岩殿満喫クラブ 岩殿 Day by Day

市民の森保全クラブ Think Holistically, Conduct Eco-friendly Actions Locally

2022年09月

下草刈り 9月30日

市民の森保全クラブ、9月第5金曜日の活動日。参加者は江原さん、木谷さん、木庭さん、鳥取さん、新倉さん、橋本さん、細川さん、渡部さん、Hikizineの9名でした。
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皆伐・更新エリア、作業道、尾根の道下の南向斜面での草刈りをしました。
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国産広葉樹活用プロジェクト(21年9月10日、プロジェクトリーダー黒田慶子さん、テクニカルアドバイザー浅野良晴さん、カリモク家具株式会社、株式会社AndecoSHARE WOODSひだか南森林組合で発足)
国産広葉樹材活用プロジェクト設立の趣旨

日本における里山は、農林水産省の分類では天然林(天然生林)とされていますが、実際は、数百年以上も人が燃料等の資源として使ってきた「人が作った林」(二次林)です。日本には、多種多様な樹種が混在する広葉樹林が針葉樹人工林と同程度の広大な面積を構成しており、木材として利用可能なサイズと質の樹木を蓄積しています。しかし、これまで家屋の内装や家具用材の大半を輸入に頼ってきたことに加え、里山林は主に燃料として使われてきたことから、大木になった今も利用されずに放置、あるいは安価なパルプ材となっているという課題が浮き彫りになっています。また、近年は里山の荒廃が進む一方、輸入材の高騰への業界の不安があることから、国内の広葉樹を用材として積極的に使うことが重要視されており、それに賛同する企業や地方行政、森林組合も増加傾向にあります。 

これらのことから、今後取るべき課題解決策を、これまで流通してこなかった里山材を伐出し、適正な価格で販売することと捉え、日本における広葉樹林管理や市場の課題について理解するとともに、広葉樹のもつ多様な用途開発と価値向上、また、ビジネスとしての利用促進を目指すため『国産広葉樹活用プロジェクト』を設立いたしました。

主な活動内容
1)持続可能な森林ビジネスにおける概念や解決すべき諸課題の抽出
2)国産広葉樹のビジネスでの利用促進に向けたデータの整備
3)国産広葉樹の活用に向けたビジネスマッチング
4)国産広葉樹の活用のための技術開発
5)上記に関する広報活動ならびに情報発信
※黒田慶子「里山広葉樹活用プ ロジェクトの趣旨と概要」(神戸大学HP)

※2021年8月28日に開催された『第4回神戸大学SDGsフォーラム「地域循環・自然共生社会のリデザイン~グリーン成長のための産官学連携を考える~』(YouTube 3:58:05)にある黒田慶子さんの「森林分野における産学連携・社会実装の方向性」(0:44:03~)。

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【プログラム】
0:01:35 開会の挨拶 河端 俊典(神戸大学理事 副学長)
0:07:10 中井 徳太郎 氏(環境省事務次官)
「地域循環共生圏実現に向けた産官学連携の必要性」
0:44:03 黒田 慶子 氏(神戸大学大学院農学研究科教授)
「森林分野における産学連携・社会実装の方向性」

1:26:20 石川 雅紀 氏(叡啓大学特任教授/神戸大学名誉教授)
「本質的SDgs活動と付加的SDGs活動 企業は本業でSDGs活動を目指せ」
2:10:36 加藤 洋 氏(カリモク家具株式会社副社長)
「身近な樹々の価値を高めるこれからの家具づくり」
2:32:58 中根 聡子 氏(日本たばこ産業株式会社関西リレーション推進部課長)
「持続可能な企業の森づくりとは?CSRにとどまらない新しい地域貢献を目指して」
2:57:42 大石 知広 氏(経済産業省産業技術環境局大学連携推進室長)
「2050年カーボンニュートラルに向けた産学官連携の方向性について」
3:15:50 パネルディスカッション・参加者との意見交換
モデレーター 山内 絢人(神戸大学産官学連携本部SSC推進室特定プロジェクト研究員)

※池田幸浩・高橋卓也「全国の広葉樹活用プロジェクトの近年の動向-アンケート調査・事例研究から見えてきたこと-」(『山林』1654号、2022年3月、滋賀県立大学高橋研究室サイトから)

岩殿入山谷津の植物調査 第24回 9月29日

二宮さん、加倉井さん、小野さんと木谷さん、木庭さん、細川さんで入山谷津の植物観察・調査をしました。
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岩殿I地区のウメモドキ(モチノキ科)
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青木ノ入りの道沿いの草刈り 9月28日

青木ノ入りのボッシュ林に上がる道と耕作放棄地、学びの道沿いの草刈りを、スパイダーモアで刈り高を換えながらしました。
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前回は8月25日でした。

