ちょっぺ傘」、「ござ合羽」と聞いて、傘や合羽の仲間だろうとは予想できても、それが何なのかわかる人は少ないでしょう。ことによると、「合羽」(かっぱ)がわからないかもしれません。
嵐山町(らんざんまち)古里(ふるさと)の大塚基氏さんの文章です。
   ちよつぺ傘とござ合羽
田植えの時期になると、農協から田植え用品の注文がありました。その中の注文のメーンがちょつぺ傘とござ合羽でした。
ちょっぺ傘は、弁当のおむすびやまんじゅうなどを包むときに使った木を薄く削って作ったひげっかわのような材料を2センチ巾ぐらいにしたもので編んだ、三度傘とはちょっと違う、真横から見ると三角形の形をした、頭にかぶる帽子と言おうか雨よけの傘です。
ござ合羽は、藁蓑の代わりに作られたもので、敷物のござの上の方を半円形切り取って背負ったときに首が入るように作られ、表面に雨が染み込まないようにビニールシートを張ってある蓑です。頭にチョッペ傘をかぶり、背中にござ合羽を着た姿が、私の子供の頃の田植え時の五月雨よけのスタイルでした。
そのスタイルも、ビニールの雨合羽の普及により何時しか消えてしまいました。そして、伝統の萱や稲わらで作った蓑と、ビニール雨合羽の狭間で使用された雨合羽であるござ合羽は、存在さえも忘れられようとしています。
頭にかぶるものを「」、頭上にかざすものを「」とつかいわけるなら、「ちょっぺ」ではなくて、「ちょっぺ」ですね。

東京都の多摩では、「ござ合羽」を「ショイタ」と呼んでいたようです。

※ショイタ 多摩市史叢書(9)多摩市の民俗(衣・食・住) (1994年) 47頁~48頁 執筆:山崎祐子さん
   ショイタ
 農作業のとき、雨よけ、日よけのために身につけた。ゴザの一部に切り込みを入れ、肩から腰あたりまでを覆う。雨が浸み込まないように、裏側には、油紙が縫い付けてあった。ショイタはキゴザともいう。その後、表側にはビニールをつけたショイタになった。
 ショイタは、背中の部分しか覆うことができないが、前かがみになって仕事をするには十分であった。動きやすく、着ていて涼しいので夏の農作業には重宝であったという。戦後になって、ふだんの生活ではレインコートが定着してからも、夏の田畑ではショイタが見かけられたようである。戦後は、油紙ではなく、ビニールを裏側に張ったショイタが用いられた。
 ショイタは、作り方が簡単なので、自分で作ることもできたが、ほとんどは買っていたようである。
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   チョッペ傘をかぶり、ござ合羽を身につけて農作業をしているのを見たことがありますか。