、ざっくりと上げてみます。
主役のコナラ、クヌギ、ヤマザクラ、脇役のミズキ、カマツカ、エゴノキ、ヤブデマリ、クサギ、アカメガシワ、ガマズミ、ヤブムラサキ、リョウブ、低木のコウヤボウキ、モミジイチゴ、常緑のヒサカキ、シロダモ、アオキ、アセビ、実生のタブノキなども見られました。つる性のテイカカズラ、キヅタ、アケビ、サルナシなども見られました。この季節、その同定に役に立つのは冬芽の姿です。午後はボッシュ林、作業道の林縁、休耕田の草地周辺を観察しました。先日の大寒波の強風に拠ると思われる冬越し生きものたちの落下物、ヤママユガの繭、フタモンアシナガバチの巣、ウグイスの巣などが林縁に落ちていました。昆虫類はほとんど確認できなかったですが、ルリタテハ、キチョウが飛んでいました。枯れ草の下にはコモリグモのなかまが動き回っていました。
以下、この日の観察、その一部をご報告いたします。
14853

ウメ(バラ科)
1485414855

サンショウ(ミカン科)
148581485914860

イヌザンショウ(ミカン科)
1486114862

クヌギ(ブナ科)
1486414863

ツルグミ(グミ科)
14865

ヤマコウバシ(クシノキ科)
1486614874

ウグイスカグラ(スイカズラ科)
148671486814869

カマツカ(バラ科)
14870

リョウブ(リョウブ科)
14873

2014年、16年、18年2月の降雪 2月10日

今日は雪が降り、市民の森保全クラブの活動は中止しました。夕方の積雪は9㎝。このブログの記事から2月の降雪・雪景色の記録をたどってみました。
2014年2月4日の降雪
2014年2月4日:雪の岩殿田んぼ(岩殿A・B地区)
2014年2月4日:目薬屋田んぼ(岩殿C地区)

2014年2月9日の降雪
2014年2月9日:土曜日は大雪 積雪34センチ(土曜日:2月8日)
 DSC08884DSC08901DSC08903
2014年2月10日:入山沼下の遊休田んぼ(岩殿 I 地区)
2014年2月10日:雪晴れの市民の森(物見山駐車場~市民の森入山口)
2014年2月10日:(仮称)無名沼イ号・ロ号(岩殿C地区)
2014年2月10日:足跡の主はだれ(岩殿C地区)
2014年2月10日:凍結した入山沼
2014年2月10日:雪晴れの岩殿田んぼ(岩殿A・B地区)

2014年2月14日~16日の降雪
2014年2月14日:定例作業日の活動は中止(学びの道、作業道。市民の森活動エリア)
2014年2月14日:ボッシュ林下の遊休田んぼ(岩殿C地区)
2014年2月14日:雪の岩殿田んぼ(岩殿A・B地区)
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2016年2月7日の降雪
2016年2月7日:岩殿C地区(岩殿C・F地区)
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2018年2月2日の降雪
2018年2月2日:積雪7㎝
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2018年2月4日:市民の森保全クラブ作業エリア遠望(岩殿C・F地区)
 入山谷津東側(学びの道・岩殿A・E地区)
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 入山谷津の中央(作業道・岩殿F・G地区)
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 入山谷津の奥(岩殿C地区・無名沼イ号)
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 積雪量・降雪量の違い
※降雪・積雪・降雨・降水量(『違いがわかる事典』による)
降雪量は1時間、2時間などある時間内に降り積もった雪の深さ。積雪量は自然の状態で降り積もったある時点での雪の深さ。1時間前の積雪量と現在の積雪量の差が、1時間で降った雪の量(降雪量)。積雪は重みで沈んだり、解けたりするので累積降雪量と積雪量は一致しない。天気予報の「積雪あり」は観測所の周辺地面の半分が雪で覆われた状態、半分以上覆っていなければ「積雪なし」降雨量は雨だけが降った量。降水量は雨・雪・霰(あられ)・雹(ひょう)・霜など全てを水に換算した量。[2018年1月23日記事「大雪で積雪」から]

※降雪量と降水量の関係(『気象予報士瀬戸信行の「てるてる風雲録」』より)
降雪量と降水量の割合を比較したものを雪水比(ゆきみずひ、降雪量÷降水量)という。気温が比較的高い時に降るぼたん雪と気温の低い時に降る粉雪では、その比率が異なる(粉雪は約2、ぼたん雪は0.6~1.5)地上気温が低いほど密度が小さく乾いた雪(粉雪)となるため降雪量が多くなり、地上気温が高いほど密度が大きく湿った雪(ぼたん雪)となるため降雪量が少なくなる。[2018年1月23日記事「大雪で積雪」から]
   (『ウェザーニュース』2020年12年12月30日記事)
降雪量の説明の前に、積雪深の時間変化の特徴を考えねばなりません。雪が降れば積雪深は増えるのですが、積もった雪は融解や昇華で消失したり、雪自身の重みで圧縮されることにより、深さが自然に減るのです。
つまり、雪が弱まると積雪深の差分がマイナスになるため、雨量のように単純に時間ごとの差分で累積計算してしまうと途中で減算され、降った量の統計としては正しいとは言えません。
そこで気象観測では、1時間ごとに積雪深を観測して差分を比較し、増加した分だけを累積計算して「降雪量」として記録するわけです。
このように「降雪量」は降った雪の量の統計を示すのには向いているのですが、数値がそのまま積雪の増加となるわけではないので、一般市民からはイメージが難しいという問題があります。
例えば2020年12月30日現在、気象庁は「1月1日18時までに予想される24時間降雪量は、北陸地方の多い所で80〜120cm」との情報を発表しています。24時間にわたり雪が降り続けて減少に転じなかった場合には「降雪量」がそのまま積雪増加量となります。ただ、雪の降り積もるペースよりも雪の圧縮されるペースが上回った場合には積雪深が減少に転じるため、「降雪量」よりも実際の積雪増加は小幅となります。