車堀公園にスパイダーモアを戻し、ハンマーナイフモアで市野川右岸の道路沿いの草刈りをしました、
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児沢田んぼの稲刈り・稲架掛け② 9月27日

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上の田んぼは土の乾きが遅くてしけっでいるので、バインダー(稲刈り機)の使用は途中であきらめて鎌で手刈りしました。毎年のことなので工夫が必要です。稲刈り参加者全員でバインダーを試せればと思います。

児沢田んぼの稲刈り・稲架掛け① 9月27日

殿山共同農場の皆さんが児沢田んぼ2枚で育てたモチの稲刈り・稲架掛けができました。
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毛塚一反田の稲架掛け 9月26日

今日は片桐さんが応援してくれて毛塚一反田の稲架掛けをしました。ありがとうございます。
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毛塚一反田の稲刈り 9月25日

午後から、片桐さん、細川さんが応援してくれて、毛塚一反田の稲刈りを泥だらけになってしました。ありがとうございます。
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下草刈り・風倒木処理 9月25日

市民の森第4日曜日の作業日。参加者は芦田さん、江原さん、金子さん、木谷さん、鳥取さん、新倉さん、細川さん、丸山さん、渡部さん、Hikizineの10名。前回の続きで、作業道下の裾刈り、下草刈り、江原さん、木谷さん、鳥取さんで谷間の枯死木を処理しました。ナラ枯れ調査時に発見した木で、株元から折れた上部が宙吊り状態で、いつ地面に落ちて来てもおかしくない危険な状態でした。
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岩殿C地区から作業路を尾根の道に上がり、そのまま谷の道に下りていく谷間です。
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ナラ枯れ文献・ブナ科樹木萎凋病を媒介するカシノナガキクイムシ 9月23日

柴田叡弌・富樫一巳(編著)『樹の中の虫の不思議な生活 穿孔性昆虫研究への招待』(東海大学出版会、2006年9月)第12章ブナ科樹木萎凋病を媒介するカシノナガキクイムシ(小林正秀)を再読しました。
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小林正秀「ブナ科樹木萎凋病を媒介するカシノナガキクイムシ
 1.はじめに
 2.共生菌
 3.野外における成虫の行動
 4.材内における行動
  (1)成虫の行動
  (2)幼虫の行動
 5.繁殖
  (1)繁殖能力
  (2)繁殖場所の利用期間
  (3)繁殖阻害要因
  (4)大繁殖の要因
ブナ科萎凋病の被害拡大パターンは、飛翔可能な生物が新たな場所に侵入して分布を拡大するパターンと同様に、周辺木への分散、中距離(数百m)の移動、長距離(数㎞)の移動という、3つの異なるスケールが組み合わさって階層的拡散を示す。
ナガキクイムシ科は、無被害地では、低密度で点在する衰弱木や枯死直後の樹木を利用して広く低密度で分布しているため、簡単に捕獲できない。これらのことから、カシナガは古くからわが国に分布していたと考えられる。
衰弱木を利用してカシナガの個体数が広範囲で増加しており、そのような状況下で、風倒木や伐採木を利用してさらに個体数が急増して最初の被害が発生し、周辺にも繁殖に適した大径木が分布しているために、一度発生した被害が次々に拡大すると考えられる。実際に、最初の被害発生場所は伐採木や風倒木の発生地点である場合が多く、被害が同心円状に拡大する距離はカシナガが飛翔可能と推定される数㎞程度である。
 6.おわりに
ブナ科樹木萎凋病の被害対策を考える上で、カシナガの生態を明らかにすることが重要である。このような観点からカシナガの研究に取り組んだ結果、カシナガだけを悪者扱いにすることに疑問が生じてきた。被害が発生しているブナ科樹木を種とする広葉樹二次林は、燃料革命以降に放置されて大径木化している。人間の勝手な都合で放置された大径木を利用してカシナガが大繁殖していることがブナ科樹木萎凋病が流行している要因と考えられる。また、燃料革命をきっかけとする地球温暖化が、カシナガの生息域の拡大や樹木の衰弱を引き起こしていることも被害に関与している可能性がある。数億年もかけて蓄えられてきた化石燃料を、その百万分の1ほどの短期間のうちに燃やし尽くそうとしている人間の所行は、本被害とも無縁ではなさそうである。
キクイムシ類は、衰弱木や枯死直後の樹木に最初に穿入する。このため、彼らは腐りにくい木部の分解を促進し、物質循環の速度を加速するという重要な役割を果たしている。また、食性や配偶システムが多様で、社会性の発達が認められる。特に、ナガキクイムシ科には真社会性の種もあり、カシナガも幼虫がワーカーのような役割を果たしている。キクイムシ類は、健全木を枯死させたり木材に穴をあけるなど経済的に重要な害虫になることがしばしばある一方で、人類の生存にとって欠くことのできない分解者であり、生物学的にも興味深い存在である。しかしながら、日本ではキクイムシ類を研究対象にする人は少ない。ここで紹介した内容がキクイムシ類のイメージを変えることに寄与し、キクイムシ類を研究対象にする人が一人でも増えることに貢献できれば、望外の幸せである。
ナラ枯れ文献・カシノナガキクイムシとその共生菌が関与するブナ科樹木の萎凋枯死「2022年5月17日記事)


