台風18号の影響で昨晩から雨が降っているので、外の作業をよして内田正吉さんの『減るバッタ 増えるバッタ -環境の変化とバッタ相の変遷-』を読みました。9月3日、新宿小学校3年生の市野川応援隊を支援した時、吉見の百穴前の市野川の河原にバッタがたくさんいるのに気づき、どんな種類がいるのか確かめてみたくなりました。内田さんの本を先に読んでしまいましたが、河原でバッタを採集してみます。

内田正吉『減るバッタ 増えるバッタ -環境の変化とバッタ相の変遷-』((資)エッチエスケー、2005年12月、141頁、1,200円)

はじめに

第1章 バッタが減っている
 減った半自然草原のバッタ
  クルマバッタの減少が意味すること/高度経済成長とバッタの減少/クルマバッタの生息環境/再進出のきざし

 山地草原のバッタとなったイナゴモドキ
  寒冷地のバッタ/標本による分布調査/東京産のイナゴモドキ/同じ場所にすんでいたバッタたち/半自然草原としてのススキ草原/牧による草原の維持/草葺屋根の材料/土地利用の変化とススキ草原の減少/姿を消していった草原性の昆虫たち

 二種のイナゴの栄枯盛衰 -ハネナガイナゴはなぜ減ったのか?-
  水田のバッタ/コバネイナゴの生息地/水田以外の生息地/乾燥した草原にも生息/ハネナガイナゴの過去の記録/ハネナガイナゴの生息環境/分布記録の杜絶と殺虫剤散布/追い打ちをかけた乾田化/人と昆虫との関わりの変容/均質化された水田/湿性草原に生息するツマグロイナゴ/重ならない分布域

第2章 増えているバッタ
 マダラバッタは開発とともに?
  分布域の広いバッタ/戦前は東京では稀/海岸付近での採集例/埋め立て地からの記録/泥質の潟が本来の生息地か/東京湾の埋め立て地/内陸部への進出/急増する記録/2タイプの生息環境/埋め立て地との共通点/河川敷の造成と分布拡大の関係/内陸部への浸入のストーリー/クルマバッタとの違いは?

第3章 すみかから見えてくるバッタの素顔
 ショウリョウバッタはなぜ「ハの字型」なのか?
  脚を開いて止まるバッタ/ショウリョウバッタモドキとの区別点/ショウリョウバッタの生息場所/意外なところに/ショウリョウバッタの餌場/複数の葉に体重分散?/ショウリョウバッタが優先する理由

 縦じまの複眼が意味するもの
  生息地が局地的なバッタ/生息地の特徴/バッタの多様性が高い環境/高低二つの群落を使い分ける/複眼が縦じま模様である意味/セグロバッタの生息環境/局限される理由

 カワラバッタと河川の増水
  石ころだらけの河原に生息するバッタ/意外に長い発生期間/生息地の特異性/台風前夜の観察/カワラバッタの生息地予測/カワラバッタが減ったわけ/砂利採取の影響/荒川での砂利採取の歴史/大規模ダムの影響/カワラバッタの食性/トンボの翅を食べる/気になる荒川のカワラバッタの今後

第4章 河原とバッタ
 荒川に沿って
  荒川の昆虫調査/バッタ調査のメリット/調査方法/各調査地の概要/荒川本流を5区に分ける/バッタにも適合する区分け/独自性の高いA流区/丘陵地のバッタが多く見られるB流区/乾燥草原を好む種が多いC流区/広分布型のバッタが多いD・E流区/多様な環境をもつ中流域

 利根川のバッタ
  利根川のバッタ調査/河川敷の環境の相違/荒川との類似性/単調か環境の下流域/荒川との相違点

第5章 バッタから見える地域の環境

おわりに

参考文献

高度経済成長、都市化・開発の中でバッタの生息環境の変化、河原や草原の減少、その中での新たな生息地の拡大など、丹念な文献調査と標本調査から明らかにされており、一気に読了しました