岩殿満喫クラブ 岩殿 Day by Day

市民の森保全クラブ Think Holistically, Conduct Eco-friendly Actions Locally

雑木林・里山探訪

トラスト12号地 原市の森のナラ枯れ対策 11月30日

上尾市原市にあるトラスト12号地 原市の森(2012年取得40340㎡)のナラ枯れ対策を見学しました。
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フラス木214本、枯死木(枝枯れを含む)24本(2022年10月末)。
伐採木を~30㎝に玉切りし、乾燥させて幹内のカシナガを殺虫。

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クヌギの苗木を育てているエリアがありました。

イヌヌマトラノオ(オカトラノオとヌマトラノオの交雑種)(←トラスト12号地の保全活動
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施策<1> 生物多様性への取組
取組 市内の緑地や動植物を保護するため、緑地保全地区の指定や「ふるさとの緑の景観地」といった緑の公有地化を進めます。(みどり公園課)
活動内容 原市ふるさとの緑の景観地において、ナラ枯れが発生したため、さいたま緑のトラスト協会と連携して、被害木をすべて伐採し、搬出した。今後も良好なみどりの保全に努め、土地所有者に相続が発生した際には、埼玉県と協働して公有地化を進める。
原市地域の現況(71頁)と原市地域の緑の取り組み(74頁)(『第2次上尾市みどりの基本計画』2021年3月
 第2次上尾市みどりの基本計画_1第2次上尾市みどりの基本計画_2

山田暢史「ナラ枯れ」被害面積、埼玉で18倍に 猛毒「カエンタケ」も確認『朝日新聞デジタル』
ナラ枯れが確認された自治体:さいたま市、川越市、川口市、所沢市、飯能市、東松山市、狭山市、上尾市、入間市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、北本市、富士見市、三郷市、鶴ケ島市、日高市、ふじみ野市、伊奈町、三芳町、越生町、滑川町、鳩山町、長瀞町、寄居町。

トラスト14号地のナラ枯れ 11月13日

入間郡三芳町のトラスト14号地・藤久保の平地林(さいたま緑のトラスト協会『グリーンアルファ』129号3頁「とかいなか三芳町の雑木林」2022年7月)のナラ枯れ被害木をみました。
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現在は透明ラップで樹幹が被覆されていますが、「かしながホイホイ」を巻き付けていた時もあったようです。枯死木は伐採され、苗木が植えられている場所もありました。クリアファイルトラップの残骸もありました。本体はシーラーを使わずにガムテープで接着、捕虫部にはペットボトルを使っています。

 ご指摘のとおり、昨年来全国的にナラ枯れの被害が甚大となっておりまして、県内でも周辺の所沢市や狭山市をはじめ、多くのトラスト保全地で被害が報告されております。昨年[2020年]の秋頃から全県的にその対策が進められているところでもございます。
 当町のトラスト14号地、これに周辺の民有林や緑地公園も含めた一団の藤久保平地林におきましては、昨年12月の時点で105本の被害木を確認しております。それ以外、町内の山林の所有者さんに対しましては、昨年の12月に被害状況の確認及び報告ということで、お願いのご通知を差し上げたところでございます。件数は309通ございました。現在まで7名、7か所の山林で被害報告を受けております。これらは当課職員が現地調査を行いまして、このうちの6か所、計14本にナラ枯れ被害、またはその疑いが確認されておるところでございます。
 県有地を除いた藤久保平地林一帯につきましては、本年[2021年]の2月から3月に計32本の被害木を伐採処理いたしました。また、県有地につきましても、同じく3月から4月に約30本、こちらはさいたま緑のトラスト協会によりまして同様に伐採処理が完了しております。それ以外の町内山林の所有者さんから報告を受けた事案につきましては、11本の被害木に害虫の飛散防止のための被膜処理を施しております。残りの3本については、所有者さん自身によって伐採処理いただいておるところでございます。[県有地はトラスト地、県有地を除いた藤久保平地林は三芳町自然の森・レクリエーション公園、民有地など]