岩殿B地区上段の草刈り 9月22日

岩殿B地区上段の草刈りを始めましたが、雨が降ってきたので中止。
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ここは、最初にタコノアシを見つけた場所です。今年は育ったものが大幅に減って3本残っているだけです。

野菜の種まき 9月22日

須田ゼミで野菜の種まきをしました。
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岩殿D地区の草刈り 9月22日

岩殿D地区のセイタカアワダチソウも刈り取りました。
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キタテハ(タテハチョウ科)
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タコノアシ(ユキノシタ科→タコノアシ科)
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今年は花を付けるまで生き残ったタコノアシが少ない!

小山内朝香・亀山章・佐伯いく代水位と競争種の有無がタコノアシの成長・繁殖に 与える影響:生育地復元の基礎情報として(日本湿地学会『湿地研究』1巻、2010年)
……タコノアシのような湿生植物の復元におい ては、水分環境をどのように設定するかによって、ターゲットとなる種の生育状況や競争種との関係が 大きく変化する。(33頁)
タコノア シはこれらの高茎の植物と光や生育場所をめぐる競 争が少なく、攪乱の起こりやすい水際部に定着しや すいものと推測される。また水際部において高茎の 多年生草本がタコノアシと同所的に生育する場合も みられたが……、タコノアシはこれらが繁茂していない場 所に局所的なパッチをつくって生育しており、著し く被圧されているという状態ではなかった。(40頁)
実生の生育は、……競争種の被陰やリターの堆積の影響を強く受 けるため、[水面からの比高]20cm 区内の土砂が堆積してできた裸地 のような環境でないと生育は困難であると考えられ る。被陰とリターの影響については,タコノアシが 暗黒下で発芽しないことが報告されている。そのため、高茎草本やリターに厚 く覆われた場所では実生個体そのものが出現しにく いと推測される。(41頁)
野生環境下でタコノアシが 定着し、群落を維持していくためには、(1)水位変 動による攪乱が起こる生育地において水辺と陸地の 移行帯の部分を確実に保全していくこと、(2)生理 生態的特性をふまえた上で,本種が成長・繁殖でき る環境を創出する技術を確立していくことの 2 点が 重要である。本研究で創出した実験環境下では、水 面からの比高 0 ~ 20cm 区がタコノアシの成長・繁 殖に最適であった。このような生態的情報や高茎多 年生草本との競争関係、ならびに生育地基盤設置の 技術は、新たな生育地を創出する際に応用できると 考えられる。(41頁)

岩殿E地区の草刈り 9月22日

岩殿E地区のセイタカアワダチソウを刈払機で刈りました。
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除草機で刈ると刈り方にムラがないので、草丈が揃ってきたようです。

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チカラシバ(イネ科)
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さいたま緑の森博物館見学③ 9月21日

西久保湿地の田んぼとその西側を流れる禊川(みそぎかわ)を見学しました。

西久保田んぼ
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※みどりの森の田んぼ どこに何が住んでいる(西久保湿地の田んぼ・谷戸田ってなぁに?)(ニュースレター№38、2020年夏号

ここも2012年2月4日に訪れていて、その時の写真です。
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禊川(不老川に合流し、新河岸川を経て隅田川に合流します)
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水が澄んでいて粘土質の川底がよく見えます。

※みどり森から流れる川はどこへ行く?(ニュースレター№36、2020年冬号

さいたま緑の森博物館見学② 9月21日

緑の森博物館には手をつけずに藪を残している区域、草刈りをしている区域、小面積の皆伐をしている区域などがあります。皆伐後、萌芽更新している区域にはナラ枯れは発生していません。
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伐採から再び始まる?雑木林(ニュースレター44号、2022年冬号


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2012年2月4日にNPO法人シーズ主催の環境アドボカシーの研修会が緑の森博物館であり参加しました。
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その時、疎林広場にある175.8mの三角点付近を撮った写真です。
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今日撮った写真と比べてください。
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背景に雑木林が写っている写真にいずれ差し替えます。