  「積雪深」は測れるが「降雪」は直接測れない
  積雪深は圧縮されて自然に減る
  降雪量は統計に向くが、イメージしづらい
今日12月18日(土)の場合、札幌ではいちども積雪深(雪の厚み)が55cmに達していませんが、24時間降雪量は55cmと記録されています。

市民の森のアカマツに松枯れ防止剤注入 2月9日

市民の森のアカマツに松枯れ防止樹幹注入剤グリンガード・NEO(主成分:酒石酸モランテル。効果持続期間:7年)が施工されていました[マツノマダラカミキリ成虫によって伝播されるマツノザイセンチュウの侵入・増殖防止のためです[マツノマダラカミキリ成虫には効果はない]。前回は2016年で自然圧で樹幹に注入していましたが、今回はLPガス(ブタン、プロパン)で加圧して注入していました。
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松枯れの仕組みと防除

黒田慶子「松枯れはなぜしぶといのか」(『森林技術』№857、2013年8月)
●はじめに
●要因 1:侵入病害の特徴
●要因 2:誤解とあなどりの原因
西日本の地方自治体からの相談、企業 CSR や里山整備ボランティア等の計画では「マツ林再生」が頻繁に出てくる。それに対して「マツ林の再生には強い覚悟とコスト負担が必要。安易に取り組むと失敗する」と返答しても、その根拠が理解されにくい。「皆でがんばります」という熱意の元にあるのは、「マツ林は林床の手入れをすれば元気になる」という誤解である。研究者や林業関係者によっても、しばしば「マツが枯れるのは土壌が富栄養化したため」と誤った解説がされる。この状況を改善するには、情報の発信をもっと積極的に行う必要がある。
「アカマツの実生が育っている」段階では、マツ林復活とは呼べない。マツ林は 10年生を超える頃から材線虫病による枯死が増えるという特徴がある(激害の海岸、高速道路沿いを除く)。樹齢との関係を示す科学データはまだないが、媒介甲虫の飛来しやすさ(樹高)や誘因成分、線虫の侵入成功率の変化によるのではと推測されている。周囲に被害地があれば、苗木が育って感染適齢期になってからのことを想定する必要がある。アカマツ林に交る広葉樹を伐採除去した場合も、被害地が周囲にあれば、残されたマツの感染枯死が続く。防除計画が欠落したマツ林再生計画は無謀である。
森林の植生遷移は百年単位などの長い年月で徐々に進むと説明されるが、マツの集団枯死から広葉樹林への転換は 10 ~ 20 年ほどで起こっている。京都市内の植生変化を長年観察してきたが(写真②)、1980 ~ 2000 年頃の急激な植生変化は環境省の植生地図からも読み取れる(図①)。西日本の多くの地点ではマツ林からコナラやシイ・カシ類の林への変化が起こっている。生態学的観点からは、このように広葉樹林に遷移した場所をアカマツ林に戻す必要性は低い場合が多い。マツ林に戻すことを望む人々に対しては現実的な情報を伝え、広域のマツ林保全が困難であることを理解してもらう必要がある。ただし、ナラ林、シイ林を数十年以上放置すると、高齢大径木化に伴ってナラ枯れが発生する。里山二次林はマツ枯れ、ナラ枯れ両方を見据えた管理が必要であり、放置は望ましくない。[下線引用者]
 ⇒ネットで[マツ林 地掻き」で検索して確かめて下さい。
●要因 3:戦略と戦術とは
●課題解決の方法と経験者・研究者の役割

植物調査枠の枯草を刈り始める 2月9日

岩殿F地区の植物調査枠の枯れ草刈りをボッシュ林側と作業道下の両方から始めました。
作業道下
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明日は雪が降るらしいので、刈り草を集めてブルーシートをかけました。

ボッシュ林側
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今日は凍っていません。水溜まりになっていました。

畑づくり、物置まわりの整備 2月9日

無名沼イ号下3段目、北側のコナラ育苗エリア寄りもコマメで耕されていました。
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無名沼イ号から流れてくる水路の橋も新調です。
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シャベルや農・工具類も整頓されていました。
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岩殿入山谷津の植物調査 第28回 2月8日

二宮さん、小野さん、細川さんで植物観察・調査をしました。
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果実(そう果)についた花柱には羽毛のような毛があり、風散布に役立っています。

ストール追加 2月8日

南向斜面の休憩所作り。今日はストール[スツール]を5個追加しました。
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ベンチと合わせて10人は座れそうです。

