豆腐作りに不可欠な、大豆のタンパク質と反応させて豆乳を固めるために加える凝固剤には、にがり(粗製海水煙火マグネシウム)、にがり(塩化マグネシウム)、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムがあります。

にがり(粗製海水塩化マグネシウム):海水を濃縮して塩を採取した後の残液が苦汁(にがり)です。海水の成分から塩の成分を除いたのが苦汁(にがり)の成分ということになります。塩には海水に含まれるほとんどの硫酸カルシウムと、多量の塩化ナトリウムと、少しの硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウムが析出し、苦汁には 海水に含まれていた塩化ナトリウムの少量、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウムの多くが残っています。苦汁を豆腐づくりに使うと、マグネシウムイオンが豆乳のたんぱく質を固めることによって、大半の塩化マグネシウムと硫酸マグネシウムが分解されます。そして苦味は薄まり、塩分が残ったニガリ分といっしょに、豆乳の甘味や旨味を引き出します。苦汁は大豆の甘みを引き出し豆腐のうまみを増しますが、温度にデリケート、即効性があり豆乳の凝固反応が早いので、使いこなすには技が必要だといわれています。

にがり(塩化マグネシウム):海水から精製。精製度が高く他のミネラル分が残っていません。

硫酸カルシウム:科学的に合成。保水力が高いので、薄い豆乳でも固まり、豆腐製造業者の間ですまし粉と称して広く使われています。

グルコノデルタラクトン:でん粉から合成。保水力が高く、豆乳の中に入ると、徐々にグルコン酸が生成され、豆乳を固めます。固まる速度がゆっくりでつかいやすいので、機械による大量生産に向く。濃度の薄い豆乳でも固まり、絹ごし豆腐や充填豆腐によく使われます。


消泡剤
 水に漬けた大豆をすりつぶして煮ると、大豆成分サポニンの作用でたくさんの泡で出ます。泡そのものは無害ですし消泡剤を使わなくても豆腐はできますが、泡の発生を押さえ作業をしやすくするという効果の外、濃度や火の通りが均一な豆乳ができる、きめが細かく滑らかな豆腐が作れる、弾力のある豆腐ができるなどの理由で使われる「加工助剤」です。パーム油、グリセリン脂肪酸エステル、シリコン樹脂などがよく使われています。