さいたま緑の森博物館見学① 9月21日

狭山丘陵にあるさいたま緑の森博物館(面積約85ha)でナラ枯れや萌芽更新の様子などを見学しました。
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案内所で展示を見て、ナラ枯れマップを手にして園内を廻りました。今年、フラス木、枯死木が何本になっているのか確認していませんが、園路沿いだけでも相当の本数であることは分かりました。
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さいたま緑の森博物館のナラ枯れマップ(ニュースレター42号、2021年夏号
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みどりの森では市民の森より1年早く20年にナラ枯れが始まり、今年3年目です。
 2020年:ナラ枯れを初確認。太いコナラを中心に立ち枯れ。
 2021年:ナラ枯れ広がる。伐採が追いつかない規模に……
 2022年:ナラ枯れ更に拡大。
     大きなコナラ以外にも太くないコナラやクヌギ、シラカシにもカシナガが入る。
市民の森のナラ枯れは今年2年目で、枯死木は100本を超えて昨年の6倍です。

岩殿A地区の草刈り 9月21日

須田さんが岩殿A地区の田んぼと畑、E地区上段の草刈りをしました。ありがとうございます。
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チカラシバ(イネ科)
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3日間の降水量 9月19日

9月18日~20日の鳩山アメダスのデータです。台風や豪雨の予報があると市民の森で災害が起きないかと雨の降り方が気になります(←「雨で斜面が崩れる理由(2022年9月1日記事)」)。鳩山アメダス埼玉県川の防災情報から荒川上流河川事務所高坂東松山県土整備事務所白山中学校などの観測地点や気象レーダー(→HIR-NET提供の気象レーダー、雨量レーダーのサイトリンク集『埼玉県気象レーダー)をみています。

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9月の日降水量、最大1時間降水量
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稲刈り時期到来 9月18日

稲刈りの時期になりました。人はなんとか都合をつけても、ままならないのは天気です。台風14号の進路が気になります。

岩殿A地区のミニ田んぼ
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児沢の田んぼ
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毛塚一反田
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作業道下の裾刈り⑤ 9月17日

13日の作業の続きをしました。
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プランターから移植したときにタネを持ち込んだのでしょう。シソが生えていたので引き抜きました。
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渡部さんが、断線でエンジンが止まらなくなった刈払機の修理をしてくれました。
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尾根の道の上り口にマムシがいました。鎌で草を刈るときに手を伸ばした先にいることがあります。注意してください。素手で地面に手をのばさない。
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ドローン撮影 9月16日

斉藤さんに市民の森のナラ枯れ被害の状況をドローンで撮影してもらいました。
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動画はYouTubeに市民の森保全クラブチャンネルを作り、閲覧できるようにします。




下草刈り 9月16日

市民の森保全クラブ定例活動日。参加者は芦田さん、新井さん、江原さん、木庭さん、斉藤さん、鳥取さん、新倉さん、丸山さん、細川さん、渡部さん、Hikizineの11名。岩殿C地区上の南向エリア、皆伐・更新エリア、作業道、尾根の道下の南向斜面での草刈り、ドローンを飛ばして市民の森のナラ枯れを撮影をしました。また松本薫さんの「ナラ枯れ被害木の伐採・搬出による近接木の被害遅延の可能性」(『日本緑化工学会誌』48巻1号、2022年)のコピーを配布しました。さいたま緑の森博物館での調査をまとめたものです。市民の森の冬季作業をどう進めていくのか、検討資料として活用します。
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ノウタケ(ホコリタケ科)
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オオブタクサを刈り取る 9月15日

岩殿G地区でオオブタクサを刈り取りました。4m近く伸びているものまであります。
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カヤネズミの巣
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澤邊久美子・夏原由博「小規模半自然草地におけるカヤネズミの冬季の営巣環境(『保全生態学研究』24巻1号、2019年)
抄録:カヤネズミMicromys minutus (Pallas, 1771)は、イネ科の高茎草地を生息地とする草地性生物の一種であり、7月から10月ごろの繁殖期にイネ科またはカヤツリグサ科の草本など多様な単子葉草本の茎葉を利用し、地上部約1 m前後の高さに球状の巣を作る。一方、本種は冬季には地上付近に巣を作ると言われているが、冬季の生態についてはまだ明らかになっていない。本研究では本種の冬季の営巣環境において、冬季植生の存在の影響と営巣の位置について明らかにした。2014年-2015年の2年間の繁殖期に継続して生息が確認されていた11地点と生息が確認できていなかった9地点の計20地点で、2016年冬季に越冬巣の調査を行った。巣ごとに巣高、営巣植物種、営巣植物高、群落高を記録し、より広域の環境要因として草地ごとに、冬季の全面刈取りの有無、カヤネズミの移動を想定した隣接する森林・水田の有無、冬季全植被率、冬季茎葉層植被率(10 cm以上)、ススキとチガヤの植被率合計を記録した。
越冬巣は9地点(12巣)で確認され、越冬巣の巣高は群落高に関わらず平均28.92 cm(SD=13.12)であった。これは繁殖期の巣高より低く、越冬巣は草高にかかわらず一定の高さであった。草地における越冬巣の有無は過去2年間の繁殖期の営巣の有無とほぼ対応していた。冬季の茎葉層植被率、全植被率またはススキとチガヤの植被率が高いと越冬巣が有意に多く、冬期の全面刈取りがあると越冬巣が有意に少なかった。カヤネズミの移動を想定した森林・水田の隣接については関連が見られなかった。本研究で対象とした小規模な半自然草地における本種の冬季の営巣環境としては、特に越冬巣が多く見られた30 cm程度の位置に植物体が存在することが重要であり、全面刈り取りを避けることが重要であると示唆された。[下線は引用者]
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岩殿 I 地区の裾刈り 9月14日