畑づくり、アカマツ林の笹苅り 2月7日

今日は細川さんと片桐さんで畑作りの作業です。
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尾根のアカマツ林の笹苅り。根元の周り、半径2m位を刈っています。まだだ20本以上残っています。
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学びの道下と尾根のアカマツ林の笹刈り 2月6日

須田さんが学びの道下の斜面の笹刈りをしました。
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この付近は早朝や夕方、愛弘園からの排水が路上に漏れ、散策者から苦情が出ていましたが、年末に園内で対策がされ(?)、その後は収まっています。

学びの道に張りだしていた東側にアズマネザサも刈りとりました。
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2015年2月の写真です。写真の奥が入山沼堰堤。愛弘園の建物が透けて見えています。
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刈ったアズマネザサは集めて、岩殿C地区へ運びました。
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市民の森のアカマツ林の笹苅りもしました。
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南向き斜面にテーブル追加 2月6日

岩殿C地区の南向斜面にテーブルが追加されました(1月30日2月1日の記事)。まだ上板の載せただけで未完成だそうです。市民の森で伐採したコナラを利用した手づくりです。

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渡部さん、ありがとうございます。細川さんはコマメで畑の耕耘です。
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関口さんと児沢の物置とC地区拠点のゴミをまとめて処分しました。
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尾根のアカマツ林の笹苅り 2月5日

尾根のアカマツ林の笹苅りをしました。
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2月のナラ枯れ枯死木伐採予定 2月4日

昨日で市民の森尾根の道沿いのナラ枯れ枯死木13本の伐採が終わりました。
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10日からは舗装園路沿いのナラ枯れ枯死木を伐採します。地球観測センター寄りの7本です。
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ナラ枯れ枯死木(№934)
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ナラ枯れ枯死木(№1000)
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ナラ枯れ枯死木(№1014)
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ナラ枯れ枯死木(№1025、1026、1027)
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ナラ枯れ枯死木(№1033)
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前真之『エコハウスのウソ 2 』(2020年)② 2月4日


前真之『エコハスノウソ 2 』PART2 目次
   PART2 変わらない真実-対策編
 エコハウスのウソpart2
  省エネ技術が進み、社会や家づくりへのニーズも変わってきた。
  だが、真のエコハウスに必要な対策は、実は大きく変わってはいない。
  理想とする暮らしや地域制、予算に応じて数ある手法を組み合わせ、健康・快適・ゼロエネのエコハウスを確実に手に入れよう。
    第6章 冬の備え
  吉田兼好には申し訳ないが、『エコハウスは冬を旨とすべし』。低断熱・低機密の“スカスカ外皮”の住宅に太陽光発電を載せたところで、期待した効果は得られない。それどころか、寒さに耐えながら高い電気代を払い続けるハメになる。数値だけに惑わされない「冬の備え」について考えてみよう。
    Q15 空気の温度さえ高ければ冬も快適?
  ▶快適な温熱環境とは、ずっとその場所に居続けられる「不快がない」環境を表す。
  ▶代謝熱と放熱のバランスが取れていることと、局所不快がないことの2つが大前提。
   建築物省エネ法の断熱等級4では暖かい家にならない
   空気温度だけではなく放射温度込みの「作用温度」が肝心
   冬に最も快適な作用温度は「24℃」
   局所不快①上下温度差:断熱・機密の徹底が唯一の解決法
   局所不快②床表面温度:素足なら床仕上げ材の選択が重要
   局所不快③気流感:吹き出し空気は人体に直接ぶつけない
   局所不快④:放射不均一:単板がらすの窓は体の片面が冷える
   湿度何%なら乾燥感はなくなるの?
   高温空気をなくすことが乾燥感の低減につながる
   冬の不快を解消するのは断熱・気密+全館24時間空調

    Q16 [小さな複数連続させた]ポツ窓住宅は省エネ?
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  ▶窓は外皮断熱における最大の弱点。
   ガラスやフレームは必ず高断熱タイプを選ぶ。
  ▶大きさや開き方を詳細に検討すれば、ポツ窓でなくても高断熱にすることが可能。
   断熱等級2・3・4からHEAT20 G1・G2・G3へ
   建築物省エネ法の断熱指標Ua値は換気と湿気をカバーしない
   部位の熱貫流率U値に面積をかけた合計が外皮熱損失量q値
   窓の断熱はガラスとフレームの両方を対策すること
   窓の高断熱化は戸建てでは進むも集合住宅では普及途上
   窓の熱貫流率Uw値は計算方式で大きく違う
   Uw値を下げるにはフレーム面積を小さくするのが効果的
   同じ窓面積ならフレームの細いFIX・片引きがUw値小

    Q17 UA値さえ小さければ気密なんて気にしなくていい?
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  ▶省エネ法の「外皮平均熱貫流率Ua値」は、熱損失のうち熱貫流率しか考慮していない。
  ▶漏気・換気による熱損失低減も含めた総合的な熱損失の削減が重要。
   壁もシングル断熱からダブル断熱へ
   漏気を減らすためには気密化で相当隙間面積C値を減らす
   熱貫流・換気・漏気の削減は熱損失全体のバランスで
   「熱貫流→漏気→熱交換換気」で建物全体の熱損失を削減