桐生自然観察の森見学 10月31日

桐生自然観察の森は桐生市市街地北西の川内町[かわうちちょう]、吾妻山(標高481m)の西麓にあり1989年に開園しました。環境庁の補助事業として全国に10ヶ所開設された自然観察の森の1つです。約20ヘクタールの園内にはネイチャーセンター、5ヶ所の観察舎(オオムラサキ観察舎、カワセミ観察舎、ノスリ観察舎、キアゲハ観察舎、イトトンボ観察舎)があり、常駐するレンジャーや桐生自然観察の森友の会の皆さんが調べる、伝える(例えば園内情報)、守る活動をしています。標高はネイチャーセンターが215m、園内最高地点355m、園路は約3.5㎞です。
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桐生自然観察の森フィールドガイド『森のなかまたち』(桐生自然観察の森編、メイツ出版、2019年3月)125頁から引用
森を支える
 自然観察の森は、身近な生き物を観察するための施設です。珍しいものや貴重なものがあるわけではありません。約20ヘクタールの敷地の中には、いわゆる里山の風景が広がっています。その構成はコナラを主とする雑木林、スギ、ヒノキの植林地、草地、湿地、池や沢などの水辺です。「自然観察の森なんだから何もせずに、自然に任せているんでしょう」と思う人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。身近な生き物を、観察しやすいように維持管理しているのが観察の森です。基本的には生き物の生息のための多様性を心がけています。
 では実際にどんな管理をしているかというと、草が伸びてきたら草刈りをする、土砂がたまったら泥をさらって出す、沢水が涸れないように水路を管理する、落ち葉がたまったら集めてたい肥にする-などです。とくに園路の周辺は来園車が安全に歩け、生き物がより身近で観察できるように気を配ります。生き物の生息環境に合わせて、明るさや風通し、他の種類との関係などを考え、毎日園路を巡回して点検しています。
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土壌観察もできます。
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落葉の層(O層)、黒っぽい層(A層)、茶色の層(B層)、ごつごつした層(C層)


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ノスリ観察舎(標高315m)から。相生地区の市街地の先に、みどり市の岩宿遺跡近くの琴平山(196.2m)、鹿田山(231m)が望めます。

きょんtinoさんの「桐生自然観察の森〜萱野山」(『YAMAP』2019年6月16日記事)


             10:18 YouTubeのSKY PICS STUDIOチャンネル



牛久自然観察の森見学 10月24日

茨城県牛久市結束町【けっそくちょう】にある牛久自然観察の森を見学しました。牛久自然観察の森は、環境庁の「身近な自然活用地域整備事業」によって、1984 年から全国 10 ヶ所開設された自然観察の森のひとつです。1990年に開園しました。開園時は牛久市の直営でしたが、2006年度からは、自然観察の森(21.5ha)と「みどりの保全区」(7.4ha)はNPO 法人うしく里山の会が指定管理しています。
「みどりの保全区」は、自然観察の森と一体化した森林景観の保全のために、開発、樹木の伐採など各種行為を制限する区域です。


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神宮翔真・武正憲・佐方啓介・伊藤太一「牛久自然観察の森を事例とした農用林から公園緑地化した林野における管理の課題」(『ランドスケープ研究』81巻5号、2018年) 市民の森と入山谷津での市民の森保全クラブ、岩殿満喫クラブの活動に示唆するところが多い論文です。別稿を準備中。
…結束集落は、天正期(1573~1592 年)に成立したとされる。集落の面積は約 100ha であり、北方に位置する小野川、東西の谷津を他集落との境界とする。人口は、明治期より 70~90 人程度で推移している 。林野は台地の斜面に位置し、緩やかな傾斜の平地林である。本研究では、農用林として利用があった時代を 1960 年代までとし、その中でも 1950 年前後を「農用林時代」と定義し分析する。1960 年代には、牛久市の農村集落においてプロパンガスと化学肥料の普及が進んでおり 、その後、農用林の管理は放棄されたと考えられる。…また、得られる文献資料や、集落古老の記憶が 1940年代以降に限られることに加え、事例地を含めた現牛久市周辺の土地利用が都市的なものへと変化するのは 1950 年代以降と報告されている。従って、1950 年前後の状況に絞って調査を実施する。自然観察の森は 1990 年から開園しているが、開園から 20 数年が経ち、維持管理の作業行程や作業頻度が固定化した 2013 年前後を「公園緑地時代」と定義し分析する。(2.研究対象の概要から引用)

