小田原市の入生田にある神奈川県立生命の星・地球博物館を見学し、『どうする?どうなる! 外来生物 とりもどそう 私たちの原風景』(A4版128頁、1,000円 発行:2014年7月)を購入しました。
『どうする?どうなる!外来生物 とりもどそう私たちの原風景』目次(PDF)
『どうする?どうなる! 外来生物』の一寸木肇さん執筆「外来生物と学校教育」(122~124頁)では、学校教育で教材となる動植物には、①観察や実験がしやすいこと、②児童が親しみやすいこと、③安全であること、④栽培や飼育がしやすいもの、⑤大量に手に入れやすいこと、⑥できる限り日本全国の学校で利用可能なことがあげられています。かつてのフナやトノサマガエルに変わって、「優れた教材」性があるゆえに、教科書でアメリカザリガニが取り上げられるようになった所以が書かれています。5年生の「動物の誕生」で扱われているメダカが生き残れる環境は少なくなってしまい、メダカに変る適当な教材がなかったために、ヒメダカや他地域のメダカが生きもの教材として利用されるようになってきたこと、最近になってようやく「生物多様性」の視点から「遺伝子の多様性」を守ることの重要性が気づかれて、「国内外来種」(「国内帰化種」、「分布を乱された在来種」)の問題が注目されるようになり、「飼育しているものは絶対に放流しないこと」と注意書きを入れている教科書もあることなども書かれています。
児沢の田んぼのメダカは近くの小学生の生きもの探しや東京からきたこどもたちの田んぼの学校で「自宅で育てて観察する」ために持ち帰られて来ました。今年も田んぼの学校の季節となり、いなくなってしまったメダカをどうしたものか思案しています。
『どうする?どうなる!外来生物 とりもどそう私たちの原風景』目次(PDF)
口絵 身近な外来生物図鑑岩殿満喫クラブは児沢で子どもたちの田んぼ体験活動を支援しています。子どもたちに人気のある生きものは、メダカやアメリカザリガニですが、メダカは昨年春から田んぼの水路、ビオトープ池から姿を消してしまいました。メダカ愛好者が増え、メダカが農産物直売所などでも簡単に買えるようになって、メダカを売って商売にしているのかなと思える人たちが、児沢の水路や池でメダカを一網打尽にしていましたが、いなくなった原因が採集による「持ちだし」によるものなのか、生育環境の変化によるものなのか不明です。
第1章 外来生物総論
外来生物ってなんだろう?
外来生物をめぐる法律
水辺は外来生物だらけ
奥山にも外来生物がいる
バラスト水問題
身近な外来哺乳類
ここはどこの国?日本の空を舞う外来鳥類
遠くからやってきた爬虫類と両生類
身近な外来魚
身近な外来昆虫
カタツムリのなかまの導入種
博物館周辺の身近な外来雑草
タケノコは外来生物!?
淡水魚の安易?な放流
ペット昆虫にご用心
第2章 外来生物が引き起こすさまざまな問題
沖縄の外来水生動物の現状
小笠原の外来種問題
ニホンザルを脅かす外来サルたち
オオサンショウウオの現状
淡水魚の遺伝的撹乱
国内導入による遺伝的撹乱~ホタルの問題~
第3章 外来生物対策の現場から
外来種の駆除とその副作用
アライグマ根絶計画~神奈川県の根絶対策~
富士山麓に定着したカナダガンの対策
侵略的外来種ウシガエルが水生生物に及ぼす影響と排除の効果
バス駆除への取り組みとその成果、問題点
侵略的外来種アメリカザリガニの駆除
第4章 外来生物の新たな知見
外来鳥類ワカケホンセイインコ
愛知県で最近定着した外来種-タイワンタケクマバチ、ムネアカハラビロカマキリ、ムシャクロツバメシジミ-
止まらない侵入 ニューフェイスたち~リュウキュウベニイトトンボの関東への定着~
国内外来種としてのカブトムシ~よく知られた昆虫が引き起こす問題~
名も無き渡航者“(ピロピガ)”
るろうに、アリ
まだまだ増える?園芸由来の外来植物たち
木になるナスビ!? -侵略を始めたナスの大王-
スーパー外来植物!? ナガミヒナゲシ
進化しつつあるアノールトカゲ~形態学的にみる外来種~
ブタクサ・オオブタクサ・ブタクサハムシの侵入から見えてくる植物と天敵の進化プロセス
カエルツボカビ
第5章 とりもどそう私たちの原風景
外来生物と学校教育
学校と外来生物
教材としての外来生物
授業の中での外来生物…外来生物教材の有効性
外来生物教材の問題点
外来生物教材のこれから
どこをめざす?私たちの自然
外来生物の関連情報
■コラム
河原も外来種でいっぱい
アメリカザリガニとウシガエルの日本への導入の背景
東京港海上公園の昆虫たち
こんなところでも外来種?
止まらない侵入:セミまで定着
『どうする?どうなる! 外来生物』の一寸木肇さん執筆「外来生物と学校教育」(122~124頁)では、学校教育で教材となる動植物には、①観察や実験がしやすいこと、②児童が親しみやすいこと、③安全であること、④栽培や飼育がしやすいもの、⑤大量に手に入れやすいこと、⑥できる限り日本全国の学校で利用可能なことがあげられています。かつてのフナやトノサマガエルに変わって、「優れた教材」性があるゆえに、教科書でアメリカザリガニが取り上げられるようになった所以が書かれています。5年生の「動物の誕生」で扱われているメダカが生き残れる環境は少なくなってしまい、メダカに変る適当な教材がなかったために、ヒメダカや他地域のメダカが生きもの教材として利用されるようになってきたこと、最近になってようやく「生物多様性」の視点から「遺伝子の多様性」を守ることの重要性が気づかれて、「国内外来種」(「国内帰化種」、「分布を乱された在来種」)の問題が注目されるようになり、「飼育しているものは絶対に放流しないこと」と注意書きを入れている教科書もあることなども書かれています。
児沢の田んぼのメダカは近くの小学生の生きもの探しや東京からきたこどもたちの田んぼの学校で「自宅で育てて観察する」ために持ち帰られて来ました。今年も田んぼの学校の季節となり、いなくなってしまったメダカをどうしたものか思案しています。