    Q18 健康・快適な全館24時間暖房は高くつく?
  ▶暖房コストは、「熱暖房負荷」と熱器効率と燃料単価による「暖房燃費」で決まる。
  ▶全館24時間暖房は建物の熱損失削減と低燃費暖房で、リーズナブルな暖房費で運用可能。
   断熱・気密を改善すればエアコン暖房でも快適に
   家全体を温めるには「断熱気密+全館24時間空調」が有効
   床暖房は温水床パネルを広めに敷き詰めるのが吉
   放射パネルはパネル面積と設置場所がポイント
   温水暖房は熱源効率も高効率タイプを
   薪ストーブを採用するなら設置場所に注意
   家全体の熱収支の赤字分が「暖房熱負荷」
   暖房費は暖房熱負荷と燃料単価・エネルギー効率で決まる
   暖房熱負荷低減と低燃費暖房で全館24時間暖房をお安く

    Q19 冬の無暖房なんて絶対無理?
  ▶暖房負荷などの熱損失を減らし、日射熱で熱取得を増やせば、無暖房化は実現可能。
  ▶窓性能の詳細計算と、ガラス・開き方まで考慮した「窓全体の最適化」が低コストのカギ。
   日射熱取得を増やすには窓の断熱・日射取得の詳細計算が有効
   南の窓は必ず「日射取得型」のガラスを選ぶ
   ガラス面積率が減る「引き違い」は損
   値の削減に木を取られて安易な窓面積ダウンは禁物
   日射取得型ガラス・FIX窓に変更するだけで改善できる
   無暖房住宅は夢物語にあらず、既に実現している
   日射熱が広がるプランと蓄放熱で住宅全体を1日中暖かく

    Q20 部分リフォームでは寒くても仕方ない?
  ▶部分リフォームの「ついでに断熱」でも、暖かい家に改修することは十分に可能。
  ▶効果の大きい場所から壇越強化するのが肝心。「最大の弱点」の窓を優先し、床の断熱気密も
   部分リフォームでも「ついでに断熱」がおススメ
   断熱リフォームで全ての「赤点住宅」を合格点に引き上げる
   「まずは窓・床から」が断熱リフォームの定石
   内窓は断熱リフォームの第1候補、コスパの抜群
   床の断熱気密と気流止めで床下冷気の侵入を防ぐ
   リフォームでは新築以上に暖房設備の選択を慎重に
   健康・快適な生活ゾーンをコンパクトにまとめる
   廊下や寝室も生活ゾーンに取り込むプランで健康温度を確保
   浴室・脱衣室やトイレにも暖房設備を設置
   リフォームに正解なし、条件に合わせた合格点を

 第7章 夏の備え
  高断熱・高気密な住宅ほど重要になるのが、日射遮蔽をはじめとした「夏の備え」。昔ながらの遮熱や通風だけの暑さ対策では、限界がきている。近年ますます暑さが増す日本において、快適な冷房を低コストで実現するための対策も重みを増している。
    Q21 冷房はギリギリまでガマン?
  ▶冷房の不快の元は、低断熱の屋根による放射温度上昇と無理やりな低温空気冷房。
  ▶外皮断熱を強化のうえ、日射遮蔽の徹底を。
  ▶暑さ指数25℃オーバーなら躊躇せずに冷房ON。
   日本伝統の夏対策では限界、気温上昇で冷房が必要に
   暑さ指数が警戒レベルなら躊躇せずに冷房ON
   暑さ指数WBGTは空気温度・湿度・放射温度を総合的に評価
   夏の不快要因には「湿度」の他、「高温の天井」も影響
   人間特有の発汗蒸散は、乾燥環境なら強力な冷房効果あり
   夏に最も快適な作用温度は26℃、湿度の影響は?
   除湿は省エネにあらず、温度を下げる方が快適で節電に
   夏の不満は高い放射温度と日射熱が主因
   冬も夏も快適な室内環境のためには建物外皮の性能が肝心

    Q22 日射遮蔽は軒や庇で安心?
  ▶高断熱住宅ほど日射遮蔽の徹底が必須。
   無対策の「のっぺら住宅」はもってのほか。
  ▶直達・天空日射の両方を、窓外側の「面」で防御。
   軒・庇の出が大きいと冬の日射取得の障壁に。
   冷房期の平均日射熱取得率ηAC値[イータエーシー値]の計算はUa値より面倒
   図面では確認できない日射遮蔽の付属部材は無視される
   安易なηAC値削減で日射遮蔽型ガラスの採用はNG
   高断熱に見合った日射遮蔽の基準値が定められていない
   日射遮蔽を強化しない高断熱化はオーバーヒートの原因に
   効果的な日射遮蔽は太陽の位置の理解から
   日射は「直達」と「天空」の2つ、夏は天空の割合が多い
   庇・軒は高い高度からの直達日射しか防げない
   窓外側の面で天空日射と低高度からの直達日射を防ぐ
   ガラスの外で防げない場合の次善の策は「反射」の利用
   日射遮蔽のやり方はいろいろ、窓は方位ごとにしっかり対策