入山沼下の岩殿 I 地区と作業道の間の斜面の裾刈りをしました。
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入山沼堰堤はオオブタクサだけを刈り取りました。

作業道下の裾刈り④ 9月13日

江原さんの作業と併行して、作業道下の裾刈りを昨年11月21日に作ったコナラの育苗場のところまでしました。日陰がないので大汗をかきました。
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刈った草は集めて積み上げました。

南向き斜面の裾刈り 9月13日

岩殿C地区に下りてくる作業道と無名沼イ号との間の裾刈りを江原さんがしました。
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このエリアは2018年11月下旬にハンマーナイフモアや重機を使ってアズマネザサとそれに被さるツル植物の大藪を除去、翌年4月から市民の森保全クラブの作業管理エリアに編入されました。当時の写真と比べてみましょう。
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2018年11月21日、22日
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2018年11月25日
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霧ヶ峰の草原の成り立ち 9月12日

霧ヶ峰高原の八島ヶ原湿原に隣接する下諏訪町立八島ビジターセンターあざみ館を見学しました。

八島ヶ原湿原と霧ヶ峰の山々(Wikipedia)_11-4A八島湿原(八島ビジターセンター)
八島ヶ原湿原と霧ヶ峰の山々Wikipedia「八島ヶ原湿原」

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浦山佳恵「霧ヶ峰高原の山麓集落による高原資源の利用と生業の変遷 -近世から近代を対象に-」(
長野県環境保全研究所 環境保全研究所研究報告 第3号、2008年)

1.はじめに
 霧ヶ峰高原の標高1500m以上には、約1000haという日本最大規模の亜高山帯の草原が広がっている。降水量の多い日本列島では、高山や海岸風衝地に成立する自然草原を除けば、何らかの人為的干渉がなければ森林が成立する。そのため、多くの草原は人間による火入れや採草、放牧などにより形成された二次草原である。霧ヶ峰高原の草原も採草利用により維持されてきた二次草原であるが、採草利用の停止により草原の森林化がすすみ、草原景観の消滅や草原性動植物の絶滅さらには生態系全体への影響が危惧されている。
 近年、県や市町村、NPO等により草原を保全する取組みが行われつつあるが、草原と山麓集落との関わりの変遷を把握することは、今後の草原保全に多くの示唆を与えてくれると考えられる。
 これまで霧ヶ峰高原の草原と山麓集落との関わりについては、草原化の起源が鎌倉時代であること、近世以降霧ヶ峰高原は肥料や飼料となる草の採取に利用され近世末には全域が草原となり、明治以降化学肥料の普及により採草利用が減少し草原の縮小が始まったこと、昭和初期には標高1500m以上は秣の採取に利用されていたこと、昭和初期の秣の具体的な採取方法等が解明されてきた。
 一方、霧ヶ峰高原での採草利用は山麓集落の生業と密接に関わってきたと考えられるが、山麓集落の生業との関連で霧ヶ峰高原の資源利用を明らかにしたものはない.
 そこで、今回は近世から近代を対象に取り上げ、山麓集落の生業と霧ヶ峰高原の資源利用の変遷を明らかにすることを試みた。
2. 調査地の概況
 2.1 霧ヶ峰高原の自然条件
 2.2 中世における霧ヶ峰高原の草原化要因
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3. 近世の山麓集落の生業と霧ヶ峰高原の資源利用
 3.1 入会集落の生業
 3.2 入会集落による霧ヶ峰高原の資源利用
   霧ヶ峰高原の山麓集落による高原資源の利用と生業の変遷_4
 3.3 資源をめぐる利用規制
4. 近代の山麓集落の生業と霧ヶ峰高原の資源利用
 4.1 入会集落の生業
 4.2 昭和初期の入会集落による霧ヶ峰高原の資源利用
 4.3 昭和初期の資源をめぐる利用規制
5. 山麓集落の生業と霧ヶ峰高原の資源利用の変遷
6. おわりに
これらから、近世末に霧ヶ峰高原全域が採草地として利用されたのは、山麓集落が稲作を中心とした生業を営み肥料をほとんど自給していたためであったと考えられる。また、明治以降の採草利用の減少は、養蚕が盛んになり現金収入が増加するとともに肥料としての草の価値が低下したためであったと考えられる。一方、明治以降も標高1500m以上で比較的採草利用が維持されたのは、西麓集落が現金収入を得るために酪農を開始したことと関連していたと考えられる。利用規制の運用状況の変化は、こうした生業の変化に伴う草の資源価値の変化を反映していると考えられる。
今後は、さらに戦後から現在についても同様に明らかにすることにより、現在の草原の形成過程について検討し、今後の草原保全のあり方についても考えていきたい。
謝辞
文献
 

