麦刈り 『新編埼玉県史 別編1 民俗1』(埼玉県、1988年)364頁
麦刈りの時期は、大麦と小麦とでは多少異なる。早くまく大麦は5月下旬から6月上旬、小麦は6月中旬から下旬、7月に入ってから刈るところもある。「麦は十七を刈れ」といわれるように、カリシンはまだ少し青さが残っているうちである。この麦刈りの適時について、「ちょうなっ首になるからシンだ」(嵐山町菅谷)とか「穂のもとに青い粒が3粒あるうちがカリシン」(皆野町下田野)という判断をしている。
 麦は鎌(かま)を用いて刈るが、種類は草刈りなどに用いる薄刃の鎌が一般的で、稲刈りに用いる鋸鎌(のこぎりがま)は麦刈りには使用しなかった。
 刈った麦は、大麦の場合はすぐに束ねず、カッポシあるいはヨコボシ(横干し)などといって、畑で数日乾かすのが普通である。秩父地方ではハデと称する稲架(はさ)にかけて乾燥させる家もある。小麦は刈るそばから束ねて家に運び、納屋や軒下などに一時保管しておく。
※鎌の種類と地域別(『ホウネンミヤキ』の「鎌/地域別案内」)