みどりの保全区
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ビートルズトレイル
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  ニュースチャンネル・いばキラTV(215年4月18日に茨城放送で放送)
  


アカスジキンカメムシ
アカスジキンカメムシ(キンカメムシ科)の終齢(5齢)幼虫です。この姿で落葉や樹皮の下で越冬。白い部分は成長と共に拡がります。
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ホコリタケ(ハラタケ科)
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別名:タヌキノチャブクロ

帰途、つくば市まつの里にある森林総合研究所第1樹木園(3.28㏊)を見学しました。正門、本館の廻りに、「亜熱帯林」、「暖帯林」、「温帯林」、「亜寒帯林」など日本の各森林帯ごとに主な樹種が集められています。
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牛久自然観察の森ではナラ枯れが発生しています。ここではミズナラが枯れていました。
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さいたま緑の森博物館の湿地 10月8日

さいたま緑の森博物館見学③(2022年9月21日記事)」の続き④です。21日に歩いたコースには湿地が3箇所あります。緑の森博物館案内所の近くから流れ出している大谷戸湿地、西久保湿地(入間市)と糀谷八幡湿地[こうじや](所沢市三ヶ島地区)です。大谷戸湿地には昔、田んぼがあったようですが現在はありません。
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大谷戸湿地、西久保湿地からの流れは振宿川、糀谷八幡湿地の流れは樽井戸川になります。
西久保湿地の田んぼを見て、ナラ枯れの様子を観察しながら狭山湖外周道路に出て駐車場に戻って休憩しました。
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駐車場の近くにあるトトロの森30号地を見て、糀谷八幡湿地に向かいます。ここにも株元にフラスが落ちているナラ枯れ被害木が多数ありました。
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糀谷湿地は糀谷八幡湿地保存会が田んぼや周辺の雑木林を管理しています。とことこ景観資源指定地の142番で、2016年に「とことこ景観賞」を受賞しています(とことこ景観資源地図)。
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立派なトイレや物置があります。
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ここは2015年1月24日に早稲田大学所沢キャンパスで開かれた2014年度みどりの埼玉づくり県民提案事業活動報告会で見学していました。
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湿地の奥池、大池から流れ出す樽井戸川の源流域は、糀谷八幡湿地保存会の皆さんが所沢市と「市が管理する河川及び水路において、実施区域を指定し、市と市民団体が協働して多様な生物が生息する自然が豊かな川の実現のために実施するふるさとの川再生事業」(要綱)を実施しています。
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里山プロジェクト・信州里山の3類型(2006年) 10月7日

霧ヶ峰高原の草原は採草利用により維持されてきた二次草原であること、草原化の起源が鎌倉時代であること、近世以降霧ヶ峰高原は肥料や飼料となる草の採取に利用され近世末には全域が草原となり、明治以降化学肥料の普及により採草利用が減少し草原の縮小が始まったこと、昭和初期には標高1500m以上は秣の採取に利用されていたことなどが、長野県では2000年代前半には解明されていたようです(霧ヶ峰草原の成り立ち」9月12日記事)。長野県環境保全研究所では2001年度から5年間、「信州の里山の特性把握と環境保全のための総合研究」(通称 里山プロジェクト)」を行い、研究成果が『信州の里山の特性把握と環境保全のために」(165pp、2006年3月発行)としてまとめられています。