  

※車山山頂(茅野市)には高さ12.4mの気象レーダー観測所(気象トップラーレーダー)があります。

立科町のくびれ 9月12日

立科町は東西9.9㎞、南北26.4㎞と南北に長い町で瓢箪[ひょうたん]を引き延ばしたような形をしています。最狭部は幅わずか53mで、そのくびれをもたらしたのは、17世紀初頭、雨境峠の南側の蓼科山麓は諏訪方9ヶ村(現・茅野市)と佐久方8ヶ村(現・立科町)の入会原野でしたが、半世紀以上にわたって争論が続いたあげく、1670年代に諏訪側の立ち入り・利用が禁止されて佐久側の独占が認められたことです。これが「立科のくびれ」の南側、白樺高原地域(蓼科)が現在立科町に属している遠因の一つです。
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中山道 茂田井間の宿 9月12日

霧ヶ峰高原の八島ヶ原湿原に隣接する長野県諏訪郡にある下諏訪町立八島ビジターセンターあざみ館に向かう途中で寄りました。中山道69宿の25番目の望月宿と26番目の芦田宿の間にある宿場町で用水に沿って古い家並が残っています。

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案内板に佐久市教育委員会、立科町教育委員会とあるので、『立科町合併60周年記念 町勢要覧 2015』の資料編・立科町60年のあゆみをみると1960年に望月町(2005年に佐久市に合併)茂田井地区で立科町への境界変更についての住民投票が行われ、望月町茂田井の大部分が立科町に境界変更したとありました(39頁)。2軒の造り酒家は佐久市、一里塚は立科町です。

 

 


岩殿 I 地区の草刈り 9月11日

入山沼下の岩殿I地区中段で背丈ほどにものびたオオブタクサセイタカアワダチソウを刈り取りました。
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市民の森の作業道と岩殿F・I地区との間の裾刈りがはかどらないので、終わるのを待たずに、とりあえず済ませました。

……人が管理する場所すなわち公園、芝地、道路の法面などでも、植栽や景観を維持するために除草剤が利用されている場面があります。傾斜地や民家周辺も同じで、人手による除草作業では非常に多くの労力と経費、時間がかかるためです。
このように、除草剤の上手な使用で効率的な雑草管理ができるようになっています。
ちなみに水田では、手取り除草や手押し除草機など人力による除草が主な手段であった1950年以前の雑草防除は、10a当たり50.6時間、約1週間を要していました。その後除草剤の普及が進むにつれ除草労働時間は大幅に削減されて、今では10a当たりわずか1.1時間程度となっています。
岩殿満喫クラブ、市民の森保全クラブは除草剤を使っていません。その分、除草は人手による作業となって多くの時間を費やしています。除草機のハンマーナイフモアを使えば肩掛けの刈払機の6~7倍のスピードで刈れますが、谷津の耕作放棄地では除草機が使えない場所もあります。

21年ナラ枯れ枯死伐採木の測位 9月10日

昨年10月24日今年1月23日3月27日に市民の森で伐採したナラ枯れ枯死木をスマホのGPSを使って地理院地図アプリでマップ化しました。
地図

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今年のナラ枯れ被害木の調査をしています。ドローンで撮影した写真をみるとナラ枯れ被害は市民の森周辺にも拡がっています。市民の森(市有地)と愛弘園、石坂の森、清澄ゴルフ倶楽部、民有地などとの境界エリアのナラ枯れ被害木、枯死木をどうするか?
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ハンマーナイフモア修理 9月9日

7日に修理に出したハンマーナイフモアが戻ってきました。ナイフ交換、破損していたロータリーカバーの鉄板加工、スライドカバーの変形修整、キャブ分解・洗浄などして、修理に出した時点とは見違えるようになりました。早速、車堀公園で試運転しました。快調です。
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ナラ枯れ被害木調査⑦・下草刈り 9月9日

市民の森保全クラブ活動日。参加者は芦田さん、江原さん、片桐さん、木谷さん、木庭さん、斉藤さん、鳥取さん、細川さん、渡部さん、Hikizineの10名。
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舗装園路沿いのナラ枯れ被害木調査(物見山駐車場~鳩山町観測センター通り)は今日で終了。
鳥取さんがまとめてくれたナラ枯れ被害木調査資料です。確定した数値ではありませんが、今年の枯死木が104本であるとすると、これらの枯死木(樹幹に黄色のテープが2本巻いてある)をこれからどう処置するのか?
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コナラ林の下草刈りをしました。
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江原さんの30㏄の刈払機を使って草刈り機の取り扱い研修
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農業機械安全使用講習・刈払機 YouTube JAしみず公式チャンネル 5:43
  