    Q23 全館24時間冷房は電気代が高い?
  ▶ヒートポンプのスイートスポットを生かせば、全館24時間冷房は低コストで運用可能。
  ▶簡易な定風量型の登場で設置コストもダウン。
   快適性が向上し、太陽光発電とも相性抜群。
   最もメジャーな個別エアコン冷房は「居室間欠運転」専用
   壁掛けエアコンのファンは空気を遠くに送る力「静圧」が弱い
   ダクト式全館冷房は各部屋に冷気をしっかり届ける
   全館空調は簡単安価な定風量(CAV)が主流に
   庇の日射遮蔽と内部発熱が冷房最大の敵
   暖房の暖気は下に、冷房の冷気は横に吹き出す
   冷房をきちんと効かせるには送風量の確保が絶対条件
   屋根の断熱+窓の日射遮蔽+全館24時間冷房は非常に快適
   全館24時間冷房でも電気代は意外と安い

    第8章 空気とお湯
  新型コロナウィルスの感染拡大の影響があり、一気に関心が高まった「換気」。実はこれまでかなりいいかげんに扱われたきた設備である。メンテナンスを含めた空気質の維持と、省エネを確立する丁寧な設計・施工が求められる。「給湯」もまだまだ工夫の余地あり。
    Q24 花粉対策は空気清浄機が1番?
  ▶空気清浄機は室内空気質確保の脇役。屋外から室内への花粉持ち込みを防ぐのがカギ。
  ▶換気の吸気口にフィルターを付け、外から侵入する花粉をブロックするのが効果的。
   空気清浄機の脱臭試験はたばこ煙の3成分だけが対象
   「換気」と「付着」の花粉侵入ルートを塞ぐ
   侵入した花粉は床面に沈下するので床掃除が肝心
   新型コロナ対策でも「換気不足を補う」脇役

    Q25 換気設備は設置さえすればOK?
  ▶室内空気質確保の「主役」は換気設備。
   給気・排気がしっかりできる設計・施工を
  ▶換気の生命線はメンテナンス。給気口やフィルターの清掃のしゃすさは超大事!
   昔の家は漏気メイン「局所換気」で臭いを排出
   1990年代には気密化と合成建材でシックハウスが大問題に
   2003年の建築基準法改正で換気設備が義務化
   全館換気は第一種・第二種・第三種の3タイプ
   建築基準法改正で義務化されたのは換気装置の「設置」だけ
   1年8760時間動く換気ユニットは省電力タイプを選ぶ
   ダクトは「太く」「滑らか」にしないと空気が通らない
   換気システムの生命線は「メンテナンス」のしやすさ
   第三種換気では各居室の給気口メンテナンスも必要

    Q26 換気をしたら寒くなる?
  ▶外気を給気する第三種換気システムは、寒さを感じさせない給気口位置の工夫が必要。
  ▶排気の熱を給気に使う熱交換換気なら、暖房熱負荷減と冷気を防ぎながらの換気が可能
   寒さ防止と熱ロス削減が無暖房化のカギ
   生の空気は寒さと暑さの原因に
   第三種換気の省エネならデマンド換気で換気量を抑制
   熱交換換気で排気の熱を取り戻し給気を予熱する
   熱区間換気システム選びのチェックポイント
   局所換気の多用は第一種換気の給排気バランスを崩す
   ダクトレス熱交換換気は2個1セットの換気ユニット

    Q27 給湯は湯水のごとく?
  ▶高効率給湯機は、住宅省エネの最重要設備。必ず高効率タイプを選択すること。
  ▶給湯省エネのためには「節湯」もコスパ良。様々な手法があるので積極的に採用しよう。
   給湯は住宅で2ばんめにCO2排出量が多い
   個別給湯から住戸セントラル給湯へ
   高効率給湯機が2000年以降に続々登場
   高効率給湯機は住宅省エネの最重要設備
   エコキュートは低温沸き上げ・適量貯湯が高効率発揮のカギ
   ハイブリッドは電気ヒートポンプを貸す瞬間式がサポート
   昼間沸き上げの老舗「太陽熱給湯設備」
   コージェネは「マイホーム発電」で排熱を有効利用
   節湯も給湯省エネがカギ! 節水もできてコスパはピカイチ

    エピローグ
  これまで8つの章27のテーマにわたり、エコハウスを様々な視点から論じてきた。取り入れるべき対策や解決すべき課題がたくさんあり過ぎると感じたかもしれない。それでも、「誰もがエコハウスに住める」のか。本書の締めくくりとして、この禁断のテーマを検証する。
  あなたはエコハウスに住みたいですか?
    Q28 みんなエコハウスに住めるかな?
  ▶誰でもエコハウスに住むことはできる。
  ▶快適な生活を絶対に諦めないこと。
   冬に無暖房・ゼロエネで健康・快適に暮らす方法は色々ある
   敷地と建物詳細を考慮できる設計ツールが最後のカギ
   「差別化」に惑わされず学び続ける優良事業者を見つけよう
   信頼できるつくり手を見つければエコハウスは建ったも同然
   優良な設計者・施工者に腕を振るってもらうために

  キーワード索引
  最後に

前真之『エコハウスのウソ 2 』(2020年)① 2月4日

3月19日の環境学習会の講師、前真之さんの『エコハウスのウソ 2 』(日経BP、2020年8月)を読みました。
市民環境会議img-230201225559-0001

『新著:エコハウスのウソ 2  』~エコハウスの常識が、この動画で変わる?~ 19:28
(YouTube「未来のための家づくり大学」有識者や専門家に学ぼう! by Eco Works 2020.08.29)
 