1-1 信州の里山の特性では、プロジェクトの研究成果や文献資料等をもとに,「自然環境」,「産業」,「文化」などの異なる視点から,信州の里山の特性についてまとめています。まず「立地」では県域を低平地、山間地、高原、奥山に区分し、里山を低平地の里山(里山Ⅰ)、山間地の里山(里山Ⅱ)、高原の里山(里山Ⅲ)に類型化しています。
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長野市飯縄山南東麓(浅川流域、標高約350~1900m間)の土地利用形態の歴史的変遷をたどり、過去から現在への里山環境の移り変わりの傾向は,長野市飯綱山南東麓や中条村虫倉山麓などという特定の地域に限ったことではなく,県内の多くの里山において,若干の程度の差はあっても,基本的には共通して認められる」(10頁)としています。
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この報告書での「里山」の定義は畑中健一郎・富樫均・浜田崇・浦山佳恵「2-1 里山の何が問題なのか-里山問題の概観-」にあります。
里山は、農林業を主体とした人の暮らしを支えるある広がりをもった地域であり、暮らしや生産活動の影響下に成立した二次的自然の総体を指すものとする。そのなかには、雑木林、植林地、草地、農地、ため池、水路、集落といった多様な自然環境が含まれる。また、里山の言葉にある地形的な山の概念にはとらわれず、たとえ二次的自然が平地に存在する場合もその地域を里山と称するものとする。(24頁)
  植林地の面積が県土の約25%を占めているので、長野県の里山の面積は県土の約78%になります。

