森を支える
自然観察の森は、身近な生き物を観察するための施設です。珍しいものや貴重なものがあるわけではありません。約20ヘクタールの敷地の中には、いわゆる里山の風景が広がっています。その構成はコナラを主とする雑木林、スギ、ヒノキの植林地、草地、湿地、池や沢などの水辺です。「自然観察の森なんだから何もせずに、自然に任せているんでしょう」と思う人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。身近な生き物を、観察しやすいように維持管理しているのが観察の森です。基本的には生き物の生息のための多様性を心がけています。
では実際にどんな管理をしているかというと、草が伸びてきたら草刈りをする、土砂がたまったら泥をさらって出す、沢水が涸れないように水路を管理する、落ち葉がたまったら集めてたい肥にする-などです。とくに園路の周辺は来園車が安全に歩け、生き物がより身近で観察できるように気を配ります。生き物の生息環境に合わせて、明るさや風通し、他の種類との関係などを考え、毎日園路を巡回して点検しています。
※きょんtinoさんの「桐生自然観察の森〜萱野山」(『YAMAP』2019年6月16日記事)