ケバエは、ケバエ科と思っていましたが、昨日の市民の森の作業の時、『日本大百科全書(ニッポニカ)』(2001年、677頁)の解説を見せてもらいました。

フルカ ふるか / 古蚊 march flies
昆虫綱双翅(そうし)目糸角亜目原カ群フルカ科Bibionidaeの昆虫の総称。従来はケバエ(毛蠅)とよばれたが、系統上の取扱いから改称された。小形から中形のカに似た昆虫であるが、性的二型の発現が顕著であり、雌雄によって、頭部の形状や体の色彩が異なる。雄では複眼は大きくて合眼的で、頭部全体は大きく球状であるが、雌では複眼は小さく、離眼的であり、頭部全体は小さい。雄は黒色で、雌では赤褐色の種類がある。触角は短く、8〜16節、小腮鬚(しょうさいしゅ)は4節。はねは透明または煤(すす)色を帯び、縁紋は明瞭(めいりょう)、亜前縁脈は長くて一直線に伸び、前縁中央よりも外方で終わる。径分脈(けいぶんみゃく)ははねのほぼ中央から分出して分岐せず、中脈は2本のみ。はねの臀角(でんかく)はよく発達するが、はねの基部後方の翅片などは発達しない。脚(あし)は長く、腿節(たいせつ)は太い。脛節(けいせつ)末端には距棘(きょきょく)がある。成虫はしばしば群飛する習性がある。幼虫は有頭のウジで、気門は10対、各節に短い突起がある。落葉の中やその下の土中に生息する。[伊藤修四郎]

従来はケバエ(毛蠅)とよばれたが、系統上の取扱いからフルカと改称された
というのです。

綱:昆虫綱 Insecta
目:双翅(そうし)目
亜目:糸角亜目
群:原カ群
科:フルカ科

従来は、ウィキペディアのケバエの解説によれば、

綱:昆虫綱 Insecta
亜綱:有翅昆虫亜綱 Pterygota
下綱:新翅下綱 Neoptera
上目:内翅上目 Endopterygota
目:ハエ目 Diptera
亜目:長角亜目 Nematocera
下目:ケバエ下目 Bibionomorpha
上科:ケバエ上科 Bibionoidea
科:ケバエ科 Bibionidae

とあり、下位分類として、「伝統的には、ケバエ科はケバエ亜科 Bibioninae と トゲナシケバエ亜科 Pleciinae の2亜科に大きく分けられるが、他に Hesperininae 亜科を認める主張もある[3][4]。また、トゲナシケバエ亜科を独立の科(トゲナシケバエ科)として扱うこともある[5]ほか、Hesperininae 亜科を独立の科(ヒゲナガフルカ科)とすることもある。」と述べられています。

「フルカ」の項目のある『日本大百科全書(ニッポニカ)』は、2001年の出版です。ネットの記事では現在、「フルカ科」派は少数派で、あいかわらず「ケバエ科」派が多数派のようですが、実のところ、どうなのでしょうか。

※過去のケバエの記事:11月15日の記事11月11日の記事10月26日の記事