前真之『エコハウスのウソ 2 』PART1 目次
 はじめに
 エコハウスのウソ2はじめに
  みんながエコハウスで暮らせるために
   健康・快適な室内環境が家づくりの最重要課題に
   新型コロナ問題で生活の中心は再び住宅に
   エコハウスを実現できなかった住宅・エネルギー業界
   全ての人がエコハウスで暮らせる幸せな時代

   
  PART1 変わる常識-基本編
  エコハウスのウソpart1

  エコハウスづくりに関係する環境・エネルギー問題や気候、新技術などの情報は常に更新され続けている。
  これまでの常識がいつの間にか“ウソ”に変わっていることも。
  設計に取り掛かる前に、前提となる常識をアップデートしよう。
    第1章 環境・エネルギー
  地球温暖化やエネルギー問題というと、家づくりには関係ないこと、もしくは個人ではどうしようもないことと思うかもしれない。だが本当は、電気代に直結する身近な問題であり、子どもたちの未来に影響する切実な課題でもあるのだ。国やつくり手に任せきりで大丈夫なのだろうか。
    Q1 地球の温暖化はウソだよね?
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  ▶冬は暖かく、夏はさらに暑くなっている事実を、日本全国の気象データは裏付けている。
  ▶地球温暖化は「リアル」な脅威であり、全世界の早急な対応が求められる。
   世界の結論は「温暖化は疑う余地なし」「人間が原因」
   建築物省エネ法「地域区分の見直し」の衝撃
   冬の寒さは和らいできている
   夏の暑さは危険レベルに突入
   暑さと風水害への備えを忘れずに

    Q2 住宅のCO2削減は他人ごと?
  ▶電力会社と家電メーカーのツートップに頼り過ぎた結果、住宅の質の向上が遅れる痛恨。
  ▶省エネ・省CO2と健康・快適の両立は、一人ひとりが自分ごとと認識する必要あり。
   世界はCO2排出量ゼロに向けて動き出している
   パリ協定順守のため住宅分野に厳しいCO2削減目標
   人口減でも増え続ける少人数世帯がCO2排出を下支え
   CO2削減は電力会社と家電メーカーの仕事?
   ツートップ戦略の栄光と崩壊、京都議定書もお金で補填
   日本で重視されてこなかった住宅そのものの性能確保
   家の寒さでヒートショックが大問題に
   家中を暖かくできない無断熱住宅は健康・快適の大敵

    Q3 安い電気は良い電気?
  ▶電力の全面自由化で登場した「新電力」のコストメリットは、電力消費の多い世帯限定。
  ▶電気は燃料次第でCO2排出量が変わる。安さだけでなく「きれいな」電気を選ぼう。
   電力の小売り全面自由化で好きな電気を選べる時代に
   小売電力事業者は必要な電気を個別に調達
   需要と発電の「同時同量」守れないとペナルティー
   新電力の小売シェアは都市部で増加中
   新電力の安さのカラクリはフラットな単価設定にあり
   電源の燃料構成で電気代とCO2排出量が大きく変化する
   どうせ買うならきれいな電気を選ぼう

    Q4 電気代はずっと上がらない?
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  ▶将来的には、需要がひっ迫する「時間帯」や「季節」に電気単価が上がる可能性大。
  ▶買電単価上昇に備えて、太陽光を活用したエネルギー自立の家づくりが求められる。
   電気代の値上げは戦後直後とオイルショックの2回
   電気の従量単価の内訳は?
   住宅の託送料金は割高、さらなる負担の増加も
   「夏はオフィス」「冬は住宅」が需要のピークをつくる
   夏は昼下がり、冬は朝と夕方が電力需要のピーク
   電気が不足する時間帯は電気単価が高くなる時代に
   電気単価上昇に備え太陽の都合に合わせた家づくりを

    第2章 健康
  汚れた空気は体に悪い。もちろんウィルスも。健康意識の高まりから、食事に気を使う人は多いが、何か大事なものを忘れてはいないだろうか。1日3度どころか四六時中、常に体に取り入れている空気。目には見えない「室内空気質」にも、これまで以上に意識を向けるべきなのだ。
    Q5 汚れた空気は健康とは無関係?
  ▶人が体内に取り込む物質で最も多いのは「空気」。肺がん急増で死因のトップに。
  ▶健康で快適な暮らしのため、食べ物や水だけでなく、身の回りの空気質にも注意を。
   体に取り込む物質で最も多いのは「空気」
   死因で急増するのは「肺がん」と「肺炎」
   肺がんの最大の原因はやっぱり「喫煙」
   空気の汚染は発がん性が確実な「グループ1」に
   大気汚染物質は減少したが微小粒子PM2.5が問題に
   大気汚染の新たな難敵「PM2.5」
   体内に吸い込む「室内空気」にも関心を

    Q6 ウィルス対策は加湿でバッチリ?
  ▶低断熱住宅で無理に加湿すると、低温部に結露が発生してカビやダニの温床に。
  ▶それでも加湿する場合は、外皮の断熱や防湿・換気設備など総合的な計画が必要。
   インフルエンザの予防は合わせ技で
   水1日33リットル・電気代1ヵ月2万円
   低断熱住宅の加湿にはリスクがいっぱい
   湿気とカビは世界共通の大問題
   インフルエンザの感染経路は「飛沫」と「接触」
   それでも加湿するなら建物全体で計画を

