前樋管の上流右岸にあるレンガ造りの水門です。上用水の水位が上昇して前樋管の通水能力を越えた時、樋管入口の鋼製ゲート(A)を上げます。水は矢来門樋󠄀の下流左岸にある上がヒンジで固定された板(フラッグゲート)の樋管出口(B)を通り、下流の矢来用水に排水されます。
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前樋管についてもフカダソフトさんの『気まぐれ写真館』の「前吐樋管」を閲覧して下さい。

 土木学会では、幕末以降、西洋の近代土木技術が導入されてから第二次世界大戦頃までにつくられた土木施設のうち、現存しているものを近代土木遺産と定義し、全国調査を行っています。その結果、全国で約2,300件が確認され、それらをまとめた「日本の近代土木遺産-現存する重要な土木構造物2000選-」が2001年に、『日本の近代土木遺産(改訂版) 現存する重要な土木構造物2800選』が2005年に出版され、その後も毎年、推薦および一般公募により、年間20件程度の推奨土木遺産を選出されています。例えば2010年には幸手市の権現堂川用水樋管群が選ばれています。東松山市内にあるレンガ造りの水門群も近代土木遺産として保全されていくことを願っています。

竹林征三、島谷幸宏、天野邦彦 「歴史的土木文化遺産の評価と保存の考え方」 (『土木史研究』15、1995年、289-298頁)

宍戸勇気、深堀清隆、窪田陽一、三ツ畑紀子 「埼玉県に現存する煉瓦水門の景観特性と歴史的印象」( 『土木史研究』26、2006年、267-274頁)