ドローン大破 9月7日

石坂の森の見晴らしの丘(J)からドローンを飛ばして、市民の森の見晴らし台(N)から地球観測センター(JAXA)の間のエリア(L~Q)の撮影を行う計画でしたが、霧雨の中、離陸時に舩木さんのドローンが大破してしまい今後の撮影は不可能になってしまいました。残念です。
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7月25日には見晴らし台(N)から舩木さんが撮影しました。
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9月6日は斉藤さんが岩殿C地区からドローンを飛ばして撮影。
4枚とも見晴らし台は写っています。どのあたりかわかりますか。
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道路が2箇所確認できます。K地点とQ地点です。

ナラ枯れ被害木調査⑥・ドローン撮影 9月6日

市民の森保全クラブ追加作業日。参加者は江原さん、斉藤さん、鳥取さん、新倉さん、細川さん、丸山さん、鷲巣さんとHikizineの8名。物見山駐車場からL地点まで園路沿いのエリアのナラ枯れ被害木の調査をおこないました。
ナラ枯れ被害木調査(8月24日、26日、29日、31日、9月4日)結果報告
 今年新たにカシナガが穿入し枯死したコナラ 54本、穿入生存木 338本
 昨年、カシナガが穿入し、今年になって枯死したコナラ 2本、穿入生存木 52本
 現在、カシナガが穿入していない(フラスが出ていない)コナラが5.1㏊で約455本
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江原さんは尾根の道から南向き斜面を岩殿C地区に降りる作業路の草刈りをしました。
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斉藤さんはドローンでナラ枯れ被害状況の撮影をしました。市民の森に接する岩殿観音~藤井沢沼エリアでもナラ枯れ被害が拡がっています。
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作業道下の裾刈り③ 9月5日

作業道下の裾刈りを再開しました。
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3月23日24日に移植したヒガンバナの花茎が20本ほど出ています。花が咲き終わっているものまでありました。
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ナラ枯れ被害木調査⑤ 9月4日

今日は谷の道沿いのエリアのナラ枯れ被害木調査を実施しました。参加者は鳥取さん、新倉さん、丸山さん、鷲巣さん、渡部さん、Hikizineの6名でした。園路から外れている浅い谷間にも被害木があります。次回は6日(火曜日)です。
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ここでも土砂崩れがおきていました。
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『クビアカツヤカミキリの防除法』(森林総研) 9月3日


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第3章 地域での総合防除への提言では、被害の程度に応じて地域での防除法がまとめられています。
(1)被害が甚大な地域における防除 ~伐採と他種植栽・散布の効率化~
(2)被害が中程度の地域 ~モニタリング強化と化学・物理的防除の徹底~
   被害木が高密度になっておらず、中心の被害地でも被害木と無被害木が混在する地域
(3)侵入間もない被害先端地域 ~オンラインマッピングの応用~
   クビアカツヤカミキリの分布が拡大しつつある地域近辺で、被害がまだ確認されていない箇所
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東松山市内ではこの間、数箇所でクビアカツヤカミキリが新たに見つけられているようです。被害木の伐採はしていないようですが、被害の程度に応じた防除法がとられているのでしょうか。

森林総研関西支所では、2022年6月11日(土)龍谷大学響都ホール校友会館で「外来カミキリムシから花咲く春を護る」というテーマで公開講演会を開催しました。そのときの講演内容をYouTubeで見ることができます。
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 ※加賀谷悦子「クビアカツヤカミキリは日本でなぜ脅威となったのか」(『森林科学』89巻、2020年)
 ※田村繁明・加賀谷悦子「日本におけるクビアカツヤカミキリの分布拡大の経過」(同上)

   

  

 ※春山直人「栃木県におけるクビアカツヤカミキリの発生と対応状況」(『森林科学』89巻)

   

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 ※長竹優空・中嶋愛美・田中雅紀・根岸良行「特定外来生物からサクラを守る〜クビアカツヤカミキリの調査と対策について〜」(『森林科学』89巻、2020年)