    第3章 家電
  エアコンや冷蔵庫、テレビなど、いかにも電気を食っていそうな家電製品を買い替える。それが最もお手軽な節電・節約技だと思っている人は少なくない。ところが、省エネ家電の性能向上は完全に頭打ち。お手軽な省エネのネタが尽きる中、住宅そのものの性能向上が求められている。
    Q7 最新家電ならどれでも省エネ?
 8380
  ▶主な家電はトップランナー基準の目標年度を終えており、さらなる省エネは期待薄。
  ▶家電の高効率化をアテにせず、建物側で省エネ性能の向上を図っていく必要がある。
   「しんきゅうさん」で家電買い替えの節電効果をチェック
   2005年以前の冷蔵庫の消費電力量は実態と乖離
   古い冷蔵庫の買い替えはコスパ良でおススメ
   テレビの省エネは液晶化で進むも今は一段落
   益昌テレビでも大画面・高画素数なら増エネに
   貯湯式の温水洗浄便座なら買い替えがおススメ
   家電のお手軽な省エネから建物と設備の地道な省エネへ

    Q8 エアコンを買い替えれば節電に?
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  ▶エアコン効率COPやAPFは長らく頭打ち。機種交換による節電は、もはや期待できない。
  ▶「畳数の目安」は大昔の低性能住宅を想定したもの。過大な能力の機種を選ぶと増エネに。
   APFは冷房と暖房の両方をカバーする効率指標
   「畳数の目安」は無断熱・日射遮蔽なしの住宅を想定
   COPはまさかの低下傾向、APFも近年は足踏み
   エアコンは中間能力に効率のスイートポットがある
   エアコンの実運転は高負荷 or 超低負荷がほとんど
   エアコン効率のスイートポットを生かす使い方

    第4章 太陽光発電
  太陽光発電は住宅の再生可能エネルギーでは、ほぼ唯一の選択肢。設置コストも手ごろになっており、割高に電気を買い取ってくれる制度も或る。蓄電池の省エネ効果には検討の余地があるが、太陽光発電を設置しない理由はもはやない。エネルギー自立に向けて抑える[押さえる?]べきポイントと「損得」をみてみよう。
    Q9 太陽光発電はもう載せなくていい?
 8719
  ▶太陽光発電は、ネガティブな情報が広がっているが、住宅の再エネではほぼ唯一の選択肢。
  ▶エネルギー自立にも必須であり,住宅用は優遇されているので絶対に載せるべき。
   設置事との補助から固定買い取り制度「FIT」へ
   買い取り価格の急変に伴う太陽光バブルの発生と崩壊
   10年経過の「アフターFIT」で買い取り価格暴落
   アフターFITの買い取り単価≒回避可能費用
   電気代に占める発電コストの原価は意外と小さい
   高価買い取りの原資「再エネ賦課金」が上昇中
   太陽光発電からの売電が断られる「出力制御」が発動
   再エネをもっと増やすことは絶対必要

    Q10 太陽光発電は売電で大儲け?
 8708
  ▶これから太陽光発電を設置するなら、「全量買い取り」ではなく「余剰買い取り」が基本。
  ▶従来の系統への売電中心から、住宅内の需要を賄う「自家消費」が重要に。
   売電方法は発電容量10㎾を境に2種類ある
   かつては「余剰買い取り」より「全量買い取り」がトクだった
   もう全量買い取りは儲からない、これからは余剰買い取り
   自家消費できるだけの適性容量の太陽光を載せるのが基本
   初期費用ゼロでも太陽光は載せられる
   売電ではなく自家消費優先で太陽光発電は必ず載せる
   
    Q11 蓄電池で停電とアフターFIT対応は万全?
  ▶「太陽光発電の自家消費」と「停電対策」を定置型蓄電池の容量で両立するのは困難。
  ▶当面はポータブル蓄電池での備えが現実的。電気自動車を活用するV2Hも有望。
   蓄電計画にはカバーしたい用途の見極めが重要
   蓄電池の「定格容量」はフルに使えない
   自家消費と停電対応の両立は?
   経年劣化は蓄電池最大の弱点
   深夜電力充電モードで使うなら蓄電池はただの「増エネ設備」
   定置型蓄電池は現状では採算がとれない
   電気の「基本料金」は将来値上がりするリスク大
   基本料金が上がればオフグリッドが採算に乗る
   オフグリッド化を見越して使い切れる容量の太陽光発電を
   完璧を目指すなら電気自動車を活用するV2H
   移動を含めたゼロエネは究極の目標、まずは建物をしっかりと

    第5章 エコハウスの目標
  真のエコハウスが腐朽していくためには、正しい政策誘導が欠かせない。だが、本当の主役はあなた自身。適切なゴール設定の下、住まい手が健康・快適な暮らしを諦めず、作り手が工夫を凝らせば、誰もがエコハウスを建てられる日は決して夢ではないのだ。
    Q12 省エネの義務化なんて必要ないよね?
  ▶建築物省エネ法の住宅の適合義務化は見送り。
  ▶低性能な「ハズレの家」を引けば、暑さ寒さと高額なエネルギーコストに苦しむことに。
  ▶政策誘導による早急な性能確保は不可決。
   建築物省エネ法は一次エネルギーの規制がメイン
   建築省エネ法「住宅」は適合義務ならず!
   トップランナー制度は「大手事業者のボトムアップ」が必要
   戸建て住宅は多すぎて手に負えない?
   一次エネ計算ができず「省エネ適合」が判定できない設計者
   住宅の適合義務化を吹きとばした「未達4割」
   「建て主は省エネを求めていない」は本当?
   適合義務化の先送りで終わらぬ悲劇
   断熱は本当に「ペイしない」のか?
   「住宅業界への忖度」で住宅ストックの9割が無断熱に
   建築の省エネが急務なワケはロックイン効果にあり
   低所得者の家こそ暖かくする国ドイツ
   