富樫均2-11 立地からみた信州の里山の類型区分」は長野市北部の飯縄山南東麓(浅川流域)のデータなどをもとに、信州の里山に関する新しい 3 つの類型区分、里山Ⅰ(低平地型)里山Ⅱ(山間地型)里山Ⅲ(高原型)を提案し、「里山ⅠとⅡの間に地形的な難所が形成され、相互に分離される傾向がつよい。一方ⅡとⅢでは、前~中期更新世に形成されたと思われる古い侵食小起伏面の残存により、巨視的にみれば地形的な連続性が高く、県境や郡境を越えて広域に分布する。これらの類型区分は北部フォッサマグナ地域においてとくに明瞭にあらわれるが、より広く長野県全域にわたって適用される可能性が高い」とし、信州の里山の立地特性としては、里山ⅡとⅢの存在とその意味がとくに重要であることを強調しています。
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長野県においては、山岳地のなかに盆地が切れ切れに分布するという特徴から、里山Ⅰの広がりも断片的である。それに対し、里山Ⅱと里山Ⅲは相互に地形的な連続性が高く、県境や郡境を越えた広域的な広がりが認められる。
里山Ⅱは、緩傾斜地から利用困難な急傾斜地まで、比較的小面積のさまざまな地形要素の集合からなる。とくに近世以降、居住地、畑地、水田、ため池、採草地、林などとして持続的に活用され、用途の違いに応じて多目的な土地利用が行なわれてきた。継続して適度のかく乱が加わりつつ、モザイク状に展開する様々な環境の組み合わせは、多様な生き物の生息場所にもなってきた。また山間地上部の肩状尾根などにみられる古い小起伏地は、その連続性や安定性から、かつての街道につながる脇道(峠道)のルートとしてよく利用された。山間地上部の尾根筋にめぐらされた峠道は、とくに近世以降、集落間を結ぶ庶民のための重要な陸路となり、物資や情報を流通させていたとみられる。
里山Ⅲは、多くがゆるやかな起伏をもつやや高冷な地域であることから、現在ではリゾート地や別荘地、あるいは高原野菜の生産地になっている。しかし1960年頃にはじまる高度経済成長期以前には、採草地などとして現在とは全く異なる形で、長期にわたり、高い生産性をもつ場所として利用されてきた。とくに集約的に採草が行なわれた場所では、現在よりもはるかに広い面積の草原環境が維持されてきたものと予想される。そうであるとすれば、里山IIIはおそらく草原的な環境を好む野生動植物にとって重要なビオトープにもなっていたと考えられる。さらに、湿原堆積物に含まれる花粉や微粒炭の分析結果をもとに、飯綱高原の環境変遷史を考察した結果によれば、この地域では約3000年前の縄文後期から火入れをともなう人間活動が活発になり、さらに約700年前には森林破壊の激しさが極大になったこと、それと同時に、森林にかわって草原環境が拡大したことなどが明らかにされている。県中南部の八ヶ岳山麓にも、井戸尻・尖石など縄文時代中期を代表する遺跡群が多数存在することはよく知られている。このように里山Ⅲは、たんに人々が利用してきたばかりでなく、原始・古代から近代・近世を通じて、里山IやIIよりもむしろ長期にわたり、資源採取地として継続的に利用されてきた場所である可能性が高い。現在観光地として名高い霧ケ峰高原でも、火入れや採草などの人為的働きかけが継続されてきたことで草原が維持されてきた。つまり、霧ケ峰などの高原の里山は、まさに信州独特の里山と位置づけられる。
最後に、氷河時代から生きつづけている遺存種と呼ばれる野生生物種と里山との関係について考えてみたい。たとえば約1万年前以降の後氷期の時代には、気候の温暖化にともなって退行する落葉広葉樹林と、縄文中期以降に焼畑耕作によって人為的に形成された二次林性の落葉広葉樹林が国内に共存していた。その結果寒冷期の落葉広葉樹林に住んでいた生物が、後氷期の照葉樹林の拡大の下でも滅びることなく、現在につづく里山の二次林で生きながらえることができたのではないかという指摘がある。
長野県では、潜在的に照葉樹林そのものの分布域が小規模であるため、西日本や関東周辺の里山とはやや事情が異なる。しかし、同様の意味で信州の標高差の大きな里山の二次林や草地が、氷河時代に生息域を広げた植物や昆虫などにとって、後氷期におけるレフュージア(避難場所)となったことは十分に考えられる。そのばあい、とくに里山IIと里山IIIの環境は、広域に連続するという面においても、気候変動下における生物多様性の維持のために、より大きく寄与してきたはずである。(93~94頁)

この報告書『信州の里山の特性把握と環境保全のために」(2006年)が明らかにしたことと環境保全のための提案
信州の里山の特性
 ① 低平地と山間地と高原に展開する広大な里山分布(3 つの類型に分かれる信州の里山)
 ② 多様な気候と多様な野生生物の共存(多雪と少雨、寒暖、多種多様な生物種など)
 ③ 地形と気候を生かした多彩な農作物の栽培、林業、観光などの様々な産業立地
 ④ 各地域ごとの個性的な文化(食べ物、暮らし、行事、工芸など)
 ⑤ 縄文時代にまでさかのぼる里山の利用の歴史と戦後の急激な変貌
信州の里山の魅力と価値
  ① 奥山から低地までが凝縮された独特の里山景観
  ② 全国的にも特筆される、野生生物の多様性
  ③ 山間地の地形や種々の環境を巧みに利用してきた文化や民俗
これからの里山の環境保全のために
  ① 地産地消の推進(里山が里山であるために)
  ② 里山をもっと知ること(学びの必要性)
  ③ 里山保全の担い手確保のための配慮(高齢者と若年者の意識の違いから)
  ④ 新たな発想による里山整備の展開(生き物、散策の場、自然体験など)
  ⑤ エネルギー資源の供給地としての可能性(木質バイオマスの活用など)

※報告書の目次は以下で、各項目ごとにPDFのダウンロードができます。概要版(PDF63KB)もあります。

  長野県環境保全研究所『信州の里山の特性把握と環境保全のために』

 里山の写真(小川村)