※三輪誠・角田裕志・嶋田知英「埼玉県における県民参加による“クビアカツヤカミキリ発見大調査”とそのデータの活用」(『日本緑化工学会誌』47巻4 号、2022年5月)
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 1. はじめに
 2. クビアカツヤカミキリ発見大調査
 3. 埼玉県内におけるクビアカツヤカミキリ被害の状況
 4. クビアカツヤカミキリの分布拡大予測
これまでに示したとおり、埼玉県内では、クビアカツヤカミキリによる被害地域の拡大が続いている。それでは、今後、県内では、クビアカツヤカミキリはどのように生息分布を拡大していくのだろうか。これを予測するために、「クビアカツヤカミキリ発見大調査」で得られた被害に関する分布情報と、コンピューターシミュレーション手法を組み合わせて、生息分布拡大を予測するシミュレーションモデルを開発した。なお、このモデル開発は、東京都立大学大学院都市環境科学研究科の大澤剛士博士との共同研究で行った。
その結果、開発した分布拡大を予測するシミュレーションモデルから、今後、県内のクビアカツヤカミキリは、①河川沿いのサクラ並木に沿って分布拡大する可能性があること、②山林の比率が高い県西部への分布拡大は限定的である一方、県中央部から東部にかけて分布拡大する可能性が高いことがわかった。このことは、クビアカツヤカミキリがサクラ並木を伝って移動し、そこを起点に拡散することで、県中央部から東部にかけて生息域を拡大する可能性があることを示唆している。この研究成果により、クビアカツヤカミキリの侵入や被害発生をより焦点をしぼって効率的に調査できることから、開発されたモデルは、被害の早期発見と防除に役立つと考えられた。(注略 下線引用者)
  ※大澤剛士・角田裕志・嶋田知英「 Establishment of an expansion-predicting model for invasive alien cerambycid beetle Aromia bungii based on a virtual ecology approach 」( Management of Biological Invasions (2022) Volume 13, Issue 1: 24–44 )

 5. まとめ
「クビアカツヤカミキリ発見大調査」の結果より、埼玉県内では、被害地点数の増加は頭打ちになりつつあるものの、年々被害地域が拡大していることが分かった(表―1 および図―2)。また、この調査で得られた被害情報を活用したシミュレーションモデルから、県内におけるクビアカツヤカミキリの分布拡大の傾向を予測することができた。
これらのことは、被害の早期発見と防除に極めて有用な情報である。これらの有用な成果が得られた背景には、これまで示してきたとおり、調査に参加していただいた県民の“力”が大きくかかわっていることは言うまでもない。それに対する感謝の意を込めて、県民が関わって得た情報が実際にどのように活用されているのかがわかるように示すことが大切であると考えられる。このことから、個人情報管理による制約はあるものの、この調査では、できる限り調査地点を地図上に示し、“見える化”することで被害情報を発信することを心掛けている。これにより、調査に関わった県民は、自らのデータが被害防止に活用されていることを知ることとなる。
当センターでは、今後も、「クビアカツヤカミキリ発見大調査」などで得た有用な情報を、ホームページなどを通して随時発信し、被害の早期発見と防除に役立てていきたいと考えている。埼玉のサクラを守るため、クビアカツヤカミキリの被害や成虫の発見情報の提供に、ぜひとも御協力いただきたいと考える次第である。(注略 下線引用者)

サクラの外来害虫“クビアカツヤカミキリ”情報(埼玉県環境科学国際センター)

雨で活動中止 9月2日

スマホの雨雲レーダーによると10時頃から岩殿では雨が降り始めるとのことでしたので、1時間でもナラ枯れ被害木の調査ができればと、いつもより早めに集合(芦田さん、江原さん、木谷さん、斉藤さん、新倉さん、細川さん、丸山さん、鷲巣さん、Hikizineの9名)しましたが、雨が強く降り始めたので活動は中止。4日(日曜日)を追加作業日とすることにして散会しました。
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倒木が作業道にあり、道を塞いでいたので片づけました。アカメガシワの枯死木が幹折れして斜面に落ち、そのショックで折れたものが作業道に落ちたようです。
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樹皮に木材腐朽菌の子実体(キノコ)がついています。褐色腐朽? or 白色腐朽?



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雨で斜面が崩れる理由 9月1日

7月21日の記事にあるように、市民の森では7月の豪雨で土砂崩れがおきた場所が何箇所もあります。ボッシュ林の北向き斜面の谷もその一つです。大規模なものではありませんが、これから多発しそうです。
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YouTubeの森林総研チャンネルにある「【森林講座】土砂災害を引き起こす雨の降り方に隠された共通点」(21:09)の前半に「そもそもなぜ斜面が雨で崩れるのか?」があります。



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土砂災害が発生する危険性の高い雨の降り方を判定する」(森林総研プレスリリース2021年10月28日
ポイント
・雨の降り方と土砂災害が発生したタイミングの関係を明らかにしました。
・1時間当たりの平均雨量がおよそ 100 年に一度の値に達した際に,土砂災害が発生する
危険性が高いことがわかりました。
・この成果は,土砂災害が発生する危険性が高い雨の降り方の判定に役立つことから,
住⺠の安全な避難計画の策定に貢献することが期待されます。




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