    Q13 ZEHは究極のエコハウス?
 8742
  ▶ZEHの仕様は「今どき当たり前」で、真のエコハウスというには力不足。
  ▶系統への売電に大きく依存しているため、FIT終了後はエネルギーコストが高額に。
   経産省ZEHは断熱・高効率設備・太陽光発電の3点セット
   一次エネ消費量の「その他抜き」と「その他込み」
   強化バージョンのZEH+/ZEH+Rも疑問だらけ
   ZEHならゼロエネで絶対に健康・快適?
   WEBプロでは実際の建物や生活を再現できない
   ネット・ゼロはあくまで「年間で差し引きゼロ」
   ネット・ゼロエネはゼロコストにあらず、FIT終了後は赤字に
   エネルギー消費と発電の季節変化を小さくする建物の工夫を

    Q14 エネルギーコストゼロで快適な生活は無理?
  ▶究極のエコハウスを実現するために必要な建築関係の部材は、既に一通りそろっている。
  ▶適正な容量・傾斜角の太陽光発電と年中安定のエネルギー消費量の2つがカギ。
   エコハウスは何よりもまず住まい手のために
   オフグリッドに備えたエネルギー自立住宅を目指す
   太陽光の傾斜角を大きくすれば冬場の発電量が増える
   エネルギー自立は実質ゼロコストで実現できる
   夏は高効率ヒートポンプと太陽光発電でノープロブレム
   冬は昼間の太陽熱で夜を無暖房に
   新築時はFIT活用で売電優先、FIT終了後に蓄電池を検討
   必要な部材は既にある、後は住まい手の思いと設計の知恵


コナラ枯死木(№107)伐採 2月3日

市民の森保全クラブ定例活動日。参加者は江原さん、金子さん、木谷さん、木庭さん、小松さん、新倉さん、橋本さん、細川さん、丸山さん、渡部さん、Hikizeの11名です。小松さんが入会しました。よろしくお願いします。
ナラ枯れ枯死木(№107)伐採
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玉切りしたコナラはストールやベンチなどに加工して使います。
尾根の道⇒岩殿C地区
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南向き斜面⇒作業道下の岩殿F地区下段(12月のイベント会場でストールとして)
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尾根のアカマツ周囲の笹苅り
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ベースの火の番は橋本さん。江原さんが途中で買いに行ったたい焼きをいただきました。ごちそうさま。
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ソーチェーンの目立て講習
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渡部さん・江原さん⇒木谷さん

参考書:『ソーチェンの正しい目立て』(林業・木材製造業労働災害防止協会、2020年5月第2版第10刷)B5判58頁・943円・コードNo. 2104 林業関係の図書
ソーチェーンの正しい目立て

道具の紹介
  チェンソー STIHL MS261CM
  ソーチェン STIHL RM .325" 67コマ t1.6mm
  バー STIHL 16インチ(40cm)t1.6mm
  丸やすり vallorbe 4.8mm
  やすりの柄 Husqvarna STIHL(木製)PFERD
  作業台(アカマツCLT)
  目立て用クランプ Husqvarna
  バイス
  デジタルノギス
  目立て用アングルプレート OREGON

その1 ソーチェンの構造
 

 
 


物置の片づけ 2月2日

児沢拠点の物置の片付けを始めました。
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市民環境会議(3/19)参加者募集 2月1日

健康・快適で電気代も安心な新しい家づくりと暮らし方をテーマにした3月19日に開催される市民環境会議のチラシ(環境基本計画市民推進委員会『ひがしまつやまニュースレター』13号)が市広報とともに各戸配布されました。
表_ニュースレターNo.13市民環境会議

テーマ:健康・快適で電気代も安心な新しい家づくりと暮らし方
       ~今、住宅用太陽光発電が必要な理由~
基調講演:東京大学大学院工学系研究科 前真之 准教授
日時:3月19日(日)10:00 ~ 11:30
   東松山市総合会館3階303会議室・オンライン(Zoom)
参加費:無料
申込方法:KANKYOSEISAKUKA@city.higashimatsuyama.lg.jp
問合せ:東松山市役所環境政策課(0493-63-5006 直通)

荒川緑肥 2月1日

都幾川左岸、国道407号にかかる新東松山橋の下流にある東松山堆肥ヤード(下押垂527付近)で堤防除草をリサイクルした「荒川緑肥」の配布を受けました。国交省荒川上流河川事務所の事業です。
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荒川緑肥A荒川緑肥B

荒川緑肥A-001

C地区の駐車スペースの落ち葉を掃きました。
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渡部さんは南向斜面の休憩スポットのテーブル、ベンチ追加作業。お疲れ様です。
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