 長野県における里山の分布

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 里山の原風景(県内4箇所)

はじめに

1 信州の里山の特性と環境保全のための提言

2 個別のテーマによる調査・研究成果報告

3 資料編

執筆者一覧


さいたま緑の森博物館見学② 9月21日

緑の森博物館には手をつけずに藪を残している区域、草刈りをしている区域、小面積の皆伐をしている区域などがあります。皆伐後、萌芽更新している区域にはナラ枯れは発生していません。
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伐採から再び始まる?雑木林(ニュースレター44号、2022年冬号


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2012年2月4日にNPO法人シーズ主催の環境アドボカシーの研修会が緑の森博物館であり参加しました。
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その時、疎林広場にある175.8mの三角点付近を撮った写真です。
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今日撮った写真と比べてください。
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背景に雑木林が写っている写真にいずれ差し替えます。

さいたま緑の森博物館見学① 9月21日

狭山丘陵にあるさいたま緑の森博物館(面積約85ha)でナラ枯れや萌芽更新の様子などを見学しました。
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案内所で展示を見て、ナラ枯れマップを手にして園内を廻りました。今年、フラス木、枯死木が何本になっているのか確認していませんが、園路沿いだけでも相当の本数であることは分かりました。
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さいたま緑の森博物館のナラ枯れマップ(ニュースレター42号、2021年夏号
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みどりの森では市民の森より1年早く20年にナラ枯れが始まり、今年3年目です。
 2020年:ナラ枯れを初確認。太いコナラを中心に立ち枯れ。
 2021年:ナラ枯れ広がる。伐採が追いつかない規模に……
 2022年:ナラ枯れ更に拡大。
     大きなコナラ以外にも太くないコナラやクヌギ、シラカシにもカシナガが入る。
市民の森のナラ枯れは今年2年目で、枯死木は100本を超えて昨年の6倍です。

六道山公園 4月16日

狭山丘陵にある瑞穂町立文化の森六道山公園展望台から都立野山北・六道山公園の里山民家(武蔵村山市)を歩きました。
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フラスが出ているナラ枯れ被害木には黄色のテープが巻いてあります。
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狭山丘陵のナラ枯れ被害状況(20年度約900本→21年度約4300本)
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谷津田の配水
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谷津田の水位調整、下段への配水に塩ビ管を使っています。

生きもののための草地作りの取り組み
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入山谷津(岩殿D地区やG地区)の草地管理で適用できます。

※生田緑地雑木林勉強会(NPO法人かわさき自然調査団)の野山北・六道山公園見学会(2010年3月21日実施)参加報告記事←見学者がどこに注目して活動のヒントを得ているのか、勉強になりました。

山前公園(栃木県足利市) 4月5日

栃木県足利市の山前観光協会の『山前観光ガイドマップ』を手にして山前公園(足利市大前町1600、8.3ha)を訪問しました。
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公園を回るルートに足利百名山40座の「宿山」(標高219m)がありました。

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夫婦岩もありました。

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吉見八丁湖のアカマツ林 12月12日

吉見町八丁湖の湖畔をめぐる周回路から体力づくりジョギングコースに入って上っていった場所です。
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※ヘラブナ釣りができ、ボートにも乗れていた八丁湖公園の2000年5月撮影の写真(HP『公園へ行こう』記事)。20年前の八丁湖の様子がわかる記事です。


宇都宮森林公園 11月15日

宇都宮市福岡町(Google マップ)にある宇都宮森林公園を見学しました。水源の森百選に選ばれている入山・細野水源の森の一部です。キャンプ場、サイクリングターミナル、近くに古賀志山や鞍掛山があります。入山、鞍掛など、東松山市民には由来が気になる地名ですね。
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トリムコースから天狗鳥屋[てんぐとや](365m)に昇り、コブシ岩を目指しました。崖に大岩が多数ありましたが、どれがコブシ岩なのか不明なので引き返しました。
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赤川ダム堰堤を通って管理センターへ
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株立ちのコナラの樹形がよくわかります。


