東松山市の市民の森は国有地の払下げから始まりました。『読売新聞』(1986年11月12日)に掲載された市民の森用地取得に関わる記事です。山林31.9ヘクタールを約13億7900万円で購入。鳩山町の赤沼国有地(宮山台国有林)については、鳩山町宮山台の森の歴史(1986年の新聞記事から)をご覧下さい。

東松山の国有林 市が単独買い入れへ
 乱開発防止、森林公園へ
 東松山市は、東京営林局が払い下げを決めていた同市岩殿の国有地の山林31.9ヘクタールを約13億7900万円で単独買い入れすることを11日明らかにした。
 当面、「物見山森林公園」として保全する計画だが、首都圏でも数少ない広い山林を、市単位で買い取る例は珍しく、民間の乱開発を防ぎ、将来は長期展望に立った利用ができるものと期待が寄せられている。
  今回払い下げられるのは、市の南西にある同市岩殿雪見峠1738-1のアカマツ林で、県立自然公園「物見山の勝」や岩殿観音の北西一帯の山林。同営林局では、「土壌が粘土質なうえ、森林としても飛び地で林業に適さない」として9月8日に売り払い公示が出された。
 これを受けた市では、山林周辺は、大東文化大、高坂、鳩山ニュータウンなどが完成するなど開発が進み、「将来は、比企広域行政の中心地としての役割も出てくる」として買い入れを決めた。
 最近では、鳩山町の赤沼国有地(宮山台国有林)約40ヘクタールが一般競争入札で払い下げられ、日立製作所が約32億円で落札し注目されたが、これに比べて価格面では「財政緊縮の折だが、将来の財政負担にはならない額」(本橋金次郎・同市収入役)としている。
 また、当初、民間企業からゴルフ場用地として買収希望も出されたが、市が買い入れたことで、採算にとらわれず、幅の広い長期的な利用が可能となった。今回の買い入れについて柴崎亨市長は、「共有財産として非常にいい買い物ができた」と話している。
  (『読売新聞』埼玉版1986年11月12日)