埼玉県農林部農業ビジネス支援課『都市農山村交流実践研修会』に参加しました。
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講師は新潟県十日町市のNPO法人地域おこし事務局長多田朋孔(ともよし)さん。「地域おこし」のステップと外部人材「地域おこし協力隊」や資金を活用していくポイントなどについて語られ、自治体職員の参加が多いように感じられました。

地域おこしの5段階について
・地域おこし:地域おこしとは、「自分の住む地域での日々の生活環境を、関わる関係者と力を合わせて、安全・安心で居心地良く楽しいものにし、その状態を長期にわたって継続できるようにする事」
・地域おこしの5段階のステップ:①地域の中の人達が仲良くなる(よそ者の視点では地域に溶け込む)、②小さな成功体験をする、③取り組みの輪を広げる、④事業を立ち上げる、⑤持続可能な状態に持って行く
・自分たちの地域が5段階のどの段階にいるのかをきちんと認識し、成果を急いで途中の段階を抜かさない事

①地域の中の人達が仲良くなる(よそ者の視点では地域に溶け込む)について
・無理のない範囲で楽しい飲み会やイベント等の『共通体験』を重ねていく事
・地域の人達がやっている事をまずは最低限自分もやるという事。例えば、集落行事や道普請などの共同作業には必ず参加するなど
②小さな成功体験をするについて
・何もしない段階で様子見の人を無理矢理引き込もうとしたり、否定的な人を説得しようとしても逆効果
・まずは一部の積極的な人を見つけてその人達と一緒に小さな成功体験をおこす
・仲良くなった積極的な人がまだいないうちに一人で突っ走るのはやめた方がいい。自分が孤立して空回りしてしまう。少なくとも3人以上のやる気満々の核になる人達がそろってから第2段階に進んだ方がいい

③取り組みの輪を広げるについて
・全ての取組みを全ての人に関わってもらおうとしない。それぞれの人達が楽しいと思う事や興味・関心がある分野について分担して関わる
・関わり方の度合い:①核になって、運営の事務局として全体を見渡す人、②取り組みの一部について責任者として関わる人、③自分ができる範囲で関わる人
・地域での取り組みの輪を広げるためには無理のない形で地域のそれぞれの人達が関心のある事をその人達が関われる範囲で関われるような体制を役割分担して作っていく事が大切

④事業を立ち上げるについて
・事業とは、単発のイベントではなく、継続的に取り組み続けられるような仕組(ビジネスモデル)を作る事
・若い世代が仕事として地域の取組みに参加できるためには、その取り組みをすることで経済的にやっていけるような体制を作る必要がある
・地域のプレイヤーの人達は自腹でもやるというつもりの取組みで、補助金のメニューでいいものがあるのであれば是非うまく活用していく
・ボランティア的運営を脱皮して事業を立ち上げる事で、若い世代にスムーズに活動を引き継いでいく仕組みを作る
⑤持続可能な状態に持って行くについて
・事業を立ち上げる段階では誰か特定の人が力業で何とかしていくというのはある意味仕方のない事であるが、ある特定のリーダーがいないと活動が止まってしまうというのでは持続可能とは言えない
・持続可能な状態にするためには、①リーダーに続く次世代の人財育成、②補助金に依存しない
・人が速く成長するためには、思い切ってその人が既にできる事よりも難しい事でも任せてみるという事がポイント
・どうやって補助金から卒業していくのか?これはやはり活動が継続的に回っていくようなお金の流れといわゆるビジネスモデルを構築していく事が求められる
地域おこしの5段階の先にあるものについて
・これまでの延長線にはない、新しいビジネスモデルを生み出す人達が増える事で、社会の産業構造を変えていく
・身の回りの小さな社会(集落・小学校区など)を少しずつ事業を通じて変えていく、その積み重ねがより広い範囲に影響していく、そしてそのような人が沢山増える事で、将来の社会のあり方が変わっていく

講演後、関連支援事業の紹介として農業ビジネス支援課より「中山間地域ふるさと事業」、「ふるさと支援隊」の紹介がありました(中山間「ふるさと支援隊」の活動対象地域)。
埼玉県の農山村地域は、県の西北部に広がり面積の約3分の1、県の森林面積の約8割を有し、洪水の防止機能や水源のかん養、自然環境の保全などの重要な役割を担っています。県内では、山村振興地域(8市町13地区)、特定農山村地域(10市町村15地区)、過疎地域(4市町村4地区)が指定されていますが、農林統計上では中間農業地域は①林野率50%~80% ・②都市的農業地域、平地農業地域以外、山間農業地域は①林野率80%以上 ・②耕地率10%未満の土地です(埼玉県「農山村の振興」より)。


※「島根の郷づくりカルテ」(『しまねの郷づくり応援サイト』)の集落別の「人口シミュレーションについて
人口増加シミュレーションでは、「30歳代夫婦+子ども1人」「20歳代前半夫婦」「60歳代前半夫婦」の3つのタイプの世帯が移住した場合の人口や高齢化率の変化をみることができます。地域外から世帯がUIターン等してくることで、どのように地域の人口や高齢化率が変化するか確認し、自らの定住目標(定住組数)をたててみましょう。
東松山市人口ビジョン(2015)、滑川町人口ビジョン(2015)、嵐山町人口ビジョン(2015)、小川町人口ビジョン(2015)、ときがわ町人口ビジョン(2015)など