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キャンプ用の薪・木炭

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ドングリ・松ぼっくりの工作

森林インストラクター会の木の実のアクセサリー作りイベントチラシです。
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赤城自然園 11月10日

赤城自然園に行きました。2019年にもこの時期に紅葉狩りに来ています。
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オオセンチコガネ(センチコガネ科)
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獣糞や動物の死がいに集まる黒っぽいコガネムシ。
センチコガネより体表の輝きが強い。

和田用水ホタルの里 11月17日

栃木県鹿沼市中粕尾にある和田用水ホタルの里を見学しました。とちぎのふるさと田園風景百選に選ばれている場所です。ゲンジボタルの自生地は思川[おもいがわ]から水をひいた和田用水にある親水公園で、崖上には粕尾城址があります。
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(仮称)川越市森林公園 11月14日

川越で「武蔵野の面影を残す雑木林」の筆頭にあげられる(仮称)川越市森林公園の「森のさんぽ道」を歩きました。公園の歴史をたどると、1990年3月に川越市森林公園構想が策定され(『広報かわごえ』1990年12月)、『広報かわごえ』(2003年6月)には、「仮称・川越市森林公園基本構想」がまとまりましたという市民の意見を求める記事が掲載されています。2004年に「雑木林の自然と文化をみんなで育み伝える」公園、(仮称)「川越市森林公園計画地」として、公有地化と整備を行うものとしました。
(仮称)川越市森林公園は約40㏊の樹林地と農地からなり、武蔵野の平地林の中でも希少動植物の生物の生息空間として重要な地域となっています。公有地となっている面積は2009年度7.5㏊で、「自然とのふれあいの場、憩いの場及び多様なレクリエーションの場として整備を進め、市民共有の場として保全、活用を図る必要」があり、さらなる公有地化をすすめることや「市民参加による事業推進」が『第3次川越市総合計画』等に掲げられていますが、2015年度目標値11.0㏊に対し8㏊ほどで全体計画の実現には至っていません。森林公園計画地において生態的調査や貴重種の保護育成の活動を実施しているかわごえ環境ネットは、2000年に、川越市環境基本計画に基づき、市民、事業者、行政、民間団体がパートナーシップを形成して、相互が協働して行う事業への情報提供、調整を行う組織として設立されています。


川越南文化会館(ジョイフル)を拠点とする2.0㎞と3.4㎞の散策路「森のさんぽ道」は2004年度に整備が終了したものです。平地林なので林内の見通しは良くありません。森のさんぽ道案内図を持って、1番~34番の標柱と案内板を確認しながら歩くと、初雁高等学校~高階西中学校(第1武蔵野ふれあいの森)、高階西中学校の南(第2武蔵野ふれあいの森)、ジョイフル西側~関越道(第3武蔵野ふれあいの森)、保存樹林を一巡できます。資材置場や霊苑、農園、JAいるま野のレジャー農園(市民農園)、宅地などもコース沿いにあります。
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森のさんぽ道案内図と『広報かわごえ』2003年6月号
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川越市緑の基本計画改訂版(2016年3月)
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智光山公園「飼い主のいない猫ゼロ」活動 1月20日

狭山市の智光山公園では、さやま猫の会と協働して園内の「飼主のいない猫ゼロ」を目指す取り組みをしています。
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さやま猫の会ブログ(→ http://sayamainuneko2014.blog.fc2.com/

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智光山公園は、総面積53.8ヘクタール、東京ドーム約11個分の広さ。東西1200m×南北450m。

赤城自然園 11月14日

埼玉県民の日。関越自動車道赤城I.Cで降りて、久しぶりに赤城自然園に行きました。
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岩殿の紅葉始まる(11月13日)
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ミツマタの花 4月1日

