2020年1月26日、第2回荒川河川整備計画有識者会議第8回埼玉県河川整備計画策定専門会議と合同で開催されました。

第2回荒川河川整備計画有識者会議(第8回埼玉県河川整備計画策定専門会議)資料
 資料-1 埼玉県管理河川における河川整備計画の点検について[資料①]
 資料-2 荒川の現状[資料②]
 資料-3 荒川水系河川整備計画 (変更)(骨子)[資料③]
 参考資料-1 入間川流域緊急治水対策プロジェクト【中間とりまとめ】[資料④]

荒川水系河川整備計画(変更)(骨子)(国土交通省関東地方整備局、2020年1月26日)
1. 河川整備計画の対象区間及び期間
1.1 計画対象区間
■荒川水系荒川河川整備計画(大臣管理区間)(以降、「河川整備計画」)の計画対象区間は、下図のとおり。
■そのうち、今回変更の対象となる区間は入間川流域における入間川、越辺川、都幾川、高麗川、小畔川の5河川。
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2. 河川整備計画の目標に関する事項
2.1 洪水、津波、高潮等による災害の発生の防止又は軽減に関する目標
■荒川は、我が国の社会経済活動の中枢を担う東京都及び埼玉県を貫流する国土管理上最も重要な河川の一つである。■流域内には人口・資産が集積しており、大規模な浸水時には、地下鉄等への浸水など首都圏交通網の麻痺、電気、ガス、通信等の途絶により市民生活へ甚大な被害が及ぶ。また、首都東京に集中する行政機関・企業等への影響も考えられ、日本全体に与える影響は甚大である。
■このため、洪水、津波、高潮等による災害から貴重な生命・財産を守り、住民が安心して暮らせるよう、これまでの河川整備の経緯、沿川の社会的状況や河川の状況の変化等を踏まえて、河川整備を推進する。
■荒川では、多様で多量の水利用が行われており、渇水時における地盤沈下の防止、河川環境の保全や利水安全度の確保のため、流水の正常な機能を維持するため必要な流量を安定的に確保する。
■首都圏では経済活動の拡大と都市化が進み、自然環境やオープンスペースが失われてきており、河川空間は貴重な空間となっている。
■そのため、水環境の改善や、生物多様性の保全に配慮した多自然川づくりを行い、動植物の生息・生育・繁殖の場の確保等を図り、人と河川との豊かなふれあいの場を提供する等、河川環境の整備と保全を推進する。
■災害の発生の防止又は軽減、河川の適正な利用、流水の正常な機能の維持、河川環境の整備と保全という目標を達成するため、地域住民や関係機関と連携を図りながら、平常時や洪水時の河川の状況に応じ、適切に維持管理を行う。■河川整備計画は、河川整備基本方針に沿って計画的に河川整備を行うため、中期的な整備内容を示したものであり、適宜見直し、段階的・継続的に整備を行うこととしており、その実現に向けた様々な調査及び検討を行う。
■気候変動に伴う降水形態の変化等により渇水や洪水・高潮、水質悪化等のリスクが高まると予想されており、気候変動のリスクに総合的・計画的に適応する施策を検討する。
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■河川整備基本方針の『荒川は高密度に発展した首都圏を氾濫区域として抱えていることから、放水路として開削された下流部、広大な川幅を有する中流部などそれぞれの地域特性に応じた治水対策を講じ、上下流や本支川のバランスにも配慮しながら治水安全度を向上させる』の考えのもと、その目標に向けて段階的な整備を実施することとし、洪水による災害の発生の防止又は軽減に関する目標を以下のとおりとする。
■現行河川整備計画は、支川入間川においては「近年の洪水で大規模な浸水被害をもたらした平成11年8月洪水が再び発生しても災害の発生の防止を図る」こととしている。
■令和元年10月台風19号による甚大な被害を踏まえ、「近年の洪水で大規模な浸水被害をもたらした令和元年10月洪水が再び発生しても災害の発生の防止又は軽減を図る」こととする。
<本川:現行計画から変更しない>
■荒川本川の河川改修については、戦後最大洪水である昭和22年9月洪水(カスリーン台風)と同規模の洪水を計画高水位以下で安全に流下させることとし、河川整備計画の目標流量を基準地点岩淵において11,900m3/sとし、このうち、河道では計画高水位以下の水位で6,200m3/sを安全に流下させる。
<支川:以下のとおり変更
■現行河川整備計画は、支川入間川においては「近年の洪水で大規模な浸水被害をもたらした平成11年8月洪水[1999年]が再び発生しても災害の発生の防止を図る」こととしている。
■令和元年10月台風19号[2019年]による甚大な被害を踏まえ、「近年の洪水で大規模な浸水被害をもたらした令和元年10月洪水が再び発生しても災害の発生の防止又は軽減を図る」こととする。

