麦刈りと麦上げ  『小川町の歴史 別編 民俗編』(小川町、2001年) 289頁 執筆:高木文夫さん
麦刈りと麦上げ 大麦の麦刈りは、6月中旬~7月に行い、ほかの麦より早く刈り入れをする。そのあと裸麦、小麦の順番に刈り入れて行く。麦の色が黄色に変わると麦刈りになった。小麦はよく乾燥させて熟したのを鎌で刈り取る。
 梅雨時は、暑い上に雨が降ると麦が腐り始めて大変なので、天気待ちの晴れをねらい刈ることになる。天候が悪く乾燥しないと黒くなる時もあり、その場合は脱穀しても実が少ない。
 畑地の麦刈りは、間作のサツマの茎を切らないように、鎌を右とか左にうまく回して刈り取った。一方、田麦の刈り取り後には、すぐに田植えの準備としてタホリが始まる。
 刈った麦を、その日のうちに大きな束にし、車が通れる所は牛車で、それ以外はショイバシゴに背負って家に持ち込み、縁側や物置に穂合わせをして積み上げる。穂合わせとは、一段目の麦の穂を上に立て、二段目は穂を下にするので、上下の穂が重なる摘み方である。家に持ち込んだ麦は、野外での乾燥が不足していると蛾がいっぱい集まって来るという。麦の借り上げ後は、田植やカイコが忙しいので刈り上げの祝いをした家は少ない。しかし、高見では麦刈りの終日の夕方、白い米と鰯(いわし)か秋刀魚(さんま)などの魚を買いウチテマ(内手間)の家族だけで祝った。また、下横田では大麦の刈り上げ・扱き上げの合同祝いとしてカテメシ(混ぜご飯)を食していた。