梅田飯店の近くにある長泉寺で和紙の原料、三椏(みつまた)の花を見ました。
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さらに桐生川沿いに三椏の群生地がありました。スギの伐採跡地です。
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桐生和紙の工房もありました。楮紙(ちょし)を漉いているようです。
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根本山(ねもとさん、1199m)を源流とする桐生川上流域は森林浴をはじめ、楽しみの多い場所です。
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老越路峠(おいのこえじとうげ)を越えて田沼町(現在・佐野市)に出て、栃木県から帰宅しました。

梅田飯店・梅田林業地 3月31日

桐生市の梅田地区にある梅田飯店で帯ラーメンを食べました。ひもかわうどんのラーメン版です。
店内の壁には懐かしい広告が貼ってありました。
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ニッポンビールはサッポロビールの前身だったのですね。

桐生市梅田地区は桐生川林業地として群馬県内屈指のスギ・ヒノキ優良材の生産地だそうです。
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生田緑地植生保全エリア見学 8月12日

神奈川県川崎市の生田緑地に行きました。川崎市が所有し東急グループが運営している川﨑国際生田緑地ゴルフ場、藤子・F・不二雄ミュージアム、生田緑地ばら苑、川﨑市立日本民家園、かわさき宙【そら】と緑の科学館、岡本太郎美術館等の施設があり、計画区域を含めて179.3ヘクタールという広大な面積の総合公園です。
雑木林の植生管理、更新がどのように行われているのか? 8月6日の都立小宮公園に続いて、今日は生田緑地の植生保全エリアを見学しました。植生保全エリアはNPO法人かわさき自然調査団植生管理をしている区域です。
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A06萌芽更新地区の目標植生、植生管理方法(HP)
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 目標:伝統的な里山管理を観察できる雑木林(クヌギ・コナラ林)
 管理:萌芽更新
A06-1b地区
 目標:明るい雑木林(クヌギ・コナラ林)
 管理:間伐により林床を明るくしてクヌギ、コナラを育成
A06-2地区
 目標:暗い混交林
 管理:当面、植生管理をせずに放置
A06-3地区
 目標:明るい雑木林(クヌギ・コナラ林)
 管理:下草刈り、選択的に樹木育成
1998年から現在まで20年間の植生管理の経過は活動日毎に写真付きでしっかりと記録されていますので各地区のページからリンクをたどってご覧ください。例えば「2018年7月7日の萌芽林保護のためのアズマネザサ刈り」。

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林内に立ち入らないで園路から雑木林を観察するのは下草が生い繁っている夏場は不適です。小宮公園も含めて、冬季に再訪したいと思います。


都立小宮公園 8月6日

2月18日、環境基本計画市民推進委員会主催「環境学習会2018」の第2回学習会『市民参加による里山林の保全・管理を考える』で講師の島田和則さんに、雑木林の皆伐更新を実施している公園として紹介された都立小宮公園を見学しました。
UTR不動産さんのブログ『八王子見て歩記』の「八王子の公園第10話小宮公園」と、2010年10月26日に実施されたNPO法人かわさき自然調査団生田緑地植生管理協議会市民部会里山倶楽部の都立小宮公園での萌芽更新の勉強会の記録をあらかじめ読んででかけました。

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小宮公園については、東京都建設局『小宮公園マネジメントプラン - 小宮公園の管理運営、整備等の取組方針- 』が2015年3月に出されています。公園の指定管理者は2016年度に公益財団法人東京都公園協会から西武・多摩部の公園パートナーズ(西武造園株式会社/西武緑化管理株式会社/NPO法人 NPO birth/一般社団法人防災教育普及協会)に替わっています。

※追加資料:「小面積皆伐更新が行われてきた都立小宮公園における雑木林の更新の現状」(『関東森林研究』66-2、2015年)

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