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3. 河川の整備の実施に関する事項
3.1 河川工事の目標、種類及び施行の場所並びに当該河川工事の施行により設置される河川管理施設の機能の概要
3.1.1 洪水、津波、高潮等による被害の発生の防止又は軽減に関する事項
■河川の整備に当たっては、はん濫域の資産の集積状況、土地利用の状況等を総合的に勘案し、適正な本支川、上下流及び左右岸の治水安全度のバランスを確保しつつ、段階的かつ着実に整備を進め、洪水、高潮または津波による災害に対する安全性の向上を図る。
■地球温暖化に伴う気候変動の影響への対応等について、関係機関と調整を行い調査検討を行います。
(1)洪水を安全に流下させるための対策
1)堤防の整備
■堤防が整備されていない区間や、堤防の断面形状に対して高さ又は幅が不足している箇所について、築堤・堤防のかさ上げ・拡築を行う。
2)河道掘削
■河道目標流量を安全に流下させるために必要な箇所等において、河道掘削を行う。
3)洪水調節容量の確保
■中流部では、広大な高水敷に横堤が築造され遊水機能を有しているが、より効果的にピーク流量を低減させ下流への負荷を低減するため、調節池の整備を行う。
支川では、支川下流部へのピーク流量を低減させ下流への負荷を低減するため、遊水地の整備を行う。
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2)浸透対策
■堤防の浸透対策としては、これまで実施してきた点検結果を踏まえ、背後地の資産状況等を勘案し、堤防強化対策を実施する。
(3)内水対策
■内水による浸水が発生する地区の河川は、調節池等の本川、支川の水位低下対策と並行して、その発生要因等について調査を行い、関係機関と調整した上で、必要に応じて、排水能力の増強等、土地利用に応じた内水被害の軽減対策を実施する。
支川における遊水地の整備にあたっては、地形や現状の土地利用等を考慮するとともに、関係機関と調整した上で、外水、内水の両方に対応する機能の検討を行う。
(4)危機管理対策
■被害の最小化を図る観点から、災害時において河川管理施設保全活動等を円滑に行う拠点及びこれにアクセスする管理用通路等について、関係機関との調整の上、整備を行うとともに、避難場所等となる高台整備について支援を行う。
■排水機場等については、洪水時等に周辺地域が浸水した場合にも継続的に機能が確保されるよう、排水機場等の耐水化等を進める。
■また、災害復旧のための根固めブロック等資材の備蓄を進めるとともに、排水ポンプ車等災害対策車両の整備等を検討し、必要に応じて実施する。
■雨量、水位等の観測データやCCTVカメラによる映像情報を収集・把握し、適切な河川管理を行うとともに、その情報を光ファイバー網等を通じて関係機関へ伝達し、円滑な水防活動や避難誘導等を支援するため、これらの施設の整備等を図る。
■大規模地震等の発生時において、緊急用物資の輸送や、被災した河川管理施設の復旧工事等を円滑に行うため、緊急用河川敷道路、災害時の緊急輸送路等主要道へ接続する坂路、緊急用船着場の整備、航路確保のための浚渫等を行う。
水害の激甚化や治水対策の緊要性等を勘案し、緊急時において既存ダムの有効貯水容量を洪水調節に最大限活用できるよう、関係機関との連携の下、事前放流の実施要領策定等の必要な措置を講じる。
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3.2 河川の維持の目的、種類及び施行の場所
3.2.1 洪水、津波、高潮等による災害の発生の防止又は軽減に関する事項
(1)地域における防災力の向上
■堤防決壊等による洪水氾濫が発生した場合、自助・共助・公助の精神のもと、住民等の生命を守ることを最優先とし、被害の最小化を図る必要がある。そのため、迅速かつ確実な住民避難や水防活動等が実施されるよう、関係機関との連携を一層図る。
■堤防の漏水や河岸侵食に対する危険度判定等を踏まえて、重要水防箇所を設定し、水防管理者等に提示するとともに、危険箇所において、必要に応じて河川監視用CCTVや危機管理型水位計及び簡易型河川監視カメラを設置し、危険箇所の洪水時の情報を水防管理者にリアルタイムで提供していく。また、氾濫発生を迅速に把握するため、氾濫を監視する機器類の整備等を進める。
洪水時に住民等が的確なタイミングで適切な避難を決断できるよう、住民一人一人の防災行動をあらかじめ定めるマイ・タイムライン等の取組が推進されるように支援する。
洪水を安全に流下させるための対策に加え、関係機関と連携し、土地利用・住まい方の工夫を組み合わせて対応する。また、浸水が想定される区域の土地利用を制限する等の対策を進める際には、関係機関に必要な支援を行う。
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