マツを守る
  1.なぜマツを守るのか
  マツを守る6つの意義
 2.マツと人とのつながり
  日本の原風景
 3.マツが危ない
  海岸林の消失・衰退
  マツ枯れの推移
 4.マツ枯れの正体
  マツ材線虫病発生の謎
  発生のメカニズム
 5.マツ枯れ対策
  マツ材線虫病の診断
   ・樹脂の出方による診断 
   ・葉の枯れ方による診断 
  マツノマダラカミキリの駆除
   物理的・科学的駆除
    ①焼却駆除
切り倒した被害マツを焼却駆除
材の表面から内側に1㎝程度炭化させる
土壌が加熱されるとつちくらげ病の地中の休眠胞子が活動を始める引き金となるので、焼却はマツ林の外で行う
    ②破砕(チップ化)処理
材に潜り込んだ幼虫や蛹の大きさから、チップ材片の暑さは規則で6㎜以下
幼虫は2㎝ほどの細い枝にも潜り込んでいるので、細い枝も残さず破砕
    ③土中処理
切り倒した被害マツを土の中に埋めて処理
地下15㎝以上の深さに埋めて土をかける
    ④薬剤散布
切り倒した被害マツの枝を払い、幹を玉切りにして駆除薬剤を散布
「秋期駆除」(~10月末頃)幼虫が樹皮下にいるか、穿入孔道を掘っている
「冬期駆除」(10月末~3月末)
「春期駆除(3月末以降)成虫が羽化脱出するまでに
    ⑤くん蒸剤処理
縦1m横2.5m程度を浅く掘り、被害マツの切り払った枝を下に敷き、その上に玉切りした幹を高さ90㎝ほどに積み重ね、全体をビニールシートで密閉し、薬剤を用いてくん蒸、7日間放置して処理
  生物的駆除
   ①天敵微生物(カビの1種ボーベリア菌をマツノマダラカミキリの幼虫に感染させる)
   ②天敵昆虫(オオコクヌスト、サビマダラオオホソカタムシが有望)
   ③天敵鳥類(キツツキ類)
  6.マツ材線虫病の予防
   マツノマダラカミキリの成虫を退治すること
空中散布(航空機を利用する特別防除)
貴重な野生動植物の生息地又は生育地や周辺に病院や学校、水源などがある森林ではできない。また、住宅、公園、レクリエーション施設、水道、鉄道等の周辺の森林やタバコや桑、お茶などの栽培地、畜産、養蜂、かいこなどに影響が及ぶおそれがある場合、水産生物、漁場、保護水面などのある場合などについても、地域住民からの要望があり、かつ、地域住民等関係者の意向を十分確認でき、これらの環境に悪影響を及ぼさないよう安全かつ適切な防止対策を講ずることができなければ特別防除という手法はできない。
地上散布(ポンプや送風散布装置、スプリンクラーなど)
  7.抵抗性マツの利用と樹種転換
抵抗性マツの利用
 マツノザイセンチュウが樹体内に侵入しても枯れないマツ
樹種転換
 しっかりと守る必要があるマツ林の周辺にあり、そのマツ林へ病気をうつす恐れのあるマツを取り除いて、広葉樹などの林に変えること。
 マツノマダラカミキリは、2km以上はなれているマツ林にはほとんど移動できないことがわかっている。
  8.マツ林の手入れ
・手入れされたマツ林は、枯れるマツの本数が少ない。
・マツ林をきれいにして、そこに生えているマツを健康に育てることにより、被害を少なくしようとするもの。
・燃料が薪や炭から石油やガスに代わるとマツ林は放置され荒れるにまかされてきた。そのため、マツ林には草やほかの樹が生えて藪化、枯れたマツの樹もそのまま放置されることが多く、マツノザイセンチュウを運んで病気をひろげるマツノマダラカミキリの大発生源となって、病気がひろがった。
  昔から行われている松葉かきや下草刈りなどを続けているマツ林では、それをやめてしまったマツ林に比べ、枯れるマツの本数が少ないことがわかってきた。
 マツ林の手入れとマツ材線虫病の被害の関係は、まだはっきりとした答えをだすことはできないが、これからの研究によってマツ材線虫病に負けない強いマツ林を育てていくマツ林手入れの方法